ニューヨーク郊外に住むシングルマザーのステファニーはブログを運営している。ある日々クラ
スに息子を通わせるエミリーに誘われて豪華な邸宅を訪ねることになる。事故で夫を失い、保 険金を切り崩しながらっ子供を育てている朗らかで気立てのいいステファニーと、スランプに陥 ってる作家の夫・ショーンと愛し合い華やかなファッション業界で働くどこか気怠くミステリアスな エミリー……。ある日エミリーは息子をステファニーに預けたまま行方不明になる。
ラストにそれぞれのその後が出てくるところから、実話かもしれない。
終身雇用を求めて公務員になった男がリストラの対象になったことから巻き起こる騒動を描
き、イタリアで大ヒットしたコメディ。終身雇用の仕事について安定した生活をおくるという子供 のころからの夢をかなえ、15年前に公務員になったケッコ。しかし政府の方針で公務員が削 減されることになり、ケッコもその対象になってしまうそれでも公務員の職にしがみつこうとする ケッコをどうにか退職に追い込みたいリストラ担当者は……。
レンガ職人のリチャード・ラビングは、恋人のミルドレッドから妊娠したことを告げられ、大喜
びで結婚を申し込む。時は1958年、ここバージニア州では異人種間の結婚は法律で禁じら れていた。だが、子供のころ出逢って育んだ友情が、愛情へと変わっていったリチャードとミル ドレッドにとって、別れるなどありえないことだった。二人は法律で許されるワシントンDCで結婚 して、地元に新居を構えて暮らし始めるが、夜中に突然現れた保安官に逮捕されてしまう。 20
「ティエウとトゥオンの兄弟は、いつも一緒の仲のいい兄弟。思春期を迎える12歳の兄ティエウ
は、近所に住む少女ムーンが気になっているが、うまく思いを伝えることができない。そんなあ る日、ムーンが家の不幸から兄弟の家に身を寄せることになる。しかし弟とばかり仲良くする ムーン。ある誤解からティエウはトゥオンにひどいけがを負わせてしまった。寝たきりになったト ゥオン。トゥオンに申し訳ない思いと本当のことを親に言えないティエウはムーンに嫌われてい ると思ってしまう」
ベトナム映画と言えばトラン・アン・ユン監督だが、そんなに小難しくはない。ベトナム版「小さ
な恋のメロディ」か。でも主軸はムーンとの恋物語でなく、あくまでティエウとトゥオンの兄弟愛。 ケガを負わされても兄をかばうトゥオンのけなげさ。歩けなくなったトゥオンをかいがいしく世話 するティエン。トゥオンはおとぎ話を信じており、「お姫様が来た」と言い出す始末。「頭見てもら ったほうがいいぞ」と言いつつ、謎のお姫様を探し出すティエウ。ラストも兄弟のこれからを期 待させるいい終わり方だった。韓国みたいにやたらエモいわけでなく、サラっと描いているとこ ろが逆にさわらかでよい。
2009年1月15日、極寒のニューヨーク上空850メートルで155名を乗せた航空機を突如襲
った全エンジン停止事故。160万人が住む大都会の真上で制御不能の70万トンの機体は高 速で墜落していく。近くの空港に着陸するように管制室から指示がある中、機長サリーはそれ を不可と判断し、ハドソン川への不時着を決断。事故発生からわずか208秒の事だった。航 空史上誰も予想しえない絶望的な状況の中、技術的に難易度の高い水面への不時着を見事 に成功させた。
クリント・イーストウッド監督トム・ハンクス主演。
貧困層が暮らすパリ郊外のレオンブルム高校の新学期。様々な人種の生徒たちが集められ
た落ちこぼれクラスに、厳格な歴史教師アンヌ・ゲゲンが赴任してくる。「教師歴20年教えるこ とが大好きで、退屈な授業はしないつもり」という情熱的な彼女は、歴史の裏に隠された真実、 立場による物の見方の違い。学ぶことの楽しさについて教えようとする。
実話。1980年の光州事件時ドイツの記者が取材のためソウルから光州へ行こうとする。ひょ
んなことから彼を客にしたタクシー運転手はのんきだったが、光州へ入るとまるで戦争のような 状態に仰天する。
ドイツ人記者は祖国に帰ってから光州事件を報道。世界に報道された。この時の運転手を
探しているが、いまだ見つかっていない。
実話に基づいた物語。エクアドルでの罪のない休暇がサンドラ・チェイスにとって一転悪夢とな
った。チェイスは身に覚えのない麻薬密輸容疑で投獄される。しかし娘のタミーは、あらゆる困 難に立ち向かい母の釈放を求めて奮闘する。
無実の罪で外国で投獄されるほど恐ろしいことはないな、と思わざるをえない。先進国であれ
途上国であれ言葉の通じない国で投獄されたらどんなことになるか。この場合は娘が諦めず に動いてくれたからよかったが、諦める家族もいるだろう。家族でなければ事件として報道され ても忘れ去られるだけ。そんな危険のない国に旅行にいくことにしよう、と思った。
娘の死から立ち直れずにいる元ソーシャル・ワーカーが、母親によって16年間家に監禁され
ている女性のケースに関わることで、また本領を発揮する。実話に基づいた物語。
いわゆる毒親。自分の理想からそれる娘を監禁し、教育と称して虐待する。こういう極端なこと
も実際に起こってしまうのがアメリカ。自分を失ってしまうくらいの虐待とは考えるだに恐ろし い。
ラップランドに住む14歳のエレ・マリャは妹と寄宿学校へ行くことに。成績のよいエレ・、マリ
ャは進学を希望するが教師から「あなた方サーミ人は文明的な脳ではない」と言われる。
サーミ人は白人である。白人が白人を差別する。黒人ならなおのことだろう、と最近のアメリ
カ暴動を見るにつけ思う。日本も人のことは言えない。スウェーデン人がサーミ人を差別し自 分たちの文化を押し付けるのを見て、アイヌ民族に対する日本人の仕打ちを思わずにはいら れない。どこの国でも見るべき映画なのではと思った。
ヨセフはテルアビブ(イスラエル)で暮らす18歳の青年。兵役に就こうと受けた健康診断で、1
8年前生まれてすぐ湾岸戦争の混乱で病院で取り違えられたことが発覚。もう一人の青年は 高い壁の向こうで暮らすパレスチナのアラブ人だった。
宗教も人種も違うことから本人はもちろん家族も大いに悩む。両親は取り換えたがっている
が、本人たちが今の生活を捨てることにためらいがある(当たり前…)。なかなか難しい問題だ が、二人を取り巻く環境の違いも見どころ。
49歳の女優レニーは人生の絶頂で、アルツハイマーを患う。恋人のエバが戸惑うばかりだっ
たが、今どうすべきかを共に悩む。
つい自分だったらと考えずにはいられない。考えても答えは出ないのだけれど。レニーは自
分が遺伝によりアルツハイマーになる可能性があることがわかっていた。だから慌てないのだ が、準備することはできない。最後には施設でエバもわからなくなってしまっていたレニー。どう しようもないことだからこそやるせない。
ユアン・マグレガー ナオミ・ワッツ ライアン・ゴズリング
さっぱりわからん。何がサイコ・スリラー?豪華な俳優陣がもったいない。
パニック障害を持つサラは家から出られない。姉のジーナは医者に直してもらうべきだとレズ
ニック医師をサラの家に呼ぶ。診察の日、サラが目覚めると夫のマークがいなかった。夫の失 踪の謎を調べるサラ。
舞台がすべてサラの家であることに鍵が。赤ん坊はいつ失ったのだろう。それにしても字幕
がおかしい。機械翻訳か?
さっぱりわからない。字幕がめちゃくちゃ。機械に翻訳させたんじゃないだろうか。
主演女優が日本の女優永野芽郁そっくり。戦闘シーンが長くて辟易。アンソニー・ウォン以外
知らない俳優ばかり。清朝末期の女革命家とウィキにあった。
すごく陰気なうえにわかりにくい。原作読んでないと思うがエーレンデユルという名前に見覚え
が……別の作品を読んだのだろうか。
アイスランド、レイキャビクで一人の老人が頭を殴られて死亡。老人の過去を調べていくと別
の事件が浮かび上がった。謎が謎呼ぶミステリだが、時系列でないので全くわからん。
ただの嫁姑戦争かと思ってちょっと中だるみしかけたころに、衝撃の結末が待っている。「懲役
25年の刑。シャーリーン・ポダタスは今も偽名で暮らしている」という字幕がでて、これまた衝 撃の実話だったのだ。(’92年カナダであった事件)
反抗的だったギリーがトロッターさんになつくのが唐突。時間がないから仕方ないかもしれない
が。ギリーの母親役がどこかで見たことあるような、わからない。最後は絵にかいたようなハッ ピーエンド。トロッターさんが「ハッピーエンドなんてない」って言ってたけれど、最高のハッピー エンドではないだろうか。 20
ダコタ・ファニング ダイアン・レイン
7年前乳児誘拐事件でアリスとロニーの11歳の少女たちが逮捕された。二人は7年刑に服し
少年院を出た直後、3歳の少女ブリタニーが家具店から何者かに誘拐された。
「乙女の祈り」でもあったが、この二人は不仲なのに一緒に罪を犯す。そこには母親の存在が
あった。子煩悩でよその子にも優しいアリスの母親は一見していい人だが、子供や教育に対し て固定観念を持っていた。母親の下で育ったアリスが受けた影響とは……。
見たかもしれないが、話が地味で途中で寝たかもしれない。
神父による児童虐待事件をグローブ紙が記事にする。日本人にはスクープってほどでもな
い。宗教的に親近感のない事件。
原作朝井リョウ 佐藤健 有村架純 二階堂ふみ
つまらなくて寝てしまった。顔面偏差値だけじゃ見てられん。
イーサン・ホーク アマンダ・セイフライド
時間の無駄。
アニメだったとは。大人向けアニメ。
シアーシャ・ローナン主演。
メアリー・スチュワートの物語。史実に沿っていたと思う。
イギリス、ニューカッスル。心臓発作で足場から落ちたダニエルは役所に給付金を申し込みに
行くが、そこに立ちはだかるのは何重にも審査のあるややこしい手続き。果たして彼は給付金 を得ることができるのか?
お役所仕事はどこの国もこうなのだろうか。最期にダニエルは自分が求めていたのは敬意
ある態度だと言い残す。自分は犬じゃない、国民保険番号じゃない、人間なんだ、と。
アンソニー・ホプキンス コリン・ファレル
連続殺人事件に手を焼いたFBIのジョンは2年前引退したジョー(アンソニー・ホプキンス)に協
力を依頼する。ジョーは予知能力の持ち主だった。
アメリカ・ミズーリ州の冬。原住民の居留地から10キロ離れた雪原で少女の遺体が発見され
た。森林保護局員が捜査にやってきたFBIのエミリーを補佐するが、調べていくうちに浮かび上 がる閉塞した社会での鬱屈。少女に何があったのか。
ミステリというか謎は突然回想シーンで明かされる。アメリカは広いからこういうことがあって
も…というより日常茶飯事であるのだろうな…と思うとやるせない。
生まれつき顔に障害を持つ少年は自宅学習を続けていたが、両親は一大決心をして息子を
学校へ通わせることにした。当然起こる好奇の目にいじめ。少年は覚悟していたとはいえ疲れ 果てる。しかし少年の覚悟が周りを動かしていく。
少年が学校へ行くことで家族の間にもさざ波が起きる。姉は親友とうまくいかず、両親は意見
を戦わせることが増える。それでも少年の持っている障害を思うと、自分で処理するしかない のか。家族の成長物語でもある。
実はまだ見ている最中だったりする。原作を読んだはずなのに全く覚えていなかった。
映画は小栗旬や北川景子が出ているのだけど、宣伝を見た覚えがまったくなかった。
で、まぁ別にこれといって感動もなく…北川景子きれいだなー、くらいのことしか。
これは、なかなか説明しづらいので気になった人は見るに限る。見て損はないと思う。ゾンビ
嫌いの私ですら、ホーとうなった。そうきたか。そう来る映画だったのか、と。「時間のムダ ー!!」と怒りだすことはないと思う。でもマジホラーと思ったらダメですな。なんだろう?と思っ てみるのが一番正解なのでは。
そうそうスマホを落としただけでも、データ流出しちゃうだけでこんな恐ろしいことになるのよな。
ってしたり顔していってみたが、自分はこうはならない。困る写真はないから。でも知り合い全 ての情報(住所・電話番号)などが入っているから自分より他人に迷惑かけてしまうな。しかし なんでみんな裸の写真なんか入れとくの……。
インターネットの世界の恐ろしさよ。ほとんどパソコンの前しか映らないのだが、事件はどんど
ん進んでいく。それで物語を引っ張っていく構成はたいしたものだ。ラストが意外性がなくてガッ カリだったけど。
「震える舌」のように音をたてさせないことで緊張感をあおるホラー。スティーブン・キングのよう
に緊張感半端ない。でもそりゃ無理だろというシーンもあって…。最後もスッキリしない。
カンヌ受賞作と思ってたらやっぱり肩すかし。最後が尻切れトンボになるのが是枝流なのか。
私には合わない。
宮沢りえ主演。末期がん患者の役がピッタリはまってた。子役が熱演。というか最近の子役す
ごいな。
長い話を2時間に縮めてるからか早送りで観てるみたいに展開が早かった。
例の事件の映画。そりゃスルーされるわ。でも日本人は日本人キャストを使い和太鼓やら日
本文化をいい加減に表現したりせず日本人の中にもいい奴をだしたりと残虐性だけを全面に 押しだしたりはない。だから余計リアルかもしれない。リウ・イエがさっさと殺されたが何の意味 あるのか。日本人キャストも知らんのばかり。内容が内容だけに出演者も断る人多かったのか も。最初の「犠牲者三十万人に捧ぐ」という文言がなかったらもう少し評価できたかもしれん が。あくまで三十万という数字にこだわるのね。だから日本もそこに突っ込みを入れて無かっ たことにまで持って行こうとするのでは。
アル・パチーノ、アンソニー・ホプキンス、イ・ビョンホン出演
ビョンホニーだけ浮いているというかいらん役。オチはちゃんとついているが全体的に魅力の
ない話。
またゾンビ…(笑) 結局最後がわからなかった。
ゾンビ映画だった。どうせ主人公だけは助かるんでしょー、とハリウッド的に考えてたら違っ
た。さすが韓国映画。ラストは一ひねりしてあった。
トム・ハンクス監督・主演。セールスマンのアランはプレゼンの為にサウジアラビアへやって
来たが、担当者や王の不在で仕事が思うようにはかどらない。背中にできものがあり、病院へ 行くとハキムという女医が手当てにあたったが…。
よくある人生いつでもやり直せますよ的な映画。舞台をサウジにする意味は何だ。こんなの
本当に興行成績みこんで作ったのだろうか。全くウリがない。
イギリスへベビーシッターの仕事に来たグレタ。引き合わされたのは8歳の人間等身大の人
形だった。夫妻は旅行へ行き、グレタは館で人形と二人きりになった。するとドレスや靴やネッ クレスがなくなるという現象が起きた。配達員のマルコムとブラームス少年人形と向き合うグレ タ。ところがグレタを追ってDV夫が館に乗りこんできた。
結局、ブラームスは生きていたのか。壁の中から出てきたマスクを付けた青年は何者だった
のか。火事で死んだというブラームスは顔に酷いヤケドを負ったが生きていたのか。「不思議 な少年だった」の一言で青年の存在は片づけられない。不思議と言えば不思議な映画。
関東の人のほうが面白いんだろうな。千葉VS埼玉っていうのはわかるけど、細かい地名(春
日部とか)になると何がおかしいのかわからなかった。でも壮大な茶番劇としては面白かった。
ある喫茶店のある席に座ると好きな過去に戻れる。しかし起こってしまった事実は変わらな
い。
この現実は過去をやり直しても変わらないと言うのがファンタジーにしてはピリっとコショウが
効いている感じで、ただのご都合主義になってないところがよかった。
薬師丸ひろ子の妻が認知症になり自分の夫に「だって、私あなたの事知らないもん!」という
ところは他人事ではないなぁとちょっとゾッとした。自分はともかく相方がいつまでも元気でいて くれる保証はない。考えたことも無かった。ダメになるのは自分が先だといつも勝手に思ってい た。でも、もししっかりしてる方がダメになったら……ダメ×ダメ夫婦はどうなるんだろうか。
それはともかく、過去に戻るシーンがきれいでよかった。そこは原作とは全くイメージが違う
のだが、ここは映画の方に軍配をあげたい。出演者が全員美形なのもよかった。
東野圭吾原作。若手検察官二宮、吉高とベテラン木村の対決。多分長編を短くした為か全て
のエピソードが寸足らずの感じ。さすがに演技はよかった。
週に一本という訳にはいかなかったなぁ。しかも3つ星は一つもない。huluにいい作品がないと
いうのも確かに一因ですぞ。折角入ったのに見たい映画がないってのは。しかも映画は最低1 時間半以上は時間とられるので、その分読書しておいたほうがいいのでは、とつい映画より本 に手が伸びてしまうのですな。来年はもっと観たいと思います。
デンマークでベストセラーの実写化。原作は面白いのだろうが、映画ではちょっと詰め込みす
ぎた感じがする。一足とびに犯人にたどり着くのが安易。犯人が子どものころに母親を殺し無 罪放免になったんだろうか。その辺があいまい。北欧の位置関係というか力関係、言葉の関 係がわからない。犯人は「ノルウェー語を話せた」というのも一つの鍵だったが、アジアの小国 の人間にはわかりづらいヒントであった。
ただのエロ映画ではないのだろうけど、何が言いたいのかわからない。「小さな泥棒」以上にわ
からない。ただ主人公の女の子がふしだら、ってだけで終わってる。もっと思春期の心情を描 いてあればよかったのだけど…。
主人公ロバート(デンゼル・ワシントン)が最強すぎて物足りない。もう少しピンチとか何故そ
んなにつよくなったかのエピソードがあってもよかったかな、と。アクションばっかじゃ飽きる。
高校生たちの青春物語。まぁ可愛らしいといえば可愛らしいんだけど、ジァーイーとコートン
は両想いなのに何故に付き合わなかったのか。そこが、理解不能。お互いを強く想う時がびみ ょーにずれせいた。でも好きでも無い奴と付き合うよりは自分のことを好きで自分も憎からず 想っているのなら、やはりつきあえばよかったのに、と思ってしまう。原作・監督九把刀で、主人 公は後に作家になったというのだから、九把刀の自伝的小説なのかもしれない。
ホラーかと思ったら、ちゃんと筋はあった。
よくわからない。
盛り上がりがない。葬式に始まり葬式に終わる。綾瀬はるか、長沢まさみ、夏帆、広瀬すず
の4姉妹が華やかだったというくらい。映画目録作ってるんだけど…前に見てたわ…全然覚え てなかった。
見た事あったような。実は後半寝てた…。
レニー・ゼルヴィガー主演。「エスター」みたいなホラーだった。
マーロ(シャーリーズ・セロン)は幼い2児を抱え3人目を妊娠中の母親。兄や夫の口ぶりから
は昔はデキたキャリアウーマンだったらしい。何もかも完璧を求める自分だったのに、妊娠子 育てにかこつけて何かと手を抜いてしまうマーロ。長女はおとなしいものの長男はアスペなの かこだわりが強すぎて学校から追い出されてしまう始末。しかし医者にはなにも障害はないと 言われ、校長室に呼び出されたマーロは「どうしていいかわからないのはこっちよ!」と切れ る。3人目出産後は忙しさに拍車がかかる。見かねた兄夫婦が夜だけベビーシッターを雇って はどうかと提案するも、他人を家にあげるのを嫌がるマーロ。しかしついに根を上げ、夜だけシ ッターを雇うことに。そのシッターの完璧さに驚くマーロ。昼間も上機嫌に。マーロの変化に喜 ぶ夫や兄夫婦。ところがシッターのタリーには秘密があった…。
2週続けて劇場に。映画の予告編にヤラれたんですが。シャーリーズ・セロンは「モンスター」
「スタンド・アップ」などスカはないと思ってたんだけど、これは…DVDスルーでよかったような。 95分と短いけど長く感じましたよ。
今年は本数は少ないながらもよく劇場には行ったと思う。やっぱり時々は大画面でスカっとし
たいと思うときがあるんですねー。これはちょっとスカっとには程遠かったけど。
原作の方を読んでいたんだけど、忘れてしまった。多分ラスト意外はこの通りだったかと。
後妻業とは竿士の逆である。老人狙いの美人局。という特段面白いという事も無さそうなん
だけど、この本が出た一年後くらいに、本物の後妻業の女が逮捕された。まるで本が予言して いたようだ、と話題になっていた。
あとは大竹しのぶの怪演である。普段からは想像もつかない早口でしゃべる、けだるそうに
大阪弁をしゃべる、さすが女優、と思った。
単純に面白かった。小栗旬も「まーきのっ」を受け入れていて笑ったし、神楽の「1000年に
一度のアイドル」が鼻ほじってるとか。まぁ後にはなにも残りませんけど、笑いに徹する映画も 珍しいのでいいんじゃないでしょうか。
VFXがすごい。もちろんそれ目当てで行ったんだけども、3Dっていうほどのものでもなかっ
た。もっと画面から恐竜が飛び出てくるのを期待していたんだけども。ストーリーは予定調和な もんで全く面白くはない。しかもCGにお金かかったからか無名の俳優陣。吹き替えで観たんだ けど、玉木宏と木村佳乃はすぐわかった。他に特筆すべきはないですな。
「竹取物語」とか「かぐや姫」とか言われている日本最古の小説が原典。誰が書いたんだろうな
ー、本当に。普通に面白い話だと思う。当たり前すぎて大部分忘れてたので、こういう話だった な、と思いだした。声優は上川隆也だけわかった。絵は帝のあごの長さにわらった。しりあがり 寿が描いたみたいで(笑)
何かと話題になってましたが、やっぱり青春ものはおばはんにはわかりませんわ。自分の青
春時代思い返してもそんなに面白かった記憶もないし。ってか本当にほとんど記憶ない。
ストーリーは荒唐無稽な話だなーと。なんで3年というズレがあったのかわからんし。
おしゃべりな女の子が父親の浮気現場を見てしまうが、小さすぎてそうとは思わず、母親に
見てきたことを話してしまう。それがきっかけで両親は離婚。父親が家を出て行くときに、ひきと めようとした女の子だったが、父親に「おまえは本当におしゃべりだなぁ…全部、おまえのせい じゃないか」と呟かれ、それ以来しゃべろうとするとお腹が痛くなってしまうというトラウマの持ち 主が主人公成瀬。高校生になった成瀬の学校で学祭があり、出し物にミュージカルが提案さ れる。実行委員になってしまった成瀬に協力的なクラスメートもいればそうでない者もいる。うま く発表できるのか?!
というとちょっと違うかなぁ…粗筋ヘタクソですみません。要するに青春ていーなーという話で
す。
ストーリーは悪くないんだけど、ミスキャスト。キャストで犯人わかっちゃうっていう…。見てな
い方のために明言は避けますが…○○がただの○○なわけないだろー!!
ひどい…誰が何のために作った映画なのか…。
田舎から職探しに出てきた女の子がタイプライターの早打ちコンテストで奮闘する話。まぁそ
れだけなんですわ。タイプライターって重いだろうなぁ、と思ってしまった。音もうるさいし。指の 筋肉は鍛えられそうだ。
父親を殺した容疑で息子のマイケルが容疑者に。警官の前で「もっと前にこうするべきだっ
た」とつぶやいたり、凶器のナイフにはマイケルの指紋がベッタリ。逃れようもない状況のまま マイケルは自分がやったと認めた後は何もしゃべらない。弁護士のラムゼイは何とかマイケル を助けようと奔走するが…。
マイケルのだんまりの理由とかラムゼイがマイケルを助けようとする理由など、最後にどんで
ん返しのどんでん返し。へー、なるほどね、というくらいでしたが。
今年初の映画が2月になってしまいましたが…今年も無理せず1週間に1本くらいの割合で
見て行けたらなぁと思います。
1985年一家惨殺事件の謎を生き残ったビリー(シャーリーズ・セロン)が調べる。犯人は兄
のベンということにされて。もう28年服役中していた。ほんとうの犯人は誰なのか。あの日何が あったのか。
汚いかっこしててもシャーリーズ・セロンの美しさは隠せませんな。そこだけ光り輝いているよ
う。ストーリーの運びも良かったと思います。結末を意外に思うか、納得するかに別れると思う けど、私は納得できました。ベンの服役が鍵なのですが、その理由にも納得。ただ、タイトルど おり終始暗い画面で、見にくいのが難でした。
星野源のエッセイ読んで、自分ももうちょっと上手く作品を紹介しないと、と思いつつ、こんな
駄文しか書けないことにガックリ…(T_T)
映画の備忘録が出てきたので、よくよく調べたら去年は4本観てました。
1.「アイズワイドシャット」(1999)トム・クルーズ、ニコールキッドマンが夫婦だったころの映画だ
と思うのですが、実は全く記憶にありません。
2.「シン・ゴジラ」アカデミー賞取っちゃったんですよね。長谷川博己が「怪獣映画が取っちゃっ
ていいのか…」とうろたえてたのが面白かった。
3「この世界の片隅で」アニメですが主人公すずの声をのんちゃんがやってたとか。内容は戦
争ものなので泣かされますが、見て良かったと思う映画でした。
4.「黄金のアデーレ」第二次世界大戦ナチスが各国から巻き上げた美術品の返還を求めて奮
闘する話だったような…。クリムトの絵だったと思います。クリムト嫌いなんでやっぱりよく覚え ていないです…。
2017年。ほんとうに地上波放送の「シン・ゴジラ」以外今年は映画観てないです。あっという間
です。映画の時間は読書に潰えました。huluに入ったのが裏目に出たかも、です。というのも見 たい映画がhuluの中にないので、自然に映画から遠のいて行きました。huluは海外ドラマは多 いですが、映画は古いものが多く、昔を懐かしんで…という目的でもない限り映画鑑賞にはお 勧めできませんね。今は中国ドラマの「宮廷の諍い女」を見ています。面白いと評判だったので すが、「美人心計」と大差ないなぁ。「Bones」は相変わらず面白いですよ。あと日テレは翌日上 がってくるので録画予約しなくてOKですしおすし。来年もこんな調子だと思います。
サボッっているわけではなく、本当に今年に入って映画は見てません。時間返せー!的なもの
があまりにも多く、さらにやらなきゃいけないことも増え、2,3時間テレビの前に座っていられる 余裕がなかった。というわけで、今年も8カ月過ぎようというところですが、どうしても見たい映 画は自腹で映画館へGo!そうでないものはDVDを待つ!ということにしました。
ちょっと説明が難しいストーリー。日本の漫画が原作らしいです。なんかガンツとかそんな匂
いもする。トム・クルーズ主演。他は誰一人知らなかった。
ディズニーにしては面白かった。内容はやはり子供受けなのだけど。
なかなか迫力があって、次から次へ難問がでてきて楽しめました。さすが東野圭吾原作。で
も…長い…。もっとテンポよくしてくれたら…というのが唯一の不満かな。
原題「What Meisei knew」。6歳のメイジーの母親は有名歌手、父親は絵画商で両方とも留守
がち。離婚する際に双方が親権を主張し、結果「10日間ずつ交代で」メイジーの世話をするこ とに。この時点でピンポンじゃないんだから、と腹立たしくなる。以前から子守りをしていたマー ゴという女性はメイジーの父親の再婚相手となり、母親にもリンカーンというミュージシャンの新 しい恋人がいた。両親は自分の仕事優先で、結局10日すら面倒見切れずお互いのパートナ ーにメイジーの面倒を見させることに。
わがままも言わず、両親の言う通り夜中だろうと学校だろうと引っ張り出され、振りまわされ
るメイジー。両親は「愛している」と口では言いながら、ろくに面倒をみない。もうネグレクトレベ ルである。しかしそれを哀れに思いメイジーを連れ出すマーゴと母親の恋人リンカーンも誘拐 すれすれである。パッケージのこちらを見るメイジーの目が「やれやれ、大人って…」という表 情に見える。
1921年1月。アメリカへ移住者を乗せた船が着いた。エヴァとマグダ姉妹はポーランドから
アメリカに住む叔母を頼りやってきたが、マグダは病気を患っており、治るまで6カ月収容所に 留められる。エヴァは税関まで来たものの、アメリカの住所が怪しいという理由で送還されそう になる。たまたま居合わせたショーパブのマネージャーがモノになりそうな女性を物色してお り、エヴァは頼み込んで送還を逃れる。
一日前に見た映画のほうが壮絶だったので、これはこれでいい話なんだけど、やはり比べて
しまう。しかもタイトルに告白と言う言葉があるが、特にそういったシーンはないので(原題 「THE IMMGRANT」)、「あなたに――」のほうが「告白」というところは合っているような。
結論としては美人はどこ行っても目立って大変なんだな、ということ。
原題「The secret life of words」。イギリス郊外の工場で4年間無遅刻無欠席で働くハンナは
1カ月の有給を与えられる。降ってわいた休暇にどうしようかとカフェで悩んでいると、居合わ せた客が携帯電話で急きょ看護婦を必要としている話しを聞き、即座に申し出る。北海油田の 孤島のようなところで事故で重度のやけどを負った労働員の世話を引き受けたハンナ。自分 のことを話さないハンナに事故で一時的に視力を失ったジョゼフは話しかけ続ける。海の孤島 のような場所で皆が言えない秘密を抱え、孤独を必要としていた。
可愛らしいタイトルに惹かれて見たのだが…重い、重いです!ここから先ネタバレあります。
最初に女の子の声でナレーションが入る。その声の主が最後に分かった時、のほほんと見
ていた観客に戦慄が走るだろう。ストーリーの最後の方で自分のことを話さなかったハンナが ついに重い口を開いた。それは凄惨を極める戦争被害者の告白だった。最終的にジョセフと ハンナは別の土地に移り住んでめでたしなのだが。ハンナの顔はやはり優れない。二人の息 子に恵まれ、経済的にも豊かそうなのにコップの水を飲んではどこか茫然とした表情のハン ナ。最初の女の子のナレーションが始まりまたも衝撃の事実を告げる。
なるべくネタバレなしで粗筋書いてみたけど…。意図せず、最近見た映画や本が戦争がらみ
が多い。この映画でもたった30年前の出来事である。それもその後のコソボやクロアチア人 がどういう生活をしているのか、など全く情報がない。多分都合の悪いことは忘れて戦争はど こでも現れる。そして犠牲になるのは庶民なのだ。
ナチス占領下のポーランド。ユダヤ人はゲットーに押し込められていた。人々は飢えていた
が、何より欲しているのは情報だった。ジェイコブがラジオでもうすぐ戦争は終わると聞いたと いう小さな嘘から、情報に飢えている人々が次々ジェイコブの元に殺到する。
在りし日のロビン・ウィリアムズ主演。話の展開は「ライフ・イズ・ビューティフル」に似ている。
ラストが特に。わかっていても泣かされてしまうんだな。
戦後、アメリカに帰国したネイティブの青年が、めまいや頭痛を訴える。検査しても異常がみ
られないことからPTSDと診断され、精神科医に通うことに。
ベニチオ・デル・トロがネイティブ役。サンドウィッチマンの冨澤に似てるなーと思った。
ある中年夫婦がアメリカから養子を迎えるため、ハイチまでやってきた。業者から7歳の女の
子を引き取った夫婦。しかしその養子が誘拐されてしまう。
ジョン・キューザックが悪役で好演。とはいえ、最後はあっさりすぎて肩すかし。こういう詐欺
事件が実際にあるのかもしれない。
まったく時間のムダでした。最近いい映画に出会えてないなぁ…。
実話らしいが、当人のことは全く知らない。ただ18世紀の英国貴族の暮らしを知りたけれ
ば、いい材料だと思う。ここでも後継は男の子。女王陛下の国なのに、貴族の後継は男なんだ …。キーラ・ナイトレイ演じる侯爵夫人は5回妊娠2回出産、さらに前夫人の子の継母という過 酷な状況。私なら愛人に産ませろ!と言ってすぐ離縁してしまうなぁ。でも最後は侯爵と愛人で あり親友であったエリザベスが再婚するように、と言い残して世を去った。できたお人だなー …。
短い分話はトントンと進むんだけど、主役二人の感情がブレブレで。
ちょい悪オヤジ3人組に暴行を受けたカップルが自分たちで復讐しようと試みるが…。
粗筋は上記1行で足ります。その後カップルの女は絶対復讐する!と息巻くものの、いざとな
るともういいや…的な。最後には女を止めてた男の方がノリノリで復讐する。さりとて復讐し終 わった男の顔もスッキリしなかった。
つまらなすぎて内容を忘れてしまった…。
ホラーも好きじゃないなぁ…。
ダニエル・ラドクリフ君主演。彼が悪いわけじゃないけど、あの可愛いハリーがねぇ…と彼を
見るたび思わずにはおれない。この映画自体は悪くないと思うけど、私自身ファンタジーが嫌 いなので★2つです。
なんだこれ?時間返せ!という久しぶりの駄作。
メリル・ストリープとジュリア・ロバーツのセリフの応酬がすごかった。吹き替えで見ることをお
勧めします。
メリル・ストリープのぶっ壊れた母親っぷりが流石大女優と思わせてくれます。最後の爆弾発
言はアメリカならではかな?
初っ端から、設定がわかりにくく、最後までよくわからなかった…。
「ダ・ヴィンチコード」「天使と悪魔」に続く三作目。
ラングドン教授がフィレンツェ、ベネチア、イスタンブルを所せましと駆けまわる。しかし、やは
り1作目を超えるのは難しい。
1作目はちゃんと歴史というか美術品になぞらえて進んだけど、2作目はバチカンのコンクラ
ーベの裏側とあまり興味ないとこが…。3作目に至ってはいきなり細菌テロ。しかもそうとわか るのに時間がかかって、ダンテの「神曲」になぞらえて進む…といってもこじつけ感がすごい。 多分長い話を要約して2時間に抑えないといけないからか、ドタバタ忙しくすればするほど、こ っちは追いつけない。最近よくやる、前編後編にしてもよかったんじゃないの、と思ってしまっ た。 ’16/10/28
コメディもたまにはいい。見た後はいいけど、後に何も残らないんだよな…。
なんのこっちゃ…。
名作と言われているタラちゃん監督。私にはよくわかりませんでした。
冒頭でハゲを一生懸命隠しているのがクリスチャン・ベールだったとは…。ハゲだわ腹は出
てるわ…。ストーリーは前日観たものとよく似ている。ので、どっちがどっちだったかわからなく なってきた。ただしこっちは実話らしいけど。エイミー・アダムスとジェニファー・ローレンスが美 しかった。それしか印象残らないくらい長い!詐欺の話はトントンすすめてくれないと…映画の 中でも「登場人物が多すぎる」と言ってる通り。わかってるんじゃないか…。
チンピラ、マフィア、汚職警官が最初は手を組んで強盗を計画するのだが、計画を実行に移し
ていくたび、番狂わせが起き、お互いが裏切ったり疑心暗鬼になったり…最後に金塊を手に入 れるのは?!という話。
チンピラが主役なんだが、ユアン・マグレガーがザコキャラなわけはない。最後まで残るのは
この二人だろうと早々に予測がついてしまった。多分記憶にも残らないだろうなぁ。ユアン・マグ レガー以外知らない役者なので…。
タイトルのNARCとは麻薬取り締まり捜査官だそうです。最後まで観ても意味わからんかった
んでググってみました。
潜入捜査官を殺され、二人の刑事がケンカしながら犯人を追う物語。物語の中でも核となる
のは、荷酷な刑事の仕事。安月給なのに体を張って、命をかけて犯罪者を追わなければなら ない。おかげで夫婦の間もギクシャクしてしまう。
お久しぶりで腹の貫録がすごいレイ・リオッタがプロデュースまでしてる。前日に見た「ジェニ
ファー8」とごっちゃになって何が何やら…。よくよく思い出したら全く違う話だったけど、「ジェニ ー」と本作はとにかくヒゲヅラが多くて、それも一つの要因かと…。小汚い服、ヒゲヅラ禁止にし てくれないかな。
主役はアンディ・ガルシア。被害者の友人で盲人訳にウマ・サーマン。ストーリー的には面白
かったけど。最後の復讐がよかったな。
ロンドン・ケニントン区の民生係ジョン・メイの仕事は一人で亡くなった人の葬儀を執り行うこ
と。身寄りがなかったり、遺族・関係者が葬儀に参加しなかったり、ジョン一人で葬儀をすること も少なくない。ある日ジョンの向かいの一人暮らしの男性が亡くなった。ジョンは亡くなったビリ ーの人生を追う旅にでる。
大ヒットも分かる気がする。それくらい死ぬ時は一人だろうって思ってる人が多いのかもしれ
ない。自分もそうだ。子供はいない、近所付き合いもない。家で倒れても誰も気づかない。私よ りもっと孤独な人もいるだろうが、孤独を楽しめるのも健康あってこそだ。
ジョン・メイはささやかな幸せを得てハッピーエンドかと思いきや…まさかの事故死。彼の葬
儀には皮肉な事に参列者はいなかった。しかし一人、二人とかれの墓地に集まってくる人々。 この世ならざる者だが、彼の仕事は多くの人の魂を救ったということなのだろう。
韓国で暮らす一家(祖父、父、母、娘)は幸せを絵にかいたようだが、大きな秘密を持ってい
た。家の中に入れば立場は一転、上司と部下。彼らは北朝鮮から来たスパイだったのだ。
もう北朝鮮絡みのお涙ちょうだいものはいいよー、と思いつつ泣いてしまうラストシーン。最後
にミンジが出てきたことが北朝鮮のスパイ達の良心だと信じたい。
原爆を扱った漫画に「夕凪の街桜の国」というのがありましたが、そんな感じ。でもこの映画
はハッピーエンドだったのでこちらの方が後味がよい。
原爆から3年後、ある火曜日から金曜日までの4日間の話。美津江の前に原爆で死んだは
ずの父が現れる。図書館で働く美津江は原爆の資料を尋ね歩く青年と出会ったことから、「恋 の応援団長」と言って父は美津江にアドバイスをする。うるさがる美津江とおせっかいな父のや りとりは漫才みたいで微笑ましい。
美津江(宮沢りえ)と父(原田芳男)の二人で繰り広げられる会話劇。二人の広島弁のやりと
りは本当の親子のように楽しい。父は娘が作った幻想なのか、娘の下へ現れた幽霊なのか。 やはり前者でしょう。娘は自分が生き残ってしまったことの罪悪感から、幸せになってはいけな い、と思い込んでいる。311の後、そう思った人も多くいると聞いた。最後の「おとったん。ありあ とね」は娘が生活の変化を認める言葉だと思った。
「白雪姫」を下敷きにしたスペインの映画。それもモノクロ、サイレントと凝っている。しかしサ
イレントはいいけど、白黒にしなくても。スペインの豊かな色彩が見たかった。
人気闘牛士の娘カルメンシータは、生まれてすぐ母を亡くし、継母に虐げられて育つ。継母の
策略で命を落としそうになったカルメンシータは逃げ、途中「小人闘牛士団」に助けられる。女 マタドールとして行く先々で人気を得るようになる。
なんてことない話なんだけど、ラストが見る者に波紋を呼ぶラストというか。あの最後をどう読
みとるかという謎を最後に映画は終わる。自分の解釈ではハッピーエンド…と思いたい。
これは驚いた。ナチの幹部アドルフ・アイヒマンの裁判記録。本物のドキュメンタリーだった。
ヒトラーの自殺後、チリジリに逃げた幹部らだったが、南米で発見されたアイヒマンはイスラエ ルへ連行され裁判を受ける。約1年後死刑判決により絞首刑。
しかし延々実際の裁判の映像が続くだけで、ここがハイライトというシーンもなければ、特に
演出されたところもない。いきなり終わるし。折角の映像なのだからもう少し、なんとかならなか ったのかなーと。
中世を舞台にしたミステリー。とくれば「薔薇の名前」ですが、これもそんな感じで。ストーリー
は悪くないんだけど、とにかく全編暗い。中世ヨーロッパのどよんとした空気を見事に表してい る。だからいいだんけど、ストーリーに感動するところも何もなく…。日本では公開されなかった のもむべなるかな。イギリスでは有名どころを揃えているのだけど、私が知っているのはウォレ ム・デフォーだけでした…。見ても見なくてもいい作品。
ジョシュは7歳の男の子。公園のチェスゲームを見て興味を持ったジョシュは両親の後押しも
あって、メキメキ頭角を現し、コーチをつけてもらって本格的に大会に参加しては優勝していっ た。天才チェス名人ボビー・フィッシャーの再来と言われ、父親が期待していることが却ってプ レッシャーになったジョシュ。「もし負けたら…」不安は現実になった。しかし父親は「やめたいな らやめていいんだ」と。父の期待に改めて答えたいと思ったジョシュは自信を取り戻し、大会 へ。
今回は文句なしの3つ星。そんな古い映画とは知らなかったが。これも実話がベースになっ
ており、ボビー・フィッシャーもジョシュ・ワトキンソンも実際の人物。昔の画像も出てきて面白か った。行方不明だったボビー・フィッシャーは一旦復活したものの、また姿を消したという。名人 とは孤高でなければいけないのだろうか。
「事実に基づいた物語」と最初にあった。
警察官ドリューは人当たりの良さで評判の男。しかし家庭では妻に浮気を気付かれ不和が
続いていた。愛人が妊娠したことをきっかけに、ドリューは離婚、愛人と再婚。しかし実はこれ が4度目の結婚だった。3人目の前妻が急死。そして4人目の妻は行方不明に。さすがに警察 も動き出した。
いかにも人のよさそうなドリューをお久しぶりのロブ・ロウが好演。しかしラストは予想どおり
の「4番目の妻は今も見つかっていない」で終わった。
主演・中谷美紀 三浦貴宏 片桐はいり 余貴美子 伊武雅人 神戸を舞台にした話…なん
だが、地味な話…地味すぎる…。でも知ってる場所が出てきて確かに嬉しいのだが…全員標 準語ってありえんだろう…。中谷美紀の店兼自宅が川西にある郷土館だったそうで、両方知っ てるとやっぱり嬉しい。でも神戸も川西も知らん、という人には面白くもなんともないと思う。
マジシャン4人によるフォー・ホースメンはマジックで銀行から大金を強奪する。それを追う刑
事とインターポールから派遣された刑事。華麗なマジックとトリックで警察をけむに巻くホースメ ン。彼らの目的とは?
なかなか楽しかった。折しも2が今公開中で思わず見に行こうかと。しかしマジックの鮮やか
さもちょっとうまく行きすぎで、全体的には「んなアホな」的展開。無理な展開がまるでルパン三 世。
ちょっと水をさすと、インターポールの主な役割情報の供給だけで、実際に捜査員などはいな
いらしい。つまりルパン三世の銭形のとっつあんなど存在しないらしい。まぁいいのか…?
「ミザリー」系のサスペンス。最後には「えー…」としか思えなかった。原題は「a good
marriage」観ている者の予測をことごとくひっくり返す、予測不可能なドラマはいいと思うのだ が、夫が実際に手を汚しているシーンはないので…妻というか女の方が予測不能で恐ろしい、 と思った。
ダニエル・クレイグの007は前2作と3部作ということで、今回が最後とか。実は今までの00
7は観たことないので、自分にとってジェームス・ボンドと言えばこの人だなぁ。最高のアクショ ンとスケール感で、これぞ映画!という。次は誰がやるんだろう?次こそスクリーンで観たい。
う〜ん、1は面白かったのに…寝てしまった。1時間しか観てないけど、あ変わらずお下劣で
した。
原作が「このミス」にランクインしただけあって、すごく期待してたんだけども…。
1950年代のソ連。レオは孤児でありながら、順調に成長し、国家保安部に勤めていた。子
供が惨殺される事件が起こるが、理想郷において殺人は存在しない、という訳のわからない理 屈によって、事故と処理される。
当時のソ連は密告社会で警察なんて役に立たない。しかしレオは独自で捜査を始める中、
妻にスパイ容疑がかけられ、レオは左遷される。しかしその地でも、やはり同様の手口で子供 が惨殺される事件が起こる。レオは保安部にマークされつつ、やはり事件を追う。
ノオミ・ラパス、ゲイリー・オールドマンしか知らないし、思ってたような事件でもなく、史実かど
うかもわからず…あまり興味あるストーリーじゃなかった。
これは…パッケージといい、タイトルといいレオ様の「シャッターアイランド」のパクリじゃないで
すか。それもオチまで同じとは…。だからこの邦題なんだろうか。タイトルでネタバレしまくって いるじゃないか。
「シャッター・アイランド」×「フライト・プラン」。孤島で主人公の5歳の息子が行方不明となり、
当然探しまくるんですが、謎が謎を呼んで…という。子供からは目を離しちゃいけませんよ、と いう教訓でしょうか…船の中で子供が消えたら、そりゃ海に落ちたと考えられるよね。それを受 け入れない母親は怪しい人物を次々見つける。自分の子とは何の関係もなかったのだけれ ど。彼女にできたことが、なぜ1年前に子供を誘拐されたと信じてる母親にできなかったんだろ う?
なかなか面白かった。CG技術もすごい。飛行機で観たのだけど、「殺センセー」が「Mr.
Octopus」になってたのが笑えた。
ジョディ・フォスター監督、ジョージ・クルーニー、ジュリア・ロバーツ主演。テレビの金融情報
番組の司会者リー・ゲイツ(ジョージ・クルーニー)は派手なショーと得意の話術で番組を盛り上 げる。ジュリア・ロバーツ(役名忘れた)はその番組の責任者。プロデューサーかディレクターか …私には違いがよくわからないが、カメラワークや音声、VTRなど全ての進行を担っている。 生番組放送中にカイルと名乗る男が侵入。リーに爆弾チョッキを着せ、自分の言い分を放送し ろと迫る。カイルは番組のあおり文句通りIBSという会社の株に手を出し、大損したという。
金融物は分かりづらいのだが、これはわかりやすかった。株に手を出し失敗したので、損失
補てんしろという男と番組の構成上購買欲をあおった司会者、株価大暴落の責任から逃げまく るCEO.と追う番組責任者。至極構成は簡単。爆弾というスリルも入れ、エンターテイメントに仕 立て上げた。展開も速いのでそれもわかりやすさにつながったかと。
テレビからの続きは映画館で!というヤツです。テレビの方も面白かったのだが、史実とは
だいぶ違っていたし、これも史実とは細かいところが違うのだが…誰も見てきた人間はいない のだから何が本当かわからない。よってこれもアリというところか。そうそう何人もタイムスリッ プする意味はよくわからないが。
言わずと知れたレオ様がオスカーを手に入れたヤツである。なので粗筋は省きます。
メイクと衣装でボロボロのレオ様熱演。こういうところを徹底的にやるのが流石ハリウッド。長
さも気にならなかった。
いくらなんでも主役の二人が14,5歳には見えん。やたら能年ちゃんのアップが多かったので
能年ちゃんの顔は覚えた。
いじめられっ子が登校途中、少女の飛び降り死体を発見してしまう。ほぼ同時に見つけた二
人の同級生とともに、3人はカウンセリングを受ける。少女は自殺で片づけられたが、3人は他 殺かも、と自分たちで調べ始める。
瑞々しい青春まっただ中の少年たちと亡くなった少女の孤独な生活が交互に描かれる。抒
情的でありながらも、ミステリあり、少年たちのやり場のない想いなど、個人的には気に入っ た。とりわけ孤独な美少女がよかった。ミステリとしてはどうかと思うけど、青春の眩しさの前に そんなものはどうでもいいのだ。
監督も少女役の女優も日本が好きで、好きな監督は岩井俊二だと…そこが自分とは合わな
いと思ったが。
舞台は1980年、スペインのアンダルシア。美少女姉妹が失踪。二人の刑事が捜査に乗り出
すも、3日後遺体で発見。遺体には惨い拷問の跡が。そして更に美少女の失踪。連続誘拐・猟 奇殺人事件と断定した警察は関係者の話から取り調べを行う。何かを隠していそうな親や友 人たちの証言に振り回される刑事。徐々に明かされる少女たちの暮らしと秘密。刑事が真相 に辿りついた時、新たな謎が現れる。
やはり最近のスペインミステリは秀逸である。張りめぐらされた伏線がすごい。一部回収漏れ
もありましたが…。1975年スペインの独裁体制崩壊後というシチュエーションを知らずに見て も、私は楽しめると思うけども…。その時代背景を頭に入れてから見た方がいいというレビュー もあった。憲兵隊の刑事に対する冷たい態度がそれを表している、と言っても、この国ではそう なんだ、くらいにしか思わず本筋に関係はない。いいミステリだったと思います。ゴヤ賞受賞も 頷ける。
原作小説を読んだ時は、さすがにこれは映像化は無理だ、と思ったので、どうやって見せる
のだろうかと思ったら…。最後は小説と違っていたが、小説はあれでいいと思う。映画のほうは …小説未読の人はどう思うのだろうか。あまり書いてしまうとネタバレなのでやめておこう。ちょ っと納得いかなかったのだが…。
米軍隊の中で兵士の妻が惨殺された。強盗の犯行として片づけられたが、捜査官ジミーは
疑問を抱く。周りから協力は得られない、一人の捜査を開始する。
ストーリーはどうということもありませんが、主演がルー・ダイアモンド・フィリップスで被害者の
兄をジェイソン・プリーストリーというのはお久しぶりすぎてちょっと感動もんでした。それだけだ けど。
マンガが原作だから、内容はやっぱり漫画的。日本人は絶対しないようなオーバーリアクショ
ンに有り得ない舞台転換の速さ。細かいところは気にすんな!と言い聞かせて見ないと、「そ んなワケあるかい」で終わってしまう。こういうコメディは観た後なにも残らない。ところで能年ち ゃんは最近あまり見ないけど、どうしちゃったんでしょうか?
「ハングオーバー」の女性版といった感じ。アメリカのコメディを久々に観た。まぁまぁいいので
はないでしょうか。個人的にはヤク漬けの彼女が心配だけど。日本では大問題になっている し、ドラマや映画で使用しているシーンなんて流れたらメチャクチャたたかれそうだけど。アメリ カでは当たり前に使ってるよ〜んというように、毎回アメリカの映画には出てくる。こんなに温度 差があるんだなぁ、と主題と全く違うところに感心した。
パッケージから三角関係の話かと思いきや、いい方向に期待を裏切ってくれて案外面白かっ
た、ヒロイン・エマは美しい。ゲイ役のエズラ・ミラーも美しく違和感なし。主演の男の子は…役 どころ通り華がない。そういう役だからいいんだけどね。
社会問題も含み、主人公のトラウマがミステリの要素にもなり、なかなか見ごたえありまし
た。
5年も前に金城の映画がひっそりDVDになっていたとは…。主演は香港のアクションスター。ド
ニーさんは相も変らず飛び道具にも負けじとカンフーで敵をやっつけます。…まぁこの辺はいつ ものドニーアクションの見せ場でしょう。
肝心の金城の役どころがあんまりよくわからない。原題は「武侠」。これでよかったんじゃない
か、いやでも日本でリリースするからには金城を中央にもってこねばならない。ならばタイトル だけでも、ということか…。
今は昔の物語。田舎にひっそりと暮らす男は実はお尋ね者。金城は捜査官として男に目星
をつけるが、向こうの方が上手で捜査の手を何度もかわされる。あきらめない金城は警察を引 き連れやってくる。男はならず者集団の一味だが、今は引退しして家庭を築いていたのに、争 いに巻き込まれ、やがて殺し屋の本領を発揮してしまう。
ところでお正月に中国版「タイタニック」呼び声高かった「太平輪」(金城主演、長澤まさみ)は
どうなったんでしょうね…。
宮沢りえ扮する銀行の渉外パートが客の金に手を付けたのをきっかけに、どんどん横領を続
けると言う話。元銀行員の自分としては横領を続ける主人公にハラハラドキドキさせられた。
実際宮沢りえのやり方では1日でバレます。重要物は毎日検査しますからね。その上第三者
が再度間違ってないかチェックしますし。
そもそも仕事に理解あるダンナと裕福な暮らしして、自分もそこそ稼いで、何故横領に走った
のかがわからない。
でも大島優子扮する若い窓口行員のベテラン行員(小林聡美)に対する言葉にグサっとき
た。「あの年頃の行員にかかるコストが高いから、辞めてほしがっているんですよ」セリフは正 確にこの通りではなかったと思うが、何故に自分があんな目にあったのかわかった気がした。
前篇・後編みたいだった。正直面白いと思えなかったので、話もよく覚えていない…。
まずタイトルが悪い。「フライト・プラン」と「パニック・ルーム」(どちらもジョディ・フォスター主
演)を足して二で割ったような。飛行機のパニックものかと思ったら違った。いい意味で予想を 裏切ってくれて面白かった。キリアン・マーフィの演技もよかった。
正直何が面白いのかわからなかった…。三女の影が薄かった。
911に電話で助けを求める人々に応える通報指令室で活躍する人の話。ただ、救急車をよこ
したり、警察に連絡したりはするけど、その後どうなったのかは通報を受けた者には知らされ ないらしい。そこがイヤだと言う職員もいた。
話の展開が面白く、臨場感あっていいけども、最後が強引すぎる。ハル・ベリーがヒロインと
していい演技していたのでもったいなかった。
「瞳の奥の秘密」の主演男優と「永遠のこどもたち」の主演女優が共演。どちらも秀逸な映画
なので、さぞや…と期待したのが悪かったか…。出だしこそ悪くは無かったが、お国柄か警察 が誘拐と知っても、親が「警察は口を出さないでくれ」、と言ったらさっさと引っ込むし「身代金の 相場は十万だ」と助言したり。誘拐ビジネスが根付いているということか。
(注)ネタバレ
感想は一言。夫婦喧嘩でここまでするかー?!である。つまり妻が夫に離婚をOKさせるた
めの狂言誘拐。金に困っていた刑事一人を巻き込んで。子供たちが階段を使わなかったらど うなっていたのだろう?まず最初にそこを突っ込みたくなる。妻はスペインに帰りたいが、夫は スペインで事業に失敗して、アルゼンチンでなんとか持ち直したので離れたくない。妻の「スペ インなら安全に暮らせる」というところに驚いた。自分が旅行した中でヨーロッパでは随一の治 安の悪さだったからだ。それより悪いアルゼンチンって…。絶対南米だけは旅行に行きたくな いと思った。
どうした韓国。映画はいいものが多いのだが、さすがにハズレもあるか。全く面白くなかった
が、まさかのハッピーエンドには驚いた。
原題「PARKLAND」。ケネディが襲撃された後、運び込まれた病院の名前である。当時のこと
を忠実に再現しており、ドキュメンタリーみたいである。特に新発見や複数犯説を紹介している わけでないのでタイトル通りのことを期待すると多いに期待外れである。複数犯説ならケビン・ コスナー主演の「JFK」の方が詳しい。今作ではハーヴェイ・リー・オズワルドの親兄弟にも焦 点を当てている。確かにオズワルド自身は有名だが、親兄弟がどういう反応をしたかということ に考えが及びもしなかった。母親は死ぬまで息子はCIAに利用された、という説と訴えていたと 言う。兄は名前を変えて引っ越すことを勧められたが、拒否。オズワルドを名乗って同じ土地 に暮らしたという。何故タイトルが病院名かと言うと、ケネディが運び込まれた病院は数日後オ ズワルドが運び込まれた病院でもあり、スタッフも同じだったという皮肉からだそうな。勿論病 院はどちらも助けたかったが、両者ともほぼ即死なのだからどうしようもなかったであろう。医 師にザック・エフロン。州警察にビリー・ボブ・ソーントンと、何気にキャストも豪華であった。
リヴァー・フェニックスの遺作である。本人が急死したためお蔵入りとなったものの、監督が
一念発起し、なんとか完成させたという。正直、話はよくわからないんだけど、リバーの存在感 はハンパない。やはり彼の死は残念でならない。ということばかりに頭がいって、物語の終わり がどんなものだったかもはや忘却の彼方である。彼が生きていたらジョニー・デップの今の地 位はなかったのではないかと言われるほどである。私個人はそうは思わないが…。ジョニデは ジョニデで作品選んでると思うしな。舞台の荒涼とした砂漠地帯がリバーの心象風景と思えて ならなかった。
エイプリルフールの群像劇。「リーガル・ハイ」の脚本家によるオリジナルだそうで。ちょっとムリ
があるというか何故そうなる、という突っ込みどころは多い。最初の戸田恵梨香がうつぶせで ねっ転がっていもけんぴをぼりぼり喰っているところが一番納得できなかった。オチからすると ありえないので…。
オーストラリアのリゾートビーチが津波に襲われ、スーパーマッケトが半分水没。生き残った
店員と客は自力で脱出を試みるが、水中には人食いザメがうろうろ。
ジョーズみたことないけど、こんな感じかなーくらいの。CGがちゃちくって合成丸わかり。何人
もサメの餌食になっていくのだが、サメってそんなに大食漢なのかな…。生き残った人たちが 協力して助かるための方法を探るんだけど、元カレと元カノとか親子とか人間関係狭いんであ る。映画なんで仕方ないが。パニックものは長いとダレるんだなー。
犯人を無罪にするため弁護士やら検事やら裁判員が脅されるというよくある設定。この話で
は弁護士が娘を誘拐され、殺人犯を無罪にするよう脅迫される。
よくある設定だが、テンポよくストーリーが進み、犯人の目的がわかったときには、こちらもス
ッキリした。さすが韓国。映画だけは秀逸なんだよなぁ…。
ベースがアメリカを震撼させた実話ということだが、宗教色の薄い日本人にはあまり感動を
呼ばないのでは…。キャストといい、話といい、とにかく地味…。どこが白眉かわからんくらい 淡々と話が進む。エンドロールの前に実際に事件のあった教会の名前がズラズラ出てきた時 に、やっと「あぁ大変なことだったのだ」と実感した。
原作あたち充の最高傑作を映画化…とあったけど、やっぱり最高傑作は「タッチ」でしょ…。三
角関係とか、試合直前のライバルの交通事故とか、結局同じやん…と思ったり。あだち充の漫 画はコマからコマへの余白の多さが特徴なので、アニメにせよ実写にせよ、あの独特のテンポ は再現しにくいと思う。小さなすれ違いや小競り合いをちょっとずつ前進させながらのマンガな ので一気に2時間でみせようというのは無理があるような。
映画自体やはり原作知らないとわかりずらい。「タッチ」でもヒロインを演じた長澤まさみだ
が、やはり魅力不足で、主人公の速水もこみちは、もっと何が魅力でヒロインが惹かれるのか わからなかった。
イスラエル映画とは珍しい。イスラエルを描いた映画「ミラル」「迷子の警察音楽隊」は傑作だ
ったが…。
(注)ネタバレあり。イスラエル人ってこんなに暴力的なのかな…と思うくらい、すぐ殴るのであ
る。少女誘拐事件が起こり、学校教師である男に目星をつけた刑事は、教師を拉致監禁。本 当のことを言え!と殴るける。そこへ犠牲者の父親とその父親(少女の祖父)も加わり、拷問 大会。それでも口を割らない教師は本当に犯人じゃないんじゃないか…と思わせておいて…と いうどんでん返しありなんだが、とにかく拷問シーンが長くてウンザリ。ラストが「おおっ!」とい う感じで良かったけど、後味はよくない。
1991年に起きた実在の殺人事件。2006年時効が成立。3大迷宮事件の一つと言われて
いる。つまり犯人つかまってないのね。韓国にも時効はあるのか…。という単純な感想しかな かった。
イタリアで実際にあった留学生殺害事件がベース。ところが真犯人や容疑者を追うものでは
なく、事件を映画化しようと取材にきた映画監督が主役。この監督の個人的な事情や思惑で 話は進む。イタリアに留学しているアメリカ人女学生とイチャイチャしたり、まだ幼い娘とスカイ プでやりとりしては悲しくなったり。事件は横に置かれ、もちろん何の解決も無い。カーラ・デル ビーニュは美しかったが、他はどうということもなかった。
誰かが指摘していたが、北欧は福祉が手厚いはずなのに何故こんなことになるのか…?そ
の疑問は北欧の映画を見るたび自分も思う。この映画でもヤク中の夫婦(ド貧民)と刑事の夫 婦(ものすごく裕福)の子供を取り替える話なのだが、環境の落差に驚いた。そしてまともな人 が誰一人いない。汚物まみれの赤子だが、母親は愛情だけはあるらしく、取り替えられた乳児 を見て自分の子ではないと言い切る。刑事の妻は夜泣きに疲れ果て乳児の我が子を揺さぶり 殺してしまう。どっちもどっちで誰も救われない…。最後のシーンでやっと一筋の光が見える。
物語はよくできているのだが、なんだか見た後すごく疲れた。
「私の頭の中の消しゴム」でもあった若年性アルツハイマーがテーマの物語。アリスは大学教
授で3人の子供もそれぞれ独立し、夫と仲むつまじく暮らしているが、病が突然彼女を襲った。 当たり前のことができなくなる。自分が自分でなくなっていく恐怖。下手なホラーより恐ろしい。 うつ病の症状で一時的に記憶障害になった自分にはその恐怖がよくわかったので、それはも う恐ろしかった。映画だからかもしれないが、発病から進行が早い早い。転がるようにアリスは 自分を失っていく。早く医療が追いついてくれることを期待するしかない。ジュリアン・ムーアの 熱演がよかった。原題「STILL ALICE」の邦題もよかった。
アメリカでは大人気の女優らしいんだけど、まずそこから「誰?」状態で、知ってる俳優が誰も
無く、最後まで続く「誰?」状態。犯人出てきても「誰?」には呆れた。
(注)ネタバレ有り
記憶が一日しか持たない記憶障害を持つ妻クリスティーに朝起きると、夫のベンは自己紹
介、自分たちの関係、今日やるべきことなどの説明を始める、ということを4年間毎日繰り返し てきた。ある日、自分の記憶に疑問を持ったクリスティーは夫に内緒で精神科の治療を受け る。フラッシュバックのように蘇る誰かに襲われる記憶に悩まされていたからだ。
以前にも記憶を鍵にした映画「記憶の棘」で妻をニコール・キッドマンが演じてましたが、あっ
ちのほうがよかった。
サイコ野郎とはいえ4年間毎日世話をやいてくれたマイクは悪い奴ではないのではないか
…。そんな感想をもってしまいました。
(注)ネタバレ有り
アカデミー最優秀主演女優賞受賞の感動作!というわけで、劇場まで行ったんですが、どこ
で感動すればいいのかわかりませんでした。
物語の前半はママと5歳のジャックが置かれている状況。ママは拉致監禁され、子供を自分
で産んだらしい。その子どもがジャック5歳。ジャックにとってはこの部屋が世界の全て。で、後 半への転換点となる大脱走を試みて、見事成功!二人は保護され、アイツは捕まる。で、めで たし、とはならない。世間は二人を放っては置かない。それぞれに新しい環境に順応できなくて 戸惑う親子。ママの両親は離婚してたり(これがママにとっては大きな溝となる)、ジャックにと ってジィジ、バァバと言ったって他人。なかなか慣れない。ついにママは精神を病み、入院。子 供の方が順応性が高く、またバァバの再婚相手がなかなかいいヤツで、徐々にジャックは心を 開いて行き、友達と外で遊ぶようにもなる。外の世界をそれぞれに受け入れラスト抱き合う親 子、で終わる。
最近イヤミスの見過ぎ、読み過ぎなのかも。素直な大団円だと「で?」となってしまう。これで
いいんだよね、この物語は。突っ込みどころはないはず…。よく耐えたと思うよ「ママ」は。7年 も拉致監禁されて。ジャックも素直ないい子に育った。この映画の成功は5歳にしてあの演技 力の子役の力が大きい。顔が可愛いのは勿論、演技力もすごい。子役の落ちぶれっぷりがス ゴイと叫ばれている昨今、この子は素直に育ってほしいなぁ…。それを望むのは無理か。ハリ ポタでさえアル中、ヤク中とすごいものね。動く金が大き過ぎるんだろうなぁ、と脱線したけど、 いい映画でしたよ、感動はしなかったけど。
ワンシチュエーション、4人しかいない登場人物。これは舞台劇なのか?とにかくだからなんじ
ゃい、というセリフの応酬で何が面白いのか分からない。2大女優、ケイト・ウィンスレットとジョ ディ・フォスターが何故この映画に出たのか不思議。
芸人・鉄拳のパラパラマンガの映画化。別にどうということはないのだが、小西真奈美の死人
のような唇の色の悪さがすごく気になった。なんであんなに紫色なの?
「リプリー」「太陽がいっぱい」のパトリシア・ハイスミスの「The two faces of January」(邦題「殺
意の迷宮」)の映画化。舞台は1962年のギリシャ。一組のアメリカ人夫婦がギリシャ在住のア メリカ人青年と知り合う。夫をヴィゴ・モーテンセン妻をキルスティン・ダンスト。ヴィゴ・モーテン センとわからずに見ていたけど、さすが怪しい魅力があって目が離せなかった。
最後のイスタンブルでの逃走劇は面白かった。けど、やはり何故今これを映画化?という疑
問が…。ハイスミス原作という以外に見どころはないようだった。ギリシャの遺跡はきれいだっ たが。
アメリカの探偵小説「マット・スカダーシリーズ」の映画化だそうで。原題「A Walk among the
tumbstone」。主人公マットはリーアム・ニーソン。「96時間」以来誘拐がらみのリベンジものが 板についているような。この映画の時代は1999年。2YK問題とか出てきて懐かしいな。しかし PCが古いし、携帯も普及していないし、ネットも普及していない。なんでこんな古いものを今更 映画化するのか?するなら現代に置き換えたらもっと面白いと思うのだが。古い小説を映画化 するのが流行っているのか、現代に面白いネタ元がないのか。この映画はこの映画で面白か ったですが。
原作漫画読んでないけど、漫画ってだけで全て許されるゆるい設定のアホな映画。CGやVF
Xが大変だったろうなぁと、アクションがすごければすごいほど制作者目線で観てしまう。思った よりコロセンセーの実写化が上手いと思った。むしろフツーの学校の先生よりよくできた先生と いう感じで、続編はなくてもいいと思ったんだけどな。
「ゴーン・ガール」でイヤなヒロイン・エミリーを演じたロザムンド・パイク主演。今作でも主人公
でありながら、やっぱりやな奴…というかどこか精神病んでる…。こういう役が上手いのか「ゴ ーン・ガール」でイメージがついちゃったのか。これもタイトルでネタバレしちゃってるようなもん じゃないですか。もうちょっと邦題考えてほしいなぁ。
1939年英国。第二次世界大戦中ドイツに苦しめられていたイギリスは、ドイツの暗号「エニ
グマ」を解読すべく暗号解読チームを結成させる。選ばれた数学者アラン・チューニング。彼の 数奇な人生を追った話。
ベネディクト・カンバーバッチ主演。これがシャーロックを彷彿とさせる変人。というか、当時A
DHDという概念がなかったのだろう。KYなところも人間関係に無頓着なところもまさにそう。2 1世紀にやっと彼の功績が評価され、隠されていた人生も明らかにできたという。イギリスって なんと黒歴史が多いことか…。
はてさて、自分が不思議に思ったのは、その難解な暗号エニグマを作った方の人間について
はいくら調べても出てこない。名前はわかるのだが、当人の人生とか功績とか、戦後どうなっ たかなどなにも出てこないのが不思議…。所詮ナチスだから名誉なぞ回復しなくてよろしいとい うことだろうか?
アラン・チューニングがいなかったら、スティーブ・ジョブズも現れなかったことだろう。そう思う
と世の中どうなっていたか…今の世界は考えられなかっただろう。それもいいかもしれないが。
不条理じゃないけど、話は全く分からない。でてくる名前やハリウッドへの皮肉、長回しカメラ
とかもうアメリカ人の玄人向けじゃないか、と。全く面白くなかった。
1996年チェチェン紛争。親を殺された9歳の少年ハジが村を出て彷徨ううち、国連の職員と
出逢う。少年の姉は赤ん坊の弟と共に親戚友人を頼りながら、ハジを探す。ニコライという普 通の青年がちょっとしたことで警察に捕まり、何故か軍隊に送られ軍人になる。3人の運命を 交互に移しながら物語は進む。
少年の顔がすごく物悲しい。背景の戦争はあくまで背景として描いていて、あからさまな反戦
映画ではない。何より普通の青年が戦争に巻き込まれ、次第に麻痺していき人殺しも厭わなく なっていくのはリアルだった。成るほど、普通は人殺しはイケナイ、と言ってても、こうやって戦 争に慣れて行くのか、と。
ただちょっと長いし、国連職員のジレンマと少年の交流というのが長すぎ。もうちょっとテンポ
よくしてもよかったかと。
オーストラリア映画初めて見た。SFチックなホラー。
看護師メアリーが再就職したのは人里離れた植物状態の患者ばかりを扱う個人病院。そこ
でパトリックという美青年が院長に電気ショック療法を与えられるのを見て自分もショックを受 けてしまうメアリー。何が目的かわからない院長とその娘の看護師長。植物状態の患者パトリ ックはサイキック能力がありパソコンでメアリーと会話し始める。
と、粗筋書いててもなんだかよくわからん。パトリックは確かに美青年でした。
サンドラはうつ病(?)で休職していたため解雇の危機に立たされる。職場復帰の条件として
16人の同僚に投票を行わせるという社長。サンドラかボーナスか。サンドラは月曜日の投票 前の週末、同僚の家を一軒一軒訪ね歩く。
しかしサンドラは夫と子供といい家に暮らしている。でもこれ以上ダンナだけの給料ではやっ
ていけない。市営団地に戻るのはイヤだという夫。なんとしても復帰して働きたい夫婦。サンド ラは一人一人に会うが、ボーナス(金)を取ると言いきる同僚を責めたり説得したりはしない。 そうか…、と肩を落として去っていく。「ごめんね」と謝る同僚に「いいの。同情はいらない」では 何が欲しいのか?気楽にピザを宅配し、夫が自家用車でサンドラを送る。どうもこの夫婦の生 活に切迫感がない。再就職は難しいのかもしれない。でも生活を切り詰めるとか他にやること あるのでは?タルデンヌ監督の今までの作品は社会の仕組みに抗えない弱者(子供や移民) を描いたものが多かったので、今回は大人であるサンドラが何故か右往左往して終わってい るというだけの印象だった。
1965年のインドネシアであった虐殺事件に関するドキュメンタリー「アクト・オブ・キリング」の
姉妹編。こちらでは被害者側の遺族アディという41歳の男を通じて、加害者を尋ねて行く。
本当かなー?と思ったらエンドロールが「匿名」の嵐だったんで、まぎれも無くドキュメントみた
いです。でもこの映画は何が言いたいかと言うと、アディの言うとおり「復讐したいんじゃない。 された方の心の痛みをわかってほしい」ということだろう。された方は忘れない。でも友人が忠 告したように現政権に権力を持った人間が多数存在することから、アディ達の行為は明日にも 捕まる可能性がある。外国人が一緒に行動しているうちはいいが…。後まで彼らを保護してや れるのか…その点が気になった。
架空の世界のカナダ。 ADHDの16歳の少年スティーブンは施設から出て母親と二人暮ら
しをすることに。母親は求職中。隣人の女性がこの親子に巻き込まれて行く。
ADHDという障害の難しさ。親子、それも二人っきりとなると親でも逃げたくなる。この母親は
真面目というには程遠い、どちらかというと享楽的なのだが、それでも息子に手を焼き、結局 手放すことを選択する。吃音を持つ隣人の女性は母親と意気投合しいい友人になるのだが、 転勤族の夫について引っ越すことになる。結局なにも解決しないのだが、障害とは解決する問 題ではなくずっと付き合っていくテーマのようなものなのだ、と思い知らされる。生まれおちた瞬 間にはわからない障害だからこそ、親に覚悟もないし、戸惑うばかりで向き合える親は少ない のではないだろうか。そういう声なき声を拾い上げたような映画だった。
不条理物。まったくわからない。
実話ってどの辺が?実際にあった実験なのだろうか?全くわからない。
シンガポールの中流家庭。妊娠中の母親にサラリーマンの父親、そして小学生の息子。母
親がメイドを雇うと言いだし、フィリピン人女性テリーがやってきた。反発する息子だったが、テ リーの真摯な態度に次第になつき始める。
シンガポール発の映画を初めて見た。面白かったのは彼らの言語。華僑らしく家族は北京語
で話すが、学校の先生(インド系)やテリーとは有名なシングリッシュ(笑)で話す。息子の学校 も他民族ではこうなのか、と教育や習慣が面白かった。
1988年の政権交代の舞台裏。とはいえ、正直チリに興味がないとかなり難しい。独裁国家
とはいえ信任不信任を問うてくれるだけどっかの将軍様よりましだなー、と思った。
「トガニ」「海にかかる霧」ときてこれ…。いずれも実話。もう救いようのない国民。映画で告発
するのもいいが、映画でしか訴えられない社会なのだろうか?
17歳のハン・ゴンジュは教師のつてで別の学校に転校する。転校先で心を開かず一人で行
動する彼女だが、偶然歌っているところを見たクラスメート数人が彼女に接近する。友達と楽し い思い出を作っていくかにみえたが…。
2003年密陽事件という実話がベースらしい。実際の被害者は女子中学生だったとか。恐ろ
しい。今日もテレビ番組で韓国人が「慰安婦問題」をぶちかましていたが、言えたギリか!と毒 づきたくなってしまう。
レイプされた被害者は、その後社会によって二度めのレイプにあうという。ラストシーンが結
果を如実に語っていた。ラストで行き場をなくしたハン・ゴンジュは川に飛び込んだ。そして泳ぎ 出した。守ってくれるはずの親、教師ら大人や友人までもが助ける手をひっこめた。彼女は一 人で生きて行くしかないのだ。
2009年韓国「箪笥」のリメイク。本家よりよいとのこと。
精神病院から退院し、一年ぶりに家に帰って来た少女。出迎える父と母の介護人だった女
性。姉は何故手紙やCDを送ったのに返事が無かったのかと怒っていたが、行き違いがあった とわかって、元通り仲のいい姉妹に。1年前母親は病気で離れに住んでいたが、火事で死亡。 その時のショックから精神を患った妹。久々の家で怪現象が起きる。
なんで?と思ったが、そう言えば最初に精神病院から退院してきたんだっけ、という一言で全
て解決か…。ふっくらたらこ唇の妹ちゃんが可愛かった。
姉が自殺したことを疑問に思い、姉の恋人を探す妹。姉は視力を失う病気だったが、手術を
受けていたことが判明。遺伝性のその病は妹フリアにもあった。謎を追ううち、フリアの視力も 落ち始める…。
近年、良質なミステリ・サスペンスを送り出しているスペインだが、これは…。視力を失っても
動き回るヒロイン。視力を失うと人は怖くて動けなくなるんじゃないかなー、と思ったのだが…。 私には姉の自殺の動機も納得いかなかった。夫の死はもっと…。なんだか色々こじつけること はできるが…スッキリしなかった。関係ないけど、ジュリアってスペイン読みしたらフリアなんだ ね…。エンドロール見て発見。Julia=フリア…なるほど。
ある会社のエレベーターに乗り合わせた5人。いきなりエレベーターが故障し途中で止まる。
外部との連絡は取れるものの、修理は一向にはかどらない。そのうち停電が起きるたび一人 が怪我をしたり、殺されたりという事件が発生。恐怖に怯えるエレベーターの乗客とそれを見て いた監視員たち。警察も動員されるが思うように捜査が進まない。一人、また一人と消えて行く 乗客。乗客の身元を調べる警察。見守る監視員。緊迫した時の中、刑事があることに気付い た。
最後はクリスティーを思わせる演出でよくできていると思ったが、答えがタイトル通りではちょ
っと拍子抜けした。ナイトシャラマン製作では仕方ないか…。戦争で人を沢山殺してくるのはよ くて、詐欺やひき逃げに悪魔が出てきてお仕置きって…ちょっと解せない。 /02/09(hulu)
猟奇殺人事件により死刑送りにした犯人は裁判所から連れて行かれる前「チクタク」という謎
の言葉をジャックに投げた。そして9年後同様の手口の殺人事件が起きた。その時ジャック・ グラムの携帯に「お前の命はあと88分だ。チクタク…」と電話が入った。
御歳68歳のアル・パチーノ頑張る頑張る。すごいアクション(年を考えると)、それだけでもう
お腹いっぱいなので、細かいところは突っ込まないでいてあげよう、という気にもなる。実際そ んなこと無理やろ、とかこいつ怪しいやろ、とか大人のスルーで。興行成績良ければシリーズ 化したのかも。でもアル・パチーノにこれ以上のアクションはもう…やめてあげてーと思ったりし て。それと女優陣が美人揃いなのに有名どころがおらず…いたらそいつが犯人ってわかっち ゃうからか?アル・パチーノ以外にも目玉的キャストが欲しかったところ。
両親の結婚35周年を祝うため集まった家族。4人の子供たちはそれぞれ配偶者や恋人を
連れて豪華な別荘に集まった。どころがアニマルマスクをかぶった強盗たちにいきなり襲われ る。
次々と家族が殺される中、二男(?)の恋人エリンが女だてらに大奮闘。てか強すぎ(笑)サ
バイバル教室ってなんなの…しかしこの場合役に立ったわけだ。何でも経験しておくことだなぁ と思った。
「ソーシャル・ネットワーク」のジェシー・アイゼンバーグと何故かよく見かけるミア・ワコウシ
カ。ドストエフスキーの「二重人格」が原作。くそつまんなかった「サブマリン」のアイオアディ監 督作の不条理ドラマ。でも原作のタイトルを知ってたら、そんなに不条理には思わなかったか も。ストーリーより何より、いきなり耳に飛び込んでくる昭和歌謡に驚いた。坂本九やブルー・コ メッツが新鮮に聴こえる。何で日本の昭和歌謡を知っているのか、映画に使用したのかは不 明だが。公式HPを見ても理由は定かでない。そっちの方が映画そのものより気になった。
車を走らせる男。助手席には妻らしき女。後部座席には娘らしき少女。ふと眼を離した瞬間
車は事故をおこしてしまう。男が目ざめると、妻らしき女から事故のことを聞くが何も覚えてい ない。記憶喪失になってしまったのだ…。
スリラーとしては出だしはバッチリだったのに、整理しきれず映画も事故ってしまったようだ。
もっと面白くできた材料だと思うのに残念。
現代中国が抱える闇の一つ、「誘拐」。深センの都会から3歳の子供が誘拐された。警察は
あてにならない。離婚しているとはいえ、父親と母親は協力し必死に探す。誘拐された被害者 の会に入り、グループで励まし合い、情報を共有し合って探すこと1年。遥か北の安徽省の貧 しい農村に少年はいた。警察に連絡し、両親は農家から子供を奪い返す。しかし夫の子どもと 信じて3年間育ててきた養母は子供を諦めきれず…。
一人っ子政策の弊害ですねぇ。この映画の元になった事件があって、それで世論が騒いだ
からか、最近一人っ子政策が緩和された。もう一人いいよ、って(笑)でも誘拐の闇は深い。そ んなこって解消されるわけはない、と思うのだが。
現実はともかく、この映画について中国語の先生と話をした。先生は養母は教育がないとこ
ろで育ったため、「単純に夫の言うことが全て」と信じたのだろうという。私はちょっと違うことを 考えた。単純に考えて誘拐がいいことか悪いことかのモラルが働かないのが問題だと思った のだ。息子の方は夫が「他の女に産ませた」と言って連れてきたとはいえ、その次に連れてき た子は「拾って来た」とはっきり言っていたのだから。恐らく連れ去ってきたということは察しが ついていた。でも道徳が働かなかった。先生も中国人なのであまり辛辣なことを言ってもな、と 思い、そこまでは言えなかったが。
最後に実際の誘拐された子の親が養母を尋ねて行ったシーンが出てきた。そこで泣きそうに
なった。おそらく見つかるなんて奇跡なのだろう。見つからない場合の方が多い。誘拐被害者 のグループのリーダー格の人が泣きだすシーンがあって、ほとんどがこういう人たちなのだ、と 考えるとやりきれない思いがした。
1993年アメリカ、アーカンソー州で実際にあった「ウェストメンフィス3事件」の映画化。町山
氏の本でこの冤罪事件は知っていた。しかしこの映画ではそこまで真犯人を追いつめてはい ない。冤罪のダミアン達に対して物証は何一つないが、被害者の父親を示す物証は出てきて いるというのに。苦しい言い訳だけで逃れられるというのも腑に落ちない。何故そこまで警察は 動かないのか。とはいえ5年後に物証を見つけたのは、警察が判決後も捜査を続けていたか らだろう。警察の中にも冤罪を疑った者がいたということか。
日本の足利事件を彷彿とさせる冤罪事件。ダミアンたちは18年後に司法取引の末10年の
執行猶予付きで出された。18年も入れておいて執行猶予もなにもないもんだ。しかもアーカン ソー州を訴えないという条件付きだったそうだ。未成年にも死刑判決が出ることに驚いたし、科 学捜査がここまで進んでいる現代でこんな冤罪事件が起きるとは驚いた。足利事件のときは 「DNA型判定」だったので、決め手に欠けたのだが(それで犯人にしちゃうのだから怖い)、こ の事件ではDNAがはっきり出ていたのに。
更に怖いのは、物証が何一つ無いのに、「彼らが悪い!」とヒステリー状態で嘘を平気で証
言する人の多さだった。誰得?である。真犯人を野放しにするほうが恐ろしいと思うのだが…。 どこか壊れているのは街の人間達の方ではないか、と思わざるをえなかった。
最後に…デイン・デハーンが出てるんですけど、彼は一体なんだったんですかね…。
1986年制作、日本公開1996年、2008年リマスター版発売、となかなか不遇な映画である
が、むべなるかな。よくわからなかった。解釈も人によってまちまちで、最後のシーンで、医者 の元妻が吐くシーンを妊娠と取る人と、現実に対する嘔吐だ、という人がいて笑った。
劇中劇がありすぎて、結局誰の話なのかわからなくなる。そこまで感動する話でもないし。
来た来た、インド発のミステリー。歌も踊りもない。それだけにシリアスさもハンパない。もうハ
リウッドがリメイク権を買ったというが、コルコタ(カルカッタ)という街や宗教観抜きでこの映画 は成立しえない。どう舞台を移すのだろう。原題は「物語」。物語の重要さが「祭り」に表れてい る。最初から最後までよくできているなー、と感心した。十分楽しめる一作。ストーリーを紹介し ちゃうと興ざめな気がするので、ミステリとだけ知って見たらいいと思う。
レスリングに興味がないので、実在の事件を映画化!と言われても見ていて正直退屈だっ
た。ただ、謎と言われている部分は映画ではきっちり描けていると思った。
香港ホラーのリメイク。やはりオリジナルの方がよかった。アンジェリカ・リーの役はジェシカ・ア
ルバ。この女優はきらいではないが。
フランス本国では上映禁止。ドイツ・イタリアには輸出禁止。アメリカ・日本のみで公開となっ
た問題作。というほど問題でもない。最後のシーンは強烈だったが、実話ではない。実話に触 発されたというが。実話を再現している映画は「乙女の祈り」。アン・ペリーの事件である。女の 子二人が共謀して人殺しをするというのがそんなに事件なんですかね…。
アーロン・クォック主演。もはやベテランのチャーリー・ヤン共演。香港にハーフとして生まれ
た人間の半生記。
漢字を勉強する老いた母親の姿が純真で和んだ。船舶免許取得のためだったのだが、香港
ではお決まり(?)の袖の下がないと取得できない。知ってか知らずか母親は受け続け、もは や船が要らない隠居の身となっても受け続け、亡くなる前に免許を取れたという。本筋とは関 係ないエピソードながら心に残った。
ロバート・ダウニーJr主演のシリアスドラマ。飽くまで自分に正直に生きた判事の生きざまは
立派だと思う。最後がだらだらしすぎな気がした。葬儀まででいいものを、その後もロバート・ダ ウニーJrにウロウロさせるのはどうなのか。
アメリカの田舎ってやっぱり病んでいるのかな…とこの映画でも思った。主人公の少年より、
環境の方に目がいってしまった。本来は少年が賞を受け取るために旅に出たという感動のロ ードムービーなのだが。なにが言いたいのかわからなかった。
誰かが50年以上前の佐村河内事件と言っていた(笑)そういう話です。
1950年代のアメリカで離婚したばかりのシングルマザーは働き口もないので、自身が描い
た絵を売っていた。大きな目が特徴的な子供の絵だった。ある日画家志望の男と意気投合、 あっという間に結婚。しかし男の絵は売れず、代わりに妻の絵がひょんなことから売れ、しかも 自分の絵だと言ってしまった。男は商才には長けており、妻を軟禁状態で絵を描かせ、自らは セールスに余念がなかった。結果絵は大当たり。しかし男の傍若無人な振る舞いに耐えかね た妻は出奔。出奔先のハワイでゴースト状態に訣別しようと裁判を起こす。
なんだか最初から終わりが見えているので、あまり物語に起伏が感じられなかった。ナオミ・
ワッツかニコール・キッドマンか、という金髪の妻にティム・ロス似の夫。役者に花がないのだ が、アメリカのカラフルな街、カラフルなイラスト(敢えて絵画というよりイラストであると思ったの で…)のおかげで画面は地味に見えないが。
アクションといえばチープな香港アクションしか見ていなかったので、のっけから目の離せな
い上質なアクションに目が釘付けになった。アヤソフィアをバックにイスタンブルを疾走するジェ ームズ・ボンド。ダニエル・クレイグの仏頂面は威厳を感じさせ、ハビエル・バルデムの悪役っ ぷりは堂に入っているし、M役のジュディ・デンチもさすがである。基本ジュディ・デンチの作品 にハズレはない。「慰めの報酬」も「スペクター」も見たくなった。
キャストに不満は誰しも持っているでしょうからそこは割愛。
それにしてもチープな作りに笑った。豪華なキャスティングに金を使い果たしたのか?ルパン
一味以外のキャストはアジア勢で安く見積もっていたようだが。
最初にルパンがなにやら国際窃盗団の一員みたいに描いてあったが、ルパンは仲間はいて
も基本一匹オオカミ的なイメージだったのでそこで−1点。そしてルパンらが狙う財宝がオモチ ャにしか見えないチープさで更に−1点。日本・台湾・韓国の「花男」から一人ずつという豪華さ が全くアピールされてない上に、殺されて終わりのジェリー・イェンが哀れすぎて限りなくマイナ スである…(怒)と、まぁマイナスしか感じなかった。続編はないな…。
久々これ以上ないほど時間の無駄。
おそらくデスノートがヒットしたのでスピンオフを作ったのだろう。エルというキャラが出色だっ
たんだろう。私には今一つだったけど…。
母の遺言どおり二人で力を合わせて生きてきた兄弟。だが、兄が車を運転中、子供をはね
て殺してしまう。捕まってはならじ、と育った町を離れる兄弟。兄は片足を失くしているため、弟 が兄の介護をずっとしてきた。弟の語る創作話を、兄は漫画の才能で描いた。それがアニメー ションで画面に流れる。荒唐無稽な話も兄弟にはかけがえない二人のよすがだった。
エミール・ハーシュ、ダコタ・ファニングという豪華なキャストながら話が地味だし、どうして自
首しないのか?兄は子供の親がどうしているか、金に困っていないかなど自責の念にかられ 心配するのに、自首はしない、ということに疑問が。「この閉塞感、やりきれなさがよい」という 映画評もあるが、私には全くわからなかった。ただ、アニメーションが面白かった。
益田ミリという漫画家の描く絵を思い浮かべるとなんども脱力系というか、のほほんとしたキ
ャラクラーなのだが、すーちゃんらを演じるのが柴崎コウ、真木よう子、寺島しのぶ、というこれ でもかといったキツそうな女優というのがまず笑えた。
ストーリーはよくあるフツウの女性の自分探し的な。すーちゃんはカフェで働く正社員、まいち
ゃんはセクハラにあいつつもバリバリキャリアウーマン。さわ子さんはちょっと年上だが在宅フ リーランスのイラストレーター。お気楽に見えるが、母親と共に祖母の介護をしている。3人の 境遇はバラバラなのに何故か仲良くお茶したり、出かけたり。それぞれにちょっとイヤなことが 起こったり、ちょっといいことがあったり。大きな事件が起こるわけではないないのだが、なんと なく生きて行くってそういうことだよな、と納得させられる。この映画の前も後もすーちゃん達は そうやって生きて行くのだ、と思う。
ラウラは結婚して、シモンという男の子の養子を迎えていた。持病をもっているものの可愛ら
しいシモンが大事な我が子であることに変わりはなかった。ラウラと夫はラウラが育った孤児 院を改装し、再開させようと思っていた。準備に追われる夫婦。シモンには目に見えない友達 がいた。忙しさにかまけ、シモンの言うことにもあまり耳を貸さなかったラウラ。準備も整い、い よいよ開院パーティーというとき、シモンは忽然と姿を消す。持病もあることから命の危険もあ るが、警察は一向にシモンの足取りを掴めない。ラウラが思いだしたのは、開院前に訪ねてき た女性。ラウラはその女性を探すが、見つけた途端、彼女は交通事故で亡くなってしまう。
ホラーのような、ミステリのような。でもファンタジーでは終わらせないラストは思わず涙がで
そうになった。オチというか謎もしっかり明かされていて納得のいくもの。これは確かに名作で あった。やっぱり侮れないスペイン。ゴヤ賞最多14部門ノミネートらしい。
どこぞの海岸で喫茶店を営む「えっちゃん」(吉永小百合)と猟師の甥(阿部寛)らを優しく見
守る町の人々(笑福亭鶴瓶ら)。
なにがなにやら。最後にえっちゃんが甥相手に今までの事をとうとうと語る。あぁそういう関係
だったのね、とやっと外郭が掴めたと思ったら映画も終わる。
吉永小百合はいい人しかできないのだなぁと改めて思った。イメージが固まってしまうのもど
うなんだろう?演じる者として色々な役に挑戦できないというのは…まぁ吉永小百合ほどにな れば遮二無二働く必要はないので、来る役を淡々とこなせばいいのかも。作り手のつまんなさ がこっちにも伝わってくるようだった。
新年一発目の映画鑑賞はテレビ放送であったが、失敗であった。
2001年に実際に起きた事件を脚色し映画化。不漁から中国人密航ビジネスに手を出した一
隻の漁船。船長以下5人の船乗りたちが中国からの密航者を船に受け入れた。密航慣れして いる中国人のリーダーが扱いが悪いと訴えると、船長は中国人リーダーを海へ投げ落とす。 「この船では俺が警察、俺が裁判長だ!」逆らえば殺す宣言。殺伐とした船上。ドンソクという 若い船員がホンメという中国人の女の子を特別に機関室に入れてやっていた。海上警察の目 を逃れるため、密航者らを魚層に入れた。警察が去った後魚層を開けると、冷蔵庫のフロンガ スが漏れていたため、全員死んでいた。船長は事故を隠ぺいするため、遺体を海へ捨てると 決める。魚に遺体を食わせてるため敢えて遺体を切り刻むということまでし、船上は阿鼻叫 喚。ドンソクのおかげでホンメは難を逃れたものの、見つかってしまう。
これは2014年の映画賞を総なめしたとはいえ…こんな自国民のクズっぷりを披露するような
映画を作って大丈夫か?と思わざるをえない。しかも実話。セウォル号事件もむべなるかな、 である。韓国の海の男の腐り具合が凄まじい。映画でも船員の一人がホンメをレイプしようと 追いかけまわす。ライダハンといい、韓国国内でのレイプ犯罪率の高さは先進国でもぶっちぎ り。それを考えると韓国人に慰安婦がどうとか言えるギリはないと思うのだが…。
韓国人の本性を見た思いで、さらに韓国人に関わりたくないと思わせる映画。非常に見た後
の気分は悪い。力作とは思うし、敢えてさらした韓国人もすごいとは思うけど…それ以上に身 の毛がよだつというか、恐怖の方を強く感じた。
40代独身男性最後の砦・佐々木蔵之介主演。小さい藩を取り潰してやろうという悪代官の企
みによって、参勤交代が明けてやっと帰って来た大名(佐々木蔵之介)に「5日以内に参内せ よ」という通知が届く。期限内に江戸につかねば謀反とみなして、藩の蓄財である金を取り上 げてしまおうという老中(陣内孝則)の悪だくみであったが、藩を潰されてならじと、家臣(西村 雅彦・寺脇康文・上地雄介他)と知恵をしぼって急行する大名。果たして5日以内に辿りつける のか。
当然そうはさせじと邪魔も入る。忍者は出てくる身内は裏切るとなかなかエンターテイメント的
で面白かった。★一つなのはあまりに水戸黄門的な展開でご都合主義すぎだったので…最後 は姫様まで手に入れてチャンチャンなんて…。姫様というか道中で知り合った女郎(深田恭子) を気に入って側室にしてしまうというオチなんだが、いくらなんでもそれはあるまい。こういうとこ ろが時代劇をすすんで観ようと思わない点でもある。あわやというところで救われるというシー ンはどんな映画にも付き物だが、史実的にありえないことをやってはいけないのが時代劇の難 しさではないか。八っつあんがダンゴを見て「わぁジャンボな団子!」というのとはわけが違う。 最初こそ、大名行列というものにかかる費用や、儀礼的な説明があっただけに、真面目に見て 損した、ということにしてほしくないのだ。
関係ないが、佐々木蔵之介はなんだか恐竜みたいな顔で、私は彼が結婚しても特に○○ロ
スにはならないな…。
「コンシェンス」がなかなかよかったので、それより前に評価されたこれも見てみた。この前に
は全く同じキャストで作った「密告者」があるらしいがそれはGeoに置いてなくて残念。
追う者も獣なら追われる者も獣、というキャッチコピーらしい。追う刑事を演じるニコラス・ツェ
ーはなかなか良かった。黒社会に脅される検事に張初静。この人ビビアン・スーに似てると思 ったがポスト・チャンツイィーらしい。しかし彼女の垂れ目はいかにも「私可哀想でしょ、可哀想 と思てクダサイ」と訴えているように見えてあんまり好きな顔ではない。そういえば「唐山大地 震」にも出てて散々泣いた顔を見ていたからかもしれないが。まぁ顔のことはいいか。
検事の娘二人とも犯罪に巻き込まれるっていうのは、ちょっとおかしいような気もするが、スト
ーリー運びに必要なのだと言われれば仕方ないのかも。ネットの評判を見ていると、居丈高だ った刑事(ニコラス・ツェー)がかつての部下に謝れ!と言われてあっさり謝ったところがよかっ たと言う人も多い。そのシーンはストーリーとはあまり関係ないものの私も笑ってしまった。これ が香港人気質と監督が言いたかったのか、と。ラストは「コンシェンス」より意外性も救いもあっ て、物語としてはこっちの方が完成度高いような気がした。破滅に向かって行ってやっぱり破 滅というのは物語としては今一つ面白いと思えないので。「コンシェンス」は期待を裏切らない 転落っぷりだったのが、こっちは転落寸前で止まった的な。
何かと比べてしまったが、勿論それぞれ単独で観ても面白いし、話は全く関係ないので比べ
るほうがおかしいのかもしれないが。香港ノワールを観ている者としてはダンテ・ラムという一 人の監督の成長が見られるというのがより面白く見れる要素かもしれない。役者より監督の色 が出てくるのは香港映画の特徴かもしれない。ウォン・カーワイ、ジョン・ウー並のアクの強さ。 このまま香港ノワールのジャンルを突き進んでほしい。
90年アメリカ・ニューヨーク。マンハッタンの街角の煙草を売る小さな雑貨店。店主と客が織り
成す人間模様。
名作と推す人も多いが、自分にはどこが「感動的なラスト」なのかわからなかった。
香港ノワール好きにはたまりません、ダンテ・ラムの正統香港ノワール作品。
舞台は勿論香港。娼婦殺人事件を追っていた刑事マン(レオン・ライ)はある日同い年の刑
事ケイ(リッチー・レン)と知り合う。拳銃強盗事件と娼婦殺人事件につながりがあることが分か り、二人は協力して捜査にあたるが、内部情報が漏れているらしくすんでのところで犯人をの がしてしまう。折に触れて現場に居合わせるケイに疑問を持ち始めたマン。ケイには元ホステ スの婚約者(ビビアン・スー)がおり、上司からは出世の妨げになると釘を刺されるも別れるつ もりはなかった。マンは妻を殺されており、その犯人を追ってもいた。
出てくる役は多いのだが、メインとそうでない人間は歴然としており、こんがらがったりはしな
い。ただムチャなシーンは多い。火事場での出産シーンとか、大陸から出稼ぎの兄ちゃんの嫁 を人質に取られ、出稼ぎの兄ちゃんは自爆テロさせられるとか、不必要にヒロイックなシーン が。もっと言えばビビアンはそう重要な訳ではない。重要さをもたせたいならもっと出演させる べき。ちょっとしか出ないのでそう重要に思えなかった。ケイが転落した経緯はオマケのリッチ ー・レンのインタビューで明かされる(投資に失敗して悪の道に分け入った)。それは映画の中 でださなきゃ…。てんこ盛りすぎて、いろいろ零れ落ちてしまった感じ。レオン・ライがヒゲヅラで がんばってるんですが、このヒゲが付けヒゲっぽすぎて…。付けてる時はパラパラはがれると 困るので食事もできなかったとか。リッチーは広東語と北京語でがんばってましたし。大陸から は自爆男のワン・バオチャンが。メイキングではやっぱり北京語で説明を受けてたのが印象的 でした。メイキング見るとアクションも大変なんだとわかって面白かったです。
久々香港映画らしい香港映画で満足でした。
イラク戦争で4度にわたって従軍、160人以上を射殺したという伝説のスナイパー、クリス・カイ
ルの半生を映画化。
最後の国葬ともいえる盛大なカイルの葬儀の実際の映像を見て違和感しか感じない。それ
がこの映画を製作した狙いなら成功だ。ヒーローになれずイラクで死んだ米兵、自由を求め米 兵に殺されたイラク人と、これほど命に差があるということをあけすけに見せていいのか、と思 うほど。これほど世の中は不公平なのだ、と絶望すら覚えるほどに残酷でリアルだ。アメリカ人 がこれを見て本当にカイルに追悼の念を抱くかというとかなり疑問だが、それでいいのかもし れない。
シャルロット・ゲンズブールが出てれば何でも見るんですが、これはここ最近のシャルロットの
作品の中でも割とちゃんとしたストーリーがあってわかりやすい部類ではないでしょうか。
アフリカ系移民のサンバ(オマール・シー)はアルバイトから料理人として雇ってもらえることに
なり、役所へ行くと、滞在不許可の通知が出されており、国外退去を命じられる。助けを求めて ボランティアの元へ行くとそこで燃え尽き症候群で今は会社を休職中の女性アリス(シャルロッ ト)と出会う。
今の時期にぴったりな映画。テロが起きる前から移民問題は表面化していたのですな。ヨー
ロッパを訪れるたびに移民が多いなぁというのはわかってたのですが、やはり社会問題でもあ ったのか。今年は年始と年末にパリで2度もテロが起きた。これから移民にはもっと厳しい時代 が訪れるだろう。この映画は比較的軽く描いてあり、なんとなく「一緒にガンバロー!」的なメッ セージと思えるが、現実はどうなっていくのだろうか…。
誰一人知っている俳優がいない…低予算なのか?個人的に主役の奥様は「祥子」とかゆう
女優より壇密の方がよかった。まぁいいんですけど。
ペンシルヴェニア州の田舎町。鉄工所でまじめに働く兄(クリスチャン・ベイル)は兵隊で何度
も中近東へ派兵されては情緒不安定になる弟ロドニー(ケイシー・アフレック)が心配ながらも、 恋人がいて普通に幸せを感じていた。ところが飲酒運転で交通事故を起こしてしまい刑務所 に。
幾つもの社会問題を含んで奥深いテーマなのだが、アメリカ人にとってはそうでも日本人の
私には対岸の火事で、あまり重層な問題に感じられなかった。ただ「ウィンターズ・ボーン」で感 じた「村の有力者ってなんだ?何故にそんなに恐れられている?」という謎がこの映画では描 かれている。この映画に出てくる社会問題の一つでもあるのだ。その答えが「ヒルビリーズ」で ある。
ヒルビリーズとは「山の奥地に住み、一般社会からは隔絶された世界で自分たちのルールに
従って生きるアイルランド系の人々」ということだ。確かに「ウィンターズ・ボーン」でもこの映画 でも白人(金髪碧眼)の社会の話で、多人種国家であるはずなのに黒人その他の人種は蚊帳 の外である。映画で問題視されるほどに厄介なものとなっているらしい。
その他の問題には経済の悪化。邦題ではなんのこっちゃわからんが原題は「out of
furnace」で「溶鉱炉の外」。経済の悪化と過疎化は無縁ではない。若者は閉塞感でいっぱいの この世界から解放してくれとでもいうようにエンディングでは「release」という歌が流れる。
話としては、我慢して我慢して生きてきたお兄ちゃんが、弟殺されてついにプッツン。ムショに
ブチこまれても、恋人寝とられても我慢してきたのに、兄の説得に更生すると誓ってくれた弟が 直後に失踪、遺体で発見。警察も手が出せない例のヒルビリーズを相手に独りで立ち向かうお 兄ちゃん。最後にラスボスを探しだし、弄ぶように追いつめ、ついに仕留めるお兄ちゃんの表 情は、諦めとも達成感ともつかない、何とも言えない雰囲気を漂わせて見る者の目を惹き付け るのでした。
話はなんだかよくわからないんだけど、キレッきれの演技を見せるジュリアン・ムーアと影の
ある女をさせるとピカ一のミア・ワコーシカで成り立っている。
ヨーロッパに位置する架空の国のあるホテル。ある作家がホテルのオーナーにホテルの歴
史を聴く。
作家にジュード・ロウ、ホテルの従業員にレイフ・ファインズ(最初リーアム・ニーソンかと思っ
たら違った)暗殺者にウィレム・デフォー(クリストファー・ウォーケンかと思ったら違った)菓子屋 の女の子にシアーシャ・ローナンと他にもビル・マーレイやらアマンダ・セイフライドなどなどチョ イ役も豪華。で、コメディありアドベンチャーあり最後はしんみりと締める。久々に面白くて泣け る(泣いてないけど)映画だった。いろいろてんこ盛りなので、粗筋は書きにくいので省きます が、見て損はないと思います。
出てくる人間全員クズすぎないか…。いきなり性に奔放になってしまった娘を嘆く母親に一番
同情できた。そりゃ手塩にかけて育て、自分のようになってくれるなと育てたつもりが十代で妊 娠ドロップアウトなんて親不孝でしかない。それでも母親の説教をまともにきかずせんべいをバ リバリ食べ続ける娘に呆れるしかない。何故のらくらした優男の子供が欲しいと思ったのか… 子供が欲しいのでなければ何故避妊しなかったのか。そもそもこの映画の言いたいことって? アイドル(?)がオールヌードで体張ったというがそれだけでは何も伝わらない。韓国映画のよ うにもっとエモーショナルに十代の閉塞感やそれに抗う青春とか、表現できるものはもっとあっ たと思うのだが。
原節子追悼の気持ちで。発表されたのは最近だけど、なくなったのは9月5日だとか。若いこ
ろ週刊誌が「原節子、撮った!」と騒いでいたのがよくわからなかったのだが、今回の報道で、 隆盛を極めたトップ女優が突然何も言わず引退、その後、全く表舞台にでることがなかったと いうことだからだということがわかった。しかしこの情報社会、全く何も知られないことはできな いと思うので、おそらく守ってくれる人々もいたことだろう。生涯独身だったことから、その後の 生活を見る人もいただろう。何よりそっとしておいてあげよう、という人々の強い思いが彼女を 守り通したような気がする。
終戦後の日本。尾道で暮らす老夫婦は東京で暮らす子供たちに会いに上京。長男は町医者
を開業。妻と二人の幼い子を持つ。長女は美容院を経営。夫も勤めに出ており子供はいない が、なんとか自分の店は保てている。二男は戦死したが、その嫁は勤めながら独り暮らし。三 男は大阪に勤めている。次女は地元で就職。一緒に暮らしているが、今回はお留守番。
まず長男宅へ向かった夫婦。長男宅では嫁が準備に大わらわ。小学生の長男は生意気盛
り。祖父母が来るために自分の机を廊下にだされちょっと不機嫌。翌日には東京見物へ一緒 にいくはずが急患のためだめになると、すっかりへそを曲げて祖父母の前でも不機嫌を隠さな い。(けっ飛ばしたくなるくらい憎たらしい)長女宅では長女が忙しく、ろくにかまえないことから、 熱海旅行を勧める。老夫婦は旅館の騒がしさに落ち着かず早々に帰ってくるが、うっとおしそ うに「なんでこんなに早く帰ってくるのか」と責められる。居心地の悪さを感じた老夫婦は、とり あえず外へ。「ついに宿なしになってしもうた」父親の寂しげな言葉。東京に出ている同郷の友 人を訪ねる父と、二男の嫁の家に留めてもらう母。結局一番良くしてくれたのは他人である二 男の嫁だった。長男も長女も決して迷惑に思っているわけではないのだが。
東京からかえってすぐ、子供たちへ電報が届く。「母、危篤」あわてて集合する子供たち。しか
し母は夜中三時ごろ旅だった。享年68歳。葬式後、早速長女は形見分けを要求。父親は特に 反対はしない。仕事のため三々五々帰っていく子供たち。最後まで残ってくれたのはやはり二 男の嫁だった。次女は兄、姉達の非情さを嘆く。嫁も帰らねばならないという日、次女は再会を 約束する。暇を告げようとした嫁は、庭で海を眺める父親を見つける。穏やかな風景が広が る。「そうか、帰るか」そう言って二人は景色を眺めていた。
特に今の世の中でも珍しくない物語。普遍性があるからこそすごいのか。小津作品はリスペ
クトする人が多い。正直、古き良き日本、小津作品の良さがわかるのは私にはまだ先のよう だ。驚いたことにこの時父親役の笠智衆は49歳だったとか。一つ言えるのはこれは白黒映画 なのだが、カラーだったらさぞ美しい映画だったろうなぁということだけだ。
人工知能を扱って映画なんだが、人工知能というより、ジョニデ演じる博士がテロにより死
亡。彼の脳というか意識をPINNというコンピュータに移した。彼はあらゆるインターネットを通じ てどんな情報でも手に入れられるようになる。
人工知能がよくわからなかったので、そこから先の展開も今一つわからなかった。後からレ
ビューなどを読んでなるほどそういう話だったのか、と。粗筋先に知っておいた方がいいという のもどうかと思うが、これに限ってはある程度わかっていたほうがいいかも。それくらいわかり にくかったです。自分には。でもテーマは悪くないし最後もきれいに終わっていたと思う。
前田敦子のMVでした…。意味分からん…。
中東からの帰還兵達はPTSDを患っていた。その3人がエレベーターの中に閉じ込められ
た。ワシントンが核攻撃されたという。外との連絡は取れず助けはこない。3人は言いあいを始 め…。というシチュエーションサスペンス。クレア・デーンズかと思ったら「ドクター・ハウス」で医 師キャメロンをやっていたジェニファー・モリソンでした。PTSDを治してまた戦地へ送り出せる 薬があれば使ってそうさせるでしょうね、アメリカは。まぁそういう話です。
平凡な日常はいとも簡単に壊される。ということが言いたかったんでしょうかね?監督のイン
タビューをネットで読んだりもしたんだけど、監督が思う通りには思えなかったという…。2時間 と言う長さ、俳優は実力者を揃えているものの、2時間もつかというと…私にはやはり長かった な。堺雅人が被害者遺族という役は意外とは思わない。むしろこういう内にこもるタイプじゃな いかと思うので、笑顔は確かに封印していたがハマっていたとは思うし、山田孝之や綾野剛の ぺらっぺらな若者も似会っていた。
1972年にアメリカでカルト的人気を博したポルノ映画「ディープ・スロート」。主演のリンダ・ラブ
レースの伝記映画。リンダをアマンダ・セイフライドがヌードも辞さず熱演。しかしあまり色気な いし、アマンダ主演なんでポルノ映画が題材とはいえたいしたことはありません。レーティング いらないくらい。
厳格なクリスチャンの家庭に育ったリンダはチンピラのような男チャックと逃げるように結婚。
金に困ったチャックはリンダをポルノ女優として売り出す。ところがこれが大ヒット。一躍スター となるが、その陰にはチャックの暴力に怯えるリンダの姿があった。
結局、チャックとは離婚して女性人権活動家として活躍したリンダも2002年に事故死。3ヶ月
後、チャックも病気で他界したとか。
DVはいけませんよ、という当たり前の話なのだが、この映画で一つ思ったのは、誰もリンダ
を助けようとしなかったこと。ダメ男と知っても銃で脅されたらそりゃ逃げられまい。女の友達一 人だけが大丈夫かと本気で心配し、助けようとしたものの、近くにチャックがいたことから、リン ダは「大丈夫よ」と答えてしまう。以後、親元に逃げ帰っても母親はお前が悪いんだろう、と突 き放す。この母親をシャロン・ストーンが演じていてびっくり。ただのババァにしか見えなかった から…。月日って残酷ですね…。リンダはチャックにあらゆる酷いことをされ、他の男たちもチ ャックに便乗。そりゃ人権を考えもするわな、というくらい。リンダが逆ギレしてチャック殺したり しなくて本当によかったな、という感想を持ったのだけど、結構映画としては酷評されている。 ポルノ映画題材なのにたいして見せ場がないとか…そっちが目的なら面白くはないね、確か に。でも、もっと考えることあるんじゃないの、と言いたい。
死体置き場で事件発生。警察一行が事件現場にやってくると、監視カメラには持ち場を逃げ
出す警備員が。そして前日死に立てホヤホヤの遺体が一つなくなっている。あるはずの遺体 はマイカという女性。心臓発作で亡くなりモルグへ。マイカのダンナ、アレックスを呼びだす。ア レックスは大金持ちで年上の女房が死んでくれたので、若い愛人と祝杯をあげているところに 警察からモルグへ呼び出された。そこから数々の不思議な出来事が起きる。
なかなかやるな、スペイン。死体がいつゾンビになって襲ってくるのかと思いきやそういう映画
ではなく。では、死んだとみせかけて不倫していた夫に復讐…という展開でもない。ストーリー がどう転ぶかわからない、よくできたミステリでした。
ネタバレしちゃうと、全ては妻を殺された刑事の復讐劇。しかし自分の娘を愛人として近づけ
たのだけど、ミイラ取りが…のように娘がマジ惚れしてしまってパパを裏切ったら最後の圧巻 のラストシーンはなくなっちゃうわけで…娘ちゃんがよくがんばったな(笑)という感想。
原題「The power of Few」。クリスチャン・スレイター、クリストファー・ウォーケン。一つの場面
とそこに至るまでの話を数人の視点から描いた群像劇。
悪くはないが、さすがにまとまりがない。クリストファー・ウォーケン扮するホームレスだけが特
に何の影響もないんだけど…。最後に黒人少女フューの言葉によって全ての悲劇は起きるこ となく幕を閉じる。フューの言葉にこの映画のメッセージは全てこめられている。っていうことで すかね?
原題「Reasonable doubt」。ミッチ(ドミニク・クーパー)は将来を嘱望される敏腕検事。飲み会
の帰りに飲酒運転で人をはねてしまう。自分かわいさに携帯からではなく公衆電話で救急車を 呼ぶ。ひき逃げされた人間は死亡し、翌日容疑者クリントン(サミュエル・L・ジャクソン)が逮捕 される。ひき逃げをしたのは自分でクリントンが冤罪だと知るミッチは気の抜けた仕事をし、ク リントンを釈放させる。ところが、クリントンは別の事件の容疑がかかっていた。釈放されたクリ ントンはミッチを脅し始める。
評判はあまりよくないようだけど、私には面白かった。刑期を終えた前科者がまた罪を重ね
る事例は後を絶たず、クリントンはそういう裁かれない悪を裁く処刑人であると自分を奮い立た せていたのかもしれない。どれだけ殺したって妻と子供は帰ってこないし、前科者は続々と出 所してくる。この終わりのない業をミッチに止めて欲しかったのではないか、とクリントンに好意 的に考えてしまった。
2003年イギリスの高校生マークはネットで知り合った女の子レイチェルとほぼ毎日チャットを
していた。マークは学校では人気者、女の子とも軽く付き合えるリア充なやつ。ある日レイチェ ルは恋人から虐待を受けていると告白する。それを最後に連絡が取れなくなってしまう。心配 に思っていた矢先、彼女の弟で自分と同じクラスのいじめられっ子ジョンから「姉貴が死んだ」 と聞かされる。表向きは自殺だが、彼女が虐待を受けていた恋人ケビンを疑うマーク。そんな 彼にケビンをおとりに捜査をしているというMI5の捜査員ジェーンがマークに接触してくる。
2003年に実際に起こった実話。ネットの匿名性の危うさを訴えているのだろうが…ネタバレし
ちゃうとこれ全部、ジョンとマークのやりとり。つまりジョンはリア充のマークを羨ましくかつちょっ と同性愛?的な気持ちから騙したのである。レイチェル、ケビン、ジェーンそして自分ジョンの 人格を使い分け、マークを操っていく。
この話、テレビのドキュメンタリーもので見てしまっていたので、ラスト全く驚けませんでした。
逆にこんなに信じちゃう?!と驚いたけど、それはネットの匿名性にかなり警鐘を鳴らしている 現在だからか。2003年というとまだまだその辺が曖昧だった時期で。
同性愛的要素がある、と思ったのはジョンがMI5になりすましマークに出した指令は「ジョンを
刺せ」というもので、同時に刺すときに「愛している」と言えという指示まで出すのだ。MI5が民 間人に手伝わせるなどという戯言を信じてしまうアホ高校生マークのどこが魅力的だったのか わからない。どうせなら自分をいじめているやつを標的にしたらもっと気味がよかったのではと 思うのだが。
その後二人は二度と会ってはいけないという判決になり、別の名前で別の場所で暮らしてい
るということだが、ニュージーランドで起きた実在の事件の映画「乙女の祈り」の方が衝撃的だ った。これも二人が未成年だったことから「二人は一生会ってはいけない」という判決だった。 その後犯人の一人は作家になった(アン・ペリー)ことを考えると、ジョンかマークが大人になっ て回想録とか本を出しそうな気がする。
スペイン映画2連発。「リミット」は米映画だと思ってたんですが、ググったらスペインでしたよ。
そしてこっちはスペイン発ファンタジー。でもこっちもググるとき「エヴァ」と入れるとエヴァンゲリ オンばっかりでてきて、探すの大変でしたよ…。
2041年。何故かロボット工学のみがやたら進んだ社会。天才科学者アレックスは故郷に10年
ぶりに戻ってくる。兄のダビッドとその妻のラナは歓迎するが、実はラナはアレックスの元恋 人。しかし夫婦の間にはエヴァという10歳の女の子がいた。子供のロボット作成の実験を続け るアレックスは、エヴァを見るうち実験に個性的な姪・エヴァの協力を求めるが、ラナは反対。 エヴァには秘密があった。
ロボットだけがやたら進んで、精巧なアンドロイドが闊歩しているのはあと30年後でもムリな
気がするが。それだけ科学が進んでいるのに、ファッションや食事など生活の面は逆にレトロ。 エヴァ役の子も美少女でアレックスもハンサムで役者的には満足なんだが、ロボットものという のはバッドエンドに終わるのが鉄則なんだろうか。ロボットなんだから死ということではないのだ が…。「A.I」もそんな終わりかただったような。ちょっとラストは悲しいです。
原題「Buried」。なんとワンシチュエーションスリラー。同じく俳優一人しかいなかった「オール・
イズ・ロスト」と違って、こっちは箱の中で独りきり。
ポールはイラクで運搬会社の運転手として働くアメリカ人。輸送途中でトラックが襲撃され、気
が付くと狭苦しい箱の中。自分の持っていたライターで灯りをともすと、足元に携帯電話があっ た。そこから自分の会社、大使館、自宅、とあらゆるところへSOSを出す。
狭い箱の中なんで、こっちも息苦しくなる。なんで箱ごと埋められて携帯が通じるのか(しかも
アメリカまでも通じてしまう)という基本的なところはすっとばすと、なかなかよくできたスリラーで あります。最後の一言についてはいろんな解釈があるようで。別にそのまま受け取ればいいん じゃないかと思いますが、勘ぐるのが好きな人はいろいろと理由をのべている。そんな映画評 も多いですが、私は素直に「あ、助からなかったんだ」と思っただけでした。
ベン・アフレック初監督作。弟のケイシー・アフレックが主演、エド・ハリス、モーガン・フリーマ
ンがわきを固めるという佳作。一応言っておくと、似たようなタイトル(「ゴーン・ガール」)では兄 が主役ですが、作品同士は全く関係ない。
ボストン、ドーチェスター地区が舞台。パトリックと恋人のアンジーは行方不明者捜索の仕事
をしている。アマンダという4歳の女の子が誘拐されて3日後、業を煮やした叔父夫婦が二人に 捜査を依頼。二人はためらったが、結局引き受けた。しかし警察は勿論いい顔しない。自分た ちの有利なところは生まれ育った町で顔が効くということ。早速母親が出入りしていたバーで母 親の嘘を見つけた二人は刑事二人に報告。しかし内密に進めようとした刑事の作戦が裏目に でてアマンダは事故で池に落ちる。遺体はあがらなかったが、死亡ということになった。刑事の 証言に疑問を持ったパトリックは一人でさらに調査を続けると、アマンダ誘拐の裏にはさらに事 情があったことを知る。
これは事件の捜査の展開にしろ、事件に関わった人々の心理状態にしろよく描けていると思
った。最終的にパトリックは法による正義が行われることを是とし、全てを法に委ねるが、刑事 のラミーや警察署長だったドイルが法では裁ききれない悪があることを熟知していた故に、法 を破って正義を守ろうとした。悪事に例外なし、というパトリックの信念こそ法曹側の理屈であ るが、法律側だからこそラミーとドイルは法の限界をよく知っていたのだろうし、最悪のパター ンを見たことも数知れないのだろう。私はやはり女性目線でアンジー寄りだったのだが…。不 幸になるときめつけて他人の人生振り回すのもどうか、と…結局結論はでないのだろうな。そう いうあっちかも、こっちかも、と悩ませることが今の社会で無駄だとは思わない。結論をきっち りだした上で議論を呼ぶラストという映画はイヤミスではないと思う。スッキリはしないが考えさ せられる…こういう奥の深い映画もよい。
赤穂浪士にインスパイアされた日本風ファンタジー…ということでいいですかな?これだけ日
本人で固めたハリウッド映画も珍しいだろうな…。キアヌ・リーブス以外白人がいない…。赤穂 浪士がベースなんでストーリーは言わずもがなですが、ではキアヌは何者かと言うと、白人に 捨てられた母にさらに山に捨てられ天狗に育てられたカイという青年。少年時代に山を飛び出 し赤穂の殿様に仕えるようになった、と。この天狗というのが天狗というより風神雷神のような 顔だった。女性の着物や髪形がまるで中国…。ラストシーンはもはやどこやわからん景色のロ ングショット。熱帯の川辺に桜が咲き太鼓橋がかかっている…。もう呆れるしかない。時間の無 駄だろうな、と思って観て期待を裏切らないくだらなさだと、もう自分に怒るしかない。
高校生3人が出会い系サイトで知り合った女性に誘われ、会いに行くとビールを出される。飲
み干した途端3人は昏倒する。気が付くと手足を縛られ、キリスト教原理主義の教会にいた。 性欲に溺れた彼らを殺す、と宣言する信者たち。
アメリカの田舎の恐ろしさを描いたもの。あるんだと思いますよ、これくらいの狂った集団は。
いつの時代でもキリスト教であれ何であれちょっとおかしい人たちがひと騒ぎ起こす事件はも はや珍しくはない。タイトルは共和党支持者の多い州という意味らしく、保守派の多い田舎には 近づかない方がいい、という警告のような気がする。
アレン・ギンズバーグ、ウィリアム・バロウズ、ジャック・ケルアックなどアメリカ文学史でビート
ニクと呼ばれる文学を創った作家たちの学生時代の話。主役のアレンを演じるのはハリポタで おなじみのダニエルくんです。それよりルシアン・カーを演じたデイン・デハーンが色っぽい!と 絶賛の嵐…らしい。確かに若いころのレオナルド・ディカプリオとリヴァー・フェニクッスを足して 2で割ったような感じの線の細い男です。同性愛もからめ実在の事件を細かく再現したようで。 ただ、多くの評にあるようにダニエルくんを起用したのが良かったのか悪かったのか…。私は どうでもいいですが、ハリポタ信者には厳しいシーンがあります(笑)DVDすらスルーのはずが TSUTAYAが掘り出してきたというのがまた笑えますが。しかしここまで女っけのない男だらけ の映画も珍しいな…ホモの話なんで当然っちゃ当然ですが。
今まで観た映画ナンバーワンは同じインド映画の「きっとうまくいく」だったが、またもインド映
画に塗り替えられました!飽くまで自分の中でですが。自分の映画評価
1位「マダム・イン・ニューヨーク」
2位「きっとうまくいく」
3位「インファナル・アフェア」(3部作)
となりました!
原題「English Vinglish」。インドの裕福な家庭の主婦シャシは娘のサプナ(中1,2くらい?)息子
のサガル(5〜6歳くらい?)に英語ができないことを揶揄され立腹。夫のサティシュは仕事上英 語を使えるらしく妻が子供にバカにされても意に介さない(もともと男尊女卑っぽいお国柄です もんね)し、料理上手できっちりサリーを着こなす良妻賢母に満足している。そんなシャシのア メリカで暮らす姉から娘の結婚式を手伝って欲しいと電話が入る。予定は5週間。最初の4週間 はシャシ一人で行かねばならない。不安ながら一人で初めて飛行機に乗るシャシ。隣の席のイ ンド人男性と初の海外への不安を吐露すると「何事も初めては一度きり、楽しんで!」と。(個 人的にこのセリフは刺さった)ニューヨークへ到着し姉と再会を懐かしむも、翌日早くも英語の 洗礼を受けた。一人でカフェテリアに入り注文しようにも女性店員の言うことがわからない。意 地悪く早口でまくしたてる黒人女性。カタコトで何とか注文するも、財布を落とし小銭をバラまい てしまう。驚いたシャシは何も受け取らずその店を飛び出した。アメリカ人の冷たさ、自分の不 甲斐なさにベンチで涙を拭うシャシに一人の男性が近寄る。手にはコーヒーカップ。彼もカタコ トの英語で「これ、あなたのだ。何も受け取らなかったでしょう?あの店員、イジワルだ」気にし ないで、と言うように去って行った男性。そんなシャシが「4週間で英語を話せるようになろう!」 という広告を目にし、一念発起。姉にも内緒でその英語学校に申し込んだ。クラスは個性的な 生徒がいっぱい。東洋人もいれば黒人もいる。その中にフランス人シェフだというローランがい た。彼は数日前カフェテリアのコーヒーをシャシに渡した人だった。結婚式の準備を手伝いな がら、英会話教室にも精を出すシャシ。英会話の授業は絶好調だが、娘からかかってきたヒス テリックな電話に驚くシャシ。相変わらず生意気な娘に腹を立てるシャシは英会話学校の帰り にローラン相手にヒンディー語で愚痴りまくる。しかし一緒に入った喫茶店では見事な英語でオ ーダーするシャシに驚くローラン。「言葉がわからないものもいいものだ」とフランス語でつぶや くローラン。そんな日々はあっという間に過ぎ、4週間の英会話クラスの卒業試験があるという。 なんとその日は姪の結婚式の日だった。
日々、いろんな事件を経てクラスメートが仲良くなっていくのが自然だし、一喜一憂するシャシ
が可愛い。ローランはシャシに恋心を抱くが、シャシは揺らぐでもなく「恋はいらないの。欲しい のは尊敬よ」ときっぱり言い切る。この言葉も個人的に好きだ。長い話なんで粗筋も長くなって しまいましたが、主婦って尊厳踏みにじられがちだけど、こういうことってあるんだな、というい い気分にさせてくれる映画なんですよ。まぁこちとら「子育て」っていう肝心な要素が抜けている ので気楽なもんですが。原題の意味が不明。ヒンディー語でしょうね。英語にはなかったから。 料理の上手さを褒められるもダンナに「こいつはこのために生まれてきたんだ」(字幕はもっと ひどい「こいつはこれだけが取り柄だ」)と言われ傷つくシャシ。ほめてるんだかけなしてるんだ か。こんなモラハラいっぱいあるんでしょう。女性、主婦という立場限定だけど、シャシと一緒に 泣いて笑える映画だ。
お決まりのストーリーすぎて展開が全く予想を裏切らない…裏切らないということは面白くな
いということだ。子供の声がキンキン高くてうるさく感じた。
ジブリは観ている人多いでしょうからいきなりネタバレ。結局マーニーは少女時代のおばぁち
ゃんだったということですね?夢オチではないにしても、なんで出てきたのか…。もともと海外 の児童文学だと聞いたが、同じジュブナイルでも「トムは真夜中の庭で」の方がよくできていた ような。
マイケル・ファスベンダーがそのハンサムな顔をハリボテのマスクに隠して大熱演!とレビュ
ー上は大絶賛の嵐だが…自分の感覚と世間様の評価がこれほどに分かれるとは…。
自分探しのため自分の音楽を追求するフランクと、ツイッター、You Tubeなどで世間から認め
て欲しい(もはや依存症なくらい)ジョンが、惹かれあい、決別するまでの話…。どっちも極端で どっちにも感情移入できない…。だからなんなの、で終わってしまった。
モルモン教原理主義の村で20数人妻を持つ男が殺される事件が起きた。19番目の妻が犯
人として捕らえられるが彼女は無実を訴える。15年前に両親に捨てられた息子ジョーダンは 母の無実を証明するために帰ってくるものの、無実を証明できるものはないばかりか、警察ま で妨害してくる。
田舎の景色はきれいだし、美少女もいいんだけど…何の話?ホラーでもなく、少女の成長物
語ってわけでもなく…。石橋杏奈のプロモーションビデオかって。でも石橋は大人っぽくてもは や少女役はに合わないなぁ、とかなり「偏った美少女ウォッチャー」の私としては思うのでした。
仕事でL.Aにやってきたヴィンセント(トム・クルーズ)が乗ったタクシー運転手(ジェイミー・フ
ォックス)を気に入り、一日貸し切りを申し出る。金に目がくらみ引き受けたはいいが、ヴィンセ ントの仕事は殺し屋。運転手は思いもしない暗殺事件に巻き込まれて行く。
トム・クルーズが髪をダークグレーに染め、冷徹な殺し屋を演じている。しかしこの映画の白
眉は夢を持ちながら12年もタクシー運転手から抜け出せないでいる運転手の方の成長物語 だ。まぁ映画なんで後半ありえねー展開ではあるけど、映画だからこそ面白かった。じゃなきゃ 男気出した運転手がヴィンセントを阻止しようとわざと車を事故らせたところで二人ともオダブ ツでしょうから…。最初のコロシでタクシーの上に死体がドーン!と落ちてくるのは「インファナ ル…」からパクったなぁ〜?とちょっと不快になりましたが(笑)
自分探し自転車旅にでた青年(森山未來)がひょんなことから山奥のペンションに世話にな
る。そこのオーナーの女性(裕木奈江)は訳ありで、そこで働くセイジも訳ありで…。
なにが言いたいのかさっぱり…。セイジの行動が過去の贖罪のためということ…?まったくわ
からん。伊勢谷祐介監督作。原作あるらしいが、なんでこの作品を選んだのか…。
テルヒコは頭を打って病院に。自分の持ち物に指輪があるのだが、記憶喪失になっており誰
に渡すのか分からない。とりあえず知り合いと思われる女性を尋ねると、どうも3股しているよ うである。果たして医者の完璧女子か一途な不思議ちゃんか奔放で飾らない風俗嬢か…自分 はいったい誰と結婚しようとしていたのだろうか…?
これもキャストが豪華で、かつコメディでもあり誰に指輪を渡すのかという軽いミステリもあり、
面白かった。最後に謎が全て解けるというのもうまい演出。若い俳優ばかりでこういう軽いミス テリは面白いものだな、と観終わった後の感じも悪くない。
原作読んだ時は正直「しょーもな…」だったんだけど、映画は面白かった。何故だろう…。
王様の命令により「佐藤」姓の人間を抹殺するため「佐藤狩り」の鬼ごっこが始まった。午後
5時で終了。それまでに逃げ切ればよし。捕まればガス室送り。抵抗すればその場で処刑。観 ているこっちも逃げている佐藤翼もわけわからん。それもそのはず佐藤翼はパラレルワールド からいきなりこの王制の日本国に来たので逃げる理由も意味もわからない。しかし逃げないと 殺される。必死に逃げる翼の前に元いた世界では入院中で全く話すことができない妹が現れ た。「お兄ちゃん」初めて聞く妹の声からパラレルワールドのことを聞かされる翼。
とにかく走る走る。某TV番組のようにひたすら黒づくめの鬼から走って逃げる。こっちまで息
が切れる。まぁ納得いくストーリーでした。ただ最後が…続くんかいっ!という感じではありまし たが。
久々に新しいのが観たい(といってもDVDリリース)と思いGEO行ってみたらパッケージに
「エスター」を越える衝撃!」とあったのでつい手にとって観てしまいました。
1950年代スペイン。姉のモンセはアパートの自室で仕立て屋をしながら妹と暮らしている。
広場恐怖症で、ひきこもり。一方妹は18歳になりはちきれんばかりの健康美。工場で働いて いるがお年頃なのでBFもいるらしい。それを窓から目撃したモンセは妹が帰ってくると「はした ない!」と木の枝で手や頬を打つ。そんな二人きりの生活にアパートの上階に住む男性カルロ スが転がり込むことになった。
「エスター」のほうが私には衝撃的でしたわ。どこかで観たようなホラー映画のワンエピソード
ずつ取って来てつなげたような。女二人のところに男が入ってくるっていうのは「ザ・ノース」に あったし他にも死体をノコギリでっていうのは「OUT」とか…一番色濃く似てると思ったのは「ミ ザリー」ですな。二人が姉妹じゃなくて父親がモンセをレイプしてできた子を妹と言ってるんじゃ ないかというのも、もう途中からすべて予測できたし。一つ予測できないというかわからないの は、モンセから逃げるのではなく警察を呼べばいいだけの話なのに、ひたすら狭いアパートの 中を逃げ回るという…。借りに行くとパッケージにだまされちゃうんだよなー…huluに戻るか…。
多分原作本はちゃんと状況が書いてあるのだろうけど、前提として思想統制のため本を取り
上げるとかがわからない。思想統制するんなら印刷前に検閲ってもんがあるでしょうが。今の 中国みたいにすればいいわけで。政府肝いりの政策の筈なのに本を取り上げる側と守る側に 分かれている。そのへんは原作読めってことなんだろうか。
舞台設定破たんしているわりに映画はわりと面白い。やはりそこにキャラクターがあるからだ
ろう。榮倉奈々が堂々岡田純一に「チビ」というのは笑えた。でもかっこいいんである。しかしフ ァンタジー世界でドンパチやって戦争映画で特攻隊やって大河で軍師やって、もう相当にお疲 れなんじゃないかといらぬ心配をしてしまう。だがしかし、更にひらパー兄さんまでやってしまう のは、やはりあのハンサムなお顔だからなんだろうなぁ…。画面が見苦しくない(当然)という か、引き締まるというか、キャスティングって重要だな、と思った。
「突撃!〜」の方が体制側から描いたものならこちらは、学生側から描いたもの。あさま山荘
事件だけでなくその前後の日本連合赤軍の歴史もきっちりと。だから3時間以上あるわけなん だが、メインはあさまに行くまでの学生の山での修行である。修行といっても「総括しろ、総 括!」というまるで中国の文化大革命の「内省しろ、内省!」のごとくもうわけがわからなくなっ ていく。映画観るまでも無く知ってはいたが、一人、また一人とリンチの末命を落としていく学生 たち。赤軍とはなんだったのか。これを観てもやはりわからない。
ロバート・レッドフォードがヨットで大海原を優雅に横断中、中国の捨てられたコンテナがヨット
にゴツンしてしまい、そこから水が入り込み、徐々に沈み始めるというサバイバルものなんだが …。1時間45分ロバート・レッドフォードの孤軍奮闘ぶりを眺めるだけである。キャストは一人、 舞台は海。こうなると「ライフ・オブ・パイ」のほうが面白いと思えてくる。老体にムチ打って御苦 労さまでした。
原作はパウロ・コエーリョの小説。何故か日本で映画化。勿論日本に舞台は移されている。
自殺に失敗した女性が目覚めると人里離れた精神病院にいた。そこにはやはりちょっといっ
ちゃってる人たちが沢山。ナースや医者のテンションまでちょっとおかしい。まともな人間などい ないのではないか。で、あれやこれやあって、女性は生きることにするわけなんだが…。
何が言いたいのかさっぱりわかりませんでしたわ。ただやたらキャストが豪華。そして真木よ
う子のヌードという眼福つき。真木よう子って美人でスタイルがいいって、もう直球すぎて文句つ けようがない。演技力もあります、勿論。それだけにこの映画は…。というかこの人の映画で 「いい作品だ」と思ったものがない。逆が多い。「さよなら渓谷」にしてもなんでこんな映画に …?とちょっと作品の選び方がよくわからない女優さんなんである。
原作を読んでイヤミスだったので、敢えて観なくていいや、と思っていたのに英会話講師が
「原作とはラストが違う」というので観て見たら…一緒やんけ…。翌週文句を言おうと英会話に 言ったらその講師は”一身上の都合で急に”辞めてた…(怒)
原作を忠実に再現してましたけどね、映画は…。
小学6年生のあるクラスで担任の先生が言いだした。「クラスで豚を飼おう。卒業するときに
その豚を食べよう」。狩猟民族系の国なら有り得る話でしょうが、日本では「ひくわ〜」となるこ と請け合い。子供たちは無邪気に名前をつけ小屋を作り世話をするが、やはり卒業する頃に なって、食べたくないという子もでてくる…というより皆情が移ってしまい食べられない。でも結 局涙しながら食べて「Pちゃん、命をありがとう。君の分まで生きて行くよ」とかいう感動ものかと 思ったらそうではなくて、最後は精肉工場へ連れて行かれる所で終わる。命の終焉まで見せて やるのが教育というものではないのか。屠殺場でどんな断末魔を迎えるかまで見せてやれよ。 と思ったのだけども。そこまでして子どもたちは全ての食料を大切に思うようになるのではない だろうか。豚だけの問題で終わってるところにタイトルとのギャップを感じた。
DVD化されてないのがほとんどだと思ってたらありましたよ。「トラウマ映画館」からのこち
ら。しかしやはり、あれから次々名作傑作の誕生で町山少年が受けた衝撃は現代では通用し ないというか…。自分たちの両親が旅行中事故死したことには無関心な姉と弟(11,12歳?)
が家庭教師が出て行こうとすることには必死に引き留めるというのが心理的によくわからな
い。この映画も何が言いたかったのか。「子供の純真無垢さは怖いよ」と?確かに事の善悪の 区別がついていないところは怖いが、それは大人が考える怖さで、子供の本当の怖さではない ような。
岸谷五郎ごときが深田恭子と不倫できるなどと…きいぃぃとなる男性諸君も多かろう。私もこ
のキャスティングにはちょっと…。しかも家で夫の帰りを待つできた読めは木村多江。しかし二 兎追うもの一兎も得ずのたとえどおりである。確か東野圭吾原作だったような。もっと本の方は ミステリ色が強いんだろう。映画の方は不倫の方に焦点を当てているので、正直ミステリのほ うはおざなりなもんである。どうでもいいわい、そんな秘密、といった程度のミステリでした。でも 深田恭子のけなげさに★二つ。(あんな男に…という悲哀もこめて)
さすがアメリカ版。東京タワーどころかアメリカの摩天楼をなぎ倒し暴れる暴れる。まぁそれだ
けのもので、どう深読みしても何も得るところがないのが怪獣映画ですな。
43歳のサラリーマン真次は深夜地下鉄の構内で若くして事故死した兄を見かける。追いか
けて地下鉄の出口をくぐるとそこは昭和39年の日本だった…。
あんまり詳しく書きたくないんですが…というのも、普通は感動できる、よくまとまったファンタ
ジーかもしれないんですが、前シーズンテレビドラマにあった「流星ワゴン」を彷彿とさせる内容 なんですわ。なので感想というか印象がまず「似てる…」。厳格な父親の死に際して、タイムス リップすることにより、父のその時の心情や愛を知るといったお涙ちょうだい的な。キャストは 一切ダブってないのでそこが救いかと。因みに原作は浅田次郎で「流星ー」のほうは重松清で す。
「事実に近いストーリー」とはどの辺が事実なのか…?
妻を上司に寝とられたジャーナリストのボブは、ヤケになりイラク開戦に飛び込む。そこでリ
ンという男と知り合うが、リンはベトナム戦争時、米軍内に設立された「新地球軍」という超能力 部隊の一員だったという。当然最初は信じられないボブだが、リンと行動を共にし、彼の話を 聞くうち、リンの超能力は本物かも、と思うようになる。
観ただけでは「んなわけあるかい」としか思えないが、「超能力軍」というのがあったというの
が事実だったというのだ。まぁ勝手にやってくれ、といったところだが、この映画が面白いのは ジェフ・ブリジッズやジョージ・クルーニー、ケビン・スペイシーがマジメにやっているところだろ う。これにボブ役のユアン・マグレガーが加わるのだから鉄壁のキャストなのに、今一つ笑えな い。やはりアメリカ人の笑いのツボとは違うのかも。原作の本の方が面白いそうです。
えらい古い映画ですが、有名過ぎて観たことなかった。「トラウマ映画館」という本の中でちょ
っと紹介されていて、爽やか青春映画と思っていたら、実はブラックであるということだったので 観てみた。
裕福な家の兄弟が避暑に訪れた別荘。弟春治(津川雅彦)は駅で偶然見た美女を観染め
る。兄の夏久(石原裕次郎)は名うてのプレイボーイの遊び人(いわゆる太陽族)。弟が美人だ ったと言い張る女性に興味はあるものの不良仲間と遊ぶのにも忙しい。春治は一途に美女を 探し、ついに恵梨という女性であることをつきとめ、デートするまでに至る。兄はクラブでみかけ た恵梨の後をつけ、結婚していることをつきとめる。アメリカ人の夫を持ちながら夏久と浮気 し、春治を思う恵梨。ある日夏久がヨットに恵梨を誘う。夏久に恵梨をさらわれたと思った春治 は二人の後を追って海にでた。
いわずもがな一番悪いのは恵梨ですわな。しかし3人の男を翻弄するほど北原三枝が美人
に思えない…。津川雅彦といい、友人約の岡田真須美といい、もう時間って残酷だなーと思わ ざるを得ないくらいハンサムなんである。石原裕次郎はというと、顔はともかく足が長い!これ は確かに注目されるに値するスタイルのよさである。
しかし驚いたのが、素人ばっかりだったからかセリフがすごく不明瞭で、聞きとりにくい。私だ
けだろうか。映画が始まってすぐ兄弟が何を言っているのか半分も聞きとれず驚いた。東京弁 の早さに慣れてないからなのかイントネーションの違いなのか…でも現代のドラマなら難なく聞 き取れるのだがなぁ?
夏のバイトに海の家に集ったバイト仲間。しかし夏の終わりとともに思い出も解散。ところがそ
の年の12月24日、バイト仲間の女の子エリから海の家に来て欲しいと手紙をもらい、行く男 子。…たち。手紙をもらったのはバイト仲間3人と海の家のマスター。そこへ海の家の立ち退き を迫りに来た弁護士が一堂に顔を合わせる。お互いこそがエリの相手であるとバイト中のエリ との思い出を披露していくが、弁護士の鋭い突っ込みから、男側の単なる思い込みであると看 破される。では何のために呼び出されたのか…。
一つの場所と回想シーンだけで構成されるシチュエーションコメディ。派手さはないものの、
役者のコミカルな演技で十分笑えた。日本のコメディ映画で笑ったのは久しぶりだ。とはいえ、 笑うツボがやはり漫画的な突っ込みなので、ある程度漫画っぽくないと笑いもとれない、純粋な 喜劇というのは成立しないのかなぁ…と一抹の寂しさも覚える。オチはよかった。
原題「刺客 聶隠娘」候孝賢監督。カンヌで監督賞を受賞。事前に「好男好女」を観てたので
あんまり期待してなかったんですが…やっぱりなー…っていう出来でした。
ストーリーを解説しようにも何が何やらわからないので…スーチー扮する黒衣の娘が暗殺者
として育てられたということしか…。ところがこの暗殺者、ターゲットに子供がいたりすると情が 働いて見逃してしまうとか。で、師匠にまだまだだ、と叱られる。で、その繰り返し。何故か最後 は遣唐使(妻夫木聡)のお供としてどこかへ出発して終わる。…妻夫木の意味あったのか…?
古代中国と日本の景色(ロケーションは台湾・日本・中国の田舎各地に及ぶ)が美しいというこ
とでヨーロッパで評価されたということでしょうか。誰も何も語らないので話はさっぱりわから ん。候孝賢はもう観ないな…。
「母さんあの麦わら帽子、どうしたんでしょうね」♪ママァ〜、ドゥーユーリーメンバー〜
というCMを覚えているのだが、映画は観ていなかったので改めて見てみた。
1970年代高層ホテルのエレベーターにで黒人青年が刺殺されていた。ジョニー・ヘイワード
というその青年は死ぬ間際「ストウハ」という謎の言葉を言い残し、手には西條八十の詩集を 持っていた。そのホテルでは政治家の妻でありデザイナーである女性のファッションショーが行 われていた。
刑事役の松田優作は死なないものの、関係者が次々と死んで救いのないこと。こうも次々死
なんでも、というくらいに。死ぬことで帳尻合わせってそりゃ作者の手抜きのように思える。とに かく最初のファッションショーのシーンが長くて辟易した。今見るとそう衝撃的ではないんだけ ど、当時は衝撃的ストーリーだったんでしょうか…。原作とはラストが違うらしい。原作はタイト ルに沿ったラストだとか。確かに映画観た限りではタイトルの意味はわからなかった。
三億円事件を題材にしたラブストーリー。そう、結局ラブストーリーなんで、特段ひっかかると
ころはなかった。宮崎あおいが三億円事件の犯人の一人を演じるのだが、いくらなんでも男と 女を間違えるだろうか…。そこがリアリティなかったなー。特に三億円事件に対する推理みた いなのも披露されず(なのでありえない仮定ばっかりである)、さもそういった関係者がいたか のようにその後の彼らを最後に出すのだが、存在しない人間なんだから意味がない。せめても っと事件の本質に迫ってくれていれば推理劇としても面白かったかもしれないが。
候孝賢監督、伊能静主演。正直あまりよくわからず印象に残ったシーンもない。この監督と
は相性が合わないのかもしれない。とはいえ、明日この監督の新作「黒衣の刺客」を見に行く んだが…大いに不安…。
短大を卒業しても就職に失敗し、家に居づらい斎藤鈴子(蒼井優)。実家通いのバイト先でバ
イト仲間からルームシェアをしようともちかけられ即OKするものの、アパートが決まってから友 人は彼氏との3人共同生活だと言いだす。それならやめればいいものの、言えない鈴子。引っ 越し当日二人は別れたと、よく知らない男との共同生活になる。鈴子は子猫を拾うが、同居の 男に捨てられたことに腹を立て相手の荷物を外に投げ捨てる。怒りにまかせてとはいえ、こう いう行動力はすごい。しかし器物損壊で訴えられ、結果、前科者になってしまう。一旦実家に帰 ったもののますます居づらい鈴子は自分を誰も知らないところで百万円ためよう、と街を出る。 百万円に意味はなく、単なる目安。適当に訪れた海の家でバイトを始め、うまくいってたもの の、ナンパ男に絡まれ、百万円たまったのを機に逃げるように別の街へ。次に辿りついたのは 山村。運よく桃の収穫時期で農家で住み込みの収穫の手伝いのバイトにこぎつける。何故か 村長に街おこしのための「桃娘」に推薦され、前科者故目立ちたくない鈴子はそこも逃げること に。たびたび生活の地を変える鈴子だが、行く先々で小学生の弟の拓也には近況を葉書に書 いて送っていた。次の小さな町ではホームセンターのバイトに。そこで大学生のバイト人(森山 未來)と知り合い、いろいろバイトのことや街のことを教えてもらう内に懇意になる。ようやくやっ てきた春の予感。ところが呆気なく終わりもやってくる。
なんてことない場面の連続で、鈴子は逃げてばっかで、一向に成長しない。ところがこれは鈴
子の成長物語ではない。弟の拓也は実は学校でイジメにあっていた。ハガキが届くたび拓也 の近況も画面に映し出される。しかし、一度だけ来た拓也からの返信は「ぼくは逃げない」とい うものだった。姉がまだ実家にいた頃、おそらく彼女も目立たない存在からいじめの標的では あったのだろうが、素直にいじめられてはいなかった。街中でかつてのクラスメートにからまれ た鈴子は敢然とやり返していたのだ。それを偶然拓也は目にしていた。弟の葉書に号泣する 鈴子。敗れた恋が実は誤解だったのだが、その誤解が解かれることもなく、次の街へ旅立つと ころで終わる。
自分もこんな何にも責任もなく考える必要も無く、ただ流れるように生きて見たい、という思い
はあった。実際不安定なのは苦手なので、すぐ精神のバランス崩して寝込むかも、だが、され ばこそ、鈴子のような生き方に憧れた。
ヤクザのセイジ(藤原竜也)は幼いころ両親を亡くしたため弟のミチオ(木村了)の面倒をみ
ていた。太陽にあたれない難病と知的障害を抱えるミチオ。治療のため通っている病院に新し くやってきた看護婦ケイコ(岡本綾)はセイジに想いを寄せる。そんな中、セイジの組と中国系 マフィアの間で抗争が始まる。
主役のキャスティングにも登場人物の設定にも無理が多くて、素直に観れない。ああすれば
いいじゃない、こうすればいいじゃない、というつっこみどころが満載でストーリーに没頭できな いのだ。岡本綾という女優がそういえばいたなぁ…とググってみると現在は休職なのか引退な のか、芸能活動してないらしいですね。残念です。木村了の知的障害者っぷりが「ギルバート・ グレイプ」のレオナルド・ディカプリオを彷彿とさせます。ただ難病にする必要はあったのかどう か。夜しか行動できないと言う割には昼間のシーンが多くて、タイトルを大きく裏切っている。も っといい物語に出来たと思うんだけど残念。
日本のキャバクラの紹介PRビデオみたい。
エレベーターに閉じ込められた4人。妻の出産の立ち会いに急ぐ男(斎藤工)、やくざ風のチ
ンピラ(内野聖陽)、人に触れると過去がわかる超能力者(モト冬樹)、ゴスロリファッションの少 女(佐津川愛美)。隔絶された場所の中で次第に4人は自分の過去を話し始める。
舞台が元というだに、シチュエーションコメディかと思ったら、物語の後半は映画らしくエレベ
ーターの外にでて、ドタバタする登場人物たち。全ての謎が分かった後でも謎はまだ残る。伏 線を全てきれいに拾って終わってくれれば★もう一つ付けてもよかったが、「ありえねー」部分 が一つでもあると、しらけてしまうんだよねぇ、こういう騙しモノって。
1970年代テキサス。強盗を働いて生計を立てていた(こういう職種が存在するアメリカって
…)ボブとルースは、ルースの妊娠を機に足を洗うことに。最後の仕事で警官と銃撃戦になる も、結局二人は投降(最初3人だったのがこの銃撃戦で仲間一人が死亡)。ボブはルースをか ばい、一人全ての罪を背負って監獄へ。4年後ルースは4歳の娘と平和に暮らしていた。そこ へ銃撃戦の時の保安官がボブが脱獄したという知らせを持ってきた。
全く何が何やらわからない。ボブとルースが強盗を働いたのも、どうやら二人は孤児で悪い
里親だかヤクザだかに育てられて、強盗しか知らなかったみたい。二人の事情は二人の断片 的な会話からしか推測できない。あの銃撃戦後ならルースもただでは済まないと思うのだが… 何故か無罪放免で娘と気楽に暮らしてます。どうやってかはわからないけど。親分が面倒を観 ている様子。かつての敵の保安官もなにやらルースに想いを寄せているらしい。ボブは何故か かばった割には、刑期途中で脱走、親子3人知らない土地で農業でもやりながら暮らそう、な どと夢物語を考えている。ボブは大金をどっかから掘り出し、逃走資金にしてルースと娘を迎え に行き、逃げようと考えるが、追手(多分親分の手下)に追われ重傷を負いつつ、ルースのとこ ろまでやってくる。
「あいたかった…」ルースが一言いうとボブはルースの腕の中で息を引き取るのだった…。
テキサスの勇壮な景色でもごまかせない、雑なわけわからないストーリー。誰一人共感でき
ない。ボブを「キラー・インサイド・ミー」のショーン・アフレックが演じてますが、こういう後先考え なしのオツム弱い白人役がハマリ役なんだろうか。
ヒマラヤ山脈ナンガ・バルバートに1970年ドイツ隊が初登頂した。しかしその陰には壮絶な
物語が。若き登山家ラインホルトとギュンターの兄弟は共に登山家博士の遠征隊の招待を受 け、挑むが、登頂から降りてくる途中悲劇に見舞われた。降りてこれたのは兄のラインホルト だけ。その後、弟を探しに10回兄はナンガを登った。ついに2006年弟の遺体を発見した。
9月1発目からなんちゅうもんを観てしまったのか…。きれいな景色が見れるのかなー…くら
いの軽い気持ちで観たんですが…。登山なんか大嫌いな私から言えば、行く方が悪い。どんな 目に遭おうとも自業自得。しかし実際にヒマラヤで撮影したであろう撮影隊の仕事には頭が下 がる。自分には絶対できない。
原題「The son of no one」 2002年ニューヨーク。警察に勤めるジョナサンはかつて自分が
暮らしていた部署に異動になると、警察署に過去の殺人事件の隠ぺいに関する脅迫状が届く ようになる。ジョナサンは14歳のとき2件の殺人事件を起こしていたが、父親の相棒のスタン フォード刑事がもみ消していたのだった。ジョナサンの上司は脅迫状をもみ消せと命じるが、新 聞記者の手にも渡っており、交渉は難航。そこへ記事にすると息まいていた記者が殺された。
2002年というところが鍵で、2001年のテロで警察の信頼回復に躍起になっているところへ
またも警察を陥しめる脅迫状。しかし当時14歳の少年が裁かれるだろうか。しかも正当防衛 だ。何故父親の相棒刑事は隠ぺいしたのか。ネタバレしちゃうと事件を目撃した二人の友人の うちの一人が脅迫状の主だったのだが、何故今になって脅迫したのか。脅迫してどうしたかっ たのか。スタンフォード刑事にアル・パチーノ、警察の保身を図る上司にレイ・リオッタ、義憤に 燃える新聞記者をジュリエット・ビノシュと脇はしっかり固めてあるがゆえにストーリーの脆弱さ が目立った。主役のジョナサンはチャニング・テイタムという知らない白人俳優。最後に脅迫状 の主がわかってもぽかんとするほかない。
余命3カ月と宣告された若いカメラマン。残る日々をどう過ごすか。ゲイである青年は家族に
も恋人にも残された時間が短いことは告げない。唯一祖母にだけ告げる。(この祖母はフラン スの名女優ジャンヌ・モロー)
正直、死がからむと自分ならどうする、ということにばかり頭がいって、映画どころではなかっ
たです。主人公がどういう行動を取ろうとそれは本人の自由。もうどうにでもしてくれ。さて、自 分は…と。ともあれ、主人公がゲイとはいえ、美青年で観ていて眼福ではありました。
ダブリンの街かどギターを弾いて歌を歌い日銭を稼ぐ男と、チェコからきた女が出会う。女も
音楽の才能があり、二人はセッションするうち心を通わせる。男はレコーディングスタジオのエ ンジニアに認められたこともあり、ロンドンへ勝負にでようとする。女は実は結婚しており、夫は 喧嘩後チェコに帰ってしまったという。男がロンドンへ旅立つ日、女に電話すると、夫とよりを戻 したと言う。男は一人旅立つのだった。
というなんということも無い話。普通は二人は手に手を取ってロンドンへ…と思うところが、女
があっけなく夫とよりを戻すのが人生ままならない、といいたいのかな、と。男がロンドンで成功 するというところまでは映さない。ただ去っていくのみである。そしてなにより、主人公二人に名 前がないのだ。「男」と「女」。どこにでもあるありふれた話。そういうことを描きたかったのか。 …でも私はそれは映画としてはいかがなものか、と。大きなスクリーンをフルに活用してわくわ くハラハラの別世界へ連れて行ってもらうために観客は金を払うのだ。いくら低予算でも心に 響くものを作ってもらいたい。ただ、歌っている曲はすべてこの映画のためのオリジナルなの で、一聴の価値はある。それがなかったら本当になんということもない映画だ。
1996年アルジェリアで実際に起こった7人の修道士誘拐殺害事件。
前半どこだかわからん田舎で修道院の修道士たちが自給自足で暮らし、熱心に机に向かっ
て(恐らく聖書を)勉強している。なんとも平和なシーンが続くのだが、平和な村にイスラム過激 派が介入してくるところから不穏な空気が漂い出す。修道士たちの中でも意見は割れたもの の、結局あくまで非戦闘、そして帰国しない道を選ぶ修道士たち。しかし運命の時はやってき た…。最後のシーンは雪山の中を過激派に連れて行かれる修道士たちが雪の向こうに消える シーンで終わるが、その通り結局どこでどうなったのかはわからないらしい。未だに謎の残る 事件だが、危ない地域なので捜査もままならないらしい。そんなところで修行せんでも、と思う のだが。
修道士と神父や牧師は立場が違うのだな、というのがわかった。
ダイハードシリーズでタフガイを演じてきたブルース・ウィリスがキャラそのまま、またも強い
夫・父親を演じている。そろそろ性格俳優に転校してはと思うのだが、余計なお世話だろうな。
ストーリーはうまくいくかと思いきや二転三転する構成は嫌いではない。迫力があってよかっ
た。
舞台はロサンゼルス。闇にまぎれて金網を盗んだ男ルイス。警備員から奪った戦利品のい
腕時計をはめた彼は、とある工事現場で金網を売りさばいたついでに職にありつこうとする。 神経の図太さに首をかしげそうになるけれど、なりふりかまってられないほど追いつめられて いるのだった。そんな男が社会への逆襲に転じる…。ひょんなことで報道パパラッチ(通称ナイ トクローラー)の天職を得たルイスは、何の知識、技術、コネも持たないがゆえの大胆不敵さで 過激な事故・事件映像を次々ものにしていく。獰猛な屋自由の如く殺気をみなぎらせた彼が” 狩る”のは、スクープ映像なのか人間性なのか。やがて、貪欲に視聴率を欲しがるTV局ディレ クターのニーナを平伏させ、万能感を肥大化させていくルイスの行きつく先は…。
以上は映画館のチラシから。スクープをものにするため警察無線を盗み聞きし、警察よりも
早く到着した先で過激な映像をものにした彼は、警察に犯人の映像を渡さず、敢えて警察と対 決させる舞台を整え、思惑通り警察と犯人の銃撃戦という映像をも得る。かなり頭の良さで、 役のために12キロ減量したというジェイク・ギレンホールの目のギラつきようがすごい。スクー プ現場にいち早く到着するため車を無茶苦茶に運転するシーンでは酔いそうになるほど迫力 があった。劇場で観る価値あるかなー、と見る前は逡巡したものの、結果は映画館で観て良か った。一緒に見に行ったダンナはこういうバッドエンドは好きではないらしい。被害者より道徳 より、金になるスクープに執着する男がいつか破滅するのでは、と見る者は予想するが、結果 は意外なところで終わる。私はこのバッドエンドは気に入った。というか、勧善懲悪なら確かに 納得できるが、ルイスにはもっともっと昇り詰めてもらいたい。そこからの転落はさぞ豪快であ ろう。つまりいつかは天罰も下ろうが、それは今ではない。危ない腐った梯子をソロリソロリと 登っていき、いつか足を踏み外して転落していく彼を想像させるところで終わる。あっというまに 罰が下されるよりリアルな感じがした。
英会話の先生がこの映画を推薦したのだが、私の感想より、彼はアメリカ、というかモラルを
無視する社会への危惧がこの映画のテーマだと思ったらしい。確かにそれもあるだろう。スク ープのためには人権も無視する。上昇志向のためにはあらゆる人間を利用する。ルイスはそ ういった人間の悪と欲望の権化だったのだ。
傑作と評価されているが…自分には気持ち悪いだけで理解不能だった。いろいろな謎解き
がネット上でされているが、自分は解こうとも思わなかった。
何故白黒なのかわからない。リュック・ベッソンってよく評価されているが自分には今一つだ
った。
「レザボアドッグス」の影響大なのは否めないとのことだが、タラちゃん好きじゃないので見て
ないので、どれほど影響受けてるのかわからない。
強盗で6年の刑期を終え出所したフィッシュをかつての仲間がレストランで祝いの席を設け
る。しかしフィッシュ以外の4人はフィッシュが強盗で得たダイヤを隠してると思っているし、フィ ッシュは4人が持っていると思っている。そこで宴席は拷問の場と化す。
いきなりの女体盛りにドン引きするが、最後のどんでん返しは嫌いではない。フィッシュが「ネ
バーエンディングストーリー」のアトレーユと知ると椅子から転げ落ちそうになるが、それ以外は どうということもない。サニー千葉もぐっと映画を引き締めてB級にしてはよかったと思う。
堺雅人と柴犬のほほえましい画にだまされましたよ。動物ものののほほんとした映画と思い
きや、のっけから保健所員が犬を処分する重たいシーンで一気に突き落とされた…。勝手な 理由で飼ってた犬を捨てる人の多いこと。実際ニュース番組で「もういらない」とか「旅行に行く から」と保健所に連れてきた人を観て愕然としたが。最後まで飼えないのなら自分の手で処分 すればいいのに、と言う人間には「そのために税金を払ってる」というのが捨てる人間の言い 分らしい。映画では「税金払っているんだから」を楯に保健所員に言いたい放題。保健所の人 御苦労さまです…というのも正直な感想だ。
映画ではひまわり(と名付けられた柴犬)と子犬達は堺雅人にひきとられてめでたしめでたし
なのだが、実際には毎日この悲劇が起こっているのかと思うと胸の痛くなる映画だった。
アントニオ・バンデラスとモーガン・フリーマンの騙し合い。こういう詐欺師ものはラストがたた
みかけるように二転三転するので嫌いじゃない。度が過ぎればわけがわからなくなって、どうで もよくなるものだが。ほどほどでよかった。
原書を読んだけど、私の乏しい想像力でロアルド・ダールの摩訶不思議な世界を頭の中に構
築できなかった。なので、敢えて苦手なティム・バートン監督と知りつつ見てみたら…意外に良 かった。大体は原作どおりで、チャーリー以外のゴールドチケットを手に入れて工場に招待さ れた4人の子供は憎たらしいけど、子供らしいっちゃ子供らしい。何もかもわかっていて思いや りのあるチャーリーこそ大人の理想とする子供であり、実在性に乏しい。
原作にはないウィリー・ウォンカが父親との確執を解くあたりは映画としてよかったと思う。チ
ョコレート工場内部のカラフルな世界はティム・バートンの世界にぴったり。笑えたのはウンパ・ ルンパという工場で働いている小人族だが、せんだみつおそっくりで、せんだみつおがいっぱ い…という日本人のみのツボがあります(笑)
911以降、アメリカCIAはテロに関わりがあると思えば法的根拠なしに拘束・拉致監禁し、国
内では拷問は禁じられているため他国へ連れ出し、拷問する、という「エクストラ・オーディナリ ー・レンディション」(特別送致)という北朝鮮もまっつぁおなことをしているらしいですわ。そう考 えるととても恐ろしいのだけど、それを映画化して社会に訴えることができるというのも、アメリ カの素晴らしいところですな。
くだらねぇ…これ今年見た中のワースト1かもしれない…。
2の直後から話が始まるので、結果としてはもう一回見ておいてよかった。
なんとか助かったリスベットだが、父親はまだ生きており異母兄の脅威も去らない。父親の一
派に狙われるリスベットは、ついに子供のころからの虐待について告発を始める。
2とは打って変わって法廷劇のような。北欧って福祉の先進国の印象が強いが、実はスウェ
ーデンではDVが先進国のなかでも特に発生率が高いらしい。なので、リスベットの母、リスベ ットがこれだけ虐待されたのもそういう社会背景があったからだと納得。
1回見てたのを忘れてもう一回見てしまった。
リオデジャネイロの郊外に「神の街」と呼ばれる貧民街があった。そこで育った青年の回想と
現在が、テンポよく映し出され飽きさせない。カメラマンの実話だそうで、ストーリーもよかった。 各登場人物も実際の写真や映像が最後に紹介されて、真実味をさらに加える。
母を亡くした少年は父と祖母の3人暮らし。そこへ正体不明のメタル音楽好きの男ヘッシャー
がやってくる。近くのスーパーで働くレジ係にナタリー・ポートマン。
この謎の男がぎくしゃくした少年の回りの人間関係に大ナタを振るい、少年の居心地を少し
だけ良くして去っていく。という話なのかな、とかなり大目に見てそう解釈したが、一回見ただけ では全く意味不明だった。
アメリカのロックだかポップスだか音楽の創世記の物語。実在の人物てんこ盛りでマニア垂
涎の一品。残念ながら私にはさっぱり…。その昔チェッカーズの歌に「チャック・ベリーが神様 だったよ」とあったので、かろうじてチャック・ベリーの名前は知っていたが…その他は全く。で も聞いたことのあるナンバーもあり、年配の人が涙を流したというのもうなずける。今音楽をこ こまで純粋に聴けるだろうか。もうありとあらゆる音楽が飽和状態で何を聞けばいいのかわか らないくらい。アメリカのポップスに往年の輝きは無い。邦楽も洋楽も情熱もなく手軽に携帯で 聞き流す現代からすると、本当に純粋な時代だったのだな、と思った。
実在のシリアル・キラー、リチャード・ククリンスキーの物語。妻役にウィノナ・ライダー。マフィ
アのボス役にすっかり悪役が板に着いたレイ・リオッタ。その他同業者や弟役に有名な役者が 出ているということだが…私は知らない。ククリンスキーは20年で100人以上殺したということ で間違いなくサイコパスだったと思う。こういうサイコパスは何故か白人の20〜30代が多いと いう統計がある。今回も例にもれず白人だった。家族は大事だが、同じく家族を持っているで あろう人間を何の情もなく殺せるというのは確かにイカれてる。しかしそのイカれたメカニズム を解明しないとシリアル・キラーだからという理由だけで終わるのだろうか。被害者の命は戻ら ない。遺族はそれでいいのだろうか。
北九州保険金殺人事件がモデルの松本清張が原作の小説を映画化。
海にドボンと飛び込んだ車から女性が自力で脱出、救出される。男は資産家で女は最近結
婚したスナックの女。男に6億の保険金がかかっていたことから保険金殺人が疑われる。女の 名は球磨子(桃井かおり)。元彼(鹿賀丈史)やら遺族の証言から限りなくクロに近いと思われ るが、国選でありながらも弁護人(岩下志摩)がつく。この弁護士がやり手で次々証言を突き崩 して行くが、球磨子の法廷でのふてぶてしい態度から、有罪の決め手が得られなかった。二転 三転する証言のなか果たして保険金殺人は行われたのか、否か。
本当にこういうふてぶてしい役が桃井かおりにお似合いである。岩下志摩のかっちりした弁
護士姿も様になっている。実在に合った事件がモデルとはいえ、結果は正反対に終わってい る。女弁護士と被告人の関係性が「告発の行方」(1988)のケリー・マクギリスとジョディ・フォス ターの映画を思い出させる。こっちが先だけど。
第二次世界大戦の北欧4カ国VSドイツの情勢が頭に入っていないとわかりにくい。なんせ私
は北欧の位置関係もわかってなかったので、非常にわかりにくかった。
主人公はノルウェーの英雄マックス・マヌス。彼はドイツVSフィンランドの冬の戦争に参加。
その後母国で活躍。ついにドイツを追いだした。役者も地味だし、話も地味。最後に自分たち を苦しめたドイツの将校と対峙するがそこもイマイチ盛り上がらない。レジスタンス運動をして いた時の仲間は全員死んでしまい、祖国を取り戻したものの、喜びよりも寂寥感でいっぱいの マックスの姿で幕を閉じる。
因みにスウェーデンは第一次世界大戦からずっと中立の立場を取っていた。それも知らなか
った。ちょっと世界史の勉強にはなります。
原題「Drug me to hell」スティーブン・キング原作のホラーかと思ったが、違ったようだ。ホラーっ
て行きすぎるとコメディに見える時がある。途中であほらしくなった。
今年春に亡くなった今井雅之のライフワークだったとか。とはいえ20年前の作品で監督は奈
良橋陽子。多分ここから20年の間にどんどん進化していったのではないかと思われる。200 5年に再度映画化されている。
現代から戦争末期へタイムスリップした漫才師二人が特攻隊の人間になり感化されていく。
最後はあれでよかったのかどうか、よくわからない。
原題「EVENING」クレア・デーンズメリル・ストリープ、グレン・クロース名だたる名女優が出
演。話はほとんど記憶にない。確か年老いた母親が臨終寸前、娘に前の昔の恋人の名前を 告げたとか。それだけだったような。
トマは老人ホームで独り自分の人生を回想する。何もない人生だった、と。子供の頃となりの
裕福な家庭に同い年のアレックスがいた。何故か生まれた時病院が火事になり取り違えられ たと思い込んでいるトマ。2つ年上の姉のアリスはおませな女の子。弟はダウン症。父はアレッ クスの父が経営するスーパーの荷受けに行く途中事故死。姉はスーパーに放火し自身も死ん でしまう。現在と過去を行き来しつつすすむストーリー。
まぁ正直なにが言いたいのかわからないのだが、映画評では「人生賛歌」とかなんとかいい
評価が多いです。テンポいいし起きる事件も普通じゃないのだが、いまひとつおとぎ話風での めり込めない。映画にのめりこむというのも変な表現だが、話に引き込まれないのだ。見終わ った後も、「ま、そんな人生もあるよね」としか言えない。
小津安二郎へのオマージュとか。昭和っぽい。橋爪功が好々爺を演じているのだが、「ポイ
ズン・ママ」を読んで以来いい人とは思えなくなった。特に悪人もなく、みんないい人って映画と してどうなんだろう?
古き良き王道香港アクション映画。フィリピンやらアメリカやらロケも豪華。ただアンディ・ラウ
のヒーローものなので、特にひねりはない。
この映画は「実在したダイアン・アーバスという写真家に触発されて作ったフィクション」という
ことらしいので、伝記ものではない。実は今この映画のおかげでダイアン・アーバスを知り、彼 女についての本を読んでいるのだが、遺族から彼女の撮った写真の使用許可は得られなかっ たということらしい。なので、この映画も企画段階ではダイアン・アーバスの半生を描くつもり が、写真の使用許可が下りなかったのでフィクションという形に変更したのではないだろうか。
とりあえずタイトルにある「エロス」とは関係ないので、なんでこんなタイトルにしたのかはわから
ないが、主演のニコール・キッドマンがなかなかよろしい。娘役に「名探偵MONK」のジュリー役 の子が出ていて個人的に懐かしかったが。映画自体のストーリーからダイアン・アーバスの最 後までは描かれないだろうとは思っていたけど、やっぱり尻切れトンボな感じは否めない。
これほど女性を侮辱した話はないと思うのだが…。
英国植民地のインドネシアに英国から赴任してきた若い青年。現地の女性と寝食を共にし、
言葉を覚えなくてはならない。純朴な青年は断るが美しい女性にあっさり陥落。ちゃっかり恋に まで落ちてしまい結婚を望むが、それは許されず、帰されてしまう。1年後本国で結婚した青年 は妻とともにインドネシアを再び訪れた。かつての恋人は現地の青年と結婚したと聞かされた が、偶然目にした彼女の子供は金髪に青い目だった。自分の子供だと察知した青年は…。
最後は二人は結ばれハッピーエンドなんですが、それまでにイギリス、インドネシアを問わず
どれほどの女性がほぞをかんできたと…。男さえ幸せになればいいんですか?と問うているよ うな気がする。スリーピングディクショナリーと呼ばれる現地妻をアルバ・ジェシカが好演。そり ゃこんな美人ならすぐ陥落するでしょうが、デブでブサイクだったらどうなっていたでしょうか。動 物なみの虐待を受けたのではないかと…。本当にあった話ではないと信じたいが…現地妻は あったことだろうな。
原作以上の話ではなく…なんで映画化したの?葉子お嬢様役の香里奈は何処行ったんでし
ょう(笑)香川照之のおっさんはヴィジュアルが原作通りすぎて笑えた。
法王に選ばれたことにうろたえ逃げ出す新法王。普段人を導き、頼られる存在の法王がスト
レスに耐えかね逃げ出すとは。嫌なら最初からなんなと理屈をつけて辞めればいいのに。結局 俗世で遊ぶだけ遊んで帰り、落ち着いて法王の座を引き受けるのかと思ったら…やっぱりや めてしまう。そこのところが説明不十分で消化不良。最後が悪いとは思わない。適任でないと 思ったら退くこともいいと思う。だからハッピーエンドじゃないことが悪いとは思わないが、そこ にいくまでの法王の心が十分に描ききれてないように思った。
ジブリにしては一番まともだったような気がする(「火たるの墓」除く)。化け物はナシである。
登場人物にもストーリーにも文句はない。が、最大にして一つだけの文句がある。主人公の声 優だ。下手すぎる…。他の声優がうますぎるだけに(声だけで西島秀俊や滝本美織、国村隼な どわかったのに)際立って下手なんである。何故引退作品と言うのに声優を一流どころに頼ま なかったのか。せめて俳優に。個人的には流行りの堺雅人がよかったと思うのだが。
DV夫から逃げてきた田舎町で女は妻に死なれた男と出会う。定石通り恋に落ち、夫のいや
がらせなどの障害を乗り越えハッピーエンド。ただ、死んだ妻が夫が再婚する事を望み、まだ 見ぬ再婚相手に充てた手紙が泣かせる。死を前にしてあんなに冷静に愛する人の幸せを考え られるだろうか。そうありたいなぁと思った。そこだけ感動したので★一つ増やした。それがな かったらクソみたいな映画である。原題は「safe heaven」だがなんで「ヘイブン」なのか…?邦 題は手抜きとしかいいようがない。もともとたいしたタイトルではないが。
菅原文太最後の主演作。孫役の石原さとみも初々しい。昔のイメージそのままに年を取った
という設定もよし。最後が切ないのもよし。いい役者を亡くしました。
奥田英明の小説の映画化。ということで観てみた。「ララピポ」とは「a lot of peaple」がそう聞こ
えるということらしい。タイトル通りの群像劇。
阿部サダヲ、松たか子主演。夫婦で営んでいた小料理屋が家事で焼失。再建のため夫は結
婚詐欺をして資金を集めようとする。 の食卓に上る家庭料理の貧困さからが、スウェーデンってメシまずそう…という印象を持った。
「ごはんよー」と母親がアルマを呼ぶが、食卓に乗っているのはピザ一枚である…。もっと海産
物豊かかと思ったが…そりゃノルウェーか?北欧なのでほぼ金髪碧眼の人たちばかりなのだ が、それが美人の条件ではないというのはよくわかった。
原作が「鴨川ホルモー」と同じ作者であるところからファンタジーと言ってもいいだろう。この手
のファンタジーはまるっきり異世界ではなく現実の世界に異世界をかぶせるので、余計分かり づらいというか入っていきにくい。「鴨川…」のときは本当にそんなサークルあるのかと思った。
今作は全くの作り話であるのはわかるが、それでも全くのフィクションとしても全く面白いと思
えなかった。一部の人にはウケているのだろうか?全くわからないんだけど…。
イギリス・ウェールズの15歳の少年オリバー・テイトは妄想好きな学生。ジョーダナに恋心を
寄せ、倦怠期の両親の離婚危機に腐心する。
ストーリーはたわいもないし、キャラクターは特に魅力的でもない。オリバーは「ハリー・ポッタ
ー」のロン似だしジョーダナは「ビバリーヒルズ青春白書」のシャナン・ドハーティ似でどちらも美 少年美少女というほどでもない。でもなぜか、このイギリス独特の暗い景色に見入ってしまう。 アメリカなら底抜けに明るい青い空や広い荒野、豊かな自然、摩天楼と色鮮やかなのに、イギ リスはまるでモノトーン映画を観ているかのようなこの色身の無さ。何故か自分はこっちのほう が好きだったりする。でもお勧めはしない。肝心のストーリーは全く面白くないからだ。少年の 成物語らしいが、観終わっても彼のどこが成長したのかさっぱりわからなかった。最後に海で ジョーダナと再会したときの会話
オリバー「海の深さを僕に聞いて」
ジョーダナ「何故?」
オリバー「聞いて!」
ジョーダナ「海の深さは?」
オリバー「教えない!」
ジョーダナ「心が折れたわ」
このシーンだけ何故か笑えた。でも成長を感じはしなかった。
現場で働く兵士は大変ですね、としかいいようが…。イラクやアメリカ兵やタリバンについて何
も思わないわけじゃないが、考え出すと疲れるので敢えてスルー。
列車が好きなら面白いのかもしれないけど、総じて乗り物に興味ない人間なのでなんとも…。
しかしこの機械化された世の中あんな巨大な乗り物が制御できないというのは確かに恐ろしい なとは思った。
キム・ベイシンガー、ダニー・デビート、ティム・ロス、レイ・リオッタとキャストは豪華なのにギャ
ンブルというストーリーに今一つはまれなかった。
私はそんなにテレビシリーズからのファンというわけではないのですが、それでも足掛け14
年のシリーズというとすごいと思った。大笑いできないけど小ネタでクスっと笑わせてくれる稀有 な作品という印象だったんだけど、それも本当にこれラストだそうで。最後は上田(阿部寛)と山 田(仲間由紀江)がいい感じで終わってよかったな、と。ただいつものように笑える小ネタが少 なかったような。最後なら思いっきりぶっ込んでほしかった。
日本三大ホラーの一つらしい(笑)私がこの映画のタイトルおよび内容を知ったのは学生の
時読んでいた漫画(「ここはグリーンウッド」)にチラと紹介されていたからなのだが。当時は作 中作かもしれない、と思っていたのだが、このたびhuluのラインナップにタイトルを見つけて早 速観た次第。
破傷風に侵された子供と両親の闘病記。なので、最後は治ってよかったよかった、でどこが
ホラーなの、なんだが、まだ「リング」や「呪怨」などもなかった当時、逆に破傷風の怖さはリア ルに恐怖だったんでないか、と。この路線でいけば闘病ものはおしなべてホラーの要素を持っ ていることになるのだが…。ストーリーはたいしたことないのだけど、三大ホラーとまで言われ ているのはひとえに演出のうまさである。光を遮断した暗い病室にいつ「ギャー」と発作を起こ すかわからない子供。自分も感染しているかもしれないという恐怖。これだけで話を持たせる のだからすごい。だが、熱演した子役はこれ以降役者の道には進まなかったようだ。ある意味 賢明なような。
鼻つまみ者の弟トミー(ジェイク・ギレンホール)が出所するのと入れ替わりに、よき夫・父で
ある兄のサム(トビー・マグワイア)がアフガンへ派兵された。夫の留守を二人の幼い娘を育て ながら守る妻(ナタリー・ポートマン)。ところがサムの乗ったヘリが現地墜落。訃報がもたらさ れる。悲嘆にくれる義姉を支え、残された家族のために尽力するうち更生していくトミー。家族 に笑顔が戻り始めた時、死んだはずのサムが帰って来た。
サムはアフガンで自分が生き延びるため部下を殺すという経験をして人が変わってしまった
ようになっていた。当然精神も普通じゃなくなっていく。疑心暗鬼、被害妄想で暴力的になって いくサムの変化を周りが受け入れられない。特に妻は理解しようと努めるが、心はすでにサム のいなくなった穴を必死に埋めようとしてくれたトビーに移っていた。そんなことが許されるはず はない、と自分の心に蓋をしているつもりだが、幼い娘はとっくに見抜いていた。人が変わった ような父親より優しい叔父と母が一緒の家庭がいいと、父親に言ってしまう。
これ辛いですねー。「帰ってこなければよかったのに!」と娘に言われそれが、事実である以
上、もう居場所はないと宣告されたようなもの。しかし家族のため戦地に行き辛い経験もした のに、帰って来たとたん邪魔者なんてあんまりじゃ…。映画評はどれも悪くないんだけど、私は 辛さしか感じなかった。みんな辛い。誰も幸せにならない。リアルかもしれないけど、あまり味わ いたくない感情だなー…。これどこに落とし所を持っていくのだろう?と思ったけど、結局映画 ではオチないというか、私は納得できなかった。なによりサムは部下を殺したトラウマに苦しめ られるのはこれからなんである。彼の今後を思うと暗澹とした気持になった。
これが見たくて8冊原作シリーズを読んだんだけど正直ガッカリ。「ダ・ヴィンチ・コード以来の
ルーブルを借り切っての撮影」「日本版ダヴィンチ・コード」など前宣伝にすっかり踊らされた。 映画は原作よりもっとお粗末で、相方役の小笠原(松坂桃李)が頼りなさすぎなのと、とってつ けたような最後のドタバタが映画としても面白く無さを足している。凜田莉子役は綾瀬はるかで いいと思うんだけど、何故か彼女の髪がパサついているのが気になった。どうしたパ○テー ン!?ライバル役の女優さんも知らないし…ルーブルと綾瀬はるかに予算使い切ってしまった か…?全てにおいて残念。
有名な史実らしいけど、知りませんでした。もう戦国時代で語られてないものはないと、NHK
大河観て思ってたものですから。織田信長亡き後、次のトップを決めるための会議が清州で開 かれた。そこで意見は割れたものの結局三法師という織田信長嫡男(本能寺で死亡)の息子 になったと。そこに至るまでの秀吉VS柴田勝家の地味な策略を三谷幸喜らしく面白おかしく見 せてくれるのかと思ったけれど…そこまで面白くはなかった。くの一の天海祐希などいかにも笑 わせようと出したんでしょうけど、全く面白くない。西田敏行も前作「ステキな金縛り」観てないと 笑えない。柴田勝家のお市へのアピールでクスっとさせて、結局お市は柴田へ嫁ぐことになる というのはむしろほんわかしてしまう。
シャルロット・ゲーンズブール主演なので、劇場公開時観に行こうかどうしようか迷った挙句
行かなかったんだけど、もうDVDになっていたとは。確か今年の初めだったよな…。
シャル主演ならなんでも見ますので、内容も何ももうどうでもいいんです、私には。タイトル通
り色情狂の女の話で、どこに話が着地するのかとか、何を表しているのかとか、もうどうでも。 ただ、他の映画評にあった「救済と不可能」というのはラース・フォントリアー監督のテーマであ るとは言えるかもしれませんね。鬱三部作と言われる「メランコリア」「アンチクライスト」と本作 はどれも救われません。代表作「ダンサー・イン・ザ・ダーク」もそうですね。それをテーマに撮り たいならどうぞ。ただ、シャルが出演してなかったら私は観ません。それだけ。
原作漫画はまだ終わってないので、どうオチをつけるのかと思ったが、なかなかよかった。原
作通りのヴィジュアルの兄弟と、宇宙開発の歴史など絡めてスケールが大きく感じられる(感じ られるだけで、実は大きくはないのだが)のもよかった。日本人も月を歩く日が来るかもしれな いという夢も感じさせてくれる。未来志向の映画は珍しいかもしれない。
タイトルからグロかホラーを予想していたのだが…なんとグロくも恐くもなんともない。これだ
け何ともないと拍子抜けも清々しい…日本語的におかしいかもしれないが。原題「Young Adam」小説家志望の風来坊が出会う女次々と関係を持っていく。特に愛情表現もないので、 好きだとかそういう感情もなく、機械的なんである。それもユアン・マグレガーというハンサムだ からなし得ることかもしれないが。話は女性の水死体がさびれた田舎町にあがり、小さな町は その話で持ち切りに。それだけのことで、若い(といっても34歳くらい?)のユアン・マグレガー を見たい人でなければ見る価値もないような気がする。で、タイトルの意味はなんのよと。
確か日本アカデミー賞総なめだったような。申し訳ないが何が面白いのかさっぱりわからな
かった。全然起伏がないというか。演出が悪いと言うより、話が映画向きでないと思う。
姉を片桐はいり、弟を向井理が演じている。親を早くに亡くし、40代と30代になった姉弟は
実家で二人仲良く暮らしている。と、いう地味を絵に描いたような話なのだが、ときどき弾ける お姉ちゃんが、自分の身の回りにもいるいる、自分にもあるあるこういうところ、と要所要所で クスリと笑わせてくれるのだ。自分は兄弟とは仲悪いので、単純に仲のいい兄弟がいるといい なぁと思った。
ロバート・デ・ニーロが映画プロデューサーを演じ、我がまま俳優(ブルース・ウィリス、ショー
ン・ペンが実名で出演)や映画監督に振り回されるコメディなのだが…。特に映画製作の裏側 を描いたというわけでもない。劇中よく出てくる「大コケ」という言葉はそっくりこの映画にも起き た。本作のプロデューサーにロバート・デニーロ本人も名を連ねているが、映画界に長く居てど んな映画がヒットするかわからないものなんだろうか。こんな大コケ間違いなしのストーリーでよ く製作にゴー・サインが出たものだ。
ダニー・ボイル監督。ユアン・マグレガー主演。ユアン24歳。若い!可愛い!グラスゴーでシ
ェアハウスしながら暮らす男二人女1人の3人組。もう一人同居人を入れるがそいつが早々に 麻薬の過剰摂取で死んでしまう。残されたのは大金の入ったトランク。この大金が3人の友情 を狂わせる。
同居していた女(これが蝙蝠のようにあっちについたり、こっちについたり3人のパワーバラ
ンスの重要な役目をしている)が魅力がないという映画評もあったが、私はこの女優でもいいと 思った。あまり美人だと軽薄すぎるし、ブスすぎると二人の男に相手にされまい。なにより金髪 のショートカットは英国ではおなじみのダイアナ妃を想起させる風貌だ(体も大きそう。ユアンよ り上背がある)。最後に勝つのが以外な人物で、オチもしっかりしていると思った。
カナディアン・ホラー。ホラーとも言えないファンタジーか?自分のやったことを棚に上げて人
を呪うとはずいぶんなゴーストだな、と恐いより憤りを感じた。
物語は複雑で、ネットではご丁寧に時系列にシーンを置きなおしてくれてる映画評もある。だ
が、この複雑さがなかったらこの映画は面白くないのだから、それはヤボってもんでしょう。日 本にも同じ病を扱った「博士の愛した数式」があったがそれのバイオレンス版というか…いや、 全く違うか。この病気がたまに扱われるということは結構ある症例(記憶が5分乃至10分しか もたない)なのだろうか。
二重人格の一方の人格がもう一方に恋をした。一生かなわぬ恋。そりゃそーだ…というかそ
いういうことあるのだろうか?堀北真希に「ボク」と言わせたいオヤジの妄想のような。
ミッキー・ローク主演。インディアンとのハーフで殺し屋のミッキー・ロークが結構いい味だして
た。相方のちょっと頭弱そうな青年もハマっていたと思います。ストーカーされるお久しぶりのダ イアン・レインはあまり劣化しておらずアラフィフにしてはいいセンいってるところでしょう。映画 評では酷評されてたけど、ミッキー・ロークの孤独な殺し屋はなかなかハマってたと思うし、「レ スラー」のように孤独を背負った役というのは今の彼には十分演じられる役なのではないか な。♪セクシーだけじゃ〜、男にゃなれぬ〜と歌にあるように、「イイ男」に必要なのは「孤高」 かもしれないなー、とぼんやり思った。
クリスチャン・ベール主演。80年代のNYが舞台。エリートサラリーマンのくだらない欲と見栄を
描いたコメディ?レオナルド・ディカプリオが主演をあらそったというが、クスチャン・ベールで正 解なような。タイトルほどサイコではなく、自分大好き男が、自分が思ってたほど回りは評価し ても見てさえもいなかったというオチ。製作されたのは2000年なので、翌年の悲劇前。NYの 美しい摩天楼に最後の姿のツインタワーが映ってるのを見て、なんとも言えない感情が…。映 画と関係ないけど。
ショーン・コネリー主演のサスペンス。弁護士が冤罪を晴らしてやったら、なんとやっぱりやっ
てやがったという…。
サイコ・スリラー。ジィニファー・ローレンス主演。まぁ面白かったです。
ライアン・ゴズリング&キルスティン・ダンスト共演。実際に1982年に起きたロバート・ダース
ト不動産王事件を元に作られた。主人公が断然クロという断定で作ってあるが、当時は未解決 事件であった。しかし奇しくも今年、テレビでインタビューを受けたロバートがピンマイクを付け たままトイレに行き、うっかり本当のことをしゃべってしまった。「全部オレがやったんだ」これが 自白として逮捕に至ったという。5年前の映画ながら的を得ていたというのがなんとも皮肉だ。 しかし依然行方不明の妻に関しては自供していないらしいので、遺体が出ないと立件できない アメリカでは果たして有罪にできるのかどうか、まだ事件はクローズできないようだ。
全く面白くなかったのだが、これがカンヌでパルムドール獲ったというのだから…。面白くない
ということがわかっただけでもいいのだろう。チョイ役で「MONK」のトニー・シャローブがでてた (笑)
「ナニワ金融道」の裏側と言う感じ。ナニワが法律すれすれなら、こっちは堂々法律破り。闇金
の存在からして法に背いている。けど、こういう闇金多いんだろうな。そういう面で勉強にはなっ た。金は借りないに越したことはない。身の丈にあった生活をしていればいいのだ。と、こういう 話を見聞きするたびに思う。
なにもかもがあいまいで中途半端な設定なので、折角のジョージ・クルーニーがあまり生きて
こない。孤独な暗殺者がスゥエーデンで襲われ、逃れてきたイタリアで足を洗うことを雇い主 (?)に告げるが最後の依頼を引き受けてくれと言われる。殺しではなく銃のカスタマイズ。最 後なら、と引き受けるが銃の受け取り人の女はどうも雇い主とツルンでるようだし、足を洗って 一緒に生きていこうと決めた娼婦との関係もなんで出会っていきなりそんな風に思うのか…。 登場人物の背景が全てあいまいなのでそこをはっきりさせれば、物語がもっと引き締まったと 思うのだけれど。
何が言いたいのかさっぱり…。最初こそ猟奇殺人事件でスタートして、すわミステリかと思った
が…。肩透かしに終わった。ただ長いだけで全く意味がない。カットできるシーンは多々あった と思うのに。1時間半で十分だろ、こんな話。
ファンタジーはきらいなんだけど、敢えてどんなもんかな、と。思ったほどひどくなかった。アマ
ンダ・セイフライドは好みじゃないけど。あまりストーリーに破たんがなかったしファンタジー嫌い の私にも見れたということで及第点。
アンソニー・ホプキンスVSライアン・ゴズリング。アンソニー・ホプキンスは「MAGIC」の頃から
こういうサイコな役をやらせると本当にうまい。年齢を重ねるとともに貫禄も備わって、若手の サイコにゃ負けませんぜってくらい堂々たるサイコっぷりを披露。無駄のない演出でストーリー もトントンと運び、見ていて飽きない、良質なサスペンス&ミステリな仕上がり。アンソニー・ホプ キンスあってのものだろう。ライアン役は誰でもいいっちゃいいし…。
「艶(つや)」という危篤状態の女性のまわりの人間が織り成すドラマ。キャストは豪華なんだ
が、話が全く響いてこない。群像劇は人間同志がうまくつながってこそと思うのだが…。
ビートルズ結成前のジョン・レノンの少年時代の話。母に捨てられ厳格な叔母夫婦に育てら
れたジョン。実母とのわだかまりを抱えたまま、ロックと出逢い、仲間を集めバンドを始める。
ジョン・レノンの”MOTHER"という曲を聞いたことがある。なにかあるんだろうな、くらいにしか
思って聴いてなかったが、こんなわだかまりがあったとは。ビートルズの曲の使用料は高いと 聞いたことがある。この映画でも最後の”MOTHER”以外は別のアーティストがカバーしたもの だった。曲もビートルズのものを使えれば、もっと雰囲気でたろうに。そこだけ残念。
しょーもな…。しかしニヒルな役しかやらない兄と違って松田翔太は普通にイケメンもこんなア
ホな役もこなす。俳優としてのポテンシャルは高いような気がした。
2003年イラク戦争終結3週間後。イラク北部から息子を探すため母は孫を連れ息子が収
容されている街を目指す。母親はクルド人でクルド語しか話せない。孫は息子が徴兵される前 後に生まれたので父親を覚えていない。音楽家だった父親とのつながりは残されたたて笛だ け。孫は少しペルシャ語ができるため通訳にもなり、行く先々で祖母を助けながら収容所を目 指す。ヒッチハイク中出会った車に乗った中年男は最初は金を要求したものの、二人を下ろす 時は金を返し少年に「おばあちゃんを守ってやれ」と言って別れる。知り合った元兵士はかつて の敵だが、母親にクルド語で罵られながらもなにくれと二人の道中を助ける。探した収容所に 息子の姿がなく、共同墓地に行き先を変え、旅を続ける祖母と孫。元兵士が別れ間際少年に 「バビロンにおいで。空中庭園に行こう」と叫ぶ。
2003年イラク戦争が終わっても2011年までに作られた映画は3本。まだ商業映画が作れ
る段階にないという。荒涼とした砂漠。照りつける太陽。破壊された街。米兵が検閲する景色。 米軍が撤退したとはいえ、いまだイラクはこんな状態だと言う。そして人々はまだ混乱の中に ある。原題は「バビロンの息子」だが邦題が「陽光」に変わったのは、映画を通して戦争前も後 も変らずイラクを照らし続けてきた熱い太陽がイラク人の象徴だからではないだろうか、という 映画評もあった。破壊するのは簡単。だが戻すのは難しい。ましてや失った命は二度と戻らな いという分かっているはずのことを改めて刻みこんでくれる。
いまやタフな中年をやらせたらこの人の右に出る者はいないと言われているリーアム・ニーソ
ン。「96時間」以降似たような闘うオジサンが続いている。
植物学者として夫婦でドイツの学会に呼ばれた博士が、交通事故に巻き込まれ、目覚める
と、妻は自分のことを知らないと言い、自分と同じ名前、身分の人間が目の前に現れた。自分 は一体誰なのか?本当の博士はどっちだ?
ネタバレしちゃいますと、植物学者というのはウソの身分でもともとは組織の殺し屋。ドイツに
も相棒と夫婦になり済まし学会に出席するターゲットを狙いにやってきた。ところが予期せぬ交 通事故で記憶が混乱。偽りの身分を本当の自分だと思ってしまった。徐々に思いだしていく主 人公だが、思いだした途端、自分が起こそうとしたテロを阻止するため奔走するとは。記憶が 戻ると善人になってしまった、ということはあるのだろうか。その点が不思議に思ったが、謎が 解けるまでのアクションはすごかった。
レオン・カーファイ、レオン・ライ、ニコラス・ツェ、ファン・ビンビン、エリック・ツァン、フー・ジュ
ン、ドニー・イェンに加えカメオ的にジャッキー・チュンまで香港スター総出演である。
辛亥革命前、孫文の来訪に湧き上がる香港。孫文を守るため義士団が募られる。人足やら
プーやら落ちぶれ貴族やら、いいとこの坊ちゃんまで孫文を暗殺者から守るため集まるが、み んなが革命に燃えているわけではなく、ただ生きた証しを残したい、とか主人に尽くすため、と か家族のため、とかで理由は様々。そして死亡フラグ立ちまくり。ドニーさん目当てのファンが ほとんどでしょうが、ドニーさんの斜め上をいく死にざまは確かにファンをあっと言わせたことで しょう。家宝の鉄扇を振り回し、「ここは俺に任せて先へ行け!」的なレオンさんもかっこいいと 評判でした。そして最も面白かったのは一人また一人と死んでいく義士に名前と生没年が出る こと。「そんなヤツいねーよ!」と笑える人は笑える。「中国少年」のクリス・リーも映画初出演な がらいい演技してました。
小説「ポップ1280」のような、街を守るはずの警察官が突然シリアルキラー化するという話。
何故かわからないが…。息をするように嘘をつくというサイコパスとはこういう人のことだろう な、と思った。
老ピアニスト・トラウデは女子刑務所でピアノを教えることに。一人の才能ある女受刑者を見
つけるも札付きのワルで練習もろくにできない。才能をもったいなく思うトラウデ。ジェニーとい うかつて才能を認められた受刑者はかつて受けた仕打ちが元で人間不信。トラウデとジェニー はピアノを挟んで心を通わせたり拒否したり。映画の評価は音楽好きか否かで別れているも のの、最後の演奏後のジェニーの表情が圧巻であった。私もクラシックとか音楽自体よくわか らないけれど、ジェニーの演奏は好きだと言える。
「テロに隠された警察の陰謀」というのがスカすぎて…。テロで4歳の息子を失った母親の憔
悴しきった姿が迫真の演技だった。喪失から再生へ。ビンラディンへ手紙を書きつつ自己の中 の喪失を見つめるヒロイン。手紙に書いてある通り全てのテロリストが赤ちゃんを見て思いとど まってくれればいいのにね。
貧乳だと思ってた吉高由里子ががんばってた。けっこういいプロポーションしている。というか
こんな若い時期にこんな体張った映画出ていたとは。仲間由紀恵にはできぬ芸当。話は面白く ないだけに映像がスタイリッシュ。でもそれだけ。
ミラ・ジョボビッチはやはり美しい。シングルマザーながら小悪党のミラはついに警察につか
まり収監。幼い子供を裕福な家庭に預けることに。子どものことを考えると別れた方がいいの はわかっているけど、あまりに辛い。子供にとって一番よい選択とは。
韓国にも津波って起こりうるんだなぁ。最後はやはり泣かされた。パニック映画にはつきもの
の…。
京都の4大学(京大・京都産業・立命・龍谷)でこんなサークルあるとは知らなかった。(フィク
ションだろうけど)古の都京都にあって同志社だけいれてもらえなかったのがキリスト教系だか らというのは本当だろうか(笑)
タイトルの不思議さから選んでしまった。ラノベの映画化らしいけど…まったくわからない。こ
どものころの秘密の共有という、東野圭吾の「白夜行」的サスペンスかと思ったら…さすがラノ ベ。ファンタジーで終わってしまってました。
ミステリではなくSFですな。火星人襲来っていうのを火星人が神だと考えればすべて納得いく
という映画評もあたけども、それは突飛かなと。火星人が突飛過ぎてもうあとはどうなっても驚 かないぞ的な。
この原作を読んだのだけれども、辛い闘病生活のことは全くサラリとながし、映画として完成
させることに重きをおいた感じで、決してうつ病患者の助けになるものではないな、と思った。
因みに今クール「Dr倫太郎」でウツを演じた堺雅人は精神科医を演じる。ふり幅激しい訳者
だなぁ…。
うつ病の原因も治療も千差万別だからこそ安易に症状は家族の葛藤などは描けなかったの
だろう。もっとうつ病に関して知識は広がればいいのに。私がうつを患ったとき「あんたがそん なに弱いとは思わなかった」と親に言われて深ーーーい溝と悔しさを感じた。
映画はハッピーエンドで終わる。宮崎おあいと堺雅人ならハンピーエンドにしないと仕方ない
か。
村上春樹原作だと。なるほど、さっぱりわからない。ゲージュツけい狙いすぎ。
権力者側からしか描かれていない、という批判もあったようだか、確かに。というのも当時どう
いう状態だったかは警察は苦労話を出版したりしているが、犯人側が当時どうだったという声 は一切メディアに乗ってない。何故銃で戦ったのか、勝ち目があると思ったのか。一体なにが したかったのか。警察の大変さはわかったが…といっても、ラストまではなんだかのんびりと長 野だ東京だ、とイニシアチブの取り合でなかなか緊張感はない。のんびりした役所の演技と前 線での縄張りの取り合いが対照的で。縄張り争いっていうのは男の特性なのだろうか。協力し ましょう、という風にはならないのか。境界線一本でお互い押しつけあったり、俺のシマが、手 を出すなと言ったり、日本の警察ばかなんだろうか?思った。
これも復讐者だけど、逆恨みでしょう。なにも面白くない。
意外と主演の土屋アンナに花がない。本当にモデルか?と思うくらい極彩色の大道具や衣
装に負けているように見えた。そこへいくと管野美穂や木村佳子乃のほうがさすがなんであ る。話はつまらなかった。女郎のハッピーエンドなんて面白くもなんともない。「吉原炎上」くらい やってくれないと新鮮さも無い…大コケだったのは火を見るより明らかですな。
医者のハンナは幼馴染のクサリッサと再会。友情よ再び、ということでハンナの娘レアも伴っ
て昔住んでいた孤島へバカンスへ。その島が天気の悪いいかにも怪しげな土地なんですが。
何故かハンナは子供の頃過ごした島のことをすっかり忘れており、アルバムを見てなつかしむ
も、「誰これ?」。「マリアよ。」マリアとは幼いころこの島で亡くなった女の子。そこから次々怪 事件が起こる。
幼いころのイジメの話。やったほうは忘れてもやられた方は忘れてない。それも人生めちゃく
ちゃにされたらそりゃ復讐も考えるでしょう。しかしそこまでして忘れるのってひどくない?ちゃ んとオチのついたミステリだったし、最後の最後レアの描いた絵が次なる悲劇を予感させて終 わるところなんか、ホラーなみの怖さでした。
多分観た事あると思うのだが、ストーリー覚えてなかった。ところどころ覚えてるシーンはあっ
たんだが…。アンディラウ演じる麻薬の元締めと潜入捜査官でアンディの部下として潜り込む ダニエル・ウーにお久しぶりのアニタ・ユンとヤク中のルイス・クー。キャスティングは豪華だっ た。アンディのそっくりさんという触れ込みで芸能界入りしたダニエルだけど、並んで観るとやっ ぱりアンディのほうがどっしりとした影帝のオーラ全開。アニタ・ユンは残念でした…高脂血症と かって(T_T)栄枯盛衰を感じずにはおれなかった。感想になってなくてすみません。
飛行機の中で観たのだけど途中で寝てしまい、起きたらラストシーンだったという(笑)なの
で、今回ちゃんと観て見た。これでシリーズ最後らしいチームバチスタ。因みにバチスタ手術自 体はもう古くてやってないとか。
あんまり話も印象に残ってない。シリーズで面白かったのは「ジェネラルルージュの凱旋」か
な。こっちの中村&伊藤でなくて竹内&阿部コンビのほうで速水は堺雅人が演じてたけど。
ロルナはビザのために偽装結婚を繰り返す。貯めた金で恋人と店を開くのが夢だった。元締
めのタクシー運転手からあてがわれたのはヤク中の男。アルバニア出身のロルナはこの男と 偽装結婚し、ベルギー国籍を取得。ところがこのヤク中がロルナにすがるようにまとわりつく。 愛情などないながら、薬をやめたいと懇願する男に同情するロルナ。元締めはヤク中をさっさ と殺しロルナにベルギー国籍目当てのロシア人との次の結婚を画策する。ロルナは薬をやめ ようとするヤク中に情が移り、殺さず離婚することにしてほしい、と頼むが聞き入れられなかっ た。金のため夢のためにドライだったロルナの中に何かが芽生えた。それは罪悪感なのか正 義なのか…。
やっとこの監督の名前を覚えた。ジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ監督。通称ダルデ
ンヌ兄弟。「イゴールー」「ロゼッタ」にはまだ正義というか救いがあったが、この救いのないラス トはどう解釈すればいいのかわからなかった。イゴールもロゼッタも最後に救いがあったのに、 狂気に走ったロルナの今後はどうなるのか…。後味が悪かった。
「イゴールの約束」と同じ監督。同監督の「息子のまなざし」も2009年に私は観ていたのだ
が、まったく覚えていない。
ロゼッタというベルギーの貧困層の少女はが勤めていた工場をクビになるところから始まる。
クビにされてたまるかと工場内を所せましと逃げ回る背中を近距離でカメラが追いかける。ドタ バタした挙句ロゼッタは放り出される。仕方なく帰路につくが、家はトレーラーハウス。トレーラ ーハウスの並ぶ敷地内に入る時、ロゼッタは何故か靴を長靴に履き替える。これが何を意味 するのかわからない。ある映画評には彼女が厳密に引く境界線なのだとあったが…そうかな ぁ?とにかくここまで引きの絵がなく、やたら少女のアップが多い。ものすごい息苦しさを感じる が、それが狙いだろうと映画評に書いている人もいた。少女の息苦しさなのだと。ロゼッタは母 親が娼婦まがいの事をするのが許せず、自分はまっとうに稼ごうと職を求めて訪ね歩く。母親 のように堕落したくないという道徳心とそのためなら友人すら陥れるという自分だけの正義は 彼女の中で相反しないのだろうか。そう思いながら観て行くと、やはり彼女の中で破綻をきた す。最後は唐突にロゼッタが泣きだして終わる。それが彼女の改悛の感情の発露だ、と解釈し ていた映画評もあったが…私には何が何やら…。この監督の映画の特徴は一切ナレーション も音楽も入れず、ドキュメンタリーのようにひたすら生活を映していくことだ。何かを感じてくれ、 ということなのかもしれないが…もうちょっと分かりやすいのが好みである。
スウェーデン発というとやはりノーベル賞がらみ…ってことはないか。ノーベル賞がもたらす
利権をめぐるミステリでなかなかよくできてた。本国では有名な小説のシリーズで今作は5作目 を映画化したとか。ノーベル賞とったらそこの商品はバカ売れするって確かにそうなんだけど、 そんな副産物あるとは全く知らなかったんで目からウロコでしたわ。
パンダが2分の1の確率で双子を産むとは知らなかった。しかも二匹とも育てるのではなくそ
のうち一匹しか育てないのだとか。しかしそこは西安にあるパンダ保護センターなので当然人 間が助ける。不思議なのは双子を産んだと認識してないのに、ある程度大きくなった子パンダ 2匹と引き合わせると、ちゃんと2匹とも世話する。自分の子供でなくても育てる習性があると いうのだ。本当に不思議な生き物だなぁと思った。
ジェニファー・ラブ・ヒューイット主演。って言っても知らないんだけど、この女優さん。3人の子
持ちにしては超スリムでアイドルあがりの美人なのだが、あまり魅力はないような。
アメリカで実際にあった話だとか。セレブ妻がひょんなことから娼婦へ転身。覚せい剤で捕ま
り転落の一途。ところが顧客を教えれば刑を軽くするという司法取引で出した名前が政財界の 大物がズラリ。自分的にはなんにも驚くこともなく…。しかしテレビシリーズにもなったらしい。何 が面白いんだか…?
これもアン・リー&郎雄。郎雄演じる父親には娘が3人。長女は大学時代の失恋の痛手から
敬虔なクリスチャンになった高校教師。次女は航空会社で働くバリバリキャリアウーマン。三女 はまだ大学生。父親は元大ホテルの厨房のリーダーだった人。家で家事を一手に引き受ける お父さんは食卓にも豪華な食事を並べる。ところがその味に最近変わってきた。味覚障害を 疑う次女だが聞き入れない父。元職場からのSOS要請に出て行く。三女は学生ながら妊娠し たと言って早々に実家を出て行く。長女と次女にも恋の予感。
これは3部作の中では一番気に入らなかった。3人も女優が出てくるのに、3人とも私の好み
でないというか、とにかく美人でも可愛くもないのである。だからこそ一般家庭って風情がでる のかもしれないのだが、映画なんだからそこはやっぱりきれいどころを揃えましょうよ…。話も なし崩しに終わるし、最後の長女の友人と父親が結婚し、子供まで産ませるなど、友人の母親 でなくともひっくりかえる結末である。なんだかヤケクソになったのか?というような終わり方だ った。
イゴールは15歳だが、アルバイトより父親の仕事の手伝いを優先する。父親は移民のブロ
ーカー。彼のアパートにはいろんな国の人間が住んでおり、足元をみて家賃を巻き上げる。ア フリカからやってきた男が誤って転落。丁度警察が来ていたのだが、父親は面倒を避けるた め、手当をせず放っておく。男には夫を追って来たばかりの妻と赤ん坊がいた。
ベルギーは豊かな国だと思っていたのだけど、やはり貧困層はあるものなのだ。そしてその
中にあっても道徳や正義は生きている、ということを教えてくれる。
ただ、終わり方が唐突すぎて、この後どうなるのか、あなたならどうするか、という問いかけで
終わっているようで、すっきりはしない。
アン・リー監督デビュー作。「ウェディング・バンケット」「恋人たちの食卓」の父親3部作。とい
うからにはやはり父親が鍵である。3作の中で一番郎雄という俳優が生きた作品だったと思 う。「ウェディングー」でもそうだが、中米のカルチャー・ギャップと子供が親を見るべきという概 念にシリアスに取り組んでいたように思う。郎雄演じる父親はいずれも一歩引いて一見子供の 言う通りに動くようでいて、根っこのところでは自分というものをしっかりもっている。引くところ は引き押すところは押す。こういう人間になりたいもんだなー、と思った。
タイトルは太極拳の一種。郎雄は太極拳のマスターを演じている。どうしようかなーと長いこと
思い悩んでいたのだが、ついに自分も太極拳を始めた。この映画の影響は否めない。背中を 押された感じだ。郎雄は2002年に亡くなっているが、調べたら結構いろいろな映画にも出て いた。金城武の「不夜城」にも重要な役(楊偉民)で出ており、台湾プレミアのときには金城を 後から支えてやるなど、若い俳優にも細やかな気配りができるとてもできた人とお見受けした。
もっと彼の映画を観たかったなぁ…と稀に見る惜しい俳優であった。
エジプトからイスラエルへ文化交流のためやってきた警察音楽隊。手違いで招待された街と
は全く違う街へ着いてしまった音楽隊。制服をバッチリ決めた誇り高き音楽隊は、カフェの女 店主に助けられる。一日一本しかないバスを翌日まで待つため女店主の世話になることに。お 互いカタコトの英語とジェスチャーでなんとか異文化交流が始まった。
よくある暑苦しい世話焼きな感じではなく、お互いおっかなびっくりといった感じでなかなか距
離は縮まらないのが笑える。しかしそこがリアルに感じる。隊長とことごとく合わず反発する若 い隊員が、異国でも若者が集まるところへ連れて行けと言葉もロクに通じないのに物怖じせず 言いだしたり、しまいには女店主とねんごろになってしまうというのは性急すぎて逆にリアルさ はない。むしろ無骨だが優しい隊長のたどたどしい意思の表し方の方がリアルに感じる。
この映画の文化が違う国同士ということもあって見方もいろいろだ。食事のとき音楽隊員が
グラスをまじまじと見ていると、その家の女性が「ちゃんと洗ってあるわよ!」というシーンがあ るのだが、これをある人は「アルコールが飲めない国との差」と感じある人は「都会から田舎へ やってきて衛生を気にしている民度の差」と言っていた。なるほど、どちらにもとれる。私は後 者かと思ったが…グラスを手にした男の顔が「不思議そう」というよりやはり汚れを気にしてい るように見えたからだが。
最後は無事目的の街へたどり着き、青い空の下誇らしげに演奏する音楽隊でしめくくられ
る。後味は頗るよかった。
二人の男がリストラされた憂さ晴らしに猛スピードでドライブ中、一人の男を轢いてしまう。即
死した男が持っていたのは大金の入ったバッグ。二人はネコババし、遺体を池へ沈めてしま う。実はこの男が持っていたのは前日誘拐された娘の身代金だった。身代金が届かなかった ことで、幼い娘は扼殺体となって発見される。新米ながら仕事熱心な刑事リュシーは勉強した 知識をもって犯人をプロファイリングしていく。捜査するうちリュシーは自身の過去と事件の関 わりを見つける。
けっこう上質なミステリだったと思います。無意味に主人公のセクシー・サービスもあります
(←本当に必要ない)。ただちょっとグロいところもあるので、嫌いな人は見ない方がいいと思う …。
久しぶりのチャンイーモウ&コン・リーのコンビなんだけど、内容は古臭い文化大革命の話。
今更なんなのってテーマだが、アクションとか派手なの撮った後ではチャンイーモウ的には原 点回帰的な感じなんだろうか。
文化大革命の中、教師だった陸は妻子の元へ帰ろうと収容所を脱走。妻・馮と娘には役人
から陸の脱走の一報が届き「陸に会ったらすぐ知らせるように」と釘を刺される。脱走したせい で娘は付属していた舞踊団の主役から端役へ降格。その晩、陸は妻の家へ戻ってきたが、妻 はドアを開けなかった。役人に見つかった陸は収容所へ連れ去られた。文革が終わり、陸は 晴れて妻子の元へ帰って来たのだが、妻が自分を認識していないことに気付く。人間だと認識 しても「夫」だとは思わない。隣人や役人が証言しようが、頑として夫とは認めない。陸はとりあ えず近くに住むことにして、なんとか自分を思い出してもらおうと、ピアノで思い出の曲を弾いた り、収容先で書きためた妻への手紙を読んだりするも、やはり夫と認識してはもらえない。一体 なにがあったのか…。
ミステリじゃないんでネタバレしますが、結局馮は思いだすことはない。数年後、相変わらず
駅へ夫を迎えに行く馮に付き添う陸の姿。二人は雪の中来るはずのない「夫」を待ち続けてい た。これで最後に思いだして涙の再会となればハッピーエンドだったのだろうけど、そうはなら ない後味の悪いものとなる。この後味の悪さが監督の言いたかったことなのではないか。事件 後も事件は続く。被害者の心の痛みが消えることはない。奪われた人生は決して帰ってこない のだ、と言いたかったのかな、と思った。
冒頭8分の長回しから始まる。祖母が孫がいないと公園内を捜し回る。ゲリラ撮影で祖母役
以外はすべて一般人らしい。誰かが通報するんじゃないのかと思った。そんな事故があったか どうかわからないが、孫がいないと探しまわる祖母にみんな一緒に探してくれたり「警察へ」と か「園内放送を頼んでは」とか親身になってくれるあたり台湾ってこんなのかな、とほっこりす る。でも話の筋はまったくわからないが。結局なにがどうなるでもなく、いろいろ人はでてくるも のの最終的にみつからない。孫は想像の産物でこのおばあさんは頭がおかしいのではない か、とか思えてくるのだけど、それを否定するものもなく…探しまわっているうちに終わる…って こんなんいいのか?
アン・リー監督作。ここで郎雄という俳優に惚れてしまった。
アメリカに住む台湾人の青年アレックスはゲイ。それを知らない両親は早く安心させてくれと
結婚を催促。見合い相手まで送り込んでくる。両親を諦めさせようと、恋人のダニエルがアレッ クスが大家をしているアパートの中国人女性との偽装結婚を目論んだ。驚きつつアレックスの 両親は結婚式のためアメリカまで乗り込んできた。アレックスとダニエル、偽装結婚の相手女 性、台湾から来たアレックスの両親と奇妙な5人の共同生活が始まる。
アレックス演じるのはウィンストン・チョウというちょっとジェイ・チョウ似の台湾人なのだが、ア
レックスの父親役の郎雄がよかった。最後にアレックスと恋人の大げんかでなんとなく二人の 関係に察しがついてしまった父親。しかし自分が黙っていればすべて丸く収まると、二人のこと を妻には言わない。自分たちによくしてくれたダニエルに誕生日プレゼントを渡す父親。「英語 がわかるんですか?」と驚くダニエルに「I watched, I heard, and I learned(見て、聞いて、そして わかった)」とつぶやく。
そして驚いたのが偽装結婚相手の中国人女性が高金素梅という女優。水野美紀似の美人
なのだが、どこかで見たことあるような…で出演作をググってみると「靖国」とあって驚いた。確 かにドキュメンタリー映画「靖国」に「台湾人を返せ!!」と乗り込んできた一団の中に美人が いた。観た時は美人がすごむと怖いなくらいにしか思ってなかったのだが(言い分は荒唐無 稽)、女優だったとは。そして経歴をみると尚怪しい。国会議員ながら靖国問題にしても詰め寄 られるとすぐ言い淀んでしまうところからあまり支持はされていないとか。こんな奴に何故いい ように言われっぱなしなのかと思い返すだにむかっ腹が立つ。
それはさておき、ジェネレーションギャップ、文化の違い、などいろいろ盛り込んでのドタバタ
コメディーながら最後は一番いい形で収まるので久々後味のいい映画だった。
「マグダレン」とも共通するのだけど、「宗教」って何なの、という虚しさを覚える。最近ではイス
ラムによるテロが多いんだけど、神様がそうしろって言ってんですかね…。
第一次世界大戦前のオーストリア。閉鎖的な村で次々怪事件が起きる。小学校の教師があ
ることに気付いた。各々の事件の前後に自分の教え子たちが関わっていることに。
すみません、舞台はオーストリアだったかドイツだったか忘れたので気になるかたはググって
おいてください。物語に影響はないかと。肝心なのはこの宗教の縛り、大人が押しつける道徳 なのです。
しかしまぁ長い…。もっとテンポ良く見せてくれてもよかったのでは。それに白黒なんで見にく
い。カラーに慣れているのでちょっと目が疲れる。テーマは悪くないと思うんだけど…冗長にな りすぎーの、中だるみしーの、で…世間が評価してるほどには評価できなかった。最後も結局 どうなったのか…というのが謎である。
「あなたを抱きしめる日まで」からのここなんですが、本編より付録についていた50分ほどの
ドキュメンタリーの方が見ごたえありました。基本的に「あなたをー」と同じなんだけど、こっちの ほうが「マグダレン」修道院の内部事情がきっちり描かれている。それぞれの事情で送られて きた3人の少女たちはここで人生を奪われる。ある者は逃げ出し、ある者は助け出され、ある 者は精神病院へ…。最後の人以外は人生取り戻せるんだけど、失った時間は取り戻せない。 そんなところへ送り込んだ親を怨むべきか。しかし中には孤児でただ「美人で、道を踏み外し そうだから」という理由だけで送り込まれた者もいる。1997年最後の修道院が閉鎖された。2 1世紀も近いころようやくだ。女性の方が災難だなぁと思わざるを得ない。レイプされようがなん だろうが女だけが罰せられるというのは…。
交通事故を起こした息子の窮地を必死で救おうとする母親。子離れできない母親と、母親の
束縛から逃れたい息子。
要するにそれだけな話なのだが、カメラワークがどうだ、セリフがどうだ、とマニアには高評価
でベルリン映画祭金熊賞だそうな。特段惹きつけられるシーンもなく、30歳にもなって自立で きない息子だから、親も離れられないのではないのか。つまりどっちもどっちで。マニアックなこ とはわからないの、ひたすら会話のみで進んで行くのでそれもつまらなんな、と。映像で魅せる ところが全くないのである。ルーマニア映画初めて見たけど、イラン映画を初めて見た時のよう に生活様式や文化に特別目をひくところもなく、本当に画面を見ていて「つまらん」と感じた。最 後の「胎児の姿勢」という字幕がポンと出てくるのはといういう意味なのか?母の呪縛から逃れ られないということなのか?そういう話でもなかったような…なんにしても母は強し、子供は弱 し、という図以外全く見えなかった。
原作小説をコンパクトにまとめてある感じにしあがってるとか。話自体はリアリティーないので
すが、なんで★3つかというと、主役の双子が美しいのである。美少年かくありなん。それゆえ 小説には小児性愛的な将校も登場するらしいけど、映画の方は性的描写はほとんどない。双 子なんだけど、まったくウリ二つというわけでもなく、よく見るとちょっと違う。でもどっちも十分ハ ンサム。どことなく品がある。実際ハンガリーの貧しい村に住む少年たちで演技は初めてらし いが、薄汚れた格好しても、美しいものは美しいのである。これだから白人の子役はあなどれ ない。
小説ではかなり戦争のことはぼかしてあるらしいが、映画では第二次世界大戦下のハンガリ
ーのブダペストから寒村に疎開してきた双子がたくましく生きて行く様を描いている。二人に名 前はない。極力セリフを排除し、語られるモノローグは常に「ぼくら」で始まる。魔女と呼ばれる 祖母のもとに預けられ、二人にあるのは自分たちだけの正義。そこには大人の正義も事情も 関係ない。すがすがしいほどはっきりした「ぼくら」の正義。私的には好みなのだが、解せなか ったのは、「殴られるよりも辛かったのは、二人がひきはなされること」というくらい仲のいい双 子なのに、最後は何故か別れを選ぶ。「最後の訓練」と称して。母にも父にももはや愛情はな く、文字通り踏み台にする(本当に父親の死体を踏み台にする)。最後の別れによって、私に は何が言いたい映画なのかわからなくなってしまうのだが、「別れ」がなければ双子である意味 もないのかな、と。本来一心同体なくらい行動を共にする子供たちなので、なにも双子である必 要はないのだ。「別れ」を経験させるために双子である必要があった…のか?
映画を見てしまえば原作はもういいや、と思うものだが、これは逆に小説も読んでみたくなっ
た。3部作で、続編では双子の名前も明かされるとか。両親を亡くし、相棒とも別れた二人がど う生きて行くのかとても気になる。映画→小説という気にさせられたのは「ギルバート・グレー プ」以来である。
短いし安っぽな、と思ったらテレビ映画だそうで。同名タイトルの映画はシャーリーズ・セロン
のが有名なので、混同しやすい。原題は「リジー・ボーデン斧を手に」 19世紀末アメリカで実 際に起こった未解決の猟奇殺人事件を題材にしている。主役のリジー役はクリスティーナ・リッ チなのだが、シャーリーズ・セロンの「モンスター」にもクリスティーナは出ているので余計紛ら わしい。実際の事件のほうはググればすぐ出てくるので、ここには書きませんが、未解決とは いえ、どうもリジーが犯人なのは大衆の認めるところであるようで。そうすると別に不思議な事 件でもなんでもない。詳しく解説した本も出版されてるとのことだが、読まなくてもこれ見たら一 発だよね、ってくらいまとめてくれてます。興味のある人のみ見ればよろし。
実話。1962年。ドイツの戦犯アイヒマンが逮捕され、イスラエルで裁判にかけられた。ドイツ
系ユダヤ人で自身も収容所にいた経験もあるアメリカ在住の哲学者ハンナ・アーレントは裁判 を傍聴し、雑誌ニューヨーカーにルポを連載する。しかしアイヒマンがただ職務に忠実な役人で あったという印象を持ち、ユダヤ人にもSSに協力した人がいたことを記事に書いたハンナは 読者から総攻撃をくらう。
アイヒマンが悪くないとは言ってないし、ユダヤ人も我が身かわいさにナチスに協力した事実
を書いただけなのに、アメリカのユダヤ人からの攻撃のみならず、イスラエルの政府筋からも 脅される。彼女がアイヒマンに見たのは「思考することをやめ、人間であることを放棄した」悪。 彼女はそれを「平凡な悪」とした。それは誰の心にもある。ルールを守るのがいいことではな い。ルールが正しいことであると判断したうえで守ることが大事。しかし人間はいとも簡単に考 えることを放棄してしまう。その方が楽に生きられるから。思考することこそが人間を人間たら しめることだというのに。哲学的だが、人間の根源に迫るテーマで深く考えさせられた。
1981年サッチャー政権下IRAのテロリストは収容所で服を着ないブランケット・プロテスト、
糞尿を壁になすりつけるダーティ・プロテストを行うがどれも身を結ばない。看守が殺害された ことからボビー・サンズという青年はハンガー・ストライキを始める。
極力セリフをなくし、ひたすら看守と囚人の行動を映すだけなので、IRAについて予備知識が
ないと何をやっているのか全く分からないだろう。私もほぼわからなかった。「ボビーが66日目 に死亡、政府は要求を認めたがその後9人の囚人が死亡。政治犯としては認められなかっ た。」という字幕が最後に出たのだが、では彼らは一体何を要求していたのか?アイルランド の独立?それより何より、主演のマイケル・ファスベンダーのやつれっぷりがすごい。もちろん ダイエットで体を作り上げたということだが、あばら骨の出っ張り具合がすごいんである。「アグ ルーカの行方」を読んで、人間の食べることへの渇望は仲間をも食らう、ということから、一方 では自分たちの尊厳のため食べることを死ぬまで拒否できるというものまで、なんだか人間の 不思議さを感じずにおれなかった。
たまには邦画も観ようかと思ったけど、これもたした出来ではなかった…。誰にも何にも感情
移入できない。真木よう子が以外と胸がでかい…スレンダーに見えるのに、そこだけ眼福。最 初と最後で何も変わらず…それで、いいんかい、といった感想だけでした。
原題「白日焔(この漢字じゃないんだが出てこない)火」英題"BLACK COAL THIN ICE”原題
の通り「昼間の花火」でよかったのでは。
これもヒロイン、グイ・ルンメイだけ紅一点でわかるんですが、他の小汚いおっさんたちが入
れ替わり立ち替わりでてくるんだけど、誰が誰やら…。警察だったり元夫だったりそれ以外だっ たり、とにかくヒロインの回りで不可解な死を遂げる男が多く、警察が彼女を調べ出すが、その 刑事までもが彼女に惑わされ…ということらしい。グイ・ルンメイは確かに稲森いずみ似の薄幸 そうな美人ですが、まわりに出てくるおっさんが小汚すぎて…。もうちょっと見栄えする俳優をキ ャスティングできなかったのか、と怒り心頭な私でした。楽しみにしてた中国サスペンスだった のでガッカリ感もハンパありませんでした…。
人物関係が複雑すぎて、誰と誰がどんな関係なのかはっきりわからず…話も何が軸なのか
わからず…。同監督のイラン映画「別離」はよかったのになぁ。これも離婚がテーマなんだけ ど、離婚する夫婦の女の方がいろんな男と関係があって、それについていけない元夫だけじゃ なく娘も混乱している様子。そりゃするわ、ってくらい、要するに母親がとんでもないビッチなん じゃ…。よくわからなくて上手く説明できないや、と思い公式HP観たんだけど、やっぱりよくわ からなかった…。
原題「PHEROMENA」。実話。ジュディ・デンチ主演。ジュディ・デンチの映画はいまのところハ
ズレはない。007シリーズは観てないのだが、そちらの演技も評価が高い。
アイルランドに住むフィロミナは1952年、一夜の火遊びから妊娠。当時はカトリックの権威
がすごく、フィロミナは親から勘当され修道院に入れられる。そこで出産するものの過国な労働 に従事させられ、子供に会えるのは一日1時間のみ。ところがフィロミナの子供アンソニーは3 歳になったある日、養子に貰われて行ってしまう。その後50年経ってフィロミナはずっと忘れら れなかった息子を探す旅に出る。
とにかくジュディ・デンチ扮するおばあちゃんがキュートなんである。息子がアメリカに養子に
出されていたと知って「肥満になってたらどうしよう?!」とかアメリカのホテルの従業員の愛想 のよさに感動したり(確かにイギリスの従業員のつっけんどんで事務的な態度からすると感動 的なのかもしれない)、ロマンス小説が好きでストーリーを全部しゃべってしまった後でその本 を貸してあげる、と言ったり。しかしこの可愛いおばあちゃんの旅は辛い結末を迎える。しかも これ実話なんである。犯罪じゃないの!といった驚愕の事実。いまもって当時の修道院から売 られた(実際は貰われたのでなく金で買われたんである)子供の行方を捜したり、問い合わせ に応じたりといった役割をフィロミナ基金は行っているらしい。
テーマというか軸になっているのはカトリックの教え。フィロミナの最後の言葉「あなたを赦し
ます。」にもあるように「赦し」が鍵なのだが、許せることと許せないことがあろうというものだ。 人生を台無しにされた子供が果たして許せるだろうか。修道院のシスターは「純潔を守り、生 涯禁欲的に生きてきた」と自己弁護するが、金には負けたことをどう思っているのだろうか。旅 に付き添ったジャーナリストの言葉「僕はあなたを許せない」がまさに観客の気持ちを代弁して いる。それによってオチがついた格好になっているようなものだ。
それにしても英国の黒歴史を描いた「オレンジと太陽」もそうなんだが、全世界どこでも子供
は前途多難なのだなぁ…。「中国こども誘拐白書」を読み終わった直後ということもあって、もう ため息しかでない。
原題「天注定」”A touch of sin”カンヌで脚本賞受賞。やっと来た、中国のサスペンス作品。社
会風刺に定評のある、ジャ・ジャンクー(漢字調べるの面倒なんでカタカナ表記します)監督作 品。
実際に中国で起こった4つの事件をオムニバス形式で見せる。山西省の炭鉱夫ダーハイ
は、村長や工場長の不正を訴えようとするが、あらゆる妨害を受け、訴えがままならない。つ いには工場長の部下から暴行を受ける始末。ダーハイは反撃のため猟銃を手に取り、次々に 殺戮を繰り返す。重慶のチョウは嫁に出稼ぎに出ると言っては別の地で強盗を繰り返す。不正 に得た金と勘づきつつどうしようもない嫁。何が男を拳銃強盗という暴挙に駆り立てるのか。湖 北省の女、シャオユーは不倫の果て年を重ね男に妻との離婚を迫る中年独身女。風俗の受 付を仕事にしているが、逆に妻に乗り込まれボコボコにされる。挙句勤めている風俗の客に接 待を迫られ、キレてナイフで客を殺してしまう。広東省の若者シャオフイは職を転々とする若 者。イメクラで出会ったホステス・シャオリェンと恋仲になるも、シャオリェンにはある秘密があっ た。
これら4つの事件は中国では誰もが知る大事件だそうだ。が、その割にはこんなもんか…
と。4つを一本の映画にまとめてるからか一つ一つの事件が小ぶりな気が。重慶の男に至って はどうなるのかもさっぱりわからない。広東の男は何が事件なのかもわからない。こんなこと日 常茶飯事では。だから評価されたのかもしれない。これが中国の市井の人の実情なんです よ、と。不条理の中に生きる人々。しかしそうなると一番中国で多いはずの農民が描かれてい ないのが気になる。閉鎖的な街の炭鉱や工場や風俗といった人々のほうが不満が多いという ことか。なんとなくまとまりのなさ、後味の悪さが残った。
ジェイク・ギレンホール×ヒュー・ジャックマン主演。意図せずジェイク2連ちゃんになってしま
ったが、偶然。キャッチコピーは「これはもう他人事ではない」
ボストン郊外に住む2家族から8歳の娘二人が忽然と消える。誘拐事件として捜査するも、警
察は参考人の男を証拠不十分で釈放。納得のいかない父親のとった行動とは…。
参考人として拘留される男がちょっとオツムが弱い系で10歳並の知能しかないと言われてい
たのが、実は…という話かなと思ったのだが、全く違った。自分の想像をことごとく裏切ってくれ るのだが、それならそれでもっと納得できる結末にしてくれたらよかったのに、と。最後にいき なり犯人と動機が現れても伏線がないので「は?」といった感じである。キャッチコピーの意味 もわからない。
原題「ENEMY」ジェイク・ギレンホール主演。これは見る人を選ぶんじゃないか…。解釈が人そ
れぞれ。どういったことなのか?とググってみると、観た人によって解釈がもう沢山あって、結 局どういうことかわからずじまい。私はもっと物語の輪郭がくっきりはっきり見えるものが好み だ。結末の是非は観る人に任せます、ならまだしも、解釈を任せます、というのは不親切以外 何者でもないと思ってしまう。”脳力を試す”というのがキャッチコピーだが、試されるなんてゴメ ンである。一応ミステリと言われているが謎解きのないミステリなぞミステリとは思えない。ただ の不条理ドラマである。というわけで、かなり低い評価になってしまった。
あおり文句にあるように「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」×「ジョーズ」まさにこれである。
実話に基づいているらしい。ある夫婦が忙しい合間を縫いやっとバカンスへ。アメリカからオ
ーストラリアへスキューバダイビングを楽しみにやってきた。ダイビングを経営する会社のボー トへ20名乗り込み、沖へ出発。めいめいが海を楽しみ、時間になるとボートへ戻ってきた。イ ンストラクターは20名の人数を確認し、撤収。港へとボートを返した。しかしダイビングの途中 一旦戻ってきたカップルがいたのだが、それをダブルカウントしていたことにインストラクターは 気付かなかった。つまり一組が残されていたのだ。時間より少し遅れて集合場所へ戻った二人 はボートがないことに焦るも、すぐに気付いて戻って来てくれるだろうと信じるが…。
そこからはひたすら二人の会話劇。ケンカしたり、体力が落ちて行くことをいたわり合ったり、
慰め合ったり、またケンカ…このままこの海へ取り残されるのか…、何時間たっても迎えはこ ない、クラゲに刺され、サメの姿に怯える二人。
確かに大海原に取り残されたらなすすべはないのだということを叩きこんでくれる。大自然は
全く容赦ないのだ。ただの波の揺らぎを映すシーンだけでも不気味で不安をあおる。下手なホ ラーよりよっぽどホラーなんである。79分という短い上映時間なのはこの恐怖に耐えられない からだろう、という配慮なんだそうだ。確かに、実に長く感じた。
しかしこの話の下になった実話というのが、調べてみるとなにやら胡散臭いというか、いまも
未解決事件なのだそうだ。現代のマリーセレスト号事件とまで言われているとか。そちらもググ ってみると面白いかも。興ざめするかもですが。私はホッしたかな…。
もう一つ余談。低予算なのでスタントなし、現地撮影で、俳優はホントにサメの中に放り込ま
れたそうで。いくら調教してあると言ったって、エサで満腹にしてあると言ったって、そこはサメ。 人間の思う通りに動いてくれるかどうか…つまり俳優二人の怯えた顔は演技ではなく本物。そ こも加味するとブレアウィッチどころじゃない、本当すごいホラーだと思います。
満場一致でカンヌ映画祭パルムドール賞受賞したらしいけど…。映画評見ると、私同様つま
らなかったという意見が多い。どこを評価すればいいのか分からない。
パリ20区(原作の小説では19区)の中学では新学期が始まり、まず教師同士でミーティング
が始まる。新しく来た教育に燃える教師やらベテランやらもうすぐ退職という人やら教師も様々 である。主人公フランソワは中堅といったところか。(実はこのフランソワ、小説の原作者であ る。原作者が俳優でもないのに主演なんて初めて見た。日本では「五体不満足」の人がやって たっけ…見てないし)彼は、担当は国語で3年2組の担当である。生徒の顔ぶれをみると日本 人からすると唖然とする。インターか?と思うくらい人種が種々雑多。日本人にはピンとこない が、20区というのはパリでもことのほか、移民の多い地区らしい。では、なんで邦題に「20区」 なんて入れたのだろう…因みに英題は「The class」原題は「壁の内側」である。さてこの生徒と 先生の会話劇のようなものが延々続く。生徒は生意気盛りで、まぁ、それはどの国も同じかも しれないが、手に負えない感ありあり。アジア人として中国人が一人いるのだが、なんとその子 が一番品行方正なのだ。特に移民丸出しでサッカーの話題となるとフランスチームでなくアフリ カのどこや知らん国の応援でモメだす始末。日本人から見ると黒人は全員黒人でしかない。白 人についても同じなのだが、白人が白人に対して「シロ」と侮蔑するあたり、同じ白人でもなん だか系統が違うらしい…。とにかく人種のるつぼなのである。人種だけ見てもカオスっぷりがも う腹いっぱいな感じなところへ、生徒たちは口ぐちに言いたい放題。しかし一番見ててやるせな いのは、ろくに太刀打ちできない教師のほうである。金八先生や最近のセリフの多いドラマよ ろしく(「リーガルハイ」あたりからだろうか、やたらセリフをマシンガントークするドラマが流行っ てきた。「ごめんね、青春」「デート」「問題のあるレストラン」「学校のカイダン」など見ててこっち の聞き取り能力を試しているのかと思うくらいだ…閑話休題)、一席ぶってくれるでもなし、当然 生徒は上げ足を取ったり、揶揄したりで言うことききゃしない。これが現実か、ドラマみたいに 理路整然と説教して、生徒を黙らせるなど絵空事か…でもこれはドキュメンタリーの体を取って はいるがフィクションだし!映画だし!見せるところは見せてよ!と結局見どころと言うところ がない。生徒のあげあし取りに翻弄され、必死に感情を抑えようとして抑えきれず失言してしま い、泥沼な教師のふがいなさが本当に呆れる。最後「この一年で学んだことは何もありませ ん。」といってのけた生徒にフランソワならずとも、ガックリくることうけあいである。
コン・ユ主演。このコン・ユって知らなかったんだけど、なんだか顔だけ見てると大沢たかおに
見えてきて…さらによく見ると若い時の中村雅俊みたいな気も…ようするに大きな目で垂れ目 なんですわ。
さて、2005年〜2010年に韓国の光州市の障害者学校で実際にあった教師による児童虐
待事件で撮影当時まだ裁判中だった事件を映画化。この映画が後押しした形で被告には実刑 12年の判決が降りたとか。
ソウルからムジン市の聾唖学校に赴任した男性教諭(コン・ユ)は着任早々双子の校長と行
政執務長(教頭みたいな立場?)に裏金を要求される。仕方なく母親に頼むと家を売って金を 工面してくれた。しかしその後双子の教師と同僚教師、女性寮長によって生徒を虐待している ことを知ってしまう。ムジン市で知り合った人権センターの女性に相談、被害者の生徒3人を保 護し、告発する男性教諭だが、加害者教師らは市の警察をも抱き込んでおり、闘いはこれから だった。
早々に虐待が露見するので、これは法廷劇になるのかな、と思ったが、法廷ですら公正では
なかった。しまいには検察まで相手側弁護士に丸め込まれ、非常に軽い刑にとどまる。そこで 最悪の方向へ物語が進んでいく。映画内では勧善懲悪とはいかず、非常に無念な形で終わっ てしまうので、その効果もあってか、映画は大ヒット。世論が法を動かし実際の被告に重い刑を 与えることで、大衆は溜飲を下げることがかなったという次第。しかしもちろん監督の本意はそ こではないという。「ブームになったからこそ一過性で終わることを懸念した。」とインタビューで 言っていたらしい。こういうエモーショナルな映画を撮らせると非常にウマイのが韓国。最後で は泣くつもりなかったのに、ポロっと泣いてしまった。やられた〜、という他ない。ただ、ラストの シーンは事実ではなく、監督が付け足したものらしいのでホっとした。
クリント・イーストウッド監督。実在のフォー・シージンズという1950年代活躍したコーラスグ
ループの栄光と挫折、転落を描く。去年劇場公開時に見に行かなかったんだけど、やっぱり劇 場で観たらよかったな、と思った。実際にヒットした楽曲をコンサートさながらの迫力で聴けたと 思うともったいなかった。正直ストーリーより懐かしい楽曲の数々に魅了される。ラストで4人が MVのように歌って終わるエンディングもとてもきれいな終わり方だな、と。映画評を見ると、劇 場で一緒に歌う人や涙ぐむ人が見られたとか。実際にこの時代に青春を過ごした人はもっと年 配だろうけど、そういった人たちを劇場に呼び込み幸せにできるのだから、やはり映画ってす ごいなぁと思った。
リーアム・ニーソン、キム・ベイジンガー、オリヴィア・ワイルド、アイドリアン・ブロイディ出演。
パリ、NY、ローマで問題を抱える各カップルが並行して描かれる。その3組が最後にどうつな
がるのか、というのがこの映画の見どころらしいんだけども…途中でなんとなくわかったし、わ かったところでどうということもなし。パリ、NYにくらべてローマの話が曖昧模糊としているなぁと 思ったら、やっぱりな、という結末。そしてパリとNYと全く離れたところにいるはずの登場人物 がすれ違う辺りで、あれ?となんだかわけわからなくなっていって…。とにかくその結末にこの 上映時間は長すぎるだろう…と。もっとトントンと話を進めてもよかったのでは。
原題も「Broken」なのだが、同名の映画は多いので、ちょっとタイトルに工夫が欲しかった。
英国の郊外。11歳の少女スカンクは糖尿病を患っているが、それ以外は普通に暮らす女の
子。ある日近所に住む青年スコットがこれまた近所に住むオズワルドというオヤジにボコボコ にやられるところを目撃。スカンクの家族、青年の家族、不良三姉妹を抱えるオズワルド一 家、それぞれに問題があり少しずつ露見していく。
まずスカンクという名前に驚いたが…本名はエミリーというらしいが、何故かみんなスカンクと
呼んでいる。そしてスカンクの家にいる女性だが、イギリスでは当たり前にある(らしい)オペア という住みこみのナニー兼家政婦の存在を知らなかったので、自分的にはこいつ誰やねんと いう疑問を持ったまま話しは進む。一般的ハウスキーパーとは違うのか雇い主に対して対等な 口をきいていたので、最初に給料の話しをしているものの、この人の立場が不思議でしょうが なかった。実際は前述の通りの雇い人だったんだけど。スコットはちょっとオツムが弱いらしく その息子を溺愛する老いた両親にも問題あり。オズワルド一家の三姉妹は絵にかいたような 不良だが、次女が14歳で父親の分らぬ妊娠をしてしまい、これが後にティーンエイジャーの無 茶な妊娠が最悪の結果をもたらすことも提起している。全てが丸く収まるわけではないが、壊 れた世界と壊れた家族から再生ができるのか、というとできる、と言えそうな結末。なによりス カンク役の少女の演技が自然でうまい。ストーリーは穴だらけでも彼女の演技で一本芯の通っ た映画となったように思った。
ウディ・アレン監督、ケイト・ブランシェット主演。あらゆる女優賞を総ナメ!!という前評判か
らどんな女性が描かれているのかと思いきや…セレブ生活から転落、ちょっとオツムがいかれ てしまった女性が再起に失敗…という話。なんだかよくわかりません。この女性の生き方のな にがいいの?何が悪いの?何がおかしくて、なにが素晴らしいの?全くわからなかった。久し ぶりに時間と金返して下さいという駄作だった。ウディ・アレンは作品に差があるなぁと感じた。
原題「any day now」。1979年。ショーパブで口パクで歌うパフォーマンスをするゲイのルディ
は地方検事局で働くポールという恋人ができる。前後してアパートの隣の部屋の住人が麻薬で 逮捕される。残されたのはダウン症の少年マルコ。ルディは同情しポールの力を借り、収監さ れた母親の同意を得て3人で暮らし始める。マルコはそれまでの劣悪な環境から抜け出て、ポ ールの用意したおもちゃが一杯飾られた部屋を見て涙する。ルディは「いいのよ、泣きたけれ ば泣いて。嬉しいのよね。」と抱きしめる。二人の愛情と教育を一身に受け、マルコは大いに満 足していた。3人は幸せに一年暮らすが、ゲイをよく思わないポールの上司が警察へ通報。マ ルコと二人は引き離される。法廷に訴える二人だが、道は険しかった。
ここからネタバレですが、ゲイ、障害者という弱者をこれでもか、と社会は排除しようとする。
ポールは訴える。「マルコは施設に入っても幸せにはなれない。知的障害者を養子にする人な ど現れない。僕たちは彼を愛している。僕たちなら適切な環境で愛情を持って育ててやれる」し かし法廷は30分の接見しか許さなかった。控訴した二人に検察は母親と「出所させる代わり に看護権の取り消しと接近禁止令を出す」という司法取引をした。結果、二人はマルコに会え なくなった。マルコは施設からでて、家へ戻れると喜んだが、着いた先は二人の待つ家ではな かった。「ここ、ぼくのうちじゃない」そう訴えるマルコだが役人は全く意に介さない。母親は出 所したその日に男を連れ込みマルコを追い出す。そして数日後、検察、弁護士、裁判長など、 裁判に関わった人々それぞれにあてて、ポールが手紙を出した。「大統領選などの記事に埋も れて、見ることのないような小さな新聞記事を同封します。マルコという少年が3日間家を探し てさまよった挙句、橋の下で遺体で発見されました。」
実話をもとにした映画で映画賞を多く獲得している今作品。しかしググってみると、実話という
のはゲイの隣にダウン症の少年が住んでいたというところのみらしい。こんな話、実話でなくて よかった。ゲイや障害者がどうこうというより、せめて身の丈にあった幸せを選びとろうと努力 する人を意地悪から邪魔するということがないように、法律は正しく機能してほしいと思った。
イライジャ・ウッド主演のシチュエーション・サスペンス。全体的によくできていたと思うのだ
が、レビューを見ると「ソリストが譜面持ってくるとか有り得ない」主人公のピアニストがコンサー ト開始後譜面を開くと、脅迫文が書いてあった。「ピアノはオーケストラの前にあるのに、映画で は一番後ろにあるのが不自然」脅迫者と主人公がイヤホンを通じて会話するために一番後ろ で目立たないようにしたのだろうけど…。「譜面を持ってくるとしても、自分でめくることはない。 譜めくりの人がいるはず」一人で脅迫文を読み、あたふたする主人公。犯人の目的は主人公 に難曲を弾かせて最後のキーを弾いた時、スイス銀行の莫大な財産が眠る貸金庫の鍵がピ アノから出てくるので、どうしても弾かせたかったのだけど「ピアノぶっ壊せばすむこと」(笑)と、 突っ込みどころは多く、評判は今一つですが、自分はオーケストラには疎いので、あまり気にな らず謎とスピード感ある演出にくぎ付けになりました。どのレビューにもあまり書かれてないけ ど、イライジャ・ウッドのピアノの腕も相当なものでは。もう一つ言えば主人公はSOSを出すべ くピアノ弾きながら犯人にばれないように超高速でケータイでメールを打つという離れ業をやっ てのける。そのテクのほうが驚きであった。
世界にはいろんな通学路があるのだよ。どんなに過酷な環境でも勉学に勤しむ子供たちがい
るのだよ、というさすがEテレといった内容の映画でした(Eテレで放映してたのを録画して観 た)。そんなところに棲みついた先祖を怨んでくれ…。険しい山道の通学路より、平原の遠い通 学路(移動手段は馬だ)より、サバンナで猛獣を避けながらの通学路が一番恐ろしかった。な ので、アフリカの小学生が優勝!と思った。
まずタイトルが…原題「MOMMY DON'T CRY」なのに別作品「母なる証明」とごっちゃになりそ
う。もっといいタイトルが…別に原題でもよかったのでは。
離婚したての母子家庭で16歳の娘が学校の同級生を好きになるが、なんと男子同級生とそ
の悪友にレイプされてしまう。動画を撮られ、ネットにあげられると脅され、ついに娘は自殺して しまう。その母親は法律が未成年を守り無罪としたことに絶望し、自分で復讐していくという話。
話は単純ながら、母親が真犯人を追いつめて行く過程や、警察の無力さの演出が効いてい
て、さすが韓国映画と思わせる。最後に未成年の性犯罪の多さが出るのだが…韓国という国 の恐ろしさが現れていて…。未成年が保護される現状を憂いているが、問題はそこではなく、 未成年による性犯罪の多さがぬきんでているということではないだろうか。ありえないくらい集 団レイプが多いのだ。そのくせ従軍慰安婦のことを言ってくるというのが…戦時中という非常時 ではなく、平和な現代にあってこの性犯罪の多さ。日本兵がどうこういえた義理かと思うのだ が。同じ立場にたてば韓国人が何をするのか考えただけでも恐ろしい。韓国人が支配する側 でなく、された側でよかったと思わせる話しではないだろうか。逆だったら日本人の被害は甚大 だったに違いない。と、ここまで想像を働かせるほどのことはないのだろうが…。
所詮アイドル映画と思っていたら、本格並にしっかりしたトリックだったので。舞台はシンガポ
ールと海外なのもスケール感アップでよかったのでは。やはり映画は無名の俳優より見目の 良い俳優のほうがいいのかな、と。目の保養も大事な要素だな、うん、うん、と自分を慰める。 (北川景子じゃなくってあくまで嵐の翔ちゃんですが)。要潤とか竹中直人とか中村雅俊とか結 構キャスティングは豪華でした。宮沢りえを出しておいてただのオバチャンで終わらせるわけは ないので、件の怪盗であることは容易に想像付きましたが。欲を言えば船長(中村雅俊)のチ ャレンジがあまりに無謀…お嬢様(北川景子)が来なかったらどうするつもりだったんだか…。 来たから話しは成立するんですけどね。
仏映画のリメイク。オリジナル見てないから違いは知らないんだけど、こっちだけの感想いう
と、玉山鉄二扮する若い警官がブチ切れて道を外すのがよくわからなかった。一方不倫、逃亡 のため完全犯罪をもくろむ阿部寛のほうは単純明快だったんだけど。どっちも残念でしたね、 ってだけで特に面白みもなかった。オリジナルは名作と言われてるので、もっと凝った演出なん だろうか?
松坂桃李って意地の悪そうな顔に見えて、自分的には主役顔じゃないような気がするんだが
…。死んだ人に会いたいって思う気持ちはきっと誰にでもあるんだろうな。親しい人を亡くした 人なら共感できるのかも。 ストと言える映画「きっとうまくいく」に出逢えたことが大きかったな。2015年も量より質のいい 作品をできるだけ見て行けたらと思います。
カンヌ映画祭パルムドール受賞とか同性愛映画とか知らず、フランス映画というだけで選ん
で観たわけですが、自分的にはスカでした。とにかく主人公の女の子が自分好みでない。スタ イルも顔も悪くないんですが、どうも口を半開きにする子って好きじゃない。あどけなさや可愛ら しさを演出してなのかもしれないけど、生理的に好きじゃないものは好きじゃない。そして主人 公アデルの恋人となるエマ(レア・セドゥ)も私の美的感覚からするとキレイな女優という範疇か ら出ている。つまり見ていてきれいな画面には到底ない。フランス映画は美しくあって欲しい自 分としては全てが残念でした。やたらアデルの食べるシーン、寝るシーンなどが出てくるのも何 の意味があるのかわからない。生活感をだしたかったんでしょうか?過激な性描写が問題に なったらしいけど、女同士だからか自分には過激には思えなかった。フツーだったような…。そ れを話題にしたかったのかもしれないけど、期待して見みると肩すかしかもよ〜。私は別に期 待してませんでしたけど。原題は「アデルの人生」かと思うのですが、「人生」なんて大げさなも のでなく、高校時代から大人になるまでの恋愛物語というだけで、同性愛という以外誰にでもど こにでも落ちていそうな話で、なんの意外性も特別感情を揺さぶられるシーンもなく…私には全 く面白みのないストーリーでした。でもこういうの好きな人もいるんだろうなぁ。
「きっとうまくいく」の後、もう何も観れない!なんて言っておきながら、劇場まで足を運んでし
まいました。「少林サッカー」でおなじみチャウ・シンチーの新作というので、DVD待ち切れず行 ってしまいました。しかしまぁ前作「カンフー・ハッスル」を彷彿とさせる…いやはっきり言ってし まえばほとんど同じ感じで…。西遊記という古典を引っ張り出しているもののCGてんこもりの 「ありえねー」映像で…ここまで迫力重視にしたいのだったら3Dにすればよかったのでは、と思 った。玄奨(本当はこの字じゃないけど出てこないのでゴメン)役のボサボサ頭の文章(台湾の 俳優)とか謎の妖怪ハンター段役のスー・チー(台湾の女優)とかとにかく今一つ俳優にも「これ これ、これぞ香港映画!」という人も出てこず。ただ、最後にさて孫悟空、猪八戒、沙悟浄がそ ろったので4人で天竺へいざゆかん!というところで何故か「Gメン75」のテーマが。日本の中 年以降の年齢層しかわからんと思うが…中国人にわかるのか…。一事が万事こういうクスっと 笑える感じで大笑いできるところがない。香港人のほうが笑いのハードル低いんだろうか?もう ちょっと往年の爆笑を誘う映画を撮ってほしい。がんばれ、チャウ・シンチー!とエールを送っ て終わる。
補足ー 主役の文章(ウェン・ジャン)は「海洋天堂」でジェット・リー扮する水族館清掃員の自
閉症の息子役をやってた人らしい。どっかで観たような気がしたんだ…。
補足2−やはり「西遊記2」は3Dで進行中らしい。
何かのDVDについていた予告で面白いとあったので、見てみたら…なんと、自分史上No1の
面白さだった!!!すげーよ、インド!
インドのICE工科大学に入学して相部屋となった3人の学生生活の話。と言ってしまえば簡単
なんだが、笑いあり涙あり、とにかく次から次へと事件は起こり飽きさせない。お決まりのダン スも小気味よい。インド映画は歌って踊ってありえねー展開のてんこもりなんでしょ、という既成 概念を見事にふっとばしてくれた。主役の3人のうち二人がインド人にしてはあまり濃くない顔 立ちだったのも自分的には見やすかった。色が黒くて目鼻立ちが大きくひげを蓄えたキレッキ レのダンスを踊るデブ(失礼)というのが自分のインド映画のイメージだったのだが。最初から 最後まで目を離せない面白さ。ラブストーリーありインドの社会問題も織り交ぜ、全ての伏線を 最後にキレイに拾って終わるなど、ラストシーンの青空のようにスカっとするのである。
原題は「3idiot」。邦題は主人公ランチョーの口癖「all is well(うまくいく)」から。こんな面白い
映画を見てしまったら、今後何を見ても面白いと思えないんじゃないかと不安になった。どの映 画評を見ても「とにかく面白いから観て!!」と書いてある。もう私もそういうしかない。「とにか く観て!」
実際にあった事件を基にしたらしい。
殺人罪の死刑囚から週刊誌の記者へ一通の告白書が届いた。まだ余罪があり、それには
自分以外に親玉と呼べる人間が関わっており、いまだ罪に問われていないという。記者は死刑 囚に会って話を聴き、裏付けを取っていくうち告白は真実であると確信する。親玉である「先 生」と呼ばれる人間に近付いていく。
評判ほど面白い映画とは思わなかったが…。結末も、あぁそうですか、と言う感じで。ただ死
刑囚が記者を使って「先生」を罪に問うことができ、自身はキリスト教に入信し、日々心穏やか に過ごしているというところに違和感は持ったが。被害者置き去りのこの物語運びは最後ま で、被害者側に立たず終わるのである。記者の家庭環境などはちょいちょい出てきて、記者も 大変な立場であることは描かれるのだが。簡単に人を殺すヤクザの死刑囚と、親分の「先 生」、追いかける記者、誰にも何にも共感できないというか、実際にあった話しなのになんのリ アリティも感じなかった。
日本語字幕 樋口裕子。日本語吹き替えはなく、子供の言葉は何を言ってるのかさっぱりわ
からなかったのに、よく訳せたなぁ、と感心したので今回ばかりは翻訳者の名前が気になっ た。それはさておき、中国でも最も貧困層が多いという雲南省で暮らす幼い三姉妹(長女10 歳、次女6歳、三女4歳)に密着したドキュメンタリー。2010年から2011年の話。話とはいっ てもストーリーは特になく、3姉妹の現状が淡々とつづられて行く。3200メートルの高地の貧し い村に長女英英(インイン)、次女珍珍(チェンチェン)、三女粉粉(フェンフェン)が暮らしてい る。母は家を出て、父親は出稼ぎでいない。基本3人で暮らしている。三女は子供らしくぐずっ たりたわいもないことをしゃべったりしているのだが、長女はひたすら黙々と妹の世話や家事 をする。最後まで彼女が笑顔を見せることはなかった。とはいえ、叔母の家が近くにあり、そこ で食事の世話は受け、長女は学校にも行ったりしている。一時父親が帰ってくるが、経済的事 情で下の二人を連れて行くことになり、長女は祖父と二人で暮らすことに。数ヵ月後、父親は出 稼ぎから戻り、また村で暮らしていくことになる。
このパターンは本来は「清貧さに心打たれる!」「けなげに生きる少女たちに涙!」など感じ
ないといけないのかもしれないが…こういうのを見なれている人間には何にも感じるところはな いだろうな…。正直最近こういった中国の貧困の実態についての本を読み過ぎなので、それを 映像として観たところで…自分には何の感慨もなかった。いるでしょうね、中国にはこういう人 たちも。さらに言えばもっとひどい生活の人もいるのではないか、という気すらする。福島香織 の本にあった写真のほうがショッキングだっただけに(骨と皮になったエイズ村の人の写真と か)。このドキュメンタリーは大げさなナレーションもBGMも一切なく、ハンディカメラでひたすら 撮り続けただけなので、観る人にどうとでも取ってください的な感じで、そこは評価できる。恐ら く観る人によって感想が違うことを予想してのことではなかろうか。一慨に感動した!素晴らし い!という評価が欲しかったということではないのだろう。とはいえベネチア映画祭でグランプリ を取っており、そういった批評が雨あられと降り注いでいるのだが。監督の王兵はドキュメンタ リーを何作も取っており、観客におもねるような姿勢は感じられない。
私が思ったのはやはり環境の問題だ。彼女たちを取り巻く大人の事情は詳しくは語られな
い。試写を見に行った人の情報によると、優しそうに見える父親だが、暴力性があり、そのせ いで母親は出て行ったとか。母親は子供を連れて行かなかったのだ。そして後妻を2000元 出してよそから調達してこようと算段する祖父。金の問題じゃないだろう…と。あくまで金の問 題だと思っている祖父にも嫌悪感を覚えた。勿論貧しいのは彼らのせいではないのだが、人 間的にも問題ありな感じは否めない。長女の無口さには何か原因があるような気がしてならな かった。何か言ったら殴られるとか…。カメラが捉えきれないもっと深い心の闇が英英の瞳に あるのではと思うとやりきれない気分になった。
母親によって小学生のヴィオレッタはヌードモデルをさせられる。母親に気に入られたいのと
「芸術」という聴こえのいい言葉に騙されるが、学校ではいじめられ、ヌード写真が一人歩きし だし、ヴィオレッタはついに母親との決別を考えた。
端的に言えばそいういう話。母親によって、とは言うものの、ヴィオレッタの服装は母親に強
制されていないまでも娼婦のようになっていく。小学生にあるまじき化粧や仕草を自らやってい るのだから素養があったというべきか。確かに映像の中のヴィオレッタはとてもきれいで、こん な子供がいたらヌードモデルでなくとも芸能界進出は考えるな、とは思った。子供に対する態度 は母親の複雑な生い立ちから来るのだが、それがわかってヴィオレッタは母親を嫌悪するよう になる。結果としてはよかったのかな、と。これから彼女は自分で人生を切り開いていくだろう。 監督の実体験による物語らしい。ググってみれば監督の当時の写真もでてくる。この映画自体 にはヴィオレッタの過激な映像は出てこないので、レーティングする必要はないように思えるの だが実際にはR15。そこで問題になったのは、映画の試写に子役を読んだことだ。彼女は12 歳。レーティングしてある映画に子供を呼んでいいものか。これは配給会社の問題だが、この 子役、普段から胡散臭い噂があるものだから…。ただ、その噂があったから呼ばれたのかな、 とも思ったのだけど。まぁそれは映画とは関係ないのでやめときます。
美しいニコール・キッドマン演じるグレース・ケリーとモナコ公国の危機。実はストーリー自体
心動かされる傑作というわけではないが、ニコールの美しさはさすが。ここのところビッチっぷ りを見てきただけに、こういう役こそニコールの本領発揮ではないだろうか。品があるという か、やはり貴族っぽいルックスなんですな。しかしストーリーはさして面白いとは思えない。肝心 の切り札がたいしたものでもなく…。ニコールの美しさ、モナコの危機に興味のある人のみにし かお勧めできませんわ。これを機にモナコに興味を持つ人が増えるとも思えない。モナコをちょ っとググってみたけど、まぁ大した国ではないですな。本当に小さくて。ただウィキペディアより、 実際にモナコに住んでいる日本人のインフォメーションサイトが面白かった。やっぱりちょっと 差別的なところがあるような、サイト主には納得いかないことも住んでいればあるよ、ということ が書いてあって、そいういう意味で面白かったけど。フランス製作なのに俳優も言葉もアメリカ なんでアメリカ製作かと思っちゃった。王位転覆という陰謀は史実だったのか…そこのウラをと っているサイトはありませんでしたな。まだ公開中なんで、DVD出るころにはあまたの批評が ネットに出ているでしょうから、それを楽しみにしておきます。
これも実際にアメリカのマクドであった事件を基にした映画。というか当時どんな状況だった
かを再現したようなもの。
金曜日のファーストフード店はかきいれ時。店長のサンドラは朝礼で店員・バイトに檄を飛ば
す。というのも前日冷凍庫をしっかり閉めて帰らなかった人間のせいで食材が半分ダメになっ てしまったのだ。犯人追及はしないが、しっかりしてくれ、本部の人間が覆面調査に来るかもし れないので接客にも手を抜かないように!と釘をさす。しかし開店後一本の電話で店員数人を 巻き込む事件が起こる。警察を名乗る男からの電話で店員の一人が客の金を盗んだというの だ。レジの若い女の子ということでベッキーという少女のことか、と問うサンドラにそうだと答え る電話の男。ベッキーを事務室に呼び、警察と話をさせるとベッキーは否認しつつも、その後 電話の指示に従うサンドラから取り調べを受けることに。電話の男の要求はエスカレートし、つ いに少女は服を全部脱がされ、監禁状態に。
人間とはここまで操作しやすいのか、と思わざるをえない。こんないたずら電話に簡単にひっ
かかるか?!と驚くには値しない。日本だって「オレオレ詐欺」(この名称は古いんだっけ?)な ど頻繁に横行している。今もって私のケータイにも架空請求のメールはバンバン来る。それだ けひっかかる人間が多いということだ。そういうテアイにはこちらから一切情報を提供しないこ とだ。相手はひっかかればもうけもの、と誰かれ構わず打って出るのだから、誰という確証もな くやっている。まぁそれはいいとして、言いたいのは最初に電話を取った店長の対応が悪かっ たのは否めない。「ベッキーですか?」と店員の名前を教えてしまっている。それと電話で「警 察」と言われただけで権力を感じ、なんでも情報を与え言いなりになっていくのである。店長足 り得ない判断力の弱さ。他の店員もおかしいと思いながら仕事が忙しく、彼女を助けようとしな い。まともに考えないのだ。この思考停止状態が次々続く。サンドラの婚約者まで狩りだされる のだが、彼もまともに頭を働かせない。外部の人間ですら「警察」からの電話を本物と思い言う ことに従ってしまうのだ。(しかも結果、彼が一番重い罪に問われた。)最後に現れた外部業者 がやっとまともな思考回路を働かせ電話(の男の要求)がおかしいと言いだす。3時間以上素 っ裸にされ監禁された少女。なんじゃそりゃという事件だが、ただのいたずら電話だからと見過 ごされていたのか同様の事件は複数の州にまたがり何十件とあった。犯人と思しき人間は特 定されたものの、証拠不十分で釈放され、少女はマクドを相手に訴訟を起こし六億円の損害 賠償を手にした。オマケにサンドラはテレビインタビューに答え、自分も被害者だったと主張。 しかし店長が店長として社員を守る覚悟が常日頃あれば起きなかったような…その辺の自覚 のなさが映画ではちょろっと描かれている。つまり店長が店員を何故軽んじたかという理由も ちょっと描かれているのである。そこまで事実かどうか知らないが。
驚いたのはアメリカでもそうなの?!ってことだ。先日地方のコンビニで関西人が店長を土
下座させた動画がアップされ世間を騒がせた。日本には「お客様は神様です」根性があるので 目の前の暴力に屈したというより、店の人間としてこの場を納めなければならないという義務 感の強さが裏目に出た感じだ。そこは店の人間やひいては他の客を守るためにも社会悪な客 は叩き出してしかるべき。言い方は悪いが良い店にしたいのなら客をしつけるのも店の役目で ある。でなきゃ安心してその店を使えない。店の職種にもよるし一概に言えないことではある が。翻って、ではアメリカでも「お客様は神様」でそうなったかといえばそうではない。目の前に 客がいようが平気でため息をつき、忙しいと連呼し、暇な時は店員同士で雑談に花を咲かせ る。チャラチャラしていることこの上ない。客のほうだって注文したものが出てくりゃいいのだ、 店員の態度なんかどうでもいい。それなのにそんな事件の起こった背景には、拝金主義という かひとえに金である。店長が恐れていたのは収益減および自分のクビである。悪い噂が立ち 客が来なくなること、売り上げが下がることにあった。まぁいかにも資本主義なアメリカである。 我の強いアメリカ人でも思考停止によってこういう事件はあるのだよ、という話ですな。
原題「THE FACTORY」。「コレクター」は類似のタイトルが沢山あるので止めたほうが良かっ
たのでは…。実際の事件をベースに作られたということだが、あまりそれを生かしていないとい うか。実際の事件のほうはググってもらうとして、主演はジョン・キューザックなのだが、その娘 役が…ジョン・キューザック似のしもぶくれ顔で笑えた。映画なんだからもっと可愛い娘キャステ ィングしろよー!高校生なんだが、下手すりゃオバサンに見えるんである。個人的にはエマ・ワ トソンがよかったなぁ。彼女ならドギツイ娼婦のようなメイク(これが重要なんだが)でも可愛さ が出せたと思うし。
ストーリーの方は、ああ、これで被害者が助かってめでたしめでたし、なのね、と思ったら。最
後に大どんでん返しが。最後の最後にもちょっとしかけが。個人的にはこの最後がいいとも言 えるし悪いとも言える。犯人が一筋縄でいかなかったのは面白いのだけど、その理由が判然と しないのが納得いかない。ヘタすりゃイヤミスになる。イヤミスで終わらせないのが最後の最後 のしかけなのだけど…ひょっとして続編作ろうと思ってたのか?でも大ブーイングで立ち消えに なったのか…そんな事実は確認できませんでしたが、一瞬疑ってしまいました。
美術品の競売人であるサイモンはギャンブル中毒で負けがこみ、ついに商売品で借金を払
おうとする。ギャングのフランク一味に競売の絵画ゴヤ「魔女たちの飛翔」の強奪を持ちかけ る。しかし当日サイモンは絵を隠し、フランクに殴られ記憶を失う。記憶を取り戻そうと催眠療 法士エリザベスの元へ通うことになる。
ゴヤの絵が鍵になる映画かと思えばそうでもない。絵画に関する蘊蓄は少々でてくるが、まぁ
たいしたことは…というか興味のないところだった。ゴヤの「裸のマハ」に固執するサイモンだ が、エリザベスはどちらかというとゴーギャンの絵にでてきそうな感じだ。オールヌードになるあ たり体当たり演技とも言えるが私の好みの女性ではなかったので…因みに公開時はさすがに モザイクあったらしいけど、DVDではボカシなしだったのでいいのかこれ?!と思ってしまっ た。映画「ポラット」でもボカシなしだった(男のほうね)んでDVDって規制ないのかなぁ?
だらだらと想像やら妄想やらが続いて何が本当かわからなくなっていくと思いきやラストで話
は急展開する。私の印象では主人公がガラっと変わってしまった感じだ。最初サイモンがスク リーンを見ている観客に語りかけていることからも彼が主人公なのだと思っていたが、最後に は誰が主人公だったのかもわからなくなる。サイモンに始終振り回されたフランクなのか、実は 影でサイモンを操っていたエリザベスなのか…これは一体誰の物語だったのか。サイモンが最 後に跡形も無く消されるというのはまるでコメディのように感じた。関係ないが一つ思ったのは 結束バンドって恐い…大の男が引きちぎろうと思ってもちぎれない。あんなに細いものなのに。 あれで手足を縛られることのないようにしたい…。
アブエノスアイレスのロースクールで講師をしている元弁護士のロベルトの講義中に、教室か
らすぐそばの駐車場で惨殺事件が起こる。ロベルトはあることから自分の講義に出席していた 友人の息子ゴンサロが犯人なのでは、と疑いはじめる。ロベルトが調べ始めると疑惑を裏付け るかのように次々事実が浮かび上がってくる。
しかしこれ…他の人の感想にある通り面白いとは思えないなー。とにかくロベルト突っ走りす
ぎ。ゴンサロが犯人ではと思うところからして突飛。ゴンサロが犯罪は見つからなければいい 的なことを言うところからロベルトは彼を不審に思いはじめるのだけど、もっと前に別の疑惑が ロベルトにはあった。ゴンサロの母親と不倫関係にあったらしく、ゴンサロが自分の息子である 可能性があったのだ。それを知って揺さぶりをかけるようにゴンサロが15歳の時に父と親子 鑑定をしたとか言い出す(結果は見てない)。何から何まで自分と母親への復讐だと思い込む ロベルト。最終的に全てロベルトの妄想というところに落ち着きつつ、ちょっとどっちかわからな い的な余韻を残して終わる。こういうはっきりしない終わりかたはあまり好きではないな〜。好 きだって人多いけど、この映画に関しては。
「ペーパーボーイ」の監督リー・ダニエルの前作ということで観た。こっちはストーリーははっき
りしているし、テーマも重かった。人種差別、児童虐待、教育問題、エイズ、貧困問題と舞台は 1986年だが、今もアメリカの貧困層の問題はなにも変ってないような気がする。
ニューヨークに住む黒人の女子高生プレシャスが2度目の妊娠が学校にばれ、退学になると
ころから物語は始まる。退学処分に当たって、校長はプレシャスが数学の成績は良かったこと からフリースクールを紹介する。父親にレイプされ母親からはデブとののしられ家事をやらされ る日々だが、教育への興味は失っていなかったプレシャスはフリースクールの門をたたき、教 師レインと出会うことで人生が変わっていく。しかし変っていくのはいい方ばかりではない。出産 を機に家を飛び出すプレシャスだが福祉関係者は貧困層を働かせようとし、十分な援助は望 めない。母親はなおも娘に会いたいといい福祉担当者に迫り、父親がエイズで亡くなったことを プレシャスに知らせる。プレシャスもHIV陽性とわかり絶望する。
かなり重いんだが、常に希望を失わないプレシャスにすごいと思わされる。ただそれでも次か
ら次へと不幸が彼女を襲う。母親から虐待を受けながら自身は生まれた子に対して愛情を注 ぎ、手放そうとしない。他の人の感想にもあったのだが、父親不在のまま話は進行することに 疑問は生まれる。母に対する父の責任能力のなさ、愛情の欠如が問題の根源。だからって娘 を母が虐待していい訳ではないが、出てくるのは全員女性でそこに男の影はない。諸悪の根 源は母のように描かれているが、果たしてそれでいいのか。涙ながらに語る母のシーンは圧巻 だったが、母親もまた被害者だったのだ。だから加害者になってもいいということではないが… このへんぐるぐる堂々巡りにはなるんだけど。プレシャス自身がその負の連鎖を断ち切ってい るのは救いですが、彼女の前途に救いはないのが重かった。
話運びは全く違うものの沼地の設定といい余韻といい前に観た「偽りの人生」とよく似てるよ
うな気がした。あっちは冬でこっちは夏なんですけどね。ニコール・キッドマンのビッチぶりが話 題になったとか。確かにお上品な人しか演じられないと思ってたら、こんな演技もできるのか! と思わせるのはすごい。ただ、全体に何の話なのかよくわからない。ジョン・キューザックの異 常者っぷりも拝めます。マシュー・マコノヒーも…ようするにおかしな人間の集まりだってことな んだろうか。ザック・エフロンだけ見た通りの好青年で…。で、なんなの、と。こんなよくわからん 話の中でニコールはよく芝居したほうだと思います。
パク・チャヌク監督ミア・ワコウスキ主演ニコール・キッドマン共演。監督は「オールド・ボーイ」
の人。原題「Stoker」。この原題こそがこの物語の鍵というか監督の言いたかったことではない のかと思うけども、カタカナで「ストーカー」にしてしまうとstolkerとごっちゃになりそうで避けたと か。まぁそうなんですけど、そこはなんとか別の解釈をして原題を生かして欲しかったと。
女子高生インディア・ストーカーは毎年誕生日に父親から靴をプレゼントされていたが、17歳
の今年贈られたのは鍵だった。父親は事故で急死。学校では浮いていて母親と関係が悪く、 父親しか心を開けなかったインディア。そこへ父の弟である叔父チャールズが母娘二人暮らし の生活に入ってくる。叔父と母の関係に疑念を抱く(ように見える)インディア。
インディア役のミアをどこかで見たことがあるなぁと思ったら「ジェーン・エア」のジェーンだっ
た。このときもあまり魅力を感じなかったのだが、この暗ーい雰囲気の女の子インディア役は はまってた。じーっとやぶ睨みするところなんか恐いんである。ニコール・キッドマンのちょっと ツンとした母親もよかった。しかしこんな大きな女の子がいる母親役もできる年になったのか… とちょっと…でも美貌は衰えてない。イっちゃってるチャールズ役の人も最初っからサイコな感 じがして、全体的に不穏な空気を作るのに成功はしている。
原題を生かせば…と思ったのは、アジア人から見た白人の遺伝子に眠る血を好む(本当の
意味で血が好き)性質を「ストーカー」つまりドラキュラのモデルであるブラム・ストーカー公に見 たからでないかと。残念ながら日本では「ストーカー」で連想するのは「つきまとい」であり、西洋 人の間ほどに日本では吸血鬼の祖は有名ではないのでこんな邦題になったというわけだが。 しかしラストでインディアの未来は明るく感じられなかったので★ひとつ。母親から自由になり自 分の嗜好性を自覚したインディアの行く末は…ただの殺人鬼やん。自由になったインディアは ラストで警官を一人悠然と殺すのである。殺人鬼誕生の物語と言えなくもないが、後日譚はつ いてないのでなんとも尻切れトンボな感じがした。
一週間で2回も映画館に行ってしまった。行くときゃ行くんですね。同時期公開の「ジャージー
ボーイズ」とどっちにしようか迷ったけども、ミステリを捨て切れず結局こっちを選択。…失敗と いえなくもない。
現代「MINDSCAPE」。もっといい邦題なかったんでしょうかね。映画ブログで邦題について字
幕翻訳者に怒っている人がいましたが、タイトルは映画配給会社が決めてたような…。自分は 最近見てよかった「鑑定士と顔のない依頼人」的なタイトルだったんでこれも傑作かも…と思っ てしまったわけで…案外これも私みたいなのが釣れると思ってこんなタイトルつけたのかもよ 〜。
さて本題。あらすじ言ってしまうとネタバレにもなるので感想のみ。はっきり言ってしょーもな
い。人の記憶を辿ることで事件を解決する記憶探偵なんだが、人の記憶がそんなにアテにな るもんではない、と言ってしまちゃおしまいなわけで。記憶探偵の存在意義と記憶は意識的に 書き換えられるという結論は矛盾してしまうのではないかな…。有栖川有栖が読売新聞の映画 評に書いてたような面白さはなかった。これからは有名人の推薦だからと言って安易に信用し ないようにしよう…って本のとこでも同じこと書いたような。
なんと1ヶ月弱映画は見てなかったのか…。
8月の「京都大火編」の続編。前回海に投げ出され気を失って浜辺に打ち上げられた剣心を
謎の男福山雅治が拾っていくというところで終わってたんですが、その直後から話は始まる。 謎の男は飛古清十郎、剣心の師匠。まぁ予想は付いてましたが。で、奥義を教えてくれと修行 に励む。しかし結構この尺が長い。で、最後の志士雄との対決で一回だけ奥義アマカケルリュ ウノヒラメキ(漢字忘れた「天翔龍閃」だったか?)を使って終わる。最後の対決のところで、十 本刀がほとんど出てこないことや(ひょっとしたらカットされたのかも)、宗次郎が剣心に負けて 壊れたり(ものすごい喚きだす)、志士雄と戦っている最中いきなり蒼紫が現れたり(何の説明 も無くいきなりなんで「?」だった)、志士雄が自然発火したりと(これ一番わけわからないんじゃ ないでしょうか)、原作読まないとわけがわからないことがてんこ盛り。原作読まずに見る人は いないことを前提に作ってあるとしか思えない不親切さ。ただアクションは早回しではなく本気 でやったそうで(アクション監督はジャッキー・チェンにも認められた谷垣健治)、迫力だけは評 価。でもストーリーがなぁ…ということで★二つにしときました。
ノルウェー・オスロに夫のDVから逃れ8歳の息子アンデシュと引っ越してきたアナ。寝ている
時に何かあればすぐ駆けつけられるように「チャイルドコール」なる機械を子供部屋に設置。あ る晩叫び声が「チャイルドコール」から聴こえ、アナは子供部屋へ行くが息子は寝ている。販売 店で聞くと店員のヘルゲは別のチャイルドコールと混線したのではないかと言う。近くで虐待が 行われているのか?
これはサイコスリラーなんですが、どうもすっきりしない。どこから妄想だったのかというのが
…。いろんな映画評読むと、バッキリ評価は分かれるみたいですね。ある人はわからん!と言 い、ある人は絶対お勧め!観るべき!と言うし…私は前者でしたが。
アメリカ・ウィスコンシン州の冬。売れない保険セールスマンのミッキーは保険を売りに行った
相手の老人が価値のあるバイオリンを所有していることを知り、盗み取ろうとする。老人の留 守を狙って入るも警報機業者と家にいるところを隣人のフランクに見られ疑われる。警察を恐 れた警報機業者がフランクを殺してしまう。そこからミッキーのバイオリン計画は狂いに狂って いく…。
実はこれも詐欺もので。こちらはどこから、いつから、っていうのがはっきり最後にわかるん
ですっきり終わる。詐欺かな、と思うのはこのタイトルのせいだ。「パーフェクト・プラン」と銘打っ ているのに、とにかく行き当たりばったりなのだ。どこがパーフェクトプラン?と思うと同時にど っかにひっかけがあるなーと疑わざるを得ない。原題は「THIN ICE」。もうちょっとネタバレしな いタイトルつけたほうがいいな。それと詐欺物は「鑑定士…」を先に見てたので、どうしても比べ てしまい、そこまで完成度が高くないなという点で★一つ減ってしまいました。
余談ですが、こちらも全く知らない俳優ばっかりなんですが、一人だけ、お久しぶりのリー・ト
ンプソンが出てました…それだけ…。
ワーグナー生誕100年に因んでドイツが威信をかけて挑んだ大作。確かに興味深い人物で
はある。実際の人物なんでストーリーはそっちググってもらうとして…。若いころのルートヴィヒ は「似てるかぁ?」って感じだったんだけど、ふっくらしてひげを蓄えた晩年(といっても40歳)は 「似てる!」と思いました。これも絶世の美女であったはずのエリザベートが…もうちょっときれ いな女優さんいないの、ドイツ?!と思わざるを得ない。男色だったという噂はどうなの、と思っ たらあんまりその辺は描かれていない…公然の秘密だから敢えてカットしたのか…。妻子はい たと思ったらいなかったんですね。改めて岩波文庫の「ルートヴィヒ二世」を読もうと思った(ま だ買ってないけど。かつて立ち読みしたことがある。面白かったので何度も何度も通って読ん だ…買っていればよかった)。
とても面白かったが俳優は知らない人ばかり(ドナルド・サザーランド以外)。俳優に頼らない
このすごい映画はなんだ、と思ったら、「ニュー・シネマ・パラダイス」のジュゼッペ・トルナトーレ 監督作。
天才鑑定士バージル・オールドマンが依頼されたある屋敷の美術品群。しかし依頼主は姿を
見せようとしない。何度も約束を反故にしては会おうとしない依頼人に興味がわき、ついに依 頼人の居所を突き止める。依頼人クレアは屋敷の小部屋に隠れており心的障害から出ること を拒否。バージルは壁越しに話しかけ次第に打ち解けて行くクレア。それと並行してバージル が屋敷で見つけたオートマタ(アンティークの自動機械人形)の部品。これが本物ならものすご い価値がある。バージルが心許す精密機械修理の腕は一級の年若い友人ロバートに部品か らオートマタの修復を依頼。バージルは屋敷のコレクションの鑑定を進めるにつれ、クレアへ の興味を抑えられなくなる。
いやー、これは騙されたなぁ。実はだまされたことにも気付いていなかったくらい(笑)合点い
かないことが多いので、映画評をググったら…なんと全然お門違いであった。もう各サイトでネ タバレされてるから書いちゃうけど、私は犯人はロバートだと思ってましたよ。ロバートとクレア がグルだとわかってなお。とどめはオートマタの声がロバートだったこと。でもなんでロバートは バージルの秘密のコレクションを知っていたのか?最後の絵のサインの意味を全くスルーして しまったんですな。で、映画評の「黒幕はこいつ!」というのを見て、なんだ、そうだったのか! とひざを打った次第。しかし尚わからないことがあったので、知恵袋にまで質問してしまいまし たよ(笑)まぁ納得いく回答は得られなかったんですが。最後のシーンです。バージルはプラハ の「ナイトアンドデイ」でクレアと再会できるのか?それは観客に任せて余韻を残して映画の幕 を引くという、監督の最後まで憎い演出が効いている。文句なし!と言いたいところだけど…一 つだけ…ヒロインがもうちょっと魅力的な女優さんを…贅沢言い過ぎか…。
湊かなえ原作。井上真央、綾野剛出演。はっきり言って映画向けの大作というほどではない
のだが、ネットやマスコミといった社会問題を扱った、本当に今の時代に即したドラマだな、と 思い、ネタのチョイスに感心した。10年以上前eメールを扱った映画(「ハル」深津絵里主演) があったが、それもパソコンの前でポチポチ打ったものを送信して、相手から返事が来る、と いった手紙が空を飛ぶような何の危険も無い平和なイメージしかなかったものだったのが、い まやケータイで個人情報、動画、即拡散、といった使いようによっては極めて危ないものに進 化してしまった。
ある化粧品会社で起きた殺人事件が起き、同僚の「あの人が犯人だと思う」という無責任な
情報にマスコミが飛びつき、ネットで個人情報が拡散され、哀れな被害者とアブナイ加害者像 が一人歩きしていくという、実にぞっする話。なにがゾっとするって、もし自分が個人情報を流さ れた被害者だったとしたら、どうそれを回収するか、そのすべは何もないというところだ。ネット では匿名に乗じて無責任な発言がさも本物の情報であるかのように繰り返され、犯人像が作り 上げられていく。写真までサラされたらたまったもんじゃない。
湊かなえのすごいところは、これなら自分も書けそうだ、という身近な題材をチョイスするのが
巧いところだ。正直誰でも思いつくネタだと思うが、じゃぁ書けるかというと当然こんな面白い話 は書けないわけで…。宮部みゆきや東野圭吾はとうてい目の付けどころが違うというか、真似 できない感すごいのだが、逆の意味で湊かなえってすごい作家だな、と思うのだが、自分でも 書いててあまり意味の伝わる文章とは思えないのでこの辺にしておく。(これが文章力の差な んだよなー…)
ハリウッド・セレブの豪邸ばかりを狙った窃盗団ブリングリングは捕まって見れば、お遊び感
覚の高校生たちだった、という実話。
犯人の一人をエマ・ワトソンが演じているという以外どうということもなし。パリス・ヒルトンの豪
邸に興味があれば見れば、といったくらいで。エマは超かわいいです。主犯格の子がアジア系 なのだけど、やはり実際にもそうだったらしく。この話の裏にはアメリカ社会の貧富の二極化と か、若者の罪の意識のなさとかがあるらしいんだけど、そこを深く考えるのはアメリカ人に任せ るとする。
酷評されているこの映画ですが、私は本物より美しいダイアナ(ナオミ・ワッツ)に満足。アル
ファイド・ドティが恋人だったと思っていたら、なんとハスナット・カーンという医者と二股かけてい たとか、けっこうしたたかだったんだな、とこの映画の目指すところとは違うんだろうけど、自分 にとっては新たな真実がわかって面白かった。ドティとの写真を自らリークするとか、やっぱり あれだけメディアと戦ってきた人なのだから利用の仕方もわかっていた、と。最後は勿論あの 事故で終わるんだけど、その後の狂乱も描いて欲しかった。英国王室内の狂奔、女王の見 解、ドティ側が陰謀説を唱えたり、ダイアナの遺族の態度、現実にはこんなに面白いソースが あったわけですが、映画は彼女の死のところでスッパリ終わってるので。と、どうしても面白く見 てしまうんだけど、一人の女性の人生としては不幸極まりない。雅子妃にしてもそうだけど、お そらく「こんなはずでは」の連続だったんだろうな。人生思い通りにいかないということが分かっ てない人に限って、思い通りなど何一つ行かないのだから、そりゃ精神的にもおかしくなるわな ー。離婚できる英国王室のほうがなんぼかマシなような。日本の皇室は離婚は絶対ないだろ う。そう考えると雅子妃のほうが可愛そうなんでは。自由に行動などできないし、不倫なんてあ りえないし。それらをやってのけたダイアナの方が幸せだったのかどうなのか…。ただ、陰謀説 はやっぱりないんだろうな、とは思うものの謎があるのも確かで。暗殺するならもっと別なやり 方がある、という説には納得するんだが、何故あの時運転手が飲酒したのかという謎が…。そ のへんは映画は全く触れてないんで、なんにもないんですけどね。
超人的頭脳と体力を持ったスズキイチローと名乗る男(生田斗真)は殺人ロボットなのか、正
義の味方なのか?!といったことはどうでもよく、個人的には敵役の二階堂ふみ演じるサイコ パスのほうに興味がわいた…。正直まったくどうということもなかったなぁ…。特に興味のわく点 がなかったので、ここはこうすればとかいった批判なども一切考えられず…興味わかないって のは本当最悪ですな。批判する気も起きないんだから。製作者側は考えた方がいいと思うけど な。
ペネロペ・クルス主演。この人「帰郷」でファド唄ってた時すごい女優だなーと思ったんだけ
ど、今作でも実力をいかんなく発揮。相手役の男がどっかで見たなーと思ってたら「イントゥ・ ザ・ワイルド」で主演してたエミール・ハーシュ。こちらも陽気なアメリカ人が戦争に翻弄され精 神を壊してく様を見事に演じています。
異国の地(サラエボ)で知り合ったイタリア人ジェンマとアメリカ人ディエゴの出逢いから戦争
に巻き込まれ(というか自分から巻き込まれに行った)幾度となくくっついたり別れたりを繰り返 し、しまいには永遠の別れを経て、ジェンマは祖国イタリアで再婚。つつがなく暮らしているとこ ろへ、サラエボの友人ゴイコから戦争の回顧展があり、ディエゴの写真も使うことから見に来な いかという誘いの電話が。ジェンマは16歳になった息子を連れ、思い出の旅に出る。
邦題ダッサいんだけど…。原題は"TWICE BORN"。もっといいタイトルなかったものか。それ
はさておき、映画はよかったです。一つ勉強になったのはボスニア紛争についておさらいでき たこと。勃発年代を完全に間違って覚えていた…正確には1992年から1995年です。この映 画はあくまで男女の別れを描いているので、戦争とは一歩置いているのだけど。ジェンマもディ エゴも外国人だし。ペネロペがイタリア人を熱演。「アモーレ!」と叫ぶ場面は圧巻でした。
2009年4月ソマリア沖で起こった米国貨物船海賊事件を基にした実話。トム・ハンクス主
演。134分あるからたるいんだろうなー、と思って観たら、さすがハリウッド、最初から最後まで 緊張しっぱなしで目を離せない展開。
映画としては面白かったんだが、その後の船長やそれ以前のソマリアの状態を考える人々
からは批判も多いとか。確かに、ソマリアの海賊は船長を人質に取りつつ、交渉のために生か していたのに、船長救出に来たアメリカ軍は躊躇なく海賊を殺した。その辺どうなのよ、という のは確かにあった。あとソマリアの現状という難しい問題も孕んでいて(これにはアメリカが多 いに関係しているだけに)勧善懲悪とは思えない、いつかアメリカは報復を受けるのでは、と思 わせるほどの暴挙のような気がする。アメリカとソマリアの関係をここでグダグダ書きません が、そのことに言及した映画評は多い(多すぎてびっくりした…それだけ両国においては重要 なことだということか)ので、もし興味があればそちらもググってみたら尚一層面白いかと。映画 の面白さには水を差すかもしれないが。
往年の名女優ジャンヌ・モローがわがままな老女を演じている。残念ながらジャンヌ・モロー
の映画は見てないので、失望せずに、「わがままな老女」そのままに観ることができた。
エストニアから職を求めてきたアンヌが働きだしたのは高級マンションで独り暮らしの老女フ
リーダの世話。彼女のわがままに手を焼くアンヌだが、アンヌに若かりし頃の自分を重ねるフリ ーダは徐叙に心開いていく。
しかしこれ、わがままな老女はわがままなままで、何も反省しないし(この年で反省することな
んてないだろう)何も解決になってないのに、アンヌとフリーダが喧嘩して仲直りしたってだけの 話になっている。もう一捻り欲しかった。もっと話に深みを出せたと思うのに。
自分がパリに行ってきたばかりなので、ちょっと懐かしい感じで舞台のパリの街並みを見れ
たので★二つ。パリにさして思い入れなければ★一つの出来である。
ヴィゴ・モーテンセン主演。「瞳の奥の秘密」などたまに良作を出してくるアルゼンチン。今回
も言語がスペイン語となっていたからスペインかなと思ったら、どうも舞台となる川沿いの集落 を見てて、こんなとこスペインにあるのかなーと思ったらアルゼンチンでした。
全く違う道を歩んだ双子の兄弟が、弟の死をきっかけに兄が弟に成り代わって別の人生を
歩き出そうとした時、弟が犯罪に手を染めていたことがわかる。しかし今更抜けるわけにもい かず…。兄は街で医者をやっていて、奥さんと養子のことでモメたんだけど、別の人生を生き たいと思うほどにひどい生活だとも思えず。それより生まれ育った田舎で養蜂やってる弟のほ うが気楽でいい生活に思えたんだろうか。結局彼が弟の命を奪ってまで手にしたかったものっ てなんなんだろうなぁ…というすっきりしない後味の残る終わり方でした。
かなり原作とかけ離れたので、ちょっとトーンダウンした感じ。原作では剣心はなかなか志々
雄真実(ししおまこと)に辿りつかないけど、そこは映画は時間がないのであっさり辿り着く。原 作であったエピソードごっそりそぎ落とし、ストーリー捻じ曲げて映画用に話を進めて行き、原 作とは全く違うのでそれなら違う映画作ったら?と思ったくらい。正直面白くなかったので、もう 後編は見ないでおこうかと思ったが、次回へのジャンプ前の屈伸中といったところなのかな、 と。後編に期待。(観るんかい)
お久しぶりのサミー・チェン&アンディ・ラウコンビ。とはいえ、香港映画というともうキャストが
決まっていて、他にないのか、と言う感じ。アンディ・ラウ、アーロン・クォック、ルイス・クーが鉄 板で、これに脇にアンソニー・ウォンやチャップマン・トーを添えるといった感じ。他に観客を呼 べる俳優はいないということだろうか。
盲人探偵という新たなキャラを演じるアンディにも新鮮味はもうない。サミーのキャラは言わ
ずもがなである。もっと新しいものを持ってこないとヒットはもちろん見ようと言う気も起きない よ。がんばれ香港映画。
よく練られているとは思うけど、練りすぎて途中わけわからなくなる。なんとか本筋を見つけ出
すころにはバッドエンドに向けてまっしぐら。どこかでひっくり返ってくれないかと思うが、話は一 直線に悪い方へ転がり、救いようのない結末へ。悪が勝つっていうのは、やはり後味悪いで す。キャメロン・ディアスの劣化が本当に…。白人は老けやすいとはいえ…女優さんなんだから いろいろ対策しているだろうに…ブルーレイで観たらもっとキツいかもよ〜。
もうポスト「インファナル・アフェア」はいいんじゃないですかね、と言いたくなる。豪華キャスト
に何重にも伏線を張った警察物。話は面白いかもしれないけど、どうしてもインファナル…と比 較してしまう。もっと別路線で傑作を作ろうという気概のある監督はいないものか。因みにイン ファと同じく3部作にしようという動きもあるとか。
漂流物、英文学の傑作、と言われているものの映像化。1990年にもアメリカでリメイクされ
ているけど、あえて旧作にしました。
集団になると、分裂するし、リーダーは要るし、集団心理でなにするやわからんし、といったあ
るあるがてんこもり。最後は助かってよかったね、と。
テレビシリーズからの…ってことでドラマ見てない人にはなんのこっちゃわからんだろうな。二
人の天才による犯罪…ってやり口も天才のやることだからわからんし、動機も天才の受けた扱 いだから到底わからんし…。中居老けたなぁ…ということしか感想がない。
秘密が小さすぎて、何が面白いのかわからなかった…。
これもSFならSFって…ホラーのコーナーにあったような…。ホラーもファンタジーと言えなくも
ないか。シチュエーションドラマかと思ったら、ゾンビあり半漁人ありゴーストありのしっちゃかめ っちゃかでコメディかと思ったぞ。パッケージのあおり「誰も予想付かない結末」そりゃ思いつか ねーよ…という…。タダ券で見てよかった…(笑)
岬洋介を誰がやるのかと思っていたら(主演が橋本愛なのはパッケージで明白)、多分本当
のピアニストを配したようで、知らない人だった。他も知った俳優以外は素人?っていうくらい 大根が多かった。このミス大賞の今作をどう映画化するかと思ったら、確かにこれだけバッサ リ切っても意味は通るなという最低限のストーリーに絞られていた。音楽ものは難しいと思った けど、クラッシックだから特にイメージが変るものではなかった。むしろ小説の音楽を文章でく どく表現しているより、聴いた方が早く、そこは成功しているな、と思った。小説はミステリを軸 にしているが、映画は少女の葛藤を軸にしているので、小説とは違った良さがでていた。
全生活史健忘という病名が出てきたので、ググってみると、「自分に関する人間関係のみを
忘れてしまう健忘症。理由因果関係など不明。」とあったので「私の頭の中の消しゴム」などの お涙ちょうだいものの闘病を描いたものかな…と思ったら、結局はただのファンタジー映画でし た。ファンタジーならファンタジーって言ってよねー(-。-)y-゜゜゜SF・ファンタジーの類は嫌いなも ので…。松潤だけ眼福。しかし夏木マリがすっかり妖怪婆ぁが似合うようになってしまった…。
フランス語なんだけど、出てくる通貨がフラン(フランスは今はユーロ)、そして雪山の景色か
らフランスよりのスイスが舞台とわかった。
12歳のシモンは雪山の高級リゾート地に通い盗んだスキー用品などを売りさばいて自力で
稼ぐしっかり者。歳の離れた姉は仕事に行っては、上司が気に入らないなどで辞めることを繰 り返し、生活能力はない。シモンはだらしない姉の面倒をみつつ危ない仕事で稼ぎ、姉は帰っ てきたり来なかったり弟にたかったりして気ままに生きている。
雪山の上と下ではっきり世界がわかれている。要するに富裕層と貧困層。どこの国もそうな
んだなぁ。スイスの裏を見たというか…。何が姉の秘密かと思ったら、別にたいしたことではな かったのだけど、もう物語前半でその秘密はわかってしまう。姉が自堕落な意味にはなってな いけど。シモンは自分は一人なのだと悟って山を下りる途中、自分を探して山へ上がる(ロー プウェーで)姉(本当は母。これがタイトルの姉の秘密である)とすれ違い、一筋の希望を象徴 して終わる。物語も終わり方も悪くないけど、こういった貧困層の子がそこから抜け出せるわけ でなし、彼の将来を考えると暗くなる。まぁ世界にはこんな暮らししてる子供がいるよ、って話 か。
さぁ、きたぞ、戦争モノだ、しかも特攻。さぁ号泣させてもらおうか!と期待して観たからか…
なんと泣けなかった。
祖母の49日に今の祖父とは再婚で、母の本当の父は最初の結婚相手であったと知った孫
は、特攻で亡くなったという祖父のことを調べ始める。祖父を知る人に祖父のことを聞くが評判 は芳しくない。「海軍一の臆病者」「死を恐れ逃げ回ってた」という話を聞く一方「命を何より大 事にしていた」「生きて帰ることに執着していた」との声も聞いた。一体祖父はどんな人物だっ たのか。生に執着していた祖父が何故特攻を志願し、生きて帰らなかったのか。
現代の孫と戦争中の祖父(勿論若い。孫と同い年の26歳)が交互に出てくるので、戦争に没
頭できなかったというか、戦争の映像から、グっと現代に引き戻されるので白けるというか。
で、最後にマツノ(祖母)を助けた人は誰だったんですか…また知恵袋に聞こうかな…。(聞い
たところヤクザの影浦であった。)
この映画は百田直樹の本が原作で、出たときは「戦争礼賛」「特攻賛美」などと左の人からえ
らく攻撃されたそうだけど、映画を観た限りではそんな印象全くなかった。セリフにもあった通り 「特攻など作戦でもなんでもない。こんな策を出してきた日本はいよいよ終わりだと思った。」と いうのが本当のところじゃないんでしょうか。マンガ(来年にはドラマ化もされるらしい)では祖父 の最後が救われない描かれ方をされて、なお戦争とは無意味なもの、を強調してあるらしいけ ど、そこまでの描写はいらないかな、と。映画のラスト(敵の空母に突っ込んでいくゼロ戦。岡 田准一のアップ)で十分な気がした。サザンのテーマ曲が残念、という評もあったが、私はそう 場違いにも思わなかったし。主演の岡田准一は未来の図書館で戦争してたかと思うと、毎日 曜戦国時代で軍師やってるし、今日特攻で突っ込んでて…すげー働くなぁと思った。ただいつ の時代にもマッチしているのでいいんでないでしょうか。
説明が一切なく、想像力を非常に要する不親切な映画という印象。先に大体の筋を知ってお
いたほうがいいかも。せめて舞台設定だけでも。
1970年代。軍事政権下のアルゼンチン。どこからかやってきて海辺の廃墟に身を隠して暮
らし始める母親と7歳の娘セシリア。二人の会話からなんとなく追われて逃げてきた、親戚が 殺されたなどの境遇がわかるが、はっきりしたこと(具体的な逃げている理由など)はなにもわ からないまま二人の生活を映していく。身を隠している割には娘は少し離れた学校に通い出 す。娘の学校生活を中心に話が進んでいく。象徴的に荒れる海、砂浜などがたびたび映され る。色のない寂しい景色は母親の心象風景なのか。軍隊が主催する作文のコンテストでセシリ アは本当のこと(従姉妹が軍に殺された)を書いてしまう。それを知った母親は教師のところに 作文を書きなおさせてほしいと頼みに行く。教師も「こりゃまずい」と思ったのか書きなおしに応 じる。しかし皮肉にも書きなおしたセシリアの作文が優秀賞を取ってしまい、表彰されることに なる。
というのが粗筋だが、監督のパウラ・マルコビッチ(1968年生まれ)が実際に経験した話を
映画化したらしい。つまり実話。ただアルゼンチンの軍事政権(1976〜1983)というのがどんな に恐ろしいものだったかというのはググらないとわからない。二人はあばら家で貧しい暮らしを しているが、弾圧されたり迫害されたりといったシーンはないので、一体なんのことやらというシ ーンが続く。一般に評価は高い映画らしいが、アホな私ははっきりしたわかりやすい筋でないと 理解できないので、最後海辺で泣くセシリアに何にも感じなかった。別に生活が破たんしたわ けでも、追いだされたわけでもない。本当によくわからないのだ。ただ、子役ながらセシリア役 の女の子の演技は素直にすごいと思った。色のない映画において、彼女の泣いたり笑ったり 怒ったりすねたりといった豊かな表情がこの映画に花を添えていた。
アカデミー賞も納得の手に汗握る90分。お久しぶりのサンドラ・ブロックにジョージ・クルーニ
ー。CGなどで金かけてる分登場人物二人という効率的かつわかりやすい話。宇宙空間に放り 出された二人。果たして地球に無事生還できるのか、という、単純なんだけど下手なホラーより 恐い。確かに宇宙空間なんてとこにほりだされたらどうすりゃいいんだか。空気抵抗がないって ことがこんなに恐いことなのか。宇宙なんて行けても絶対行かない。
1939年英国はヒトラーのヨーロッパ侵攻に怯え、第2次世界大戦への参戦か否かの瀬戸
際だった。女優のアンは生まれてすぐ名門貴族のキース家に養女に出されたが、両親に愛さ れ、その後生まれた妹や弟とともに大事に育てられた。仕事に恵まれ家族に愛され、何不自 由ない暮らしの中、恋人の友人が自殺したという知らせが届く。友人は国会議員で反ヒトラー 派であったことから彼の死に疑問を抱く。何気なく家にあったレコード盤を聞くと会議中の会話 が録音されていたことから国会議員の父親にも疑念を抱くようになる。
原題「GROLIOUS39」(栄光の39年)。細かいことでわからないことが多く、結局わけわからな
い話であった。英国人ならあの39年にこんなことがあったのか、という感慨も起きるのだろう が。タイトルがまずよくわからないヒトラーあまり関係ないし。コードって…鍵になるのはレコード だし。39ってのは1939年って意味らしいし。最後2009年に現れたアンが少年の母って…祖 母って歳だろ…。オリバー兄弟が結局なんでアンに会わねばならんのか。他の人の批評にあ ったように、あうべきは当時アンを拒否した二人の兄弟ではないのか…などなど。いろいろ納 得いかないことが多かった。
これはアルベール・カミュの未完の遺作の映画化ということをある程度ググってから見たほう
がよいかと。全然知らずに観たのは失敗…何が何やら…とさっぱりだった。
まずカミュがアルジェリア出身で1957年に始まる物語だが、前年暴動が起こっていることや
当時仏軍と戦争状態にあったとか、1962年にアルジェリアが独立するとか、そういった背景 を知らないと冒頭全くわからないシーンの連続である。で、未完というからには着地点もよくわ からないんだけど、そこは映画化するからにはある程度物語にしておいてほしかった。しかしこ の原作は46歳でカミュが亡くなったにも関わらず、出版されたのは1996年とえらく時間がか かっている。多分手を加えるかどうか長年議論されたのだろうが、結局手を加えられことなくそ のままの形で世に出たらしい。カミュと言えば「異邦人」。しかしそれすら読んでないので、その 他の政治的主義主張など知るわけもなく…そこまで知っているかカミュの来歴に興味ある人で ないとこの映画を面白いと思うのは難しいかと…早く言えばカミュ興味ない人には全く面白くな いのである…身も蓋も無いですが。
罪を犯して逃げる父とついていく幼い息子のロードムービー。オーストラリアって広いな〜とい
うのがよくわかる。最後に死を選んだのは、刑務所に行くのがいやだったのか、息子の人生に 自分がいないほうがいいと思ったのか…。後者かな…自分を真似て息子がどんどん粗暴にな っていくのを目の当たりにしてショックだったのか。でも息子は最後に正義の選択をした。父親 が追われているのを知って警察に居所を知らせたのだ。父親が死を選んだのは息子の選択 は正しいと言うための手段だったのか。ちょっと救いがない最後のようだが、あの息子なら一 人でも生きていけそうなところが一筋の希望を残したように見えた。
有名デザイナーと隣人の家をめぐるいざこざを描いたブラック・コメディー。とあったが、コメデ
ィーではないな、と。皮肉な話ではある。一見裕福で上品な有名デザイナー一家と、粗野で下 品な隣人。しかし内面は…という話。結論から言えば、有名デザイナーの方が人間としてクズ だし、隣人のほうがいいやつだった、と。何を基準にして人を判断するかというのは難しい話し だ。一見して隣人のほうに苦手意識を持ちがちだが、その実隣人の方が人として優しく、身を 呈して他人を助ける意気地を持っていた。一方有名デザイナーの方は影で人の悪口を言いま くり、自分の家族を助けたせいで重傷を負った隣人を助けようとしなかった。難しい問題だな。 しかし舞台がこの家だけなので、低予算でここまで見せるのはすごいな、と別の観点で感心し た。
多分小説の方は動機から何から丁寧に書かれているのだろうけど、いかんせん2時間でや
っつけなければならない映画では説明不足な感は否めない。第一の犯罪を隠すため、覆いか ぶさるように二重三重に犯罪が行われる。しかし第一の犯罪が何故起こったかと言うのが説 明不足だった気が…ミステリなんだからそこを否定したら話が始まらないのはわかるが、殺人 がそんな簡単に起こるかというと…そこに至るまでの犯人の葛藤は…とか考えると、ちょっと納 得いきずらい。多分小説には書かれてあるんでしょうけど。あと、ガリレオシリーズなのだから あの「ダダダ、ダダダ、ダダ…」という音楽とともに勢いよく数式を書いていく謎解きのシーンが なくてガリレオっぽくなかったな、と。確か以前の映画「容疑者Xの献身」もなかったような。映画 には使わないのか…。
あと別にショックだったのが、これを借りて観た2週間後地上波放送されると知ったことだ…。
金返せ…。102円だけど(笑)
原題「The Hunt」。これは原題の方が物語をよく表している。主人公は幼稚園で働く保父。離
婚してたまに息子にも会って、同僚の恋人もいる。自分の働く幼稚園に友人の子供が通ってい るが、その子のいたずらな発言から幼児虐待のレッテルを張られ警察に連行される。容疑は 晴れたものの、友人だった幼児の親や、街の人々からひどい差別を受ける。冤罪がもとで、追 われるはめになる。本人はいたって優しい保父であるのにかかわらず、職も失い、街の人から 冷たい目でみられる。狩猟を趣味としていた主人公がまさに狩る側から狩られる側に回るとい う皮肉なストーリーを表している。ただ、主人公はいわれなき差別に黙ってはいない。毅然と立 ち向かう。その姿に回りの人間は、自分たちが間違っているのではないか、と気付かされる。 そして主人公の素晴らしいところは、決して5歳の女児を責めず、許すのだ。誤解がもとで差 別する側の態度やら、やましいところがなければ立ち向かう主人公の態度やら、考えさせられ たり感心させられたり、人の内面に深く迫る良作だった。
原題「蘋果」(りんご)。蘋果(ピングォ)とはヒロインの名前。田舎から北京に出てきた貧しい
若いカップルと金持ちだが子供のいない夫婦。貧富の格差や子供の問題など現代中国の問 題を色々映し出している。ピングォの態度が終始一貫してないが、状況や情に流されるのが人 間。それもありなのかな、と。最後の選択は正しかったのかどうか。こうやってシングルマザー が増えて行くのか。おそらくなんの補助もないからシングルマザーはただ苦しいだけなんだろう な。
世間的には評価の高い作品ですが、私にはなんのこっちゃ、さっぱりわからず。でも分かろう
とも思わない。主演の二人、ホアキン・フェニックスとフィリップ・シーモア・ホフマンの顔嫌いだ し。なら、なんで見るのか、と。「最高の演技」とか「最高傑作」など呼び声も高く、実際映画賞も 沢山受賞していたからなんだが…えてして理解できるものではない、と。世間の映画評ってほ んと不思議だなー、と思ったりする。
第二次世界大戦後のアメリカ。元軍人のフレディは人生に迷っていた。あれこれ仕事に就く
がどれも長続きせず(このへん社会不適合者なんじゃないかというくらいいい加減で暴力的で 偏屈なんである)、ある日船に逃げ込むが、そこはランカスター・ドッド率いる新興宗教の船だ った。次第に傾倒してゆくフレディ。しかし彼の思想に心酔しているかと思いきや、いきなり裏 切ったり、戻ってきて宗教活動を手伝ったり、また離れたり、の繰り返し。そして最後は決別す る。…という話が147分続く。なんだかなぁ…。
ちなみに50代かと思ったホアキンは39歳(なんと年下だった)で、60代かと思ったホフマン
は当時43歳、今年2月2日死亡している。享年46歳(二つしか違わない!)。死因は麻薬の 過剰摂取。死亡当時腕に注射針が刺さったままだったという。注射器20本、ヘロインが50袋 発見されている。今、覚せい剤で逮捕されているミュージシャンンもかくやという量である。さす がアメリカ、スケールが違うわい。となんだか違うところで感服した次第である。
2012年度カンヌ映画祭パルムドール受賞、ミヒャエル・ハネケ監督作。舞台はフランスで製
作は仏・独だがアカデミー外国映画賞ではオーストリア代表として出品されている。まぁ詳しい ことはいいか。
丁寧な解説や批評は他の映画評論に任せるとして、自分が感じたのはこれが自分の身に起
こったらという恐怖一点のみだ。かつて音楽家だった老夫婦は文化的にも経済的にも優雅な 老後を過ごしていたが、妻の発病により徐叙に生活が変ってゆく。老いは誰にでも来る。人生 の終末も。こしかたより行く末のほうが短くなってきた年齢の人間にとって考えずにいられない テーマである。ピンピンコロリが誰にとっても理想だが、もし老老介護になったら…正気なのか どうかわからないほどに意思伝達できない病状に陥ったら…もし介護していた方が倒れたら… いろいろな恐怖が頭をかすめる。そして壮絶な最期で映画はラストを迎える。もうこれが自分 だったらという恐怖しか感じなかった。「共依存」がテーマだという映画論評もあるが、そんな小 難しいこたぁどうでもいい。下手なホラーより恐ろしく救いようのない話しである。ただ、最後に 夫がとった行動がわからず、知恵袋に聞いてしまった。が、そのへんはもう観る人がどうとでも 取ってください、ということで、深く考えなくてもいいらしい。最低の看護、医療は受けられるよう に、やはり蓄えは必要ということを強く思った。勿論そんな感想はこの映画の本懐ではないだ ろう。究極の愛の形、愛を追えばこういう姿になる、ということがこの映画の言いたかった事だ とは思う。なのでその辺は他の映画評をご覧ください。…投げやりですみません。
アマンダ・セイフライド主演の低予算映画と思いきや、結構上質なサスペンスに仕上がってい
た。期待していなかっただけに面白かった。ただ、低予算なのでアマンダ以外の俳優にめぼし いのはいません。もうちょっといい俳優を配してもよかったのでは。悪くない話だと思うのに。
時間が巻戻ったら…違う選択をしていたら…そう思うことは多々ある。過去にたらればはない
のだけど、人間はそう思わずにはおれない動物ではないだろうか。過去の失敗をくよくよ悩む A型人間としては、その発想には強く共感できた。ストーリーの結末も、まぁ納得できるものだっ た。結局どう選んでも今より悪くなるのだ、と思って前に進むしかないのだろう。
前作も劇場で見て面白かったので、今回も見に行きました。面白かったです。大スクリーンに
耐えうるスケールの大きさと、登場人物の顔の濃さ(笑)。Vはあるのかなぁ?
ポツダム宣言受諾後、日本は敗戦を喫したが、マッカーサーは戦争責任を追及するため日
本に降り立った。元帥の秘書官フェラーズは天皇の責任の証拠を追うが、同時にかつて愛し た日本人女性の行方も追っていた。
思っていたような話ではなかったので★ひとつ。もっとミステリアスな話かと思ったら、フェラー
ズの恋物語がメインであまり物語に入れなかった。しかもそこはフィクション。アメリカ公開時は 「日本に好意的すぎる」と批判があり興行成績は奮わなかったとか。批判というより、アメリカ人 にとって敗戦国の責任などとうに興味のないものだったのではないかと思うが…。私にとっては 戦争歴史物では「日本の一番長い日」の方が衝撃的だった。
名作「サイコ」の舞台裏はこんなでした、と。そう面白舞台裏ではなかった…。自分が名作と
言われる数々のヒッチコック作品を一作も観てないことに気付いた。何か見てみようかな…。
あらゆる事情からインドの「ベスト・エキゾチック・マリーゴールド・ホテル」に集まってきたイギ
リスの高齢者たち。抱える事情はそれぞれ。見栄をはりあい、意地をはりあい、異国文化に文 句をいいながら共同生活を始める。
高齢者問題という日本も他人事ではない問題をさわやかに描いてある。まぁ途中ドロドロはし
ますが、それもないと面白くはないわな。主演のジュディ・デンチやマギー・スミス(ハリポタの先 生)がイギリス社会に疲れた高齢者を好演。後味は良かった。やはり映画は後味がいいもの がいいやね。
まぁ、あのー…シャルロットが見たくて観たのですが…体当たり演技といえば聞こえはいいん
ですが…確かに無名の俳優がやれば「なんだこれ」で終わったのではないかと。シャルロットが やったからこのわけわからん映画も評価されたのでは、と思ってしまう。ではシャルロットのファ ンでもなんでもない人からしたらやっぱりわけわからん映画なのではないか、と。エログロとい うよりグロの方が強くて、最後は直視できなかった。これで彼女はカンヌの主演女優賞を獲っ たのだから、まぁよかったよかったってことで。(それ以外の賞は獲れてないということは…推し て知るべしな内容だということですな)
1945年8月10日ポツダム宣言受諾後、玉音放送を録音し、国民へ聞かせるまでの、実際
にあったクーデター事件を基にした映画。もう大作、名画、日本人なら観るべしとしか言えな い。こんな事件があったなんて。
ただ、現代人の冷めた目から言わせてもらえば、日本の敗戦は他国の敗戦とは全く意味の
異なるものだということがわかった。今でこそ皇室とは「日本の象徴」というのはわかっている のだが、この戦争までは天皇は神様だったわけである。それまでの戦争は全て神とともに戦っ た「聖戦」だったのだ。神国日本が負けるわけがない、天皇に膝をつかせるわけにはいかな い、最後の一人まで戦い抜く、そう思った人間がいたのも無理はない。全てをナチスあるいは 前政権のせいにして手打ちにして終わる他国の戦争とは一線を画すものであったのは絶対 だ。だから戦後もまだ天皇を中心として復興にまい進出来たのだろう。他国の王制と天皇制は 全く意味が違うのだなぁ、と改めて思った。
見る人が見れば、カルト教団のマインドコントロールからの脱却という深いテーマで見ごたえ
があるらしいが…宗教やマインドコントロールに全く興味ないので今一つでした。
原題「Gambit」。主演のコリン・ファースがコメディもできるとは。キャメロン・ディアスはコメディ
はお手の物だし、アラン・リックマン(ハリポタのスネイプス先生)もいい味だしてた。声を出して 笑えるコメディは久しぶりだった。コン・ゲームものとしても最後はスカっとして終わっていたの も良かった。日本人をステレオタイプに描いていたのでまぁこんなものか、と思っていたらそれ も最後で納得いくラストに仕上がっていて上手いなと思った。
「16歳の少女は暗殺者として育てられた…」という「ニキータ」もの。主役のシアーシャ・ローナ
ンは美しい。ストーリーはあんまり良く練られたとは言い難いが、終始流れるサントラがケミカ ル・ブラザーズのピコピコした電子音とともになんだか軽い印象を受けてしまう。音楽だけがミョ ーに浮いていた。いっそ音楽ないほうがまだストーリーに重みを持たせられたかも。
少女体型のシアーシャがいかにも成長過程って感じでよかったがこれからどんな大人になっ
ていくのか。「レオン」のナタリー・ポートマンのように素敵な女優さんになってほしい。敵役のケ イト・ブランシェットも美しかった。お父さん役のエリック・バナが本国で評価されているほど美男 子とは思えないが…。なんだか俳優にしか目がいかない、物語性の薄い映画と言わざるを得 ない。ロケもスケールも映画としては大きいと思うのに…脚本段階では悪くなかったろうに…な にがこの映画を今一つにしているのかわからない。
原題「Happy Tears」。しょーもない姉妹ケンカのはなしと言えば身も蓋も無いが、親の介護問
題を内包したテーマであるというのが自分にとっては他人事ではないな、とちょっと身近に思え た話しだった。ひょっとしたら介護を兄弟で押し付け合うことになるのかもしれない。ビミョーに 近くて遠い距離に住んでいるのだからなおさらだ。この映画は最後は誰も死なず、みんなの思 い通りになって終わっているので、結局なんのこっちゃ的な話なのだが。エレン・バーキンの作 品はあまり見た覚えがないのだが、何故かあのファニーフェイスは忘れられない。あ、久しぶり だなぁと思ってしまった。主役の一人デミ・ムーアもお久しぶり。「劣化がひどい」とネットで噂だ ったが、この映画では変わらずきれいである。離婚後ちょっとお騒がせなイメージがあったから か。原題は「うれし涙」という意味らしい。タイトルはこのままでよかったのではないか。
ロバート・デ・ニーロ、シガニー・ウィーバー出演。肝心の主演の俳優は知らない。金髪碧眼な
んだけど、ちょっとハンサムとはいえないような…ビミョーなルックスである。
超能力者がペテンであることを立証しようとする科学者の話。
すさんだ学校を立て直す臨時教員。荒れる生徒に暴力ではなく対話で授業に向かわせる。
努力虚しく、生徒は望まない道を選ぶ。
どこの国も教育とは難しいのだな…。エイドリアン・ブロイディー主演。
コリン・ファース主演のサスペンスというから期待したのだが…。全く面白くなかった。オーラ
ンド・ブルーム、アンドリュー・マッカーシーなどがわきを固め、どんな話なのかと思ったら…全く 期待外れでした。予告はよく作られたもんだなぁ、と思うほど面白そうなのに…。「Dr.ハウス」 のマスターズが出てたりとキャスティングはいいだけに残念。っていうかもっと面白くできなかっ たのかね…。アンドリュー・マッカーシーがお久しぶりすぎて誰かわからなかった。
「意外な結末」という文句につられて観たんだけど、確かに意外でした。優秀な大学生が悪の
道に転がるように引きずり込まれるくだりも無理がなく。ただ、サイコ父娘のどっちが言ってるこ とが正しかったのか、判然としないんだけど…。どっちもどっち、反発しつつ似たもの親子だっ たということか。サイコの子はサイコ(笑)全然知らない俳優ばっかだなー、と思ったらまたカナ ダだった。意外に佳作なサスペンスを送り出しているカナダ、と認識を新たにした。
袴田事件という冤罪事件(と断定していいのか)を基にした映画。袴田事件自体ググってもら
うとして、この映画を丸丸信じるとして、これだけ冤罪要素がそろっているのに、何故再審請求 が通らないのか。日本の司法の謎だ。未だ収監中で、死刑囚としてはギネス記録になっている という。なんだ、それは。ギネスの記録を伸ばしたいのか。もうすでに人生残り少なくなっている というのに、何故日本の司法の扉は開かないのか。有罪であれ無罪であれ、何かアクション起 こしてやらないと本当に手遅れになる。日本の司法に一抹の不安を感じさせる事実だ。
この映画を見た後に、司法が動いた。ついに袴田氏が釈放になったのだ。かなりの高齢で痴
呆も入っており、話ができたりできなかったりの状態であるらしい。何故検察は諦めないのか、 これほど証拠が間違っているのに、何故…と疑問は尽きない。一度起訴されたら終わりという 日本の司法制度が本当に恐ろしくなった。
誰だ、この映画を傑作と言っているのは…。スコセッシ&レオナルド・ディカプリオのコンビに
だまされたのは3度目か…。何が面白いのかさっぱりわからない。3時間返せ…。金も返せ… 劇場まで見に行ったのに。わかったのはアメリカって国は薬漬けってことだけだった。
「カティンの森」もそうだったんだけど、意外とポーランドが第二次世界大戦でドイツに酷い目
にあわされたという話が多い。ドイツに従ったのは不本意だったんだよ、ポーランドも酷い目に あったんだよ、とこの映画からもそういう声が聴こえる。
1943年ポーランド。ドイツ占領下、ナチスによるユダヤ狩りが行われていた。地下水道の管
理人だったソハは下水道に逃げ隠れるユダヤ人たちにでくわす。暮らしが貧しいソハと相棒 は、ナチスに密告せず食べ物も運んでやることでユダヤ人たちから金を受け取ることにした。
戦局が激しくなるにつれ、地下水道に逃げたユダヤ人狩りも行われた。一方ドイツ人の傍若無
人ぶりは何の罪もないポーランド人にも向けられた。気まぐれに人を殺していくナチスに怒りを 覚え、地下のユダヤ人と変わらない扱いに虚しさを感じるソハ。ユダヤ人の金も尽き、ソハに 協力する理由はなくなるが、いつしかユダヤ人たち情がわき、無償でユダヤ人の様子を見るソ ハ。そんなある日大雨が降り、下水道に水が溢れだした。心配になり家族そっちのけで救出に 走るソハ。ナチスが地下水道のユダヤ人を殺すため、爆弾を投げいれようとするところを通り かかったソハは「地下水道にはガス管もある。大爆発する。」と咄嗟に嘘をつく。自分が見に行 くというと、将校がソハについてくるという。地下水道に降りてた二人。ソハは将校をまこうとす るが、うまくいかない。そんな時鉄砲水がソハ達を襲った。
上記のメッセージもさることながら、ユダヤ人ものって「ユダヤ人可愛そう」「ユダヤ人は酷い
目にあわされた」ということが出てくるのだが、逆に「ユダヤ人はいい人」「ユダヤ人ってこんな にいいことしたんだよ」的なことが描いてある映画ってないような。常に虐げられ、ひどい扱いを 受けてきた、と。確かにそうだし、ナチスの方に回る気はさらさらないのだが、描かれているユ ダヤ人が裕福な人が多いということは、確かに金を貯める才はあったのかな、とかその金を得 るために酷いことをしたこともあったのではないか、とも思ったりするのだ。一説にはヒットラー がユダヤ人を憎む原因になったのはユダヤ人の金貸しが金を貸してくれず冷たくあしらわれた からとか…このへんはよく知らないので定かではないが、悪く言えば「金に汚い」ことも確かな のかな、と。この映画のメッセージとは関係ないが、ユダヤ人を助けた人の話ばかりでなく、ユ ダヤ人自身の話も知りたいな、と思った。
話をこの映画に戻すと、ソハと言う人は実在の人だったらしく、戦争後ソ連兵の暴走車から
娘を守るため亡くなったとか。ユダヤ人をかくまったからだと陰口を叩かれたりもしたそうだ が、勿論彼の行為に多くのユダヤ人が感謝していることも事実だ。ユダヤ人たちは14カ月を 地下水道で生き延び、戦後方々へ散ったらしい。という実話をもとにした映画。
カナダ・トロントの閑静な住宅街に住むジェームズとエイミー夫妻。ささいな口論を最後に姿を
消す妻。その直後からジェームズの身の回りに不可解な事が起こる。
これも「ATM」と同じく形態で…ラストが全く一緒で、同じ監督かと調べたが違った。犯人の意
図もわからないまま終わるという消化不良がまた来たので、もうこの手のは勘弁…。この架空 の人物に対してドキュメンタリー形式で撮影した映画を「モキュメンタリー」というらしい。それだ け勉強になった。
リンカーンという名前の弁護士じゃなくて車のリンカーンを事務所代わりに駆けまわる敏腕弁
護士の話。マイクル・コナリー原作というからアタリだろうなと思ったら、細かい伏線までしっか り拾って爽快感のあるラストまで一気にひっぱっていく。主演のマシュー・マコノヒーもアタリだ が、個人的には「BONES」のアンジェラや「リベンジ」のアマンダや「ER」の外科部長などが出 ててニヤリとするキャスティング。しかしお久しぶりのマリサ・トメイの劣化ぶりがちょっと残念だ った…。
消化不良気味が続いたので、スカっとしたい人にお勧め。
「エレベーター」にも似たシチュエーション・スリラーだが、こっちはお粗末。どの映画評みても
ひどいものである。これはお勧めしません。
舞台も登場人物も次々代わる群像劇。何が言いたいのか?ウィーンから始まって各地を回
ってウィーンに戻る。巡り巡って自分のところへ帰ってくると言いたいのか?何が?うーん、さっ ぱりわからない。
誘拐もののホラーかと思ったら、本質は意外と社会派だった。子供をさらう妖怪トールマンの
噂があるさびれた炭鉱町を舞台に、男児誘拐事件とその意外な真相に迫る。
金持ちの親のほうが貧乏な親よりいいだろう、という勝手な言い分ではあるけども、確かにそ
っちを選ぶ子もいるのかも。子供にとって悪い結果のラストでなくてよかった。途中までファンタ ジー・ホラーかと思わせるが、物語半ばで立場逆転、ストーリーも一変するところから目が離せ なくなる。この変化がなかなか面白かった。
大都市の証券会社のパーティーに向かうエレベータに乗り合わせた9人。主催会社のCEO、
その孫、顧客、社員など。エレベーター昇向中にいたずら心を起こした孫娘が緊急停止のボタ ンを押す。急停止するエレベーター。すぐに動くだろうとたかをくくっていたが、なかなか動かな い。セキュリティに電話するも邪険な態度。時間は刻々と過ぎ、狭い空間で事件が起き、パニ ックになる9人。果たして助かるのか。
エレベーターの中だけというシチュエーション・スリラー。狭い箱の中で命がかかると人間本
性を現すということだけど、もう少しひねりを入れて欲しかった気も。シチュエーションものって 作り手側が挑戦してる気がして嫌いじゃない。
宮部みゆき原作のサスペンスなんだけど…実力ある韓国作品とは思えないくらい残念な出
来。原作を全くうまく生かせてないな、と。原作がすごすぎたか。原作に負けちゃった感があり ます。
どんな映画なのかと思って、ツイッターで「どんな話?」とつぶやいたら、どっと批判が押し寄
せた(笑)多くは「子育てなめんな」的な。で、観たけど、アニメなんだからそんなに怒らなくって も…所詮ファンタジーっしょ?という感じで、可もなく不可もなくな感じでした。
タイトルのこの一言でよく2時間持ってったな、と。構成、演出をよくがんばりました的な意味
で★二つ…だからストーリーだけなら当然★一つ。桐島を登場させないで周りの人間の群像劇 に仕立てたという作者の腕は見事だな、と。原作読んでないから、ひょっとすると原作はまた別 な面白さがあるかもしれないけど。イマドキの高校生の会話がリアルで映画は映画でそのへん が面白かったりするのだけど。
高校生だった頃などもう思い出せないくらい遠い過去だが、「部活を辞める」ことがそんなに
大きなことなのかな…と疑問に思わないでもなかったが。オマケについてた「エチュード」はまっ たく余分だった。見ても退屈なだけ…。
東野圭吾原作と言えば間違いないでしょう。近未来でもなんとかついていけた。近未来のDN
A管理システムより犯人にされたシステム開発者の逃亡劇という、オーソドックスながらも引き 込まれる展開で、2時間の長丁場でも飽きずに見れました。メイキングを見ると結構CG使わ ず実写でアクションしてたりと、アイドルにも関わらず大活躍のニノ。さすが現役アイドル、演技 だけでなくアクションもこなしてました。「嵐」というアイドルにとらわれなくても素直に楽しめる出 来。ニノに関してはそこは問題ないかと。翔ちゃんの方が今一つアイドル人気に頼ってるような (「謎ディ」とかね…)…でも今それは関係ないか。
でも★二つなのは、観た後に感動というか、そうだったのかーという余韻というか、そういうも
のは何も残らなかったんで…そこがマイナス一点。エンタメ度は満点ながらストーリーでもう少 し感動させてほしかったな、と。でもそれは欲張りというものか。
カナダ、ケベック州モントリオールの小学校。ある冬の朝、登校してきた少年は教室で首をつ
って自殺している先生を目撃してしまう。衝撃を受ける生徒、保護者、学校側。そこへ代用教 員としてバシール・ラザールという男がやってくる。アルジェリアからやってきた彼は難民申請 中という秘密があった。クラスの中で自殺した先生に対する想いが交叉する。そしてある生徒 が胸に秘めていた想いを激白。死んだ人はかえらない。悲しみを乗り越えるすべを見つけられ るのか。
カナダが移民国家であるということとか、多民族国家であるということとか、押さえてないと冒
頭で置いていかれることもあるだろう。ちょっとどこの国のことかと迷った。人種や風俗からで はどこと特定しにくかったのだ。フランス語しゃべっているけど、雪の多さからカナダだとようや く推測できた。
ま、冒頭はさておき、この物語の白眉は先生の第一発見者になってしまう少年シモンが途中
までは悪ガキ全開なのが、ストーリーのハイライトで「ぼくのせいじゃないよね?!」と泣きなが らに訴えるシーンだ。家庭に問題があったシモンを補講していたとき、自殺した担任のマルティ ーヌは彼をハグしキスしたのだが、それが問題となり、あらぬ噂をたてられたのだった。それを 大好きな先生を殺してしまったのは自分ではないのか、また優等生のアリスもそれを察し、シ モンを糾弾する。ラザールは「きみのせいではないよ。」とただ慰めるのみ。死んだものは帰ら ない。ラザールもまた家族を故郷で亡くし(殺された?)大事な人を亡くす悲しみをよくわかって いた人だった。
ビートたけしが「外国の子役がうまいと思うのは字幕のせい。」と言いきっていたが、このシモ
ンのシーンを見てもそう思うだろうか。顔を真っ赤にして涙を流す演技が字幕のせいでだけ引 き立つとは思えない。監督のインタビューでシモン役の子が実際に悲しい体験(叔父が自殺し た)をしたばかりだということがわかった。監督は大丈夫かと再三父親に確認したそうだ。そし て激白するシーンはリハーサルをせず、本番で感情をぶつけると言った子役を信じ、期待以上 の演技をしてくれたと喝采したそうだ。それくらいシモンの激白シーンはよくできたものだった。 これだけでも観る価値ありと言いたいが、ことはそこまで単純ではない。
残念ながら、ネタバレになりますが、ラザールが移民申請中であることがバレ、学校を去らな
くてはいけなくなるのだが、そこがあっさりしすぎて…「一日時間をください。いきなり消えること は自殺するのと同じだ。」と余裕を貰ったにもかかわらず、別れはあっさりしたものだった。アリ スとだけハグした。肝心のシモンの心のわだかまりを取ってやれたのかなど、細かなところを ほり投げて唐突に終わったような気がする。カナダの学校でも生徒に触れてはいけないなど、 日本同様教育現場がめんどくさくなっているという(触れずに体育を教えるため、難しいことは 教えられずただ運動場をグルグル走らせているだけという現状に教師が嘆くシーンがある)状 況も、大人としてはもっと知りたいカナダの一部分ではあったのだが、全てにおいてサラっと流 されている。そして一番の問題、ムッシュ・ラザールのこしかた行く末があいまいにされて終わ っているのが、なんとも消化不良な気がした。素材はいいと思うのに残念。
1962年、資産家のフィリップの家では実母の生前、母に忠実に勤めていたメイドと妻シュザン
ヌが衝突。メイドは辞めてしまう。スペイン人がメイドにいいと、紹介されたマリアはフィリップの こだわりのゆで卵を見事につくり気に入られる。フィリップの住むマンションの6階に住むスペイ ン人のメイドたち。フィリップがある時6階のトイレ詰まりを直してやったことから、メイド達との 距離が一気に縮まった。前より生き生きしてきた夫を、浮気していると思い込んだシュザンヌは 夫を追い出す。フィリップは6階のメイド部屋の一つに転がり込むと、初めての一人、初めての 自由を満喫するのだった。
立て続けに暗い、エンディングもハッピーとは言えないのばかりが続いたからか、やっぱりハ
ッピーエンドがいいやね、と思い直した。スペイン人はつねに笑顔で楽しそうだ。地続きでもお 国柄の違いははっきりしている。「明日があるさ」と享楽的なお国柄。瑣末なことに追われる生 活だったフランス人にはおおらかにその日を楽しんでいると見えたのだろう。
主演の中年男性フィリップが誰かに似ているとおもったら…トッポ・ジージョだった。ひげがあ
ればそっくりなんでワロタ。
冒頭夫婦の訴えで始まる。妻シミンは夫ナデルに離婚を申し出る。一緒に国外へ行ってくれ
ないのが理由だ。数年かけて金もかけてつかみ取った海外移住権だが、ナデルは認知症の 父親の介護を理由に断る。裁判所の判決は双方の合意がなければ離婚は承諾できないとい うものだった。シミンは実家へ戻ることになり、ナデルは父の介護のためにラジエという女性を 雇う。ラジエは妊娠していたが、夫が失業中のため働き、夫のメンツのため自分が働いている ことは夫には内緒にしていた。そして事件は起きた。
イランの映画だったので2時間超の長丁場だったが、街の景色や、文化など画面を飽くこと
なく眺めていることができた。正直ストーリーより、イランってこんななんだーという感心のほう が印象に残った。イスラム教国という印象が強いイランだが、信仰の深さは人それぞれで、ス カーフのかぶり具合もそれぞれだ。ラジエのように信心深く自分の行動がいちいち教義に違反 してないか確かめる者や、自分の国は「生きにくい」と国外脱出を図るシミンなど。イランって… といちいち思ったが、なかでも裁判所の混み具合がすごく、こんなに訴える人いるんだ、と驚い た。離婚はできるんだ、とか、ナデルのように理性的な夫から、ラジエの夫ホッジャのようにDV なイスラムのステレオタイプ夫もいるということもわかって面白かった。「介護」の認識はあって も「介護施設」はないらしい、など文化もいろいろわかって飽きることがなかった。ラスト、娘テ ルメが両親のどちらを取るかというのを保留したのが、良かったのか悪かったのか…できれば それを知ってすっきり終わってほしかった。
ジム・シェリダン監督、ダニエル・クレイグ主演、レイチェル・ワイズ、ナオミ・ワッツ共演。
出版社を退職したウィル・エイテンテンは郊外に買った新居へ帰宅。妻と娘二人と新生活に
臨むが、不審な影や不思議な現象に悩まされる。5年前にこの家であったという一家惨殺事件 を調べ始めるウィル。次第に明らかになる事実。ウィル・エイテンテンは自分の記憶に気付く。
よくある家もののホラーかと思ったらさにあらず。良く練られたサイコ・スリラーであった。「ア
ザース」にオチが似てるかも…。ググってみて今作でダニエル・クレイグとレイチェル・ワイズが 結ばれたと知った。ダニエル・クレイグの変りっぷりもすごく、別人かと思ったくらい。なかなか のカメレオン俳優である。
1940年代カタルーニャ地方。11歳の少アンドレウは友達の親子が乗った馬車が崖から転
落、友人の最後に居合わせてしまう。友人の最後の言葉は「ピトリルア」。洞窟に住むと言われ ている怪物だった。
謎が謎呼ぶサスペンス。少年を取り巻く環境や状況が複雑なので粗筋上手く書けないんだけ
ど。ストーリーの要はアンドレウの父親の所業と、友人親子が何故誰に殺されたかである。あ まり後味はよろしくないので、観たい方はウィキペディアでストーリーを吟味の上見ることをお勧 めする。…ネタバレになっちゃうけどね。
ウッディ・アレンの映画初めて観たかも。現代の人気脚本家ギル・ベンダーがパリに来て初
の小説執筆に頭を悩ませていると、ある晩クラッシックカーがやってくる。誘われるまま乗ると 辿り着いた先は1920年代のパリ。文豪ヘミングウェイ、フィッツジエラルド、天才画家ピカソ、 ダリ、などそうそうたる顔ぶれに出逢う。一晩経って現代へ戻り、婚約者とその両親と過ごす も、夜中の出来ごとと小説のことが頭から離れない。特にピカソの恋人アリアドネがギルの心 を奪っていた。
よくあるタイムスリップものながら、20年代のそうそうたる芸術家に観る方も目を奪われる。
特にエイドリアン・ブロイディ扮するダリはそっくり。20年代と言えば写真もあったのだから、当 然本人に似せたのだろうが、実は他は写真もよく知らないのでヘミングウェイやフィッツジェラ ルドが似ていたかどうかわからないし、私の知らない詩人や映画監督なども出ていたので、西 洋前衛芸術に詳しい人ならもっと楽しめたかも。まぁパリは今も昔もなんと華やかなことか。映 画がそのままパリの広告と言ってもいいぐらい。20年代からギルとアリアドネはさらに前の黄 金期と言われる時代へ迷い込む。そこにはベル・エポックでロートレック、ゴーギャン、ドガに出 逢い、ムーラン・ルージュでフレンチ・カンカンを楽しむ。さらに栄華を極めた時代にうっとりしつ つ、ギルはある結論へたどり着く。ギルの出した答えとは…。
大事なことだから2度言います。西洋前衛芸術の好きな方なら楽しめます。
ついに最後、日本映画版を見た。もうストーリーは言わずもがななので、原作、テレビ、韓国
版との違いばかりに目が行った。雪穂と亮司、そして船越演じる刑事に照準が当てられてい た。トイレ事件など入れてないエピソードもあったが、一番の違いはラスト。いずれも刑事に追 いつめられて亮司がもはやこれまでと飽くまで雪穂を真相から遠ざけるため、墓場まで持って 行こうと投身自殺するが、日本映画版では、月日は流れ刑事はすでに退職し現役ではない。 刑事として事件の犯人を逮捕する事に執念を燃やしているのではなく、自分の推理に基づい て、亮司を探し出す。亮司を救いたいという思いからだった。しかし亮司は今まで自分のやった ことに辟易していた。全ては自分がやったことだ、と言い残してやはり投身自殺するのだが、そ れは今までの暗闇から自分を解き放つためであるかのようだった。雪穂のために罪を犯す度 苦悩をあらわにするシーンが日本映画版にはあった。そしていずれも同じように雪穂は亮司の 遺体を目にしても「知らない人です」と言って去っていく。前半丁寧に描いているので後半バタ バタした感じになったが、日本映画版だけ違うラストに製作者の工夫が感じられた。
チェルノブイリのあるウクライナの隣国ベラルーシ。8歳のアレーシャはおばあちゃんのつけ
てくれた名前カリーナをとても気に入っていた。祖母の家で過ごす休みはとても楽しくあっという 間に過ぎた。首都ミンスクの叔父の家に帰ると口うるさい叔母に行儀をたしなめられる日々。 ママは病気で入院、パパはモスクワへ出稼ぎ、カリーナはミンスクの暮らしに慣れようとしなか った。大好きな祖母の下で暮らしたいけれど、高放射能汚染地区の隣にある村なので大人は 許してくれない。祖母の家でパパ、ママと4人で暮らせる日を夢見るカリーナだったが、おばあ ちゃんが病気になったと聞いて、一人で村へ向かうカリーナ。突然の来訪に驚き喜ぶおばあち ゃん。しかし翌日叔父が迎えに来た。母親の容体が悪くなったのだ。ミンスクへもどるカリー ナ。母親の容体は落ち着くが、今度はカリーナの具合が悪くなってしまう。
映画の冒頭と最後に「少女カリーナに捧ぐ」とある。取材中にカリーナは亡くなったらしい。し
かしこの話自体はドキュメンタリーでも再現ものでもなく、カリーナという少女を主役にした全く の物語である、との断りもある。一体何が言いたいのかよくわからないが。最後にチェルノブイ リの今が映し出される。ガイガーカウンターは鳴りっぱなし。いまもって4号炉は放射能をまき 散らし続けているという。対岸の火事として制作された2004年には公開されなかったが、311 のあと、人ごとではないと、公開されたという。まぁそんなものでしょう。
原作は東野圭吾。日本ではテレビドラマで綾瀬はるか、山田孝之が演じ、映画では堀北真希
が演じていた。韓国がリメイク。でも順番はテレビドラマ(2006)→韓国映画(2009)→日本映画 (2011)なんですけど。韓国の女優さんはお国柄みんな一緒に見えるんで名前覚えらんねんだ けど、カワイイことはカワイイけど化粧濃すぎて白い顔が浮いて見えるのが恐かったヨ。
原作、ドラマ、日本映画、そして韓国版とそれぞれ好いところ悪いところはいろんな映画評で
書かれているんで、どれがベストというのは人それぞれなようで。韓国版がイチバンという人も いればイマイチという人もいます。私は中の上…あの長い原作を上手くまとめたな、という印 象。それと雪穂と亮司のほかに刑事を演じるハン・ソッキュ。日本のドラマ・映画とも違った刑 事像で韓国らしさが出てて良かった…というかそこしかオリジナルな点がなかったかな…あと は原作に忠実だったような。韓国版オリジナルではハン・ソッキュの「あの時捕まえてやれなく てすまなかった」とヨハンの「太陽は最高に昇ると影は消える」というセリフが原作をよく理解で きてるな、と感じた。原作にもないセリフだのにストーリーを象徴するようなセリフだ。原作読ん だし、ドラマも観たけど、日本映画版を見てないので、ここまで観たら日本版も観ようかと思い ます。なんか意地でも制覇したくなってきた…。
ジム・ローチ監督 エミリー・ワトソン主演 原作「からのゆりかご」マーガレット・ハンフリー
著。英国史豪州史の暗部と言われる「児童移民制度」問題を取り上げた作品。
イギリス、ノッティンガムの社会福祉士マーガレット・ハンフリーは突然現れた女性に自分の
ルーツを捜してほしいと頼まれる。はるばるオーストラリアから来たという女性の「子供だけで オーストラリアにやられた。子供たちだけだった。養子縁組ではなかった。」という証言を疑問 に思ったマーガレットは調査を始める。すると恐ろしい「児童移民制度」という政府も関わる政 策にぶち当たった。孤児院の子供たちはオーストラリアに送られ、強制労働などの過酷な環境 にほりこまれた。離ればなれになった親子を引き合わせることに喜びを見出すマーガレット。し かし一方では「児童移民」に深くかかわった慈善団体や教会の立場を悪くし、反感をかい危険 な目にもあう。自分のルーツを知りたがる「児童移民」の犠牲となった人々の訴えは続き、彼ら の心によりそうマーガレットは心的外傷ストレスにかかってしまう。
オーストラリアの移民政策いわゆる「白豪主義」はアボリジニに対する文明化でもよく知られ
ているところだが(映画「裸足の1500マイル」に詳しい)、元締めとも言うべきイギリス側がのべ 13万人もの子供たちを送り出していたとは知らなかった。まさに歴史の暗部。2009年オースト ラリア政府が、翌年英国政府が事実であると認め謝罪したが、被害者たちの人生は戻りはし ない。中国の残留孤児や北朝鮮による拉致被害などを想起してしまう。1970年代まで続
いていたこの制度(アボリジニに対する白豪主義政策も70年代まで続いていた)、とても先進
国のやることとは思えない。人権無視の野蛮人のやることである。最近では中国国内で男子 欲しさに頻繁に誘拐が起こっているという。子供は自分の命を守るのにも一苦労だ。先進国で も途上国でも子供は前途多難である。
幼女誘拐殺人事件の被害者は大富豪の孫だった。大富豪は指名手配中の容疑者の殺人
依頼の広告を全国の新聞に載せる。報酬は10億円。かくまってくれてた人からも命を狙われ 容疑者はあっけなく出頭。しかしそれでも病院、警察関係者からも命を狙われ、SPを付けられ る容疑者。刑事たちとSPたちに守られ容疑者は移送されるが、全国民から命を狙われる
容疑者を果たして無事東京まで運べるのか。
SPに松島菜々子、大沢たかお、刑事に岸谷五郎、永島詠人、伊武雅人。幼児殺人犯に藤
原竜也。舞台は山陽新幹線だが、実際は台湾の新幹線を使ってロケを行ったとか。カンヌ正 式出品作品だったけど、無冠に終わった。息もつかせぬサスペンスかと思ったけど、途中ダレ たな。ラストも今一つしっくりこなかったような。
原題「Albert Hobbs」。ダブリン、モリソンズホテルで働くウェイターのアルバートは誰にも言え
ない秘密を抱えて生きてきた。内装塗装業者のヒューバート・ペイジと出逢い、その自由な生き 方に影響されたアルバートは、結婚相手と自分の店を持つという長年の夢に向かって走り出 す。そんな折ダブリンをチフスの嵐が襲う。
実際にあった話ではないが、孤児で養母に14歳の時死なれた少女が職を得るため、女を捨
て男として生きてきた。どこの国も一人の女性が、女性であるがゆえ生きにくい時代があった んだということがわかる。ただ、同じ貧困の中で生きて行くすべを見つけるのに潜入ルポ「中国 の女」では「女に生まれるくらいなら牛馬に生まれたほうがマシ」とか言いながら、娼婦は「売れ る体があるだけ女はマシ」とも言う。アルバート氏は何故娼婦にならなかったのか。彼女自身 が語っていた。「品位のない生き方は我慢ならないの。」どんなに貧しくても品位を損なわない。 それが彼女の生き方なのだ。それを表現するシーンが、ヒューバート(実は彼も女性であること を隠して男として生きている)の妻キャロライン(チフスにより死亡)の遺してくれた手製のドレス を着て、海辺で両手を広げ、風をまとい走り出すアルバートに集約されている。何かから解き 放たれたようにアルバートが走り回るシーンは観ていてすがすがしいものを感じた。
1789年7月14日、いつもの優雅な一日を始めるはずだったベルサイユ宮殿が一枚の紙に
震撼する。バスチーユ監獄が襲撃され、286名の名を連ねた処刑リストが出回ったのだ。フラ ンス革命の始まりである。王妃マリー・アントワネットを崇拝する若い朗読係の娘シドニーは王 妃のためなら何でもする覚悟だったが、命じられたのは王妃の寵愛を受けるポリニャック夫人 の身代わりだった。
あまりに有名かつ複雑な革命故、結果よくわからんということになるのだが、日本人には強い
味方がある。そう、いまもって多くのファンを魅了する漫画「ベルサイユのばら」にその事は詳し い…が、実は読んでないので有名(らしい)な「文句があるならベルサイユへいらっしゃい!!」 と言ってのけるポリニャック夫人の存在もこの映画で知った。ポリニャック夫人のみならず、こ の映画を見て、ああ、ベルサイユ宮殿には王家だけでなくとりまきの貴族や召使やらでごった 返していたのだな、といったことも改めてわかった。ベルサイユ宮殿でロケをしただけあって、と にかく舞台が豪華で画面を見ることに飽きない。鏡の間などさすが、圧巻である。ストーリーは まぁ、こんなものかなぁという感じで今さら新たな発見があるわけではないが。
今一度フランス革命のおさらいをしたい人にオススメか。
原題「BARBARA」。「ベルリンの壁崩壊の9年前ー1980年、東ドイツ。東ベルリンから美しい
女医が田舎に赴任してきた。秘密警察監視付きで。西への脱出が近づく中、東で誠実に生き る男と出会う。彼女の下した魂の決断とは…。」というのが予告にあった内容。これがなかった らなんのこっちゃわかりません。冒頭に出てくるのは「1980年夏ベルリンの壁崩壊の9年前」 ということだけ。女医の名はバルバラ。彼女は、「孤立するのはよくない。」と態度を軟化するよ う忠告する同僚の医者に「私が左遷された理由も調査済みでしょ。孤立させてもらうわ。」とに べもない。しかし理由は映画の中だけではわからない。HPによると「西側への移住申請を政 府に撥ねつけられ左遷された」ということらしい。
田舎がどこなのか、何故左遷されたのか、何故西側へ行きたいのか、とにかく訳がわから
ず、ただ彼女を追うことしかできない。彼女の心情を一切言わせず、ただ行動あるのみと突き 進んでいくバルバラ。それが演出として成功しているのかどうか。観る前にHPをじっくり読んで からならより楽しめるでしょう。でもそうしないとわからないって、映画としてどうなの。ベルリン 映画祭銀熊賞(監督賞)受賞だそうです。
原題「大魔術師」。トニー・レオン主演、ラウ・チンワン、ジョウ・シュン共演と豪華なんだけど
…話はよくわからない。オールセット撮りの派手派手しい舞台で人々がてんやわんやで画面を 右往左往するのだが、何が何だか…もう少し整理してもよかったのでは。コメディなんてそんな ものか。 生。ついにアメリカ大使館は暴徒に占拠される。が、その直前、カナダ大使館に6人が逃げ込 んだ。大使館員は全部で50人。足りないことがわかると、人質が危ない。その6人も狩り出さ れると命が危ない。かくしてCIA総出で救出作戦を練るもいまひとつな案ばかり。結局採用され たのはカナダの映画会社が撮影のために送り込んだクルーとして連れ出すという作戦だった。
のっけから米大使館襲撃というショッキングな映像から怒涛の展開で、一瞬たりとも見逃せな
いという骨のある映画を久々に観た。いかに事実に沿って描かれているかというのは特典映 像に当事者総出で当時を語っているインタビューからもよくわかる。映像も出来る限り近づけ たようだ。ベン・アフレック主演・監督だが、いい仕事してるうえに、なんといってもカッコイイ! ボウボウのひげ面もなんのその、今までハンサムの基準は鼻筋だと思っていたが、やはり目 だな、と思いなおした。ベン・アフレックの深淵なる眼差しにやられてしまった。
面白くないのはわかってて観た。エンディングにくるねこ大和のイラストがあるって聞いたか
ら。そのためだけに観たので、話が話になってないとか、もうそういうのはどうでもいいのであ る。猫好きにおすすめかというとそいうものでもない…猫そのものは案外映ってないからだ。特 におすすめもしない。
原題「The RAVEN」。ジョン・キューザック主演。1849年ボルティモアで猟奇殺人事件が起こ
る。手口がエドガー・アラン・ポーの小説と同じことから、ポーに容疑が掛かるが、取り調べるう ちにもポーの作品を模倣した殺人事件が次々起こる。刑事フィールズにポーは協力するが、ポ ーの恋人エミリーが連れ去られた。
これはエドガー・アラン・ポーという人の生涯、特に謎の最後を知らないと興味ひかないので
は。自分は「モルグ街の殺人」しか知らなかったので(ミステリの元祖というから読んでみたの だが、犯人を知ってがっかりしたものだ)、ググってみると、あにはからんや、映画より実際の ポーの生涯の方が波乱に富んでて十分に面白いのだ。まさに事実は小説より奇なり。彼が最 後に「レイブンズ」という名を口にしたということと、死因が謎であることから今作は創作された ようだが、それだけではこの映画が一つの正解とは言えない。製作スタッフもわかっててそこ はすっとばしたようだ。(ポーが他人の服を着ていたことから、選挙に投票に行かされたんでは ないかという説もある、とか。)
ただ、最後の「レイブンズ」は連続殺人犯の名前ということに映画ではなっているのだが、そ
れが何故フィールズに行きつくのかがわからなかった。どの映画評を読んでもそこまで触れて いるものがないので、自分には謎のままだ。そしてタイトル。これは邦題の方がよかったので は。原題はポーの作品「大鴉」だが、「大鴉」とはあまり関係がない。とはいえ、アメリカ人には ポーと「大鴉」は切り離せない関係だからこれでいいのか?
白雪姫の話は有名過ぎるので粗筋は省くとして…何が違うかというと、「戦う白雪姫」、これに
尽きますな。ただ、森の主の妖精が大鹿の姿って、某アニメで観たような。そして巷では悪の お妃がシャーリーズ・セロンってガチで白雪姫よりキレイじゃん、という批評。でも私はそこよ り、お妃ラヴェンナがかつて自分の民族も戦で支配・虐殺されたという過去を持っていることに 同情してしまった。白雪姫は生まれてからラヴェンナに父親のマグナス王が殺されて幽閉され るまで何不自由なく育っていたのだ。不遇の度合いが違う。
でも城から森へ逃げ出したスノー(白雪姫)をラヴェンナの弟一派に追わせるのだが、途中加
勢となったエリックという若者に弟を殺されても何もしなかったのに、いきなり幼馴染のウィリア ムに化けて毒りんごを食わす。それができるなら最初からすれば、と思わずにいられなかっ た。
何が一番謎って、日本語吹き替えでラヴェンナを小雪がしていたことか。やっぱり慣れてない
のか不自然だった。エリックも椎名桔平だったがこっちはソツなくこなせてたと思う。
そしてCGすごかったからだとは思うがエンドロールがやたら長かった…。
宝石商のカイル(ニコラス・ケイジ)は妻のサラ(ニコール・キッドマン)と娘エイビリーンと裕福
な家庭を築いていたところへ、強盗が押し入る。金庫を前に開けろと脅されるも、きっぱり拒否 するカイル。金庫を開けられない秘密とは?
舞台は家の中だけというシチュエーションドラマとしてはすごくよくできていると思った。が、タ
イトルが原題「TRESPASS」(侵入者)なのにブレイクアウトって…?同名の映画も過去にあっ たと思うんだけど…そこが金庫より一番の謎だった…。
ドライブテクニックを駆使したカーチェイスものかと思ったら全く違っていた。こんな陰惨な話
だったとは…。タイトルはドライブよりドライバーの方がよくないか?と思った。ま、そんだけです けど。キャストは誰ひとり知らなかった。女優さんだけどっかで観たなー、と思ったら、「私を離さ ないで」の主役の人(キャリー・マリガン)だった。
ググってみるとなんとカンヌで監督賞を取っていた。アメリカ人もこんな暗い人いるんだよ、っ
てことしか伝わらなかったけども…。
ユダヤ系女子高生リサ・コーエンはバスの運転手の気を引こうと手を振った。手を振り返した
運転手はよそ見をし、道路を横断していた女性を轢いてしまう。リサは自らの保身を考え、信 号は青だったとウソの供述を警察にしてしまう。家に帰ると幼い弟と舞台女優の母親が待って いた。自分のせいで、という罪の意識にさいなまれたリサは供述をひるがえすことを決意する が…。
冒頭のバス事故が話しの中核ではあるんだけど、主人公のリサがフラフラしすぎててこの映
画自体が何をいいたいのかが全く分からない。判る人には判るらしく、「真実から目をそむける ことの罪を描いた傑作」とか「アメリカの立場を表している」と評する人もいる。製作から公開ま ですったもんだで6年かかったということが話題を呼んだらしいが、日本ではDVDスルー。主人 公のリサをアナ・パキンが演じ、他のチョイ役にマット・デイモン、ジャン・レノ、キーラン・カルキ ンそしてお久しぶりのマシュー・ブロデリックなど本当にチョイ役なのでそれぞれ彼らを起用す る意味があるのかとは疑問に思う。公開時は150分だったが実際は3時間を超す大作らしく、 それがモメた元にもなっている。
最後は母親とリサが涙を流し抱き合って終わりなんだけど、それが私にはさらに「なんのこっ
ちゃ」感をもたらしてくれた。
「モナリザ・スマイル」ではやる気溢れる大学教師をやっていたジュリア・ロバーツが一変やる
気のない大学講師役に。原題「LARRY CROWN」
原題のとおりラリー・クラウンというリストラされた中年(トム・ハンクス)が、高卒という理由で
解雇されたことに一念発起して大学へ。しかし取った講義は定員ギリギリのやる気のない講師 と生徒のたまり場だった。★一つなのでおわかりでしょうが…なんにも面白くない。人生いつか らでも学べるというお題目はよくあるので…。もうちょっと感動ものにしてくれないと…何にもな いのに観る方に勝手に感動してくれといのはあんまりなような。トム・ハンクス監督・主演とはい え低予算すぎ。低予算には低予算ならではのよさがなければ。キャストだけでは映画は成り立 たないということを教えてくれた。
大学教師のイラン系アメリカ人オマーは、依頼していた伝記製作の不許可の手紙を受け取
る。手紙にはオマーが伝記を書こうとしていた作家ユング・グストの兄、妻、愛人の3人のサイ ンが。1作だけを遺し自殺した作家の伝記をどうしても諦めきれず、恋人のディアドラの薦めも あって、3人に直接交渉すべく、ウルグアイへと飛んだオマー。そこへ待ちうけていたのは、兄 アダム(アンソニー・ホプキンス)と妻キャロライン(ローラ・レニー)、愛人アーデン(シャルロッ ト・ゲンズブール)とその子12歳のポーシャとアダムのゲイの愛人ピート(真田広之)という故人 亡き後その地で奇妙な共同生活を続けるいびつな家族だった。いきなり来たオマーに驚きつ つ招かれざるも新鮮な風を運んできた客をそれぞれが受け入れた。アダムは自分よりずっと 若いピートの行く末を案じ、母の遺品の宝石類を金に換えようと、密輸をオマーに持ちかける。 それが伝記を承諾する条件だった。28歳のアーデンは同じ年齢のオマーに優しく接し、伝記も 作家の作品が見直されるきっかけになるのではと考え始める。頑なに拒む妻キャロラインは最 後の原稿を持っているとは言うが、みせてはくれない。ピートは養蜂をして生計を立てていた。 ピートを手伝おうとしたオマーが梯子から転落し、昏睡状態に陥る。アーデンは病院からオマ ーの恋人ディアドラを呼び寄せた。
原題「The city of your final destination」。いろいろな人物が入り乱れ、ややこしいが、そんな
ことはどうでもいいのよ、シャルロットさえ見れれば。と、シャルロット見たさで見てみたんだけ れども、オマケに真田広之がついていたという。原作ではタイ人だったが、監督が真田広之を 出したいがため、日本人に変更したとか。劇中の彼は40歳。えー!とは思ったがまぁ東洋人 は童顔に見られるからいいか。シャルロットも30代ではあったが28歳の役どころだったし。シ ャルロットのウィスパーボイスが聞きたいがため、日本語吹き替えもあったんだが、あえて字幕 で見たという…。とにかく彼女見たさだったので彼女以外はあんまり見てない。話もこんなもん でいいんじゃない?的な。感想になってなくてすみません。
8歳の少年ジョン・ベネットには友達がいなかった。あるクリスマスの夜、少年は願い事をし
た。なんとそれが奇跡を起こした。クマのぬいぐるみテッドがしゃべり出したのだ。それから27 年後、少年は35歳になりテディ・ベアもすっかりおっさんになっていた…。奇跡のテディ・ベアと して一世を風靡したテッドもすっかり落ちぶれ麻薬と酒におぼれていた。ジョンはうだつのあが らないレンタカー会社で所長の昇進話が持ち上がるも今一つ仕事に身が入らない。恋人のロ リーは彼とテッドの仲を理解していたが、交際4年目の記念日に家に帰るとテッドが売春婦を 呼んで乱痴気パーティーをしているのを見て激怒。ジョンにテッドと離れるよう勧告。テッドは初 めて一人暮らしを始め、スーパーでレジの仕事を始める。
これは日本語吹き替えで見たんですが、翻訳の妙に尽きますな。アメリカ文化を知らなけれ
ばわからないことが多い中奮闘した方ではないでしょうか。ナレーションで「コリー・フェルドマ ン」の名前が出たり、80年代のアイドル、ティファニーの「セブンティーン」で踊り狂う中年のお っさん、子供向け映画「フラッシュ・ゴードン」の主役サム・ジョーンズや歌手ノラ・ジョーンズが 本人役で出演。しかし80年代にアメリカで子供時代を過ごした人にしかわからないことはもっ とあると思う。
ジョンとテッドがけんかをするシーンで
「お前なんかより、くまモンの方がよっぽどましだ!」
「なんだと、もういっぺん言ってみろ!」
「ク・マ・モ・ン!!」
とか、カーチェイス中に見事なジャンプを決めたテッドが
「ガチャピンよりすごいだろ?」
甘やかされ生意気なガキに一発お見舞いしたジョン曰く
「誰かが星一徹にならなきゃ。」
と精一杯日本文化に合わせている。でも原語ではなんて言ってたのか気にはなるが…わかっ
たところで日本人には「?」という名前だったんだろう。
可愛い外見とは裏腹に過激なセリフが多く日本でもR15だったらしい。コメディなんで確かに
子供にはちょっと…というシーンは多かった(特にテッドのセリフが)。大人にお勧めします。
欲を言えば製作秘話とか知りたかったが、それは販売DVDの特典らしい。レンタルDVDに
はTVシリーズ「グリム」の1話が収録されているだけでした。またこの話の吹き替えにも木下浩 一が…どんだけ活躍してんの木下浩一…。
原題「The Double」。リチャード・ギア主演。寅さんの格好してオレンジジュース飲んでたおっさ
んリチャード・ギアにしては実にキビキビとしたアクションシーン連発で見直した。
アメリカの政府要人が暗殺された。手口から伝説のロシアスパイ「カシウス」と確信したFBIは
CIAに力を借りて追うが…結論が先にでちゃうんだけど、カシウスはCIAに20年も勤めていた ポール・シェファードその人だった。カシウスの手口をまねた模倣犯であったが、誰がカシウス を蘇らせたのか。カシウスの追う「カシウス」とは誰なのか。一方でFBI捜査官のベン・ギアリー もカシウスを追っていくうちある真実に気付く。
アクションもかっこいいリチャード・ギアにCIA長官として貫禄あるマーチン・シーンも脇を固
め、最後のドンデン返しもなかなか。ただ…こんなにスパイって多いのかとびっくりする。これじ ゃあ、いつどこでテロが起こっても不思議でない社会ではないか、アメリカって。
ロバート・ゼメキス監督、デンゼル・ワシントン主演。パイロットとして最高の腕を誇るウィップ・
ウィトカーの乗る旅客機が何故かトラブルを起こし、制御不能に陥る。燃料を捨て、背面飛行 し、あらゆる手段で不時着させようと試み、結果平原に不時着するも機体は大きく損傷。しかし 乗客102人中6名死亡という奇跡の着陸によって彼はヒーローに祭り上げられる。しかし事故 調査委員会によって証言が集められ、事故の真相が暴かれる。ヒーローのもう一つの顔はア ルコール中毒だったのだ。
乗る直前に検査はしないのかな、飛行機は?まぁ彼の場合、機中でも酒の小ビン2本を平ら
げていたが。アル中でヤク中で、ってそんな人間がパイロットとしてやってこれたことが奇跡。こ んな人間に命預けられないでしょ。結末は彼の良心というより、やっぱりこういうことがまかりと 通ってはいけないという当然の終わり方でしたが。
アメリカではよくあるバチェラーパーティーで強烈なヤクのせいで昨晩の記憶が全くない3人。
ラスベガスの高級ホテルで目覚めたはいいが、部屋はメチャクチャ、トラはいる、そして肝心の 花婿ダグが行方知れず。大慌てで探す友人3人のドタバタコメディ。
ただただ純粋に笑える。最後はたいていの映画がエンドロールは黒地に白でクレジットが流
れるのだが、全員が覚えていない一晩の出来ごとがエンドロールでわかるという仕掛けはうま いと思った。全部納得がいくのだ。しかしDVDにはNG集がついているんだけど、しょーもない ことでNG出すなぁ…日本だったらぶっとばされんじゃないかという気がした。
原題「We bought a zoo」実際にあった話らしい。
妻を亡くし二人の子供を抱えたシングルファーザーのベンジャミン・ミーはコラムニストを辞
め、動物園を購入。閉園していた動物園を再開に向け仲間と協力して経営者として奮闘する が、息子は反抗、資金難、動物の管理と問題山積。果たして開園へ無事こぎつけるのか。
日本語吹き替えで見たのだが、なんだかミー役(マット・デイモン)の声が軽いというか慣れて
ないような気がしていたらクレジット見てびっくり。東山紀之だった。まぁそれだけですけど。
動物園開園までのドタバタ劇なのだが、動物園よりも親子の関係が重要な鍵に思えた。動物
飼育係のケリー役をスカーレット・ヨハンソンが好演。まったく色気を封印。まぁこういうのもい いんじゃないでしょうか。
「アンネの日記」のアンネ・フランクがオランダで潜伏期間を経たのち収容所へ送られたとい
う「日記」の前日譚と後日譚を1979年父オットー・フランクが講演で回想するという形で綴られ る。
よくよく考えてみると「アンネの日記」は有名すぎて読んでないことに気付いた。オランダに行
った時「アンネの隠れ家」なるものを運河クルーズ中に見た(と思うがよくわからなかった)の に、この映画観るまでアンネの日記はドイツで書かれたものだと思い込んでいた。ナチス=ドイ ツという図式が勝手に頭にあったからか。
よくあるナチス酷い、ユダヤ人かわいそうものなんだけど、改めて「アンネの日記」を読まなけ
ればと思った。エンドロールではアンネが回転木馬に乗って笑ってる画が流れて救われた気に なる。
ルイス・クー、デヴィット・ウー、ラウ・チンワン共演。3人は警察の盗聴組織部のメンバー。盗
聴した相手が大企業の社長。株価の上がりを知った3人は一儲けを考える。
ま、盗聴自体やっちゃいけないんだけど、インサイダーはもっとヤバイでしょう。ラスト、ルイ
ス・クーの復讐劇にはぐっときた。
1983年オランダで実際に起こったハイネケン社の社長誘拐事件を元にした映画。公開時、
すでに刑期を終えた犯人が公開差し止めの裁判を起こしてまた注目を浴びたとか。
これが意外に面白かった。姉の夫たち一味の誘拐作戦に参加したいと申し出、自らターゲッ
トを守りが緩いということでハイネケン社長を推し、誘拐を作戦から実行へ移していく若者。前 半は誘拐そのものに話を据え、進行していく。誘拐が成功し、身代金が支払われるまでを描 く。社長は誘拐され精神的に追い詰められていく。3週間後身代金受け渡しも成功し、社長は 警察によって助け出されるが、そこから警察の猛追が始まるも、自分たちに捜査の手が及ん でいることを察知した義兄弟は警察の動きより早く車で国境を越えフランスへ高跳び。当時フ ランスとオランダでは犯人引き渡し協定が結ばれておらず、フランスは犯人二人の引き渡しを 拒否。二人はいい気になってテレビで記者会見に出ちゃったりして、歯がみする警察。しかし ハイネケン社長は諦めなかった。金と権力を使って復讐を試みる。4人組のうち2人は国内で 捕まえたが、自分をいたぶったのはその二人ではなく、フランスへ逃げた2人の若いほうだとま で看破。それまで愛人と火遊びにふけっていたのが、誘拐から生還して以来妻のありがたみ がわかった社長。命を脅かされたことからいわゆるPTSDの状態に。それを慰めてくれたのは 妻であり、夫を苦しめた奴を許さじと、フランスとオランダの国境を接するセントマーチン島へ 二人を追いこむことを提案したのは妻だった。移送直前に相手の謀略に気付いたものの、フラ ンス領へなんとか逃げおおせたと思った二人へ、金と権力を使い島の住民を味方につけた社 長側。ついにオランダ領へ二人を引きずりこみ逮捕。しかしその過程で何故自分が青年に狙 われたのか真の理由を知る。青年の父親はハイネケンに20年勤め、接待営業でアル中にな ったのだった。ハイネケンは業務改善を考えるように。
後半に入ってからの義兄弟の逃亡劇と一見優勢に見える社長が精神的には参っていく様が
面白い。国境を持たない国に生まれたので、逃亡劇はこういう手があるのか、と感心させられ た。一番若い青年こそが誘拐する理由を持っており、社長を追いつめるという心理サスペンス の要素もありよく練られたストーリーだなと思った。
原題「The Descendants」(子孫・末裔)。ジョージ・クルーニー主演。舞台はハワイ。先祖から
受け継いだ土地を管理しハワイで暮らしている弁護士マット・キングの妻はボート競技の事故 で脳死状態に。17歳と10歳の娘も母の帰りを待っているが、状態は一向によくならず、つい に医師から最後通告が言い渡される。そんな時、学校から連れ帰った長女に、「ママは浮気し てた。」という爆弾発言を聞かされ、驚きを隠せないマット。不動産を手放す手続きをしなくては ならない一方で、自分と離婚するつもりだった妻への想いの整理がつかない。親友に詰め寄 り、不倫相手の名前を聞き出し、妻の呼吸器をはずす前に会わせようと思い、長女、次女そし て何故か長女のボーイフレンドを連れてオアフからハワイ島へ渡る。
シビアな内容ながら、風景のきれいさにずーっとやられっぱなし。やっぱりハワイはいいなぁ。
(一回しか行ったことないけど。)よくよく考えれば、妻の不倫に不動産売買とドロドロした話しな のに、なにもかもがハワイの爽やかさに持ってかれちゃって、最後にはちょっとウルっとさせら れるという。ロケーションも映画には大事な要素なんだな、とわかった。だってこれNYとか大都 市でやられたらすごく殺伐とした雰囲気だろうけど、とにかく蒼い海と空とこちらまで吹いてくる ような爽やかな風にそんなムードは吹き飛ばされてしまう。物語とは関係ないけど、やっぱり行 きたいなぁー、ハワイと思わせる映画。
原題「通天帝国」。689年、則天武后(カリーナ・ラウ)という女性初の帝が着位するため「通
天仏」という巨大像の建築が行われていた。その最中人体がいきなり発火するという事件が続 発。対抗勢力の仕業と思った則天武后は8年前、前帝が亡くなった時則天武后の着位に反対 したため投獄したディー・レンチェ(アンディ・ラウ)を部下のチンアル(ファン・ビンビン)監視の もと獄から出し、捜査に当たらせることにした。
ストーリーはもとより「ツイ・ハーク復活!」とうたわれただけあり、久々のワイヤーアクション
てんこ盛りで、ストーリーなんかもうどうでもいい状態。それより検事役のダン・チャオがアルビ ノという設定であったので、本当にダン・チャオがアルビノなのかと思って調べたら、別にふつう の黒髪黒目のあんちゃんでした。紛らわしーな。まつ毛まで白くするという徹底ぶりにまさかと 思って。判事ディーが実在の人物であったのなら、ダン・チャオ演じてたパイもまた実在してお りアルビノだったということかな?そこまで言及している映画評は今のとこない。
ネタバレしてしまうと冒頭部にちょいと出てきたレオン・カーファイがチョイ役なわけなくて、ラ
スボスだったっていうのは真面目に見てればわかることなんだけど、途中のアクションシーンが 多すぎてもうその辺どうでもよくなってくるんですわ。とにかく戦う戦うアンディ・ラウ。チンアルと まで戦って挙句かばうとかわけわからないくらい、ワイヤーアクションをみせつけてくれるんで す。判事ディーは実在の人物らしいけど、人体発火はあり得ない設定で、アクション・ファンタジ ーであって断じて歴史物とかミステリとかではない。アクションの派手さが却ってB級に落としめ ている感もある。ここまで書いたらお分かりの通りワイヤーアクション嫌いなんです。じゃあ観る なって…ここまでとは思わなかったもんで。因みにCGもすごいです。
これは意見が分かれるところじゃないでしょうか…。設定が難しく、人間心理としてはわかる
んですが。女二人所帯に男一人が割りこんできて両手に花状態。そりゃ男も若い方を選びま すわな。で、残された女の方がなにをするかというと…。
舞台は極北ツンドラ。ヴァイーサという女(ミシェール・ヨー)とアニャという娘(最初二人の関
係は謎なのだが、実子ではないのが後半でわかる)は二人で力を合わせ過酷な環境で生きて きた。そこへ生き倒れになっていた男ロキが現れる。二人は介抱してやる。今まで二人だけで 生きてきたのに、他人が二人の生活へはいってきたことによって除叙に狂いだす3人の関係。
実は残酷なシーンが結構多くて、下を向いてしまい、肝心なところは見れてないという…。特
にラスト、嫉妬に狂ったヴァイーサの報復…ちょっと考えられない。考えられないといえばアニ ャの態度。今まで男を知らなかったのに、普通は恐れを抱くと思うのですが、逆に急に盛りの ついたメスみたいになるわ、挙句二人で出ていくとか言い出すわ、財産(といっても食糧と家 畜)も半分持っていくとか言い出すし。そりゃ今まで育ててきたのに腹もたつだろう。でもヴァイ ーサも心変わりという点では負けてない。今まで可愛がって育ててきたアニャに手をかけなお 且つ…ここのところを直視できなかったんですが。「男」というか「愛」はここまで「女」を狂わせ るのか。
製作者が何を伝えたくて作ったのかわからない物語。女は怖いってこと?とにかく残忍さが
本当に怖くて直視できなかっただけ「ゴメン」て感じです。
原題「THIS MUST BE THE PLACE」ショーン・ペン主演。アイルランド、ダブリンでかつてロッ
クスターだったシャイアンは引退し、妻と静かに暮らしていた。ただし彼の矜持なのか、ボサボ サヘアに白塗りぱっちりアイメイクに口紅は毎日欠かせない。付き合いは近所のロック少女く らい。二人で墓参りに行くも、墓に埋められている人の肉親らしき人から「来ないでくれと言った はずだ。」と拒絶される。そんな中30年連絡を取っていなかった父親の危篤の知らせが入り、 ニュヨークへ帰るシャイアン。飛行機嫌いの彼は船で帰国、死に目には会えなかった。いとこ のリチャードから父親がユダヤ人強制収容所に入れられていたことからナチの残党狩りに力 を入れていたことを知り、父の遺志を継ぐべくアメリカ横断の旅に出る。
これは…ストーリー的にはどうなんでしょう。とにかく化粧したショーン・ペンの怪演にばかり目
が行くが、話はどうもつながりが悪いというか…途中がよくわからないことが多かった。車が炎 上したのに、何食わぬ顔で別の車で旅を続けたり、死んでいると思われたナチの残党に唐突 に行きついたり。白眉はデビット・バーンが本人役で出演していることなんだろうけど…デビッ ト・バーン知らないや…ごめんなさい、って感じ。ストーリーが進むにつれ、墓参りの謎や、引退 の理由などもわかっていくが、行きつく先が化粧を落としふつうのおっさんになって帰って来た シャイアンって…そこでいいのか。どう理解していいのかわからない。「好き嫌いが分かれる映 画」と評されていたが、好きとか嫌いとかいうより、どこか嫌いになれないショーン演じるシャイ アンのユニークさに目が釘付け。俳優ばかりにこんなに目が行く映画も久しぶりだ。
ミラ・ジョボビッチ主演。小学校教師のアンナは恋人のブライスと同棲、友人たちと楽しく暮ら
していた。アンナの暮らす町では「涙のジャック」と呼ばれる連続殺人事件が発生。ある晩アン ナは殺人現場に遭遇、「涙のジャック」の餌食となってしまうが、奇跡的に一命を取り留めた。 しかし病院で目覚めたアンナは相貌失認という見るたびに人の顔が変わる症状に見舞われ る。現場を目撃したものの犯人の顔を覚えていない。人の顔を見ても覚えていられない。精神 科医の力を借り、なんとか元の自分に戻ろうと画策するうちにも、「涙のジャック」の被害者は 増えてゆく。警察の力になりたいと警察へ赴くと、担当の刑事ケレストの顔だけ判別がつくこと に気づくアンナ。しかし「涙のジャック」の魔の手はアンナの友人を襲い、アンナに犯人から電 話が。「よう、アンナ、元気そうだな。」
と、ここでネタバレなんですが…ネタバレになったのもなにも、日本語吹き替えで見てたんで
すが、声優で犯人がわかっちゃったという…。警察署内のシーンでプロファイラーとして紹介さ れた人の声が、主人公にかかってきた電話の声と一緒だったんですよ。それもなんでかってい うとアメリカのTVドラマ「Dr.ハウス」でハウス役の木下浩一という人の声(もう一つ米TVドラマ 「BONES」で主人公テンペランス・ブレナンとコンビを組む刑事シーディー・ブースの声も担当し ている)なんで、よく聞いていた声だったんですね。
というわけで、やはり最後で犯人わかるんですけど、もはや白人男性なんてどんな顔でも一
緒に見えるし(相貌失認なんでワンショットごとに、いちいち俳優を変えているんだけども)。そ れより顔は変えられるけど、声は変えられないんだなぁということがわかった。まさかの声優オ チ。アメリカ本国では劇場公開スルーだったそうです。日本では劇場公開されたとか。
舞台はアメリカ、ミシシッピ州。1960年代前半。奴隷解放ははるか遠い話とはいえ、今だに
黒人女性はメイドの仕事しかない貧しい暮らし。作家志望のスキーターは大学を卒業し、実家 のミシシッピ州ジャクソンへ帰ってきたが、自分を育ててくれた黒人女性のメイド、コンスタンテ ィンが解雇されていたことに憤慨。しかし同級生はみな結婚・出産し家事育児をメイドに任せて 気楽な暮らし。スキーターは新聞の家事相談記事を任されるが、周りのメイドの扱いを不当に 思い、取材を始めようと試みる。友人宅のメイド、エイビリーンに取材を申し込むが、他のメイド 達も報復を恐れ口を開いてはくれない。そんな中、メイド仲間のミニーが屋外にあった使用人 用トイレを使わず母屋のトイレを使ったことで解雇、その後に雇われたユール・メイが掃除中に 見つけた指輪を質屋に質入れしたことから逮捕され、ついにメイド達は立ち上がり、スキーター の取材に応じた。次第に明らかになる黒人女性の差別的待遇。ついにはコンスタンティンの解 雇のいきさつもわかった。そうしてスキーターは現在のメイドの待遇を赤裸々に綴った一冊の 本を上梓。発売後、売り上げは上々。スキーターにはニューヨークの出版社の採用通知が届 いた。しかしエイビリーンに待っていたものは…。
確かに白人に一杯喰わせるのはすかっとするのだが、エイビリーンが解雇されるのはちょっ
と後味が悪い。でも最後にエイビリーンが意地悪をする白人に対して涙ながらに抗議「(意地悪 ばかりする、そんな自分に)疲れませんか!?」と問い詰めるシーンは圧巻。今や黒人大統領 のいるアメリカ。もうこんな悲劇は起こらないことを祈る。
原題「TINKER TAILOR SOLDIER SPY」。ジョン・ル・カレ原作・総指揮。英国諜報部の話。…
としかわからなかった。本来だましだまされの面白い話のはずが、私にはさっぱりわからず …。サーカスというのは英国諜報部そのものをさす。要するに二重スパイを探す物語らしい。 主演はゲイリー・オールドマン。サーカス職員の一人に最近TVシリーズ「シャーロック」で主役 を張る期待の新星ベネディクト・カンバーバッチ。ジョン・ル・カレの作品はいずれ読んでみたい と思っていたのだが、正直この映画を観て、ちょっと考えた…。話が複雑すぎて読んでもわから ないんじゃぁないか、と。
言わずと知れたシャーロット・ブロンテのヴィクトリア期文学の真骨頂…らしい。正直読んだん
だけど覚えていない。エミリー・ブロンテの「嵐が丘」とごっちゃになってるところもあった。
孤児だったジェーンは寄宿学校に入れられ、8年後ガヴァネス(女性家庭教師、良家の子女
だが喰いつめて家庭教師に身を落とす者が多かった。教養はあるため家庭教師として職を得 られるのだが、かつて裕福だったころ自分が教わっていた側から教える側に立つことに不満を 持つ者も多かったという文献は多々残っている。)としてロチェスター卿の邸宅で雇われる。や がて二人は恋に落ちるが、結婚式当日、ソーンフィールド邸の恐ろしい秘密が発覚する。
何度も映画化(4度目)されているし、古典だし、ストーリーは言わずもがなでしょうな。私でも
恐ろしい秘密とやらだけは覚えていた。ただ原作長いのに、ジェーンの生い立ちはさらっと流 し、ロチェスターと恋に落ちるのも唐突な感じがしたが、上映時間の都合上それはしょうがない ことなのかな、と。とにかく思ったのはイギリスの暗いどんよりした空気をよく表していると思っ た。原作読むのが面倒くさい人には、こっち見た方が早いよ、とは言える出来だと思う。
リュック・ベッソン監督。ミシェール・ヨー主演。1988年留学先で結婚、普通の主婦として生
活していたアウンサンスチーは、母の看病のためビルマ(現ミャンマー)へ帰国。そこで見たの は軍政権による人民弾圧の凄惨な現場。彼女の帰国を知った民主運動活動家が、ビルマ建 国の父アウンサン将軍を今でも慕い、彼女に出馬を願いに来る。あれよあれよというまに政治 の世界に巻き込まれ、そこから15年に渡る軟禁生活が始まった。1991年ノーベル平和賞を 受賞するも軟禁は解かれず、夫が病に倒れても駆けつけることができない。
「軟禁」というのは「監禁」よりまぁ待遇はいいのだろうと思っていたら、とんでもない。自由な
んてありゃしない。よく耐えたなぁとしかいいようがない。最近こそ軍事政権も経済的には緩和 され、行く人も多くなってきたミャンマーだが、この映画観るとやっぱり軍事政権って怖いと思わ ざるを得ない。チャイナプラスワンとかで第三国を考えてる会社などがミャンマーを推すが、ほ んの数年前までこの人民弾圧があったことを考えると、もうちょっと待ってと思ってしまう。やっ ぱり独裁政権というのは怖いなぁ。
とはいえ、この映画においては凛としたアウンサンスーチーをミシェール・ヨーが好演。彼女
の代表作にもなるだろう。まだ生きている人だし現代の話だから誇張はあまりないと見た。19 93年夫のアリス氏が死去。アリス氏のミャンマー入国を政権は再三拒否。夫妻は二度と会え なかったのが残念。アウンサンスーチー氏は現在67歳。まだまだ祖国のためにがんばってお られる。ただ持ちあげられただけの人だったらこんなに戦えなかっただろう。将軍の娘というだ けでなく、彼女には確かに人の上に立つ器があるのだ。日本の親の地盤を受け継ぐだけの二 世三世政治家は見習ってほしい。
ジョディ・フォスター監督作。メル・ギブソン主演。俳優監督作が続きました。原題「THE
BEAVER」。もっといい邦題なかったのかな…。
玩具会社の二代目社長のウォルターは重いうつ病にかかり、妻や子供からも見放される
日々。自殺を思い立ったがそれもままならず、ひょんなことからビーバーのパペットと手にす る。するとパペットを通じて自分の本音をはきだすことができ、会社の経営方針を大きく変える ことで会社を生き返らせることに成功。パペットを通じて歯に衣着せぬ物言いをする変わり者 社長として、マスコミからも脚光を浴びる。しかしパペットへの依存度は深まり、いよいよ夫婦 生活は破たん。左手のパペットなしでは会話すらままならない自分が明らかに異常と自覚した 彼がとった行動は…。
最後はシュールだが、パペットで本音を言い、会社を立て直すところは痛快だった。妻役を監
督のジョディが演じているがあくまで脇に控えているといった印象。メル・ギブソンの蒼い瞳は 健在だった。
まず原題「共謀者」。ではこの邦題は?別に声を隠してない、主役は声高に無実を訴えてい
るぞ、と、意見の分かれるところらしい。私も違和感を覚えた。しかしこの邦題が正しいという人 の意見は「確かに声をかくしている。「隠しているのは真実」であり検察側も国の在り方の真実 を「隠している」からだ。」と。でも隠しているのは「意見」であって「声」ではないんではないか …。と、思う私はもっといい邦題がつけられたのでは、と思う。この邦題だと何もしゃべらない人 を連想させるからだ。
1865年アメリカ。南北戦争終結直後、リンカーン大統領は凶弾に倒れる。容疑者8名は即
拘束されるが、その中にただ一人メアリー・サラットという女性が含まれていた。彼女は下宿屋 を営んでおり、実行犯ジョン・ブースとその一味へのアジト提供の容疑がかけられていた。彼女 の弁護を担当するのはフレデリック・エイキンという元北軍大尉という英雄。彼も最初は南軍の 弁護をすることに抵抗感を示すが、彼女から話を聞くうちに考えが変わってきた。彼女は本当 に何がたくらまれているかは知らなかった、でも話せない何かがあると…。リンカーン暗殺犯、 米国初の女性死刑囚の史実をベースに語られる真実とは…。
監督がロバート・レッドフォードというのにも驚いた。なかなかタフな題材に挑戦したものだ。
米国人なら観ること必須の本映画。私は日本人なので「そんなことがあったんだー。」くらいし か思えないのだが、自由と平等を旗印に戦った南北戦争の結果が、この不平等極まりない裁 判とは。なんだか極東裁判を思い起こさせた。
リンカーンって初代大統領だっけ?南北戦争ってなんだっけ?独立戦争と違うの?とアメリカ
史をウロ覚えな私にはいろいろググって勉強にはなった。(初代大統領はワシントン。リンカー ンは16代大統領にして初の暗殺された大統領。南北戦争は1861年、独立は1776年。)因 みにリンカーンは「人民の、人民による、人民のための政治」という主張と奴隷解放宣言で有 名だが、アメリカ原住民には厳しく2000人のナバホ族を捕え居留地へ送ったとされる。彼にと っての「人民」に原住民は入っていなかったのである。と、ちょっと裏リンカーントリビア。
米国のジャーナリスト、ハンター・S・トンプソンの半自伝的小説を映画化。
小説家ポール・ケンプは小説が売れないため、新聞記事を書いて糊口をしのごうと思い、NY
からプエルトリコにやってきた。ほとんどアル中状態でいつもアルコールを口にしているポール の破天荒な日々を描いている。
正直特に面白いとも思えない。本当に破天荒に明日のことも考えずに今日を生きている人々
という感じで。島の住民と白人の対立、島を牛耳っている悪徳不動産屋、神経質な新聞社の 上司との確執など、なんともまとまりのない内容なのだ。ハンター・S・トンプソンはジョニー・デ ップと親友で今作でジョニー・デップは製作・主演を務めている。ハンター・S・トンプソンは2005 年に拳銃自殺しており、ジョニー・デップは葬儀を取り仕切るまでの仲だったとか。
という製作過程においてネタはあるものの、この映画のストーリーにはたいして面白みはなか
った。もう一つ付け加えるなら、映画中でポールが恋する相手の女優アンバー・ハードは、バネ ッサ・パラディと破局したジョニーの目下の恋人と噂されている。どうでもいいけど。
1942年ナチス占領下のパリでユダヤ人一斉検挙が行われた。家に押し入ってきた警察に母
親が対応している間に10歳のサラはその日のうちに帰れると思い、弟を納戸へ隠し鍵をかけ る。しかし両親とともに強制連行され、競馬場に集められたユダヤ人たちは次々にアウシュビ ッツなどの収容所へ送られる。大人と子供は引き離され別々の収容所へ。なんとしても弟を救 い出すためサラは収容所を脱走、パリを目指す。
2009年ジャーナリストのジュリアは夫の父母が持つアパートの元の住人がかつてパリでの
ユダヤ人一斉検挙で収容所送りになっていたことを知る。サラの行方を捜すジュリア。そんな 中、45歳にして妊娠が発覚。14歳の娘ゾーイがいるが、6年前二人目が欲しくて不妊治療を したが結局授からなかった経験から、ジュリアは喜ぶが夫のベルトランはもはや二人目は望ん ではいなかった。共働きで子育ては無理と中絶を薦める。
パリへ向かう途中一緒に収容所から逃げ出した少女の具合が悪くなり、近くの農家へ助けを
求めたサラ。少女はジフテリアで亡くなってしまう。農家夫婦は孫と同じ年くらいのサラに同情し なんとかパリへ連れ出す。アパートを探し出し、現在の住人を押しのけ、部屋へ入るサラ。肌 身離さず握っていた鍵で、ようやく納戸を開けるも、そこには変わり果てた弟の姿が。悲鳴をあ げるサラ。
当時の状況を義父から聞くジュリア。「住んだ時から異臭がしていた。ネズミかなにかだろう
と、あちこち掃除したが異臭は消えなかった。納戸があることはわかっていたが、鍵がなくて開 けられなかった。…遺体はジュール家(サラを連れてきた農家)が引き取っていった。」ジュリア はジュール家を尋ねるが、ジュール家に引き取られたサラは美しく成長したが、急に出奔。「い つか出ていく気がしていたと祖父は言っていた。」と語る孫のニコラ。一度だけサラから手紙が きたという。結婚を知らせるものだった。差出人はサラ・レインズファード、住所はブルックリ ン、アメリカだった。ジュリアはブルックリン中のレインズファード5件を尋ねる。最後に当たった レインズファードはサラの夫がサラ亡き後再婚した人だった。「サラのことは聞いている。サラ の息子のウィリアムが9歳のとき、自動車事故で亡くなった。トラックはサラが運転する自動車 が急に前に現れ、避けようがなかったと。」事故とも自殺ともとれるサラの最後。さらにジュリア は今はローマにいるという息子ウィリアムを尋ねる。しかしウィリアムは何も母の過去について 何も知らされておらず、自分にユダヤ人の血が流れていることを強く否定。ジュリアを追い返 す。
2年後、中絶をやめたジュリアは故郷のニューヨークで二人の子供と暮らしていたところへ、
ウィリアムが現れる。自分の母の足跡を辿ることにした、と。ジュリアの2歳の娘の名前を聞い て驚き涙を流すウィリアム。「娘の名前は…サラよ。」
まぁ粗筋だけでこんだけかかったんだから、複雑さもわかっていただけただろうか。調べてみ
るとヴェルドローム・ディヴィエール事件(ユダヤ人が押し込まれた競馬場の名前から)という実 際にあったユダヤ人一斉検挙が元らしい。1万3115人が捉えられ内4000人あまりが子供。 しかしこの事件で生き残ったユダヤ人は100人ほどで子供はいなかったという。作中でジュリ アの同僚が「このパリでそんなことがあったなんて信じられない!」と憤る者もいれば「現代だっ て同じことさ。イラクの爆撃を指をくわえて見てた。」確かに。信じられない!と非難するのは簡 単だが、目の前で行われても誰が助けられるだろう。
中でも秀逸だったのが、10歳のサラを演じるメリュジーヌ・マヤンヌの迫真の演技たるや。変
わり果てた弟を見て叫ぶシーンを観て心打たれない者はいないだろう。しかし自分がユダヤ人 の子であることを否定するウィリアムを見てると、欧米におけるユダヤ人の立場って何なのか とちょっと疑問に思う。ジュリアの同僚のように同情はするが、いざ自分となると否定的になる ものなのか。どういった位置づけなのだろう、ユダヤ人とは。以前アメリカの人気ドラマ「ビバリ ーヒルズ青春白書」で登場人物5〜6人中2人がユダヤ人という設定(一人はシルバーという名 字でモロ、ユダヤ人)だったが、「フツーにいるんだな、ユダヤ人て。」くらいに思っていたのだ が。「ユダヤ人」と告白しなければ「ユダヤ人じゃないコーカサシアン(白人)」で通っていたの に、なんで検挙されちゃったのかもよくわからないし、母親がそうとは気付かなかったことからし て、外見に特徴があるものでもないようだ。黒目黒髪というわけでもない。サラもサラの母親も 金髪だったし。よくわからない、ユダヤ人って…。
ともあれ、そんなトラウマ引きずってたらそりゃ生きていくのも辛かったであろうサラの人生。
結局トラウマから逃れられずに鬱になり死を選んだというのも納得。
紫式部の書く「源氏物語」と紫式部自身の物語と並行してストーリーが描かれる。「源氏物
語」に限って言えば、ケダモノですな、光源氏は(笑)本当に無茶すんなぁって感じで、そりゃ呪 われるわ。六条御息所の田中麗奈がちょっと幼い顔立ちなんで今一つ。私のイメージは藤原 紀香だったなぁ。葵上の多部美華子も若い感じ。夕顔の芦名星もいまひとつ…もっとしっかりし た魅力のある女優さんがよかったな、と。藤壺(桐壺)の真木よう子は似会ってました。
紫式部(中谷美紀)側では藤原道長の東山紀之や安倍清明の窪塚洋介のキャスティングは
いいんだけど、史実として安倍清明がやったこと(簡単に言えばお祓い)はおかしいのでは…。 陰陽師というのは最先端の科学部署。清明の武勇伝は後付けされたものが多い。それに確か に道長は光源氏のモデルという説はあるらしいけど、紫式部が道長を想っていたというのは大 胆な仮説だ。そんな文献なんにも残ってないのに…残ってないからこそ思いついたのだろう か。しかし紫式部と言えば、思ったことを口に出せず紙に吐き出す性格の人。そんなことがあ ったら「紫式部日記」にぜーんぶ書きだされてそう。最後の「わが世をば…」の句も会で詠んだ 句だし。つっこみどころは満載。歴史に詳しい人ならもっと突っ込み入れるだろうな、と。
ともあれ千年前の日本がこんなに美しいのかと、着物、能楽、四季とどれをとっても豪華絢
爛。雅楽の音色と映像でたっぷり平安の世が楽しめる。余談ながら一条天皇役の人がとても 役者らしく見えないので誰なのかなぁと思ってたら、たて笛吹いたシーンでわかった。東儀秀樹 だった。生で吹いてたわけではないだろうけど、なんだか平安の息吹を感じた。
第二次世界大戦開戦2か月前の上海は列強国に区分され支配されていた。親友コリーの死
の謎を解くため上海に降り立ったアメリカ人諜報員ポール(ジョン・キューザック)を出迎えたの は、中国裏社会のボス、アンソニー・ランティン(チョウ・ユンファ)とその妻アンナ(コン・リー)、 日本軍のタナカ大佐(渡辺謙)。調べていくうちにコリーの恋人スミコ(菊池凛子)はタナカ大佐 の愛人でもあった。アンナの裏の顔は政治家だった父親を日本軍に殺されて復讐心を燃やす 中国レジスタンスの一員。アンナはタナカに同胞の釈放を要求するためスミコを拉致。追うタナ カと、スミコがコリーと最後に会った存在として追うポール。やがてポールは真相とともに世界 を揺るがす陰謀を見ることに。
「豪華キャスト夢の共演」と言っても過言ではない。中国が作ったにしては日本人に同情的に
描いてある(もちろん「日本人は残酷」というシーンはてんこもり)。最後のタナカの涙はよかっ た。ただ、愛人役の菊池凛子は別に誰でもよかったかなー、と。ほとんど気絶してる状態。誰を 取っても十二分に実力を発揮、ストーリーと演出のよさも手伝って、壮大なサスペンスに仕上 がっている。誰が何語で話しているのかを聞きたかったので、あえて日本語吹き替えでなく字 幕で観た。チョウ・ユンファはちゃんと北京語しゃべってました。「グリーン・ディスティニー」の時 は英語より難しいと嘆いていたのに(笑)。でも上海なんだから本当は上海語じゃないといけな いんじゃー…それじゃ誰もわからないか。チョウ・ユンファと渡辺謙は英語勉強したハリウッド 進出組として仲良くできたのかなー。
1960年「下女」のリメイクといっても知らんけど。カンヌ正式出品作品。
コ家にメイドとして雇われた若く美しいウニ。金持ちの主人フン、妻で双子を妊娠中のヘラ、
長女(小学1年生くらい?)ナミの世話をすることに。フンと関係をもってしまったウニは妊娠を してしまう。本人も気づかないうちからそれを見抜いた先輩メイドがヘラの母親に密告。一人で 出産を決意したウニは出て行こうとするが連れ戻されてしまう。そこから屋敷内で嫉妬と欲望 の渦が巻き起こる。
子供に見せられる映画じゃないなー。なんとなく不自然なのが、ウニが抵抗しなかったこと。
結果妊娠してしまっても、何とも思ってないような態度。本人より周りがいきり立つ。ヘラと母親 の仕打ち。冒頭に出てくる貧困とコ家の豪華さの格差。何が言いたかったのか…。最後ウニは 堕胎させられた復讐に自分の命で臨む。確かに壮絶な復讐だが…死んで花みが咲くものか… ラストは庭でナミの誕生会を祝う一家。ウニの復讐はどこに意味があったのか。
ストーリーとは関係ないけど、韓国では、同性の友人同士下着姿でべったりくっついて寝ると
いう習慣にびっくりした。スキンシップが中・韓の方が濃いとは聞いたことはあったが…。日本 ではない光景に驚いた…ストーリーとは関係ないですよ、あくまで。でもその濃密さからレズな の?とまで思ってしまった。観終わってもそのケは無かったとわかるが、習慣の違いを感じた。
かつては成功した旅行作家エヴァは今や旅行代理店に職を求めるほどに生活が落ちてい
た。家の壁や車に真っ赤なペンキをぶちまけられ、町では通行人にいきなりビンタをくらわされ る。彼女の過去と今の生活が交互に描かれ、彼女の今の状態の秘密が除叙に解き明かされ ていく。
作家として世界を気ままに飛び回っていたエヴァは、思いがけず夫フランクリンの子を妊娠
(この時点で夫婦だったのか、妊娠したから結婚したのかは不明)。妊娠・出産でキャリアを折 られたと感じていたのか、育児を楽しめないうえ、子供は思うようになつかない。小さいころか ら嫌がらせのような行動をとる息子ケヴィン。齢2歳にして笑顔を見せず母親を睨みつける息 子に「ママはね、あなたさえいなければもっと幸せだったの。いまごろフランスよ。」
数年後妹も生まれたが、ケヴィンの問題行動は続く。16歳の美少年に育ったケヴィンのさら
なる嫌がらせに辟易しつつ、なんとか歩み寄ろうとする母親。しかし、事件は起きた…。
タイトルは比喩かと思ったらそのまんまの意味だった。原題は"We need to talk about Kevin
"。どの映画レヴュー見ても、「母と子の愛の物語」というが…私には「悪の教典」にもあった共 感能力の欠如した殺人鬼を生んでしまった母の葛藤の物語のような気がする。ケヴィンの行 動は母の愛を独占したかった、という見解もあるが(母の愛が自分に向いていないのを幼い時 から悟っていた)、知的障害があるのではと疑うエヴァだが、私にはむしろケヴィンはIQが人よ り高かったのではないか、と思えた。だから幼子とは思えない打撃を母に与える、どうすれば 母が困るかを一番よくわかっていた。
あんまり衝撃的な内容だったので、実際にあった事件かと思ったら、さにあらず。小説を映画
化したものだった。しかし10代の子の大量虐殺はたまに(主に)アメリカである深刻な事件な ので、そのいきさつの糸口でも描かれていればと思ったのだが、そういう社会的なメッセージは なく、あくまで母と子の物語だった。
ほぼ原作に忠実に描かれているので、粗筋は省きます。
この映画の封切前にドラマ男女逆転大奥誕生の「有功・家光編」がドラマで放映されていた
のですが、有功と右衛門佐を何故堺雅人がやらないといけなかったのか…原作でも全く違うキ ャラ。別人でもよかったろうに。そこがなんでなのかわからなかった。家光を多部美華子、映画 版吉宗を柴崎コウ、綱吉を管野美穂。綱吉は管野より宮崎あおいとか顔だけ言えば板野友美 とかもっと幼さの残る顔が原作に沿ったイメージかと。キャストでもう一言いえば柄本祐を森山 未来だと思っていた…似てない?管野美穂は原作を読んだのか、キメゼリフ「月のものなど、 もうとうにきておらぬわ。」はしっかり言えてたと思います。
堺雅人と管野美穂の結婚報道があったばかりなんで、ラブシーンが「まんまやんけ」と思って
しまい、やたらリアルな気がした。
忠実に映画化してあったが、欲を言えば、綱吉の最後まで描いて欲しかった。あの綱吉が死
ぬ(正確には吉保に殺される)シーンは壮絶だったから。
原作はまだ続くけど、また将軍が代替わりしたら映画も続くんだろうか。幕末まで行くのかな
ぁ…そうなると原作の行く末が気になる。だって鎖国はいずれ解かれる。ということは、いつか は女系から男系に代わる日がきて、江戸時代の暗黒史ということになるんだろうか。現8巻で は若い男子のみかかる流行病・赤面疱瘡が治りつつあるところまできている。ま、そこは映画 とは関係ないですけど。
ダニエル・ラドクリフのハリー・ポッター後の第1作。ホラーを選んだのはどうかなぁ。
とはいえ、ホラーとしてはすごかった、ホラーなめてました。観終わった後怖くて眠れないくら
い。
19世紀イギリス。アーサー・キップス(ダニエル・ラドクリフ)はロンドンで働く崖っぷち弁護
士。4年前の妻の死を引きずっているも、メイドの手をかりつつ4歳の息子ジョセフを男手一つ で育てていた。仕事で片田舎の村である邸宅の主人の遺書を捜しだし、その屋敷を転売可能 にするため、列車で村へ向かう。村では歓迎されず、戸惑いつつも、件の屋敷を調べるアーサ ー。彼の前に黒衣の女が現れ、彼の周りで怪奇現象が起こる。館の暗黒の歴史と村の呪いと もいうべき事実が浮かび上がる。
館でこれでもかというほど驚かされる。よく逃げ出さずにわざわざ怖いところへ入り込んでいく
なぁ、ダニエル君。そりゃホラーだから話の展開上しょうがないんだけど。ホラーの日本代表と いえば「リング」でしょうが、比べるとやはり「リング」の方がよくできているな、と。こっちは納得 できない結末。黒衣の女の亡霊を慰めるため、泥沼に全身浸かって息子の遺体を取りだし、 母親の墓を暴いて遺体を一緒の棺にいれてやるということまでしてやっているのに、最後やっ ぱりアーサーと息子は呪いの通り連れてゆかれる。しかし妻が迎えに来て3人仲良く歩いてい く姿を黒衣の女は嫉妬の眼で見送る。それから観客の方を向くのだ。おー、こわ。呪いを解こ うと奔走してそこまでしてやったのに、呪うべきは自分から息子を奪った姉であることもはっき りわかっているのに、村の子供を次々と手に掛けるというか、あの世に連れて行ってしまう。単 純に「なんで?」と思う。
それにもまして思うのはやはりハリー・ポッターの呪いというか、あの美少年がこうなったのか
と思うとどうにもビミョーな気がする。そりゃ永遠に少年であり続けるわけにいかないけども、い っそブサイクなオッサンになってくれてたらまだ諦めもつくが、父親役をやるにはまだ幼さの残 る青年顔がなんとも中途半端なイメージとこのストーリーの納得のいかなさがだぶるのだ。
次回作は彼をもっと生かせるものだといいなと切に願う。
失敗続きの弁護士・宝生エミ(深津絵里)のもとに舞い込んだ夫が妻を殺した殺人事件の被
疑者の弁護。犯行は不可能、アリバイがあるという被告・矢部五郎(KAN)。事件のその日そ の時、田舎の宿で夜中金縛りにあっていたというのだ。アリバイを立証できるのは金縛りをか けた落ち武者のみ。果たして幽霊に証言させることができるのか。落ち武者の名前は更科六 兵衛(西田敏行)。豊臣方に不義密通の疑いで処刑されたという。その宿でテレビなんぞ観て おりこの世にはやけに詳しい。しかし目下の悩みは見える人と見えない人がいるということ。宝 生の上司の速水(阿部寛)には見えないが法廷画家や、非科学的なものは信じないと豪語して いた検事(中井貴一)には見えていた。幽霊を証言者とする前代未聞の裁判が幕を開ける。
とにかくキャストが豪華。主要人物に竹内祐子(殺された妻とその妹二役)、あの世からの使
者(小日向文世)、チョイ役の篠原涼子(ホステス)、深田恭子(ファミレスのウェイトレス)、佐藤 浩市(斬られ役の役者)、戸田恵子(宿のおかみ)、草g剛(若くして亡くなったエミの父親)浅 野忠信(歴史学者)、生瀬勝久(タクシー運転手)、唐沢寿明(ドクター)、極めつけはエンドロー ルで「勝訴」の紙を持った男・大泉洋。よくこれだけ出せたものだと感心する。群像劇は得意の 三谷幸喜監督。今回は群像劇ではなく、あくまで裁判が中心。裁判のやりとりはコメディなんで ありえないことの連続なんだが、何故か見えていたはずのエミが最後には見えなくなっている。 折角六兵衛があの世から父親を連れてきたというのに。
まぁ、裁判官の言う通り、他の事件も被害者が幽霊となって出てきて犯人はこいつと言ってし
まえば早い話。コメディなんだから「あり得ない!」と目くじらたてずにおかしいところは素直に 笑って観るしかない。140分あるんだけど、最初のほうは飛ばせないものかな。もうちょっとコ ンパクトにした方がコメディとしても仕上がりがよくなったと思うのだが。
封切当日。映画1000円の日でもあったので混雑を予想していたが、さにあらず。ガラガラだ
った。ウォンカーワイ巨匠の新作、トニー・レオンが4年間も武術を学び撮影に備えた大傑作の はずが…。
観たら、まぁそんなもんかな…興行的にはうまくいかないのもむべなるかな。チャン・ツィイー
がどれほど監督に可愛がられる存在かということがうかがい知れる。だって半分チャン・ツィイ ーの独壇場なんだもの。その間主役である葉問(イップ・マン)は全くでてこず。さらには一天線 (カミソリ)(張震)なる拳法使いも現れるが葉問とは全く関係ない。
原題「一代宗師」。八掛拳の宗氏、宮宝森は引退を考え、南北流派統一を託す後継者に詠
春拳の代表イップ・マン(トニー・レオン)を推すが、宝森の一番弟子、馬三と娘であり六十四手 のただ一人の使い手若梅(チャン・ツィイー)も名乗りをあげる中、馬三が宝森の殺すという事 件が起きる。復讐を誓う若梅。真のグランドマスターになるのは誰なのか、その激戦の火ぶた が切って落とされる…!
と言えば聞こえはいいが、葉問の話というより、若梅の復讐劇の要素が強いような気がす
る。ウォン・カーワイの作品初、実際の人物を取り上げたので、トニー・レオンは初めて役作り に取り組めたという。残念ながらあまり下調べの意味はなかったような。チャン・ツィイーは北 京語でトニーは広東語で会話しててなんで会話が成立するのか中国映画の謎。そりゃチャン・ ツィイーに広東語話せと言っても無茶。ちなみに張震は台湾出身なんで北京語しゃべれて不思 議はないだろう。トニーは他の明星たちと違って、北京語はあくまで話さないらしい。「非情城 市」では北京語がしゃべれないからと断ったのをホウ・シャオシェン監督がそれなら、と口のき けない役にしたという。彼のポリシーなのか?ジャッキー・チェンですら上手に北京語を話すと いうのに。トニー・レオンは香港では異色の俳優で事務所には属さず、電話にも自分で出てイ ンタビューの受付などをする時も「それはどういう意図で?」などと自分自身で内容を確認する と聞いた。
最後に「監督 王家衛」と出た時点で、もう終わりとばかりに席を立つ人が多かったが、実は
もう1シーンありトニー・レオンが帽子をクイッと指で押し上げこちらを見据え「きみは何派?」と 聞いて終わる。このラストシーンにはぐっときた。
しかし葉問といえばブルース・リーの師匠として名高く、映画も沢山作られているが、今作品
ではブルース・リーの影さえ出てこない。「ブルース・リーの師匠」というウリなのにそこを目当て に観に来た人は多少がっかりするのではなかろうか。私はブルース・リー世代ではないので、 出てこなくても一向に構わないが。と、思っていたら最後にブルース・リーを思わせる少年が入 門してくるシーンがあったらしいが…覚えてない…そういえばあったかな…?
アクションは迫力がありそれなりによかったと。トニー・レオンお疲れ様!といったところか。
東日本大震災直後と思われる。舞台も震災を受けた地域と思われる。両親から捨てられた
中学生、住田は親のようなロクデナシにはなりたくない、世間の役に立つ人間になるという理 想を持っていながら現実はままならない。何故か彼に執拗にまとわりつくクラスメートの女子・ 茶沢。住田の経営する貸しボート屋の敷地内に住む震災によりホームレスとなった人々。
うーん…登場人物の誰にも共感できない。ここまでわけわからんとは。原作漫画は10年以
上前に発表されているので、震災は確かに後付け。これが議論の種となっている。必要か不 必要か。私はストーリー上不必要と考える。いろんな人の感想をググったが、評価は真っ二 つ。「全くナンセンス」から「登場人物の感情に思い切り揺さぶられる傑作」まで。土台私は主人 公を演じる染谷将太の顔があまり好きではない。茶沢を演じる二階堂ふみは宮崎あおいそっく りで驚いた。感情のぶつけ合いというところが日本版「息もできない」かとも思えるが、「息もで きない」はやはり観る者にまっすぐ突き刺さる何かがあった。今作品にはそれは感じられない。
「駄作」と切って捨てられないのは、あまりに熱烈に支持する人たちがいることだ。その人たち
のレビューを読んでも共感はできなかったが。ここまで評価が分かれるのも珍しいのでは。気 になった方は観てください。ただしがっかりしても責任は持てません。
「絶対だまされる」というウリ文句に、よーし、観てやろうじゃないの!と思い立ったが160分
って…!しかしこれが長さを感じさせないくらい早い展開。ストーリー展開上この長さも納得。
村上ショージ&阿部寛という異色のでこぼこコンビ。間違いなく村上ショージの代表作。
ベテラン詐欺師のタケ(阿部)とちょっとマヌケなテツ(村上)はコンビで詐欺を働く日々。ひょ
んなことからやひろ・まひろ姉妹とやひろの彼氏貫太郎と5人生活を始めることに。タケの過去 の事件から5人で一大詐欺を計画する。
よくできたコン・ゲーム。ただしこれは原作つき。原作を読んだ人が納得するかどうかはわか
らないけど、映画だけ観ても実に爽快。最後5人が標的をだましてる最中から観客への仕掛け が始まっている。かと思っていると、実は最初から…という。観客をだます話なんであんまり書 かない方がいいかな…気になった方は観てください。160分に臆せず(笑)
7年前の映画なんで今からするとすごいキャストなのかも。堺雅人に蒼井優に櫻井翔に伊勢
谷友介に加瀬亮などなど。
もうどんなストーリーだったかも思い出せないくらい薄っぺらい内容だったような。ただ「人が
恋に落ちる瞬間を見てしまった。」というシーンだけは特典の予告編に何べんも使われてたの でそこだけは残っているが、逆にそこしか残ってない…。芸術大学生の恋愛群像劇だが…ゲ ージュツはわからん。「はぐみ」の描く抽象画のどこに才能があるのかも当然わからない。もと もと抽象画嫌いですけどね。でも芸大には行きたかったので芸大の雰囲気だけでも味わえて よかったな、と。自分なら洋画科に入りたかったが…そんな科あるのか?とにかくルネッサンス 絵画の模写をしたかった。そこから絵画修復の技術を身につけにイタリアへ留学してどっかの 美術館で働くというのは、とうに就職してから考えた夢だった。高校生の頃は絵画修復という職 業すら知らなかった。という関係のない話で締めてすみません。
イラク、フセイン大統領の長男ウダイの影武者をさせられたラティフ・ヤヒアの自伝が原作。
ベルギー制作って本当かね?
狂気のプリンス、ウダイ・フセインの影武者に選ばれてしまったラティフ・ヤヒアはウダイとは
高校の同級生で二人がそっくりなのはその頃から有名だった。イラン・イラク戦争中に宮殿に 呼び出されたラティフは家族を人質にされ影武者にさせられた。やりたい放題のウダイに嫌気 しか感じないラティフは逃亡を試みる。
ドミニク・クーパーの一人二役の怪演っぷりたるや。一人二役なのに違う人間に見えるんだ
からすごい。当時のイラクを再現したのはマルタだとか。最後は一矢報いるので後味はよい が、このラティフ・ヤヒアなる人物が本物かどうか未だ議論の余地はあるらしい。
原題「Nevinnost(無罪)」。チェコ映画って初めて観た。
冒頭に出てくる幸せな家族の映像。別荘でみんなで楽しそうにバーベキューをしている。医師
のトマシュは妻のミレダと娘のテレザと妻の妹リダとちょっとボケかけている義父と幸福を絵に 描いたような生活を送っている。14歳の患者オリンカに好意を持たれトマシュは彼女の煽情 的な詩(日記?)から未成年の淫行容疑をかけられる。そこから家族それぞれの問題が次々 浮かび上がり幸福な生活は破たんしていく。
妻の元夫ラダとの間にできた息子ダニーは知的障害者で夫と交代で面倒を見ているが、元
夫は刑事で、トマシュの取り調べの陣頭指揮を執ることになった。リダは歯学部を中退し、ホス ピタルクラウンとして道化を演じる仕事を選んだ。父親に文句を言われても自分の仕事に誇り をもっている。トマシュが警察で取り調べを受けている間、不安にかられる姉を気遣い「義兄さ んはそんな人じゃないわよ。」と言うと「あなたに男のなにがわかるの。男を知らないあなた に。」実はこの姉妹には15年来の溝があったのだ。それがじわじわ表面化していく。テレザは 義兄ダニーを友達に見られたくないと言いだす。(後半ダニーは全く姿を見せなくなる)レダはミ レダに自分に対する当てつけのためにトマシュを捕まえたのだろうとなじられる。
容疑が晴れ、トマシュは無事帰宅できるも、家ではリダの様子がおかしくなっていた。その理
由は14歳の少女オリンカにあった。実はトマシュとリダは不倫関係にあり、そうなったのはリダ が14歳の時だったのだ。冒頭の別荘で密会をするトマシュとリダ。しかし体の関係しか求めて いないトマシュに自分の命をもって復讐するリダ。トマシュは再び冤罪で捕らわれることとなる。
ラストシーンでオリンカが口紅を塗る顔がリダと重なる。
とにかくいろんな人の事情や感情が入り乱れているが、ごちゃごちゃ感はなく、ラストはいとも
すっきりと見せてくれる。チェコやるじゃないか、といった感じだ。男ってズルいんだなー、とも。
原題「逆戦」。ダンテ・ラム監督。ニコラス・ツェー&ジェイ・チョウ共演。興味ある人は少なか
ろうから粗筋は省く。正直私も期待してなかった。最近の香港映画はキャストの豪華さに頼る 傾向があるように見受けられる。結構な人気のスターさえ並べておけばいいみたいな。ストーリ ーに多少無理はあるものの、やっぱりチンピラの似合うニコラスに真面目さがウリのジェイは ぴったりはまり役というか、先にキャスティングありきだったんだろうなぁ。国際警察の警察官ジ ョン(ジェイ・チョウ)と細菌テロを画策する巨大組織の手先ヨン(ニコラス・ツェー)が20年前に 生き別れた兄弟だとわかるのがあっさりすぎて笑える。「兄さん!」と戦ってる最中にいきなり 言われたって(笑)いつも思うのだけれど、広東語と北京語で会話してて会話が成り立つのだろ うか?広東人が北京語を理解しているのはわかるが、広東語をわざわざ勉強する北京人はい まい。ジョンの故郷は北京でヨンの故郷は香港で、舞台はマレーシア。20億円かけたというカ ーチェイスやら摩天楼を飛び交うヘリチェイス、冒頭のヨルダンロケとこの不況に贅沢なのは キャストだけでない。チェイスもヨルダンロケもスタントなしで、ジェイは死ぬかと思ったそうな。 内容は薄いものの、映像的にはよくできていると思った。
今をときめく堺雅人(官野美穂と結婚したとか)、実力派香川照之、広末涼子共演。
売れない役者で自殺願望のある桜井武史(堺)が死にきれず何を思ったか銭湯へ。仕事帰
りのコンドウ(香川)も仕事の汚れを落とそうと同じ銭湯へ。そこで思いっきりすっころんで頭を 強打したコンドウ。騒ぎに乗じて桜井はロッカーのカギをコンドウのものとすり替える。病院で意 識を取り戻したコンドウは記憶喪失に。ロッカーの内容物から桜井だと思いこむ。一方コンドウ の車から家からその豪勢な暮らしぶりに驚く桜井。しかしウォークインクローゼットの中にはあ らゆる名前の写真入りIDが。コンドウとは何者なのか?二人は立場が入れ替わるのだが、そ こへ雑誌編集者で婚活中の水島香苗(広末)が絡んで、思わぬ方向にストーリーが転がってい く。
確かによくできた脚本。最近は原作つきの作品が多いのに、全くオリジナルというのが珍しい
し、うまい。アカデミー賞脚本賞・主演男優賞・助演男優賞・助演女優賞と総なめである。後半 自分が誰で何をしているかを思い出したコンドウが桜井とともに仕事を依頼してきたヤクザと 渡り合うところも、こっちまでハラハラさせる(それが目的なんだろうけど)演出は見事。下手な 役者を演じる堺の怪演のタマモノ。ラストは恋の予感までさせるという後味の良さ。久々に完璧 な映画を観たという感じだ。
定年退職を迎えた川島はる(吉永小百合)という女性のところへ、警察がやってくる。かつて
の教え子ノブ(森山未来)が殺人を犯し逃亡中なので連絡がなかったか、ということだった。何 故自分に連絡があると思われるのか。誰が自分の居所をノブに知らせたのか。川島はるは自 らノブを探し出すため、20年前、北海道の離島の分校で教えていた5人(満島ひかり、小池栄 子、松田龍平、宮崎あおい…あと一人知らない俳優だった)に会いに行く旅に出る。
まぁ。寒そうなんですわ。「北の零年」といい、寒いのがお好きなんですかねぇ、吉永小百合さ
ん。極寒マイナス30度の撮影とは恐れ入る。湊かなえの「往復書簡」の中の「20年後の宿題」 が原作とあるが、まるまるベースにしているわけではないので、原作とは全くの別物と考えたほ うがよろしいかと。そもそもストーリーは固まっていて20年前の事件のところをどうしよう、と脚 本家が悩んでいたところ、吉永小百合自ら新聞広告で知った「往復書簡」を読み、その中の「2 0年後の宿題」を事件に採りあげてはいかがですか、と提案したらしい。吉永小百合が提案し なければ事件は全く違うものを想起されていただろうから、これまた全く違う映画になっていた んじゃないかな。
大富豪だがパラセイリングの事故で脊髄を損傷し全身麻痺となったフィリップは使用人ととも
に介護人を募集、面接していたところに乱入してきたのは、スラム街出身の黒人青年ドリス。 いきなり「”却下”のスタンプ押してくれ。3つ集めると失業手当がもらえるんだ。」歯に衣着せぬ 物言いを気に言ったフィリップは彼を雇う。腫れ物に触るように接する他の使用人と違って、自 分に同情せず対等に接するドリスのハチャメチャな行動(周りが気を使ってフィリップの好きな クラッシックコンサートを邸内で開催するも、早々に飽きたドリスは自分の好きなロックを流しダ ンス会場にしてしまったり、介護用の車で出かけようとするとドリスは介護用の車なんか嫌だと 言い張り、フィリップが体が不自由になる前に乗りまわしていたが今は埃をかぶっていたフェラ ーリを選び乗りまわし、久々のスピード感にフィリップも満足する)は、フィリップを大いに楽しま せた。彼も外にでて冒険したかったのだ。やがて試用期間も過ぎ、慣れてきたドリスは自分こ そフィリップの介護適任者と思っていた矢先、楽しい半面彼を自分に縛り付けることはよくない と判断したフィリップは彼を突然解雇する。しかし彼らの間にはもうお互いを必要とする絆がで きあがってしまっていたのだ。自ら望んだことであるのにドリスのいない生活にいら立ち、自立 の精神すら持たなくなって前より気難しい廃人のようになったフィリップを心配した使用人が、ド リスに帰ってくるように促す。ドリスは奪うようにフィリップを車に乗せ、警察をからかうなどして ドライブを楽しみ、最後にプレゼントを用意する。それはかつてフィリップがあきらめていたある 女性との面会だった。
原題「INTOUCHABLES」。介護される人が何を望んでいるのかなんて千差万別で、ウマがあ
うなどそうそうあることではあるまい。この話ではフィリップはもともと行動的だったのに、障害 のためそれができなくなってしまい、周りの人間はかつての彼を思い出させるようなことは却っ て酷なことと思って触れずに接してきたが、ドリスは自分は金がなくて苦労してきた人間なの で、大富豪であるフィリップに同情なぞせずズケズケ言いたい放題。介護の経験なんてまるで ないドリスがフィリップに気に入られたのは、健康で臆せずなんでも行動あるのみと考えるドリ スにかつての自分を投影したからではないだろうか。
これは実話であるので、最後にフィリップとドリスの(二人とも名前は実際とは違う)現在のス
ナップとともに、今二人がどうしているかを字幕で出して終わる。(二人とも家庭を持って幸せに 暮らしていることがわかる。)が、正直それは蛇足のような気もする。
原作を無駄なくよくまとめていたと思う。試写でAKBの大島優子が泣きだして観なかったとい
うことで話題になったけど、そりゃ勉強不足。この傑作を観なかったとはもったいないことこのう えない。ただ最後に"To be continued"って…続くの?
多くの映画が原作に勝つことはないと思っているが、この作品は原作とイーブンといっていい
くらいの出来。やはりそれには音楽が一役かっている。原作ではクラッシックだったと思うんだ けど、映画では「マック・ザ・ナイフ」というジャズにのってストーリーが進んでいく。テンポよく進 むのにいい感じで使用されているな、と思った。原作にあったかどうか覚えてないが、主人公 の殺人鬼・蓮実がいかにして作られたかというくだりもあって、隙間なく満足のいく仕上がりだっ た。ただ敢えて言うなら、ラストをもう少し原作に忠実に丁寧に描いて欲しかった。何故二人が 助かったのかが、わかりにくいのではないだろうか。刑事の疑念も描写されてない。
原作を読み返すと確かに「マック・ザ・ナイフ」であったが、映画ほどには効果的には取り入れ
られてない。やはり映画と本の差か。本からはメロディーは流れてはこない。映画なら映像とと もに流せる。
闇整形外科医の邸宅に監禁されている一人の美女。全身をタイツみたいな服で覆っている。
食事は専用のミニエレベーターで運ばれ、部屋の様子は常にモニターで監視されている。彼女 は何者なのか、医者の目的はなんなのか…。
話がどう転がるかわからず、ずっと展開を見守るような気持ちで観た。エログロをやらせたら
なかなかのスペイン。今回も「バッド・エデュケーション」以来の傑作だと思う。監禁されている 美女「ベラ」の正体が次第に明らかになっていくのには戦慄すら覚える。ありえない話だが、や ろうと思えばできないことはないのではないか、と思えてくる。金さえあれば、だけど。人を誘拐 して養うというのはよほどの甲斐性がないとできないことではないのか。でも新潟の監禁事件も あったし、金がなくてもできるのか…。エログロとは言ったが、最後は救われるので観た後も後 味がよい。
実話をもとにしたというが、特に感動作というわけでもなく、香港の老人ホームの実態を描い
ただけのような。原題「桃姐」”A Simple Life”
映画プロデューサーのロジャーの家族は全員アメリカに移住、香港の家は60年勤めている
桃(タオ)さんというお手伝いさんが守っていた。中国で仕事があるたび、香港の家に帰ってき て当たり前のように桃さんの料理をほおばるロジャー。いつものように家に帰ってくると、桃さん が心筋梗塞で倒れていた。命に別条はなかったものの、一人で暮らすのは断念、老人ホーム へ入所する。そこは色々な事情で入所している人であふれていた。若くして人工透析のために 入所している人、娘・息子から見放されて入所している人、孤立無援で政府からの援助で入所 している人…。ロジャーは桃さんが軽んじられないよう、使用人ではなく義理の母だといって面 会にたびたび訪れる。
大変だなー、と思ったのがまず桃さんが「言葉の通じるところ」を希望したこと。広東語じゃな
いと話せないし、わからないのだ。中国はまずそこからですか、ということが多々ある。桃さん はリハビリして半身マヒは回復し杖なしで歩けるようになったのに、次第に体力的に衰えていき 入所して1年と経たず亡くなってしまう。
話を聞いたのが知り合いのプロデューサーだったのだろうか、アンディ・ラウ(劉徳華)がロジ
ャーをノーギャラで演じ、本作のプロデュースもしたという。ただ、冒頭にも書いたが、感動作と いうわけではない。なんでそんなに華仔(ホァチャイ、アンディの香港でのニックネーム)が肩入 れしたのかがわからない。友情出演でアンソニー・ウォンとチャップマン・トーが出ていたらしい (クレジットにでていた)が、チャップマンはわからなかった。
原作の漫画も読んだけど、よく映像化できた方だと思う。映像がとにかくカラフルで、ハデな
芸能界を舞台にしているので、それもしっくりきてキレイなシーンは素直にキレイと思えた。
タイガーリリーことファッションモデルのりりこは全身整形で手に入れた美貌を武器に芸能界
を上昇していく。が、もちろん後を追って出てくる新人に脅威を感じ始める。恋人が別の女性と 婚約、事務所の斜陽、次第に追いつめられるりりこは薬物に依存、幻覚を見るようになる。
「沢尻、一肌脱ぎます。」と言った通りの有言実行。ここまで脱ぐとは思わなかった。マンガな
らではのラストもうまく映画化していて、監督の手腕もなかなかのものだと思った。
原作者は数年前交通事故で植物状態になったと聞いたがその後どうなったのか…。ググッっ
てみると今はテレビを観れるくらいに回復しているらしい。ヨカッタネ。
原題「THE NEXT THREE DAYS」ラッセル・クロウ主演。ちょい役に米TVシリーズの「ドクター・
ハウス」でサーティーン役の子が出てた。リーアム・ニーソンもちょいと出演。
妻が殺人容疑で服役。無実を信じる夫は再審の道を探すが、全ての道が閉ざされると、脱
獄の計画を練り始める。警察との一進一退の知恵比べ。いよいよ脱獄計画が開始されると展 開はより迫力を増す。成功するのか、捕まるのか、最後まで気を抜かせない演出が見事。
ジョシュ・ハートネット主演、Gackt共演。西洋から見た日本そのもの。「サムライ、スシ、ゲイ
シャ」ジョシュ・ハートネットがガクトより背が高いのでびっくり。2Mくらいあんのか(笑)彼はトラ ン・アン・ユン監督の「アイ・カム・ウィズ・ザ・レイン」にも出てたな、アジア好きなんだろうか。
文楽とは何の関係もない。オールセット撮りのB級映画の域をでない。アクションもぬるいの
からしっかりしてるのからシーンごとにバラつきがある。見ても…時間の無駄ですな。
「XーFile」でおなじみというかお久しぶりのジリアン・アンダーソン、アマンダ・セイフライド、ヘ
ザー・グレアム共演。原題「boogie woogie」一枚の絵(抽象画)を巡って画商の駆け引き、騙し 合い、抜け駆けなどを描いた群像劇。出てくる絵画が抽象画なんで全く興味わかなかった。有 名絵画を巡ってのもっとリアルなものかと思っていたら、全く違った。ヘザー・グレアムをずっと アン・ハサウェイだと思って観てた。似てない?
フランス発サスペンス。カナダのモントリオールに住むデザイナーのソフィは仕事がうまくいか
ない日々。依頼者の部下が、仕事は受けられない代わりに昼食をおごると持ちかける。そこで 話されたのは「スウィッチ.com」というアパート交換サイト。自身パリのアパートの持ち主と交換 し3年パリの生活を楽しんだという。彼女の話をすっかり信じ込んだソフィは早速サイトでアパ ート交換相手を探し、パリ在住のベネディクトという女性と契約を交わす。手続きはあっという 間に終わりパリへ旅立つソフィ。着いたその日からパリを満喫し最高な日を過ごし眠りについ たが、翌朝吐き気で目が覚める。頭をスッキリさせようとシャワーを浴びるがその最中にドカド カと武装した警察がアパートに乗り込んできた。告げられた言葉は「殺人事件の容疑者として 逮捕する。」
いくら自分がベネディクトではない、アパート交換サイトで昨日パリに着いたばかりだと言って
も信用してもらえない。家にはベネディクトの身分証明があり、サイトは存在せず飛行機の搭 乗記録もない。ソフィはアパートの一室に開かないドアの部屋があったことを思い出す。殺人の 遺体はアパートの寝室にあり損壊が激しく、頭部がないという残虐性からソフィは精神鑑定に 回される。ソフィは最後のよりどころとして歯の治療記録を見てもらうことを申請する。が、歯を 見る途中、ソフィは歯医者を人質に警察から逃げ出す。どうやっても自分がベネディクトでない ことを証明できない。本人をつかまえるしかない、と警察からの逃亡劇が始まる。
何故隣近所のまでソフィをベネディクトだと証言したのか、母親までもソフィの写真を見てベネ
ディクトだと証言する。ただ殺人事件の犯人に仕立て上げるための人間交換サイトだったとい うことではなく、事件の謎はソフィの出生にまで迫る。
ソフィが逃げ出したことでベネディクトは復讐劇を始められたが、もしソフィが逃げられずずっ
と警察の中だったら、むしろ復讐できないのではないか。そこだけがひっかかったが、逃げるソ フィ、追う警察の緊迫感ある逃亡劇は見ごたえがあった。
因みにこれ日本語吹き替えがない。仕方ないので字幕で観たが、良質な映画はやはりでき
るだけ吹き替えでみたいものだ。
やっぱりディズニーは絵が奇麗だ。ストーリーも全くどう転がるかわからず、ただただ映画を観
ることを楽しめた。そりゃストーリーは破天荒ですが、アニメですもの、細かいことにはこだわら ず、ただひたすら映画を目で追えばいいのである。久しぶりに純粋に「面白かった」と言える映 画だった。ジブリ見習え。
不動産会社をクビになったジョンは妻と二人の子が待つ家へ帰るが、ささいなことで妻と口論
になり、妻は外へ出ていく。その間隙をついてやってきたのが、リッチーと名乗る黒人中年。家 の前で車がエンストしたので車を押してほしいという男の申し出に、車を押してやるジョンだが、 車が突然バックファイヤし、足に怪我を負う。病院まで乗せるというリッチーに車に乗り込むジ ョンだが、途中で寄ったガソリンスタンドで奇妙な行動をするリッチー。そこが犯罪の幕開けだ った。リッチーとは何者なのか。何故ジョンに近付いたのか。
原題「MEETING EVILE」いや、まぁ、ぞっとはしますがね。こんなに巧みに殺人をする人間
が今までどうやって生きてきたのか。最後は夫婦の問題で終わる。信じられるのか、騙されて いるのか、というわずかな疑問を残して物語は終わる。ちょっと嫌〜な感じを残して終わるのが うまいなと思った。
クリストファー・マッカンドレスという青年が、大学卒業後、物質文明社会に嫌気がさし、アラス
カを目指す。アレックス・スーパートランプと名を変え放浪の旅へでる。青年は何故アラスカに 消えたのか。実話らしい。クリスは私と一つ違い(1968年生まれ)だった。アラスカの大地、マジ ックバスと呼んだボロバスの中で、食用草と毒草を誤食し、息絶える。死後2週間して通りかか った猟師に発見された。
自分が卒業したときは、やはり社会に対して不安と期待半々だったことを思い出す。が、バブ
ル期とはいえ文明社会に疑問を持ったり、ましてや放浪の旅など思いつきもしなかった。ま、そ ういう人もいるってことだ。
8月15日毎年靖国神社は異様な空気に包まれる。帝国陸軍の軍服を着て行進、参内する
人々、靖国から自分たちの祖先をはずせという台湾人一行、台湾のみならず日本人でも戦犯 と一緒にされたくないのではずせと訴える日本人、「小泉首相を支持します」というプラカードに 星条旗を掲げたアメリカ人、まぁいろんな人々がかわるがわるやってくる。こんなことになって るとは全く知らなかった。
面白かったのが右翼と左翼の激突。というか、左系の若者二人が式典に殴りこみをかける
も、右系の中年5,6人に追い出されるのだが、その様子が「中国へ帰れ!!」と殴り追い出す 右に対し防戦一方の左が警察が来たとたん息を吹き返したように気を吐く。自分の身の安全 が保障されないと何も言えないとはいかにも左系の人たちそのものではないか、と笑えた。
驚いたのがこの映画自体まったくのドキュメンタリーという形をとっており、いつもの反日暴動
的な中国人のヒステリックな感情が一切挟まれていない。ただ粛々と靖国神社で起こっている ことを映しているのである。中国がここまで冷静ということに恐れ入った。やればできるじゃない か、といった感じだ。
神道は偶像崇拝ではないのでご神体はないと思っていたが、全くの勉強不足で、靖国神社
のご神体は「靖国刀」という刀1本である。これを作り続けている刀匠への密着インタビューも このドキュメンタリーの柱だ。ただ、匠があまりにご老体なので、日本人にも何言ってるのか聞 き取れないし、中国人の質問にも的を得た答えをしていない。…わざとかな?答えないのでは なく、下手な日本語が聞き取れず、答えに窮していただけかもしれない。ネットで調べると、や はり刀匠はこのような映像の使われ方に納得がいっておらず、後に削除を求めたという。
個人的には、一緒に祭られたくないとほざく人々は外してやればいいじゃないかと思うのだが。
別にお骨があるわけではない。リストに名前が入っているというだけだ。それだけのことに何故 ギャーギャー騒ぐのか理解に苦しむ。台湾人が「自分の親だと思ってください。外国で戦死した ら、お骨持って帰りたいと思うでしょう?!」と食ってかかっていたが、だからお骨はないんだっ てば。靖国側が何も説明せずただ不満をぶつけられて困っているだけというのも情けないと思 った。ちゃんと説明すればよいではないか。
さらにググってみると「靖国」とは一言でくくれないくらい問題になっているようだ。その成り立
ちは戊辰戦争までさかのぼるので、西南戦争で朝敵となった西郷隆盛は入れられてないだ の、太平洋戦争でも軍人しか名前は入ってない(戦争犠牲者でも原爆のよって亡くなった民間 人は入ってない)だのもう問題山積なところへ、容易に外国人が入ってこれるところではないよ うに見受けられる。
もう一つこの映画の問題点は中国のみではなく日中合作になっており、芸術振興基金という
ところから750万円出資されている点だ。ただこれは日本側が中国にはめられたというか、中 国が日本に好意的な映画なぞ作るわけがないという認識不足によるものではなかろうか。いく ら甘言を弄してもそんな中国の誘いに乗ったのはいただけない。
一言付け足すなら、日本より自分の国のドキュメンタリー撮ってみろってんだ。
1927年(だったかな?)映画の都ハリウッドではサイレントからトーキーへと時代が流れて行
った。往年の大スターは時代の流れに逆らえず人気は凋落。代わって台頭してきた若き女優 ペピー・ミラーが世の中を席捲する。
この映画自体がサイレントでモノクロというちょっと奇をてらった感じがあるが、内容は古き良き
映画時代の転換期を描いた佳作。見たことない役者ばかりとおもったら、監督から俳優からフ ランス人がずらり。制作がハリウッドっていうだけだった。言語は英語なんだけども。
横山秀夫原作をWOWOWがドラマ化したもので映画ではないようだ。
世に名高い三億円事件の時効を目前に溝呂木刑事は容疑者の内海と取調室にいた。結局そ
のまま時効は成立。
1990年ある事件が時効を迎えようとしていたその日、溝呂木は捜査本部に呼ばれ陣頭指揮
を取ることになった。15年前高校の女性教諭が自殺にみせかけて殺された。死因が頭部打 撲損傷ということから、屋上から飛び降り自殺という線は消えた。しかし現場で靴と遺書が発見 されたことから犯人が自殺に見えるよう工作したと判断。容疑者は当時生徒だった3人。3人 の不良少年は「ルパン作戦」と称し事件の当日学校へ忍び込んでいた。
まず、なんで時効当日になって警察が動き出すのか。当日調べたら容疑者3人いました、って
15年前にどうしてそれがわからなかったのか。しかも3人は簡単に「ルパン作戦」については 白状してしまう。もっと早くに解決できる事件だのに、「時効」にこだわったのはわけがあった。 それが最後のどんでん返しにつながるのだが、逆にすべてがそのために仕組まれてるようだ。
重箱の隅をつつけば、捜査会議室のホワイトボードに被疑者、容疑者などの個人情報が書か
れているのだが、実際にはそれはしないそうだ。情報漏洩を恐れてのことらしいが。あと取調 室でまず刑事が「吸うか?」と灰皿を差し出すがそれもない。凶器になるものは何もおかれて いないはずだ。と、大なり小なりいろいろボロが多すぎる。一番不自然なのが刑事告訴の時効 がきれても民事訴訟の時効を知っている人物が刑法255条(容疑者が海外渡航中は時効は 停止する)を知らないなんてお粗末だ。私でも知っている。
★一つどころかマイナスなんですけどね。和歌山県太地町で起こるイルカ漁に反対する白人
集団とその抗議と戦う日本人の記録。アカデミー賞獲っちゃったんだからやるせない。
IWCの日本代表が言っていたことが全てだと思う。感情論にすり替えてはいけない。イルカが
絶滅危惧種なんてきいたことない。それより、ひと塊りのイルカ肉を鯨と称し、2000PPMもの水 銀を含んだものをスーパーで売っているということが、イルカ漁より、食品偽装の問題でしょう が。ただ、イルカは小鯨類に属するので表記としては間違ってないらしい。でもさすがにこの水 銀の数値には日本社会も黙っちゃいない。某テレビ局で計ったら3PPMで平均値だそうだ。
リック・オバリーの「キャシー(イルカ)は僕の腕の中で自殺したんだ。」白人女性が「イルカのベ
ビーがこっちへ逃れてこようとしていた。」とよよと泣き崩れるのを見て「あんたら、頭大丈 夫?」としか言えない。
しかしデンマークでもオランダでもイルカ漁はやるし、ノルウェーやロシアも捕鯨はするのに、な
ぜこうも日本だけやり玉に挙げられるのか。答えは簡単彼らが「白人至上主義」だからだ。彼 ら活動家の中にアフリカ人やアジア人はいまい。実際白人ばっかりだったし。人種差別当たり 前だから、「イルカは知能があるから殺しちゃいけない」などと動物差別なんざ屁でもない。
監督のルイ・ホシオス曰く「漁師は自分たちのやっていることがばれたら一巻の終わりだと言っ
ていた。」あんた、日本語わかるの?「悪い伝統や文化は切り捨てなければならない。」あんた が、それを判断するの?など謎は尽きない。
水銀データもそうだが、太地町で2万3千頭ものイルカが殺されてると映画は言うが、水産庁調
べでは1670頭だそうだし、データが怪しいことこの上ない。
とにかく一方的すぎ。公開当時は上映問題で「表現の自由」問題まで発展したという。まぁ、観
ても日本人ならこの不自然さわかるでしょう。
とにかく憤懣やるかたない映画でした。
北海道のキャンプ場に近い林で車が発見された。その中には死後6カ月程度の白骨化した遺
体とつい最近まで生きていたと思われる犬が寄り添うように死んでいた。市役所員の奥津は遺 体の中年男性と秋田犬がどうやってここまで来たのかを捜す旅に出る。
これは犬を飼ったことがあるかどうかでかなり評価が分かれるんじゃないでしょうか。犬を飼っ
たことがなければ「ふーん」と何の感動もないし、飼ったことがあれば奥津の「恐れずにもっと 愛してあげればよかった。」ああしてやればよかった、こうしてやればよかったと思う自分と重 ねて号泣してしまうんじゃないかと。自分は後者でした。自分が飼ってた犬を思うと泣けてきて 泣けてきて…。もっと遊んでやればよかったと思わずにはおれなかった。原作の漫画も本屋で 立ち読みして泣きそうになったんだけど、あれはやっぱり犬の目線で描かれているからいいん であって、映画は人間中心だからちょっと趣が違う。川島海荷が演じる家出娘が途中で奥津に くっついてくるんだが、完全に余分な話しだ。
雪平夏美(篠原涼子)最後の事件、という割にはたいしたことなかったような。結局警察内部の
秘密ってなんだったのか、それがどうなったのか。村上を名乗る検事(山田孝之)が、元夫(香 川照之)殺しで逮捕された雪平を助けに来たってのが変だとは誰もが思うんじゃないでしょう か。私にはめっちゃ不自然に感じて、最初から怪しいと思ってましたよ。最後に黒幕として現れ ても驚き半減。エンドロールとともに、実はこうでした的な映像が次々出てくるが、それもどう か、と。恐らく原作はもっと読者に挑戦した推理ものだったはず。あとから、ああでした、こうで した、というのは反則なような。でも★二つにしたのは、そのああでした、こうでしたが割とよくで きていたから。
テキサス州テキサスシティには神からも見放された地、キリング・フィールズと呼ばれる無法地
帯がある。生え抜きの刑事マイクと相棒でニューヨークから転属してきたブライアンは連続少 女失踪殺人事件を捜査する。普段から気になっていた少女アンが行方不明になったことから、 事件に巻き込まれたと思ったブライアンは、キリング・フィールズに足を踏み入れる。
まず、なんでこんなややこしいタイトルにしたのか。原題は”TEXAS KILLING FIELDS”なのだ
からそのままでいいではないか。有名なカンボジアを舞台にした「キリング・フィールド」とまぎら わしいことこのうえない。さらに、有名監督(らしい。私は特に思い当たる映画はない)マイケ ル・マン監督の娘アミ・マンの作品という評判が先に立っていらぬ期待を抱かせたらしく、結構 厳しく批評されている。
確かに、一言でいえば「雑」。伏線はいくつもあるのに全く拾いきれてない。マイクの元妻パム
は現役刑事だが、管轄の違うブライアンを頼ろうとするのは何故か。ブライアンはアンを過酷な 状況から救おうと必死だが、その途中で誘拐されてしまうとは何ともお粗末。
事実に基づいたストーリーがウリなんだが、事件そのものが事実なのか、キリング・フィールズ
が実在するというだけなのか。ただ、マイク刑事役のサム・ワーシントンだけが「アバター」より いいと高評価されていた。言われなきゃ「アバター」の人だってわからなかった。
1984年ニューヨーク、ヘラルド社の記者は「あの人は今」的な穴埋め記事をまかされ、往年
のグラム・ロックスター、ブライアン・スレイドを追いはじめる。ブライアン・スレイドはステージで 狂言暗殺をし、ファンからも不評をかい、人気が失落、その後失踪、現在まで表舞台から姿を 消している。かつてのマネージャーや妻に会い、ネットでも調べるが現在の彼の行方は杳とし て知れない。調べるにつれ70年代の自分を回顧する。
ブライアン・スレイドなどを調べてみると実在はしないものの、モデルはいるようで、ブライアン
はデヴィッド・ボウイ、カートはイギー・ポップらしい。イギー・ポップなる人も音楽も全く知らない が、劇中でユアン・マグレガー演じるカートはイギー・ポップにそっくりらしいので、70年代のグ ラム・ロックを知っている方なら面白いと思うかも。偶然だが、これを見た日の夕刊の音楽CD 紹介レビュー欄にデヴィッド・ボウイの新作が紹介されてた。10年ぶりのアルバムだとか。イギ ー・ポップも健在で、2007年には来日してコンサートもしているらしい。
原題”Extremely Loud and Incredibly Close”まぁそのままですね。
911で父を亡くした少年オスカーは、父の遺品の中から鍵を見つける。生前冒険探索ごっこが
大好きだった父からのヒントと思い、カギの入っていた封筒にあった名前「ブラック」を手掛かり に、カギに合う鍵穴が必ずあるはず、とマンハッタン中のブラック427人全てに会うという計画 をたて、実行していく。
少年の出会いと別れを通して成長していくロードムービー。驚いたのはオスカー少年を演じた
子供は子役ではなく演技経験もないふつうの少年だったこと。だが、監督はもちろん、共演のト ム・ハンクスやサンドラ・ブロックも天才だと大絶賛。クイズ番組で優勝し、趣味は北京語の勉 強という変わったところが監督の目にとまり、採用となったらしい。けど北京語学習の理由が 「世界で一番話されている言葉だから」というのはちょっと甘いな…と思ったけど。中国人でも 北京語話せない人はゴマンといやすぜ…。と意地悪なことを考えてしまった。
松本人志監督。今回は本人は出てない…正解かも。「大日本人」「しんぼる」がわけわからなす
ぎたので、前2作よりは映画らしくなっているかな、と。半分コメディ、半分シリアスがアタリかど うかわからないが、コメディ部分はやはりプロ、面白かった。シリアス部分は人の死を扱うとい うのが重すぎて…最後の「巡り巡って…」という父親の手紙がこの映画の言いたいことなのかと 思うと、やはり難解だな、と。
オーランド・ブルーム主演、プロデュース。医師が患者に恋をしてしまい、入院してて欲しいが
ためにカルテを改ざんし、効かない薬を処方し続けた挙句の果てに、患者の少女は容体が急 変、亡くなってしまう。うまく処理したつもりが、少女の日記を看護師が見つけ、医者と患者の関 係に気付く。それを元に看護師は医者をゆすり、医者はなんとか看護師の口をふさごうとす る。途中からサスペンスに拍車がかかり、緊張感とともにストーリーが転がっていく。低予算っ ぽいけど面白い作品にまとまってた。
1937年、ドイツでナチスが台頭してきた頃、大学教授のジョンに昇進話が持ち上がる。条件
はナチスに入党すること。家では家事のできないピアニストの妻の代わりに子供や耄碌した実 母の面倒を見る。教師として、夫として、息子として、父として、友人として常に善人であろうと するジョンだが、友人で精神科医のユダヤ人モーリスに愚痴る日々。折しもナチスのユダヤ人 への締め付けが厳しくなっていき、出世のため入党したジョンも八方美人でいられなくなる。
ラストがいきなりカットされたようで何だか尻切れトンボ。どうしたっていうんだ…?
殺人ウィルスがある人物を最初に次々感染していき、国単位で広がっていく。パニックになる
人々、ウィルスのワクチン開発を急ぐ医師側、あらゆる方面から描く群像劇。
実際にあった「アナタハン事件」を元に映画として再構成。事件の方は興味があればググって
もらうとして…物語の後半で重要なカギとなる人物をイラン人タレントのサヘル・ローズが演じて いたのに驚いた。それだけですけど。
ソイ・チェン監督ルイス・クー主演、リッチー・レン共演。久しぶりの香港サスペンス。
事故に見せかけて暗殺を請け負う犯罪組織(といっても4人)。今回の依頼も何度も実験を重
ね、成功させるはずだったが、実行時に別の事故が重なり、仲間を一人失ってしまう。本当に 事故なのか偶然なのか必然なのか。追い込まれていく組織のリーダーをルイス・クーがカッコ よく演じている。これを見ると事故って本当に偶然なのか?誰かの意思が働いてないか?と新 聞の紙面を賑わせている事故ですら実は誰かが糸を引いているのではないかと思えてくる。
警察犬ではなく警備犬というのを初めて知った。ただ話の流れはすべてご都合主義なんで、す
ごく作り物くさい感じであった。アルビノ(無色素症)っていう設定いるかな?アルビノに見えない し。ただの白い犬でしょ。
浅田次郎原作で、実際にあった話ではないのが救い。
1945年8月10日、陸軍司令部から90億円(現在の金額では2兆円)もの資産を隠すという
密命を言い渡された3人の陸軍士官。だが、その使命のためにつかわされたのは20人の少 女と彼女たちを引率する教師一人。資産のことは伏せ、敵を攻撃するための砲弾と偽って運 ばせるが…。
ストーリーも構成もよく練られていて、最後には涙してしまった。「ひめゆり」みたいな話ではあ
るが、戦争中だったら自決の道を選ぶ純粋な少女たちに泣かされた。
「サガン〜悲しみよ、こんにちは〜」のシルヴィー・テスティユー主演。ワルシャワ映画祭グラン
プリ、ベネチア映画祭5部門受賞。という仰々しい話題作かと思いきや、内容はドキュメンタリ ーかと思わせるほど、いたって地味。
多発性硬化症で全身マヒのクリスティーヌは「ルルドの泉巡礼ツアー」に参加。前半はツアー内
容を紹介しているようなドキュメンタリータッチだが、クリスティーヌに奇跡が起き、車いすから 立って歩けるようにまでなる。そこから広がる羨望と嫉妬の渦。何故彼女なのか、何故自分で はないのか…神は平等に奇跡を起こしてくれないのか…。
主人公クリスティーヌの感情を一切吐露させないことで、こちらの想像力をかきたてるという演
出は見事。最後の車いすに崩れ落ちるクリスティーヌをどう受け取るのかもこちらに委ねられ る。ただ、クリスチャンじゃない自分には奇跡じゃなく医学的に何か知らんけど治っちゃいまし た的な感じにしか受け取れず、到底神の奇跡なんて考えられないので、別に妬まなくたってと 思うのだが。そこは信仰というものに対する考えの違い…というか信仰とは無縁に暮らしてる 人間との差かもしれない。
ブラッド・ピットにショーン・ペン共演とくればアタリだと思うじゃありませんか。これがここ近年で
まれにみる駄作だったとは。2時間10分返してと思うのも久しぶりだわ。
1950年代だと思われるちょっと古いアメリカの家庭。厳格な父親に優しい母、元気な男の子
が3人。ところが事故か何かで二男は世を去る。21世紀の現代で長男はビジネスマンとして 成功しているが、過去を思い返す。
とにかく何もかもがあやふやではっきりせず、テーマがわからないのももちろんだが、映像が
わからない。息子が亡くなってから延々と火山やらマグマ、海底、惑星、宇宙空間、果ては恐 竜時代の映像が流れる。で、長男ジャック(10歳くらい?)が父に反抗しだす。軍人だった父親 もビジネスマンとして活躍し家を空ける機会も多かったが、ついには失職。家を離れることにな る。…だからなんなのさ、的な。そこからグンと時間が飛び、ショーン・ペン演じる息子は勤める 会社のエレベーター内で昔を回顧する。で、何が言いたいの的な…。とにかくわけがわからな かった。
わからなすぎたので、ググッてみるとビックリ、カンヌ映画祭でパルムドール賞受賞だという。だ
が、内容の難解さから、やはり商業的にはうまくいかなかったそうだ。日本・ブラジル同時公開 だったが、映画の途中で退席する人は多かったそうな。
3Dで映像は美しいんだけど、やはり話は荒唐無稽で感動できなかった。一日5キロの餌を必
要とするトラと一緒に227日も漂流したとは。トラがもたなかったろうよ…。3Dも最初はきれい だなー、と思うのだけど慣れると別に3Dの意味もなくなってくる。ただ、救命ボートのシートの中 からトラが飛び出してきたときは迫力にびっくりしてイスから落ちそうになった(笑)そこくらいで すなぁ、3Dで驚いたのは。
因みに2013年2月25日第85回アカデミー賞、監督賞、音楽賞など4部門獲得。アン・リー
(李安)監督の受賞スピーチの「台湾のおかげ」部分は中国では削除されて放送されたとか。 やることこすいんだよ、中国!アカデミー賞自体流さなきゃいいじゃん、と思ってしまう。
アメリカ、ミズーリ州の寒村に住む17歳の少女リー・ドリーは、精神を病んだ母に代わり幼い
弟妹の面倒を見て日々の生活を切り盛りしていた。保安官がやってきて仮釈放中の父ジェサ ップが出廷しないと保釈金の担保になっている土地家屋を失うと告げる。家を失うわけにはい かないリーは出廷させようとあちこちで父の行方をきいて回るが足取りはつかめない。それど ころか探すことを妨害までされる。叔父のティアドロップは薬漬けでリーを突き放す。村の有力 者に協力を仰ごうとするが、その一族に阻まれ父親の居所を聞き出せないどころか激しいリン チを受ける。
主人公の女の子がキツイ環境で右往左往する様が描かれて結局何がテーマなのかわからな
い。何故に村の有力者(何をもってして有力なのかわからない)に会うことを家族が阻むのか、
「俺たちの掟」とはなんなのか、ところどころわけがわからなくて置いていかれた感がある。
だがこれが、サンダンス映画祭グランプリ受賞、アカデミー賞4部門ノミネートという傑作らし
い。確かに孤独だが凛として生きるJKをジェニファー・ローレンスが好演。彼女は今年のアカ デミー賞で「世界で一つのプレイブック」で主演女優賞を獲得した。
幼い息子を交通事故で亡くした夫婦。息子の記憶を無くしたいために息子のものを次々と捨て
る妻(ニコール・キッドマン)とは反対に息子の記憶を少しでも留めておきたい夫。息子を車で はねた少年に近付く妻。そこに怨みはないが、理解できない夫。
どっちにも共感できなくて、いまひとつだった。妻は息子がいなかったことにしたいわけじゃな
い、前に進みたいんだろうとは思う。でも息子をはねた少年が幸せになろうとする姿を見て泣 き出してしまう妻を見たとき、そりゃそうだろうとそこだけわかった気がした。
ニコール・キッドマン初のプロデュース&主演。
映画として観たらグロいだけなんだけど、実話をもとにしてるというのでググってみると「愛犬家
殺人事件」がもとらしい。共犯者が出所後手記というかノンフィクション本を出しているので驚い た。それも名前を変えて2冊も。読んでみたいような、同じようなグロい内容ならもう結構なよう な。
これぞザ・ムービーという感じで、ストーリー展開にアクションが随所に盛り込まれ、大スクリー
ンだと大いに楽しめたと思う。ただ、宿敵モリアーティー役がもうちょっと派手でもよかったか な、と。フツーのオッサンなんだもの。
青春ミステリー。4人の女子高生が劇団を発足。ストリートでパフォーマンスをしていると評判に
なり、市のコンクールに出られるまでに成長する。
話運びも誰が殺したのかもよかったのだけど、動機だけが薄弱に見えた。こういう推理劇好き
なんだけどね。ただ、福山市を舞台にしてるのに地元の女子高生らが誰も方言を話さない、セ リフ全部標準語というのが違和感あった。
成海璃子が熱血女子高生を好演。忽那汐里がちょっとクールな感のある女子高生役。彼女は
去年「家政婦のミタ」で初めて観て、今クールのドラマ(「泣くな、はらちゃん」)でも見てて、「マ イ・バック・ページ」にも出てて、立て続けに彼女を見て、彼女を追っかけてる気になった。全く の偶然だけど。まだ十代なのに意外と仕事してるんだなぁ。
1969年、若きジャーナリスト沢田は、取材のため過激派の大学生・梅山と名乗る男と接触す
る。なんとかスクープをものにしたい沢田は梅山に張り付く。梅山は自論を展開し少数の仲間 と行動を起こす。武器調達のため自衛官を殺害するも武器強奪には失敗。遺体のそばに「赤 邦軍」と書いたヘルメットとビラを置く。沢田は思想犯として梅山への取材を試みるが、編集部 は梅山は殺人犯だとして接触を禁止する。警察の捜査であっさり梅山は捕まるものの、訳の わからない自論の展開で警察もけむに巻く。最後に彼らのその後(沢田は証拠隠滅、犯人隠 匿の罪で1972年有罪判決)が字幕で現れる。
エンドロールでやっとなんだか元になる事件があったのかなぁと思い調べてみると「朝霞自衛
官殺害事件」別名「赤衛軍事件」という実際の事件があり、この映画自体「マイ・バック・ペー ジ」というノンフィクション書籍を映画化したものだとわかった。
安保やら共産主義やらわからない単語だらけで、そもそもこの時代を知らなければわかりに
くい映画だと思う。私自身も見た後ググッってやっとわかった。
映画中の「東都ジャーナル」とは「朝日ジャーナル」のことで、他の名前も全て変えられてい
る。ノンフィクションを題材にするなら何故仮名を使ったのかよくわからない。
ともあれ、映画としてはキャスティングも良く、よく語られる70年代の風潮を知りたいなら見る
べきものとは思う。
いつものアメリカイズナンバーワンの映画なんだが、エイリアンに勝利した後、のんきにハワイ
で勲章授与とかやってるのには呆れる。浅野忠信は思ったよりよい役どころ(助演男優賞的 な)で善戦したとは思う。彼はそうは見えないがアメリカのクォーターなのだ。母親がアメリカ人 とのハーフで、親戚がアメリカにいるということを某国営テレビの番組(「ファミリーヒストリー」) で明かされていた。これをアメリカの親戚に堂々見せられるだろうな、と思った。
関係ないところなんだけど、話の始まりは環太平洋国家の海軍合同演習というところから始ま
るんだけど、海上自衛隊ももちろん参加していて、これを見る限りでは日米安保は安泰かな、 と。国内では自衛隊の位置や改憲やら問答が続いているが、外国からは立派に軍隊と認めら れているのだということがわかる。日米が(他の国が参戦しないのが不思議なんだが、そこは 置いておかないと話にならない)手を取り合ってエイリアンと戦う。呼び方こそ自衛隊にならって 「長田一佐」と言っていたが、やってることは自衛隊じゃない。自衛隊は自分を守るすべはない のだから…などなど日本であーだこーだ言ってるのがばかばかしくなるくらい、映画の中では 自衛隊がドッカンバリバリやっているのだ。日本はいざとなればアメリカが守ってくれると考える が、有事があれば手を取り合ってともに闘う、これがアメリカの見方だというのがよくわかった。
吹き替えで見たのでタイトルの意味は不明だったんだが、予告編見たら「おじさん」という意味
だとわかった。「おじさん」というには若いウォン・ビンがかっこいい!韓国版「レオン」といったと ころか。アクションがすごく練られていて、特典映像にその苦労談が。ロン毛のウォン・ビンも短 髪のウォン・ビンも両方堪能できます。
魔女に呪いをかけられ吸血鬼にさせられたバーナード・コリンズ伯爵は棺桶に閉じ込められ地
中深く埋められた。棺桶が掘り起こされ目覚めたのは200年後の1970年代の世界だった。
テレビや車といった時代のギャップに驚くというのは面白いんだけれども、自分がバンパイアっ
てのはどうよ、とちょっとしらける。ティム・バートンのファンンタジーが好きな人にはいいだろう が…私には何の面白みもなかった。
ジブリで好きな作品は一つもない。これも話が陳腐というか、だからなんなの的な。もっと深い
内容にしてほしかった。ちなみにネットでは4コマでわかる「コクリコ」というのがあって、その通 りだな、と。所詮4コマで終わる話なのだ。
パレスチナ出身のジャーナリストの半生を描いた実話。東ガザ地区とかエルサレムが舞台な
んで、イスラエル側なのかパレスチナ側なのか途中までわからなかった。勉強不足というか情 報が少ないから(言い訳)か、イスラエルとパレスチナの関係は非常に複雑で、イスラエルに暮 らすパレスチナ人というものが存在していることを初めて知った。
映画は1947年から始まり、1997年のパレスチナとイスラエルの合意で終わるが「平和はま
だ来ていない。」と結ばれている。2012年現在も荒れているのだから相当根が深い。もうよそ 者には簡単に割って入れないと思えるほどだ。だからこそミラルのようなジャーナリストが必要 なのだろう。
映画製作に関して言えば、主人公ミラルを演じたのは「スラムドッグ・ミリオネア」にも出演した
インド人。ウィレム・デフォーや、有名フランス人俳優、オスカーノミネート俳優など、意外に脇 がしっかりしている。監督名は覚えていないが、カンヌ受賞歴もある人らしい。
デンマーク映画は初めて観た。母を亡くしたばかりの少年クリスチャンはロンドンからデンマー
クへ転校してきた。その学校ではスウェーデンから来たということでいじめられている少年エリ アスがいた。やられっぱなしのエリアスと敢然とやり返すクリスチャン。暴力に対して「赦し」か 「復讐」か。エリアスの父親が医師として働くアフリカの難民キャンプでは、妊婦の腹が切り裂 かれるという凄惨な事件が続発。その首謀者がケガでエリアスの父が働くキャンプへ運ばれて 来た。周りは事件の首謀者ということで治療に反対する。エリアスの父親の取った行動は「赦 し」なのか「復讐」なのか…。
大人の世界も子供の世界もこの問題は難しいが、子供の世界に限って言えば、日本で問題に
なっているいじめによる自殺より、クリスチャンのように立ち向かう方を選んでほしい。「やり返 さなきゃいつまでもやられる。」とクリスチャンが言ってたように、死ぬ気で戦とってから死ぬ か、相討ち覚悟で立ち向かえばいいのではないかと思うのは、いじめられたことのない平和な 人間の言い分だろうか。
因みに原題は「HEAVNEN」。どういう意味なのだろう?
遺品整理回収業者の話。生きるということは死ぬことと隣り合わせなんだなぁとしみじみ思う。
余命宣告を受けるのは怖いと思ってたけど、突然死するほうが後が大変なんだなぁと、自分の 最後を考えずにはいられない。遺品整理回収業者だったユキ(榮倉奈々)も、まさか自分が整 理される側になるとは思わなかったろうし。モノは増やしてもしょうがないんだなぁ…あの世に 持っていくことはできないんだし。自分の部屋の中をぐるりと見回して思う。自分が好きで、ある いは必要で集めたものでも、私亡き後はただのゴミになるんだ。整理されるゴミを増やさないよ うにするよう努力しよう…。
原題「He was a quiet man」クリスチャン・スレイター主演。私と同い年のクリスの禿げっぷりに
びっくり。でっぷり中年太り(これは私もだが)に往年の輝きはない。「ヘザース」「ヤング・ガン 2」での輝きはいずこ…。
強盗犯が潜り込んだ先は一見善良そうな男の邸宅だったが、徐々にその男の狂気が明らか
になる。
サイコ・サスペンスとしては佳作。最後どうなるかを観るも者に任せるというところだけが、白黒
はっきりつけたい人には消化不良かも。
カズオ・イシグロ原作。原作を先に読もうかどうか迷ったけど、結局読まず。
キャシー、ルース、トミーは同じ施設で育った幼馴染。18歳まで過ごしたその施設は、将来ドナ
ーとなる使命を負っていた。施設を出た後は、同じような施設から集まってきた若者たちが農 村で共同生活を送る。中には恋人同士になってしまった者もいた。そうなると当然将来が欲し い。ドナーとして生きてきた人生を、少しでも多く生きることができないか模索する。
実際にはあり得ない設定。クローンでも問題になっているのに、人格を持った人間をドナーに
するなんて、倫理的にはありえない。でもこの物語のメッセージはキャシーの最後の言葉に集 約されている。「私たちのとドナーを受ける人たちとでは何が違うというのだろう。」ドナーを受け てまで生きながらえようとする人たちもいれば、自分たちのように命を与えるためだけに生きて きた者もいる。命として何が違うのか。命に差があるのか、と問いかけているようだ。
辛亥革命100周年&ジャッキー・チェン出演映画100本記念というふれこみだが、ジャッキー
は「100本目かどうか正確にはわからない」と正直に言っていた。
歴史に名高い孫文とその右腕黄興を中心として辛亥革命の1場面を切り取って映画化したと
いう感じ。辛亥革命全体やその前後の内乱までは描いていないので、辛亥革命の一番功をな した部分だけという印象。革命は成功したと喜んで終わるが、清朝亡き後の混乱はまだまだ続 くのだ。どこまで描いても終わりはないので、いい部分だけ切り取ったなとは思う。
キルスティン・ダンスト、シャルロット・ゲンズブール、キーファー・サザーランド出演。監督は「ダ
ンサー・イン・ザ・ダーク」の人らしい。全くわけがわからない…のに、カンヌ映画祭でキルスティ ン・ダンストが主演女優賞を獲ったらしい。ヌードを披露しているので、脱ぎ損じゃなかったって わけだ。シャルロットが好きな私には十分彼女が見れて満足なのだが、ストーリー的になんの こっちゃ全くわからん。2部構成になっていて1部は「ジャスティン」。姉夫婦の大邸宅で結婚披 露宴をするジャスティンだが、はなから2時間も遅刻して姉夫婦をやきもきさせる。離婚した母 はとんでもないスピーチをするわ、父は愛人同伴だわで、パーティーは波乱含み。ジャスティン は途中で会場を出たり入ったり、風呂に入ってみたり、また戻ってダンスしたり。一番わからな いのは、アツアツだった新郎新婦なのに、パーティーの終わりとともに新郎まで去ってしまうこと だ。2部は姉の「クレア」。巨大惑星メランコリアが地球に衝突するかもしれない恐怖に怯える クレア。夫のジョンは科学者で、自身通り過ぎるだけだ、心配ないといいながら、なぜか服毒自 殺してしまう。いよいよ近づいてくる惑星になすすべもなくクレアと彼女の息子とジャスティンは 衝突のなかに消えてしまう。これで終わり。突っ込みどころは沢山あるのだが、惑星激突という 大事件の中、舞台は人里離れた古めかしい大邸宅のみで、世間は大パニックになっているは ずなのに、それは一切出てこない。これがカンヌで大絶賛された(とパッケージに書いてあっ た)のだから不思議だ。シャルロットは作品を選ぶべきだとは思うけどなぁ…。
チェン・カイコー監督、グォ・ヨウ主演。ホァン・シャオミン、リー・ビンビンなど豪華キャストで描く
時代劇人間ドラマ。しかしここであらすじを書くのはとてもややこしくて整理できない。春秋戦国 時代、晋の国の君主が屠岸コ(漢字がでてこない…)将軍の謀反により暗殺、ライバルだった 超将軍一族300人が殺されたが、屠は子を宿している超の妻も狙う。超の妻壮姫は屠から子 を守るため、出産のとき立ち会った医師・程に子を公孫に託すよう頼む。屠の追手(名前忘れ た)黄暁明に、壮姫は自分の命の代わりに見逃してくれと懇願して自害する。黄は見逃すが、 屠には子が連れ去られたことを見破られてしまい、顔を切りつけられた。程は自分も子が生ま れたばかりの妻に預ける。超の息子を狙う屠は、村中の赤子を連れ去る。程の家に兵が来た とき、丁度自分の息子ではなく、超の子を抱いていたため自分の子の代わりに連れ去られてし まう。連れ去られた子の親たちが宮廷前に集まる中、程もやってくる。集まった群衆の前で屠 は超の子を探し出せなければ100人の子を殺すと宣言。程は妻子共々公孫に託すが、屠に 脅され自分の妻子の居場所を言ってしまう。公孫のもとに駆け付けた屠一行は公孫を殺し、妻 子を見つけると、妻子共々殺した。程は妻と、間違えて殺された自分の子のため復讐を誓う。 超の子を自分の子として育て、屠にもなつかせ信頼させた後、子に殺させるという計画だっ た。計画通り子は屠になつき、屠も溺愛したが、思うようには育たず、反抗するようになる。15 年後ようやく自分が何者で誰の子かを聞かされるが、にわかには信じ難く、屠に言われるまま 戦に出る。
あー、なんかやっぱりまとめきれないので、続きが気になった方は見てください…。すんませ
ん、こんな感想で。ファンタジー入ってない中国時代劇は珍しいかも。
J・エドガー・フーバーと聞けば、私はFBIの創設者としか知らない。が、実はアメリカ人にとって
も謎多き人らしい。48年に渡って8代の大統領に仕えた権力者。どこまでが事実でどこまでが フィクションかわからないが、アメリカ人が疑問に感じていたこと(同性愛者だったのか?といっ たこと)なども多く描かれているのだろう。クリント・イーストウッド監督、レオナルド・ディカプリオ 主演。老年エドガーをうまいメーキャップでレオナルドが演じている。
原題「IRON LADY」。かつての鉄の女もいまやアルツハイマーか痴呆を発症しているという。
こういう現代と過去を行ったり来たりする演出はややこしくて嫌い。若き日のサッチャーと現役 首相だったときのサッチャーと現代の老いて亡き夫の幻影を見るサッチャーが交叉する。ハイ ライトともいえるフォークランド紛争は、私も子供ながら覚えていたので政治の裏側がわかって 面白い。折しも今、日本が抱えている領土問題も重なる。その辺もっと詳しい評伝などありそう だ。
17世紀の天才画家カラヴァッジョの伝記映画かと思ったら、違った。カード電卓、タイプライタ
ー、果ては車まで登場して時代考証はめちゃくちゃ。あえてそうした監督のアート性らしいが、 全く受け入れられない。カラヴァッジョの人生が波乱万丈であったのだから、史実に忠実に作 っても十分面白かったはずだ。アートだ抒情だといらぬ世話。監督はゲイでエイズで亡くなった というから、自身を投影したのではないかと解説にあったが、それを差っぴいても佳作とは言 い難い。それぞれの絵画を描く背景をもっとちゃんと考証してほしかった。
アメリカの資本主義の問題を提議したドキュメンタリー。一度観たかもしれない…どうも覚えの
あるシーンが…。それはさておき、富裕層と貧困層の二極化を生み、貧困層はもうどうにもな らない状態であると訴えている。どの市場にもマネーゲームを放り込んだ結果ウォール街だけ がもうかり、労働者は搾取される一方。社会主義のほうがましだとさえいわれる始末。「国民皆 保険、年金などドイツや日本にできることが、何故できない?」とある。できてないことにびっくり だ。オバマは国民皆保険を導入したけど、どうだったんだろうか。
確認したら、やっぱり一度観てた。途中で寝ちゃったんじゃなかろうか。
ちょっとこれは…あまりの拷問シーンに気分が悪くなり、半分以上画面を直視できずうつむい
てた。爆弾テロVS警察・軍なのだが、爆弾犯は早々に捕まり、爆弾の場所をはかせるのに四 苦八苦するというストーリー。結局爆弾の場所を言わずして犯人は自殺した…なんのこっち ゃ。稀に見る駄作。
タイトルがどういう意味だろうと思ったら、文字通りの意味だった。ガチで双子の兄妹がお互い
に恋をするのである。お互い両想いで一つ屋根の下で暮らしているのである。何の障害もない ではないか。しかし劇中の二人は罪の意識にさいなまれて…。というのがストーリーだが、話運 びがゆっくりすぎてスローモーションで見てるかと思うくらい…どんだけ早送りしようと思ったこと か。気になったのは二人の身長差。榮倉奈々ってかなり背が高いはずなんだけど、松潤と同じ くらいにしてあった。雪舟したのかなぁ。
クリント・イーストウッド監督、マット・デイモン主演。だからと言ってはずれがないわけではな
い。大いにはずれ。パッケージに「東日本大震災の被災者の方々にはお悔やみを…」云々書 いてあったので、津波がらみかなーと思ったらその通り。本編に出てきた津波より、特典映像 のメイキングで津波をいかにリアルにCGで作ることができたかをスタッフが嬉々として話してい るのを観ると、津波が楽しかった的に思えて、確かに被災者の人は観るべきではないなーと思 った。
確かにCGすごいから、大画面で3Dで観たらいいんだろうけど、ストーリーは中身すっかすか。
よくこれだけつまらない物語作れたものだ。ミレディ役のミラ・ジョボビッチとバッキンガム公爵 役のオーランド・ブルーム以外知った俳優もいない。ありえねー、のオンパレで。ミラは相変わ らず美しいが。
こういう「野生の王国」的ドキュメンタリーは大好きなのだが、ひとつひとつの動物が短すぎても
っと見たいなーと思ってしまう。まぁ、観ても観なくても毒にも薬にもならない映画ですが。
ジエット・リー主演。自閉症の21歳の息子を抱える末期がんの父親は、自分亡き後も息子が
暮らせるよう奔走する。結局引き取り先はなく、父親が勤めている水族館に掃除係として雇っ てもらうため掃除を教える。自分がいなくても寂しいと思わないよう「父さんは海亀だよ」とウミ ガメの甲羅を手作りし装着して一緒にプールに入り泳ぐ。
ジェット・リーが父親役を好演。演技派俳優に転向か。お父さんが亡くなるのが突然すぎて、そ
れが余計息子の哀れを誘う。父亡き後、プールの中でウミガメの甲羅をつかんで一緒に泳ぐ。 父親の意思はちゃんと伝わったのだと思わせる。でも息子のこれからを思うと切ない。
総合病院に勤める内科医栗原一止が、終末医療や出世を考えながら成長していく物語。主人
公は特に嵐の櫻井翔が当たり役というわけでもない。誰がやっても一緒じゃなかろうか。
ベルリン映画祭で寺島しのぶが主演女優賞を獲った。ただ大体の話はわかってたんで見るの
を避けてたんだけど、若松監督がお亡くなりになったので見てみる気になった次第。
普通はエンドロールで出るキャストやスタッフが冒頭に出てくるので、これは何か違うなとは思
ったが、エンディングに来たのは「死んだ小さな女の子」という歌だった。原爆で死んだという女 の子の歌だったが、本作は原爆とは関係ない。
戦争により両手両足を失って帰ってきた兵士が「軍神」と村人から崇められ、妻は献身的に介
護する。自分で自分の始末もできず、耳も聞こえず、口もきけない夫に、妻は次第に嫌悪を募 らせる。最後は夫は自殺し、妻にとっては良かったのか悪かったのか。四肢が不自由でも生き ていくか、死を選ぶか。介護問題にも通ずると思った。
森田芳光監督、堺雅人主演。幕末から明治まで激動の時代を、そろばんで生き抜いた実在の
人物猪山直之の残した猪山家の家計簿をもとに構成された物語。久しぶりに時代劇見たけど (「るろうに剣心」は時代劇じゃあないかな)、これだけ殺陣のない時代劇も珍しい。物語上、必 要ないのだけれど。冷静に家計簿をつける主人公に堺雅人がはまってた。もうちょっとコメディ 色をつけたほうが長い分見やすくなったと思うのだが。
映画としてどうかな、というのはあるが、不妊治療の身としてはちょっと見るのが辛いところも。
結局主人公が何をメッセージとして発したかったのがわからない。自分の母に代理出産させて
も自分の子供が欲しかったという情熱が伝わってこない。主人公の冷静な性格を前面に押し 出したところで、そういった感情が汲み取りにくくなっている。
個人的には最大の山場、台風で交通網遮断のなか、陣痛の始まった妊婦3人、医師二人。妊
婦3人中2人が帝王切開が必要で主人公が「せめてあと一人医師がいれば…」と言ったところ でガン末期で寝たきりだった院長が白衣を着て降りてきた神々しい姿にはウルっときてしまっ た。
西原理恵子が小泉今日子なんて。なんか美化しすぎな感じがする。介護も子育てももっと汚く
て大変なものだろうに、そこをすべてカットしてきれいなとこだけかいつまんで映像化した感じ。
しばらく映画から遠ざかっていた。
原作好きだったのにな〜。ちょっと原作の良さを出せてないし、成長物語だからこれだけじゃあ
ちょっと見せきれないというか。松山ケンイチ主演。ちょっと原作のイメージより若かったなぁ。
なんで今さら実写で映画化…はさておき、佐藤健の剣心はなかなかよかった。思ったよりグロ
かったけど、チャンバラ劇なのでしょうがない。血しぶきがすごいって程度ですけどね。
他ははまり役というほどの配役ではなかったなぁ。映画雑誌のインタビューで高荷恵役の蒼井
優が、「似てない」ことを気にしてたけど、確かに似てない…。印象からいったら私は香里奈が いいかな、と。なんで蒼井優だったんだろう。年齢的なもんなら、剣心役は28歳だから関係なさ そう。ストーリーは原作30話を2時間半に凝縮してあったのは、すごかった。
余談ながら、どうしても原作が気になり、かといってコミックス買いなおすにもどこに置くんだっ
ていう問題あるし…と思ってたら、映画の原作エピソード分の総集編が出てたので買ってしまっ た。かつて読んでたのに忘れてること沢山だった…というよりほとんど忘れてた。ので、続きが 読みたいが、買えないという…でも読みたいという悶え中。
未成年では人を殺しても数年で出てきてしまう…事件が起こるたび社会が抱えるジレンマだ。
司法が裁けないから、被害者遺族が復讐をしたいと望む。確かに犯人に味あわせたいのは
「死」ではなく、被害者が味わったであろう「死への恐怖」だ。命を軽んじるような事件がなくなる ことを切に望む。
前半は笑わせてくれたが、後半話がマジになって、ちょっと残念。でもまぁまぁ面白かった。
アンジェリーナ・ジョリー、ジョニー・デップ夢の共演!とあったけど、ストーリーもアクションも
今まで二人が出演してきたものと大差ない。途中で筋書きがわかってしまうくらい脚本も浅い。 ただ、低予算の「言えない秘密」を観た後だと、やっぱりロケもセットも豪華なのはさすがハリウ ッド!って感じでした。
ジョニー・デップがゲイリー・オールドマンに見えたのは私だけ?年を重ねるともっと似てくる
んじゃないかなぁ…。
評価は分かれるだろうなー。ジェイ・チョウファンならずとも惹きつけるものはあるものの、「ゴ
ースト」「イル・マーレ」「スカイ・オブ・ラブ」「オーロラの彼方に」その他の作品(主な共通項は時 間移動)を全部ちょいちょいつまんでできたような作品。
父親が教師を務める音楽学校に転校してきたシャンルンは、転校初日にシャオユーと出会う。
気付くとシャオユーを捜してしまうシャンルンだが、何故か彼女は姿をあまり現さない。お互い 惹かれ合うが、シャオユーがたまにしか学校に来ないことには秘密があった。
さてここから私が考えた筋書きは、ジャオユーは実在しない。父親の「妄想するな。集中しろ」
という言葉と、シャオルンが変な時期に転校してきたことがきっかけで思いついたのだが、前の 学校で恋人を病気か事故で失い、彼女を失ったと信じたくないシャンルンを父親は少しでも良く なるようにと転校させる。そこでも妄想を見続けるシャンルン。「僕と踊ってた女の子を知らない か?」「何言ってんだ、一人で踊ってたくせに。」というクラスメートとのシーンで確信をもったん だけども…違ったんだな、これが。
ネタバレすると1979年、シャオユーは偶然「SECRET」というスコアを見つける。それは弾
けば時間を移動するタイムマシンだった。シャオユーは過去の人だった。一番近いのは「スカ イ・オブ・ラブ」かと思うんだけど、残念ながらこちらのほうが不完全な感じがする。「スカイ…」 は無線がタイムマシンなのだが、そっちのほうがもしかしたら、という可能性が持てる。スコア がどこから来たかということと、なんで主人公は転校してきたんだ、っていうのが自分の中では 謎として残り続けるので消化不良。そこは触れちゃいけないとこなのかもしれないけど…だか らファンタジーって嫌いなんだよなー…。
でもちょっと老けてはいるがボクトツな高校生役のジェイ・チョウと透明感あるシャオユー役二
人の醸し出す雰囲気はなかなかよかった。
英国皇太子アルバートは吃音の障害を抱えてスピーチの度に悩む日々。吃音を直すためレ
オナルド・ローグという医師のもとに通うようになり、克服のためのレッスンを開始するが、国王 の崩御、長男デビッドが一般人女性との結婚を選んだため王位の座がアルバートに転がり込 む。国王ともなればスピーチの数は今までの比ではない。折しもナチス・ドイツの魔手がイギリ スにも迫りつつあった。立派なスピーチで国民に訴えなければならない。
正直これがアカデミー賞獲ったって信じられない。非常に退屈だった。まだ存命中の人もいる
からと映画化は難しかったようだ。でも無理して映画にするほどの内容か…英国民とでは感じ るものが違うのは当然だろう。これが昭和天皇や平成天皇、皇太子の話なら感動できるだろう ことを考えると、やはりその国のロイヤリティでないとわからないものがあるのだろうと思った。
ナタリー・ポートマン主演。「白鳥の湖」のプリマに選ばれたニナだが、白鳥の清楚さは出せる
が、黒鳥の妖艶さが出せずに悩んでいた。舞台監督や周囲の声に過敏になっていくニナ。変 身願望と理性の間で悩むうち、現実と幻覚があいまいになって…。
バレリーナ役って、誰でも出来るもんじゃないのは、ナタリー・ポートマンの肢体を観れば一目
瞭然。バレエの猛特訓から体型作りに準備は容易ではなかったろうなぁと思った。加えて芝居 もしないといけない。多少エキセントリックな役なので、役になりきるのは心身ともに大変だった と思う。アカデミー賞受賞というのも、800人いる選考会員のほとんどが役者だから、「これは 大変だろう」と思うからこそ受賞できた難役なんだろうな。個人的には前プリマ役のウィノナ・ラ イダーの存在感がよかった。ウィノナもナタリーも似た顔立ちなので年齢が同じならウィノナが 主役でもおかしくないくらい…いや、存在感からいえばウィノナのほうが上だな、と思うのはファ ンのひいき目か?
かつての名作「猿の惑星」がどうしてそうなったか、という始まりの物語。ストーリー的にはいま
ひとつ。理由はわかったんだけど、そこに感動はなかった。ハリポタのドラコ・マルフォイ役の子 がやはり憎まれ役で出てた。猿はすべて役者が演じてそのうえにCGをかぶせたらしい。
ひとつ疑問に思ったのが、作中の台詞で「サルじゃない、チンパンジーだ。」とあって、英語で
は「monkey じゃない apeだ」とあったってことは、映画のタイトルは「チンパンジーの惑星」じ ゃなきゃいけないんじゃないのか、と…今さらなんですけど。まぁ、今となってはしょうがないか。 しセリフの応酬劇でセリフの量がハンパない。役者が大変だったろうなぁ。 すと感慨深いものが…やぱり1作目の3人の可愛さは神でしょう…!!すっかりおっさんになっ てしまたけど、それもまたシリーズの息の長さゆえ。11歳から21歳まで映画に出続けるってい うのもないだろうからキャスト達も感慨深いだろうなー。 庫破りが殺人犯の濡れ衣をきせられ刑務所送りに。そこから始まる大脱走劇。主演は「大脱 走」にも主演したスティーブ・マックイーン。共演ダスティン・ホフマン。150分あるけど、それで もちょいちょい場面が変わりすぎてわかりにくいところが。後半飛ばしすぎって感じで。わかりに くかったので、結局ネットで調べた。スティーブ・マックイーンもついでに調べて、ほかの作品も 観たくなった。…が、残念ながら一身上の都合で、このページは今までのように頻繁に更新で きなくなるだろうな。たまに映画を観るのが、たまに劇場公開を見に行く程度の頻度になるでし ょう。最後のDVD作品がこれってちょっと物足りなかった。またTSUTAYAかGeoが100円キャ ンペーンでもやったら観るかな。 なぁ…主演リチャード・ドレイファス。チョイ役で多分「SEX and The City」の人が出てた。めちゃ 若かった。歯に矯正器具つけて(笑) ドウズの創始者ビル・ゲイツはだれしもが知る億万長者だがアップルのほうのスティーブ・ジョ ブズはあんまり知られてないような…私が無知なだけか?ちょっとPCの勉強にはなった。 ビ ル・ゲイツは人格者で、スティーブのほうはちょっと性格に難有りだということも…そのせいで、 解任されたが’97年には復帰しているらしい。アップルはi podで持ち直したらしいし、ちょっとP C業界と経済の勉強にはなる。スティーブ役は「ER」のノア・ワイリー。 ど、そんなもんなの?と思ってしまう。福祉の先進国ではないのか、北欧って。それが、行政の 目が無視する哀れな少女を生むっていうところが疑問だったけど、「そういう設定なんだから」 と言われればそれまでか。 て、世界はまんま「Breach」(少年ジャンプ連載中の冒険ファンタジーマンガ)なんだけど。「Br each」観たんじゃね?と思うくらい。ストーリーはわけわからんけど。 中国版「大人はわかってくれない」を作りたかったのか…もう少し年齢を上に設定したほうがよ かったのでは。 でしょか。幽霊役がジョウ・シュンかと思ったらそっくりの別人でしたわ。特筆すべきことがない 代わりにオススメもしない…。 作っている武器会社を見つけ、復讐を試みる。 初からこのテンポで行ってくれるともっとよかった。 ころにセンスを感じたんだけど…私だけ? まった…。ビッグスターを共演させるのが最近の手なのだろうか。そうでもしないと客を呼べな いのか…ドラマのストーリーよりもこの共演のほうが話題になりそうな。 味不明…。思い切って日本語でつけてもよかったのでは…そうだなぁ…私なら「裁きの銃弾」と か「裁かれし者」とか。「許されざる者」みたいだな(^^ゞ 4000ドルを早く不動産会社へ払わないと手付の1500ドルもナシになって家が買えなくなってしま う。偶然、密入国業者のネイティブの女性と知り合い、密入国の片棒を担がされる。最初は拒 んだレイだが、背に腹は代えられず、自ら密入国の仕事に入り込んでいく。 わけではない。むしろ正義は行われた、という後味の良さが残る佳作。 便配達」の人だということも。 は幼いころ母親が失踪したという青年モウが町の人々のため走り回っていた。町の人に育て てもらった恩返しだと、何くれとなく独居老人の世話を焼く。モウはふらりと現れたメイにも宿や 仕事を世話する。メイの顔を知ってる人間もいたがさして騒ぎにはならず、療養するメイ。しか しメイの行方を捜して記者がやってくる。 メイ役の女優もいい味だしてる。彼女が本当にチャン・ツィイーに似てるんだ!チャン・ツィイー よりだいぶ背が高いようだが…。 ことで「クロッシング」だろうけど…ありがちすぎるような。麻薬捜査の刑事だが子だくさんで金 に困っているサル(イーサン・ホーク)、覆面捜査官のタンゴ、あと7日で定年退職の巡査エディ ー(リチャード・ギア)。それぞれがそれぞれの事情で事件とかかわっていくが、同じ警察署でも お互い見ず知らずの3人がラストには同じ場所に居合わせて、それぞれの最後を迎える。 いう(そのへんどーでもいいけどね。どうせハングルわかんない)。 彼はジェジュンという天国への郵便配達人だという。信じないハナにジェジュンはあるバイトを 持ちかける。 でもいい物作れるじゃないか、韓国…いえ日本が作ったことになるのかな…? ーと学生の妹リサは母親の葬式で初めて日本人の「バーチャン」(もたいまさこ)と会う。レイの アパートが火事になり、実家へ戻るはめになり、4人の奇妙な共同生活が始まった。 ーリーに客席からバーチャンが「モーリー」と声をかける。今まで英語がわからず一言も声を発 しなかったバーチャンが一言「クール」と言って親指をたてた。その一言でモーリーは自分を取 り戻し、見事に弾きこなした。 はくとかいうエピソードはいらなかったかな…と。代わりにもっと面白いエピソードが加えられた のではないかというちょっと不完全さを感じる。「西の森の魔女が死んだ」のサチ・パーカーが チョイ役で出てます。 作に加わったというだけあって、リアル。どうやって脱北するのか、した人々はどうやって暮らし てるのかがよくわかる。とんでもない国だね、やっぱり…。 エピソードだけだった。でも絢爛豪華な大奥が男バージョンというのはジャニーズファンならず とも眼福ではありました…でもなんで阿部サダヲ…。 ため、ジョニー・デップとコリン・ファースが急きょ協力したというが…主人公ではなかったのね。 でもよくなるのは、よくある話。もう少しコンパクトにしてくれたほうがわかりやすかったんじゃな いでしょうか…。 ではあるらしいが。 歳の男とその親友が中心だが、結局ナチスの凶弾に倒れる。最後に彼らがどう葬られ、のち にどう評価されたかがクレジットで流れる。複雑だったんだなぁ、ヨーロッパは。 じめられた反動で、北京のジャッキーに弟子入りするため、旅に出る…ちょうど洋画のリメイク 「ベスト・キッド」と勘違いしそうな内容(笑)結構こっちもよかった。主人公が姜文に似ているか らと俳優になった夏雨に、さらに似ている。クレジット見たら張一山という役名は本名だった。 夏雨に似ていることのほうに驚いた…ひいては姜文にも似ているってことだから…こういう顔多 いのかな…(笑) を考えるというもの。韓国出身なんだけど北朝鮮籍という在日がいることを初めて知った。出身 ではなく自分で選べたということや、99.9%以上が韓国籍ということなど初めて知ることも多か った。そういうことを日本人目線でもう少し掘り下げてほしかった。このピョンヤンの映像を拉致 被害者の家族が観たらどう思ったろう…。拉致に関してもこの親子間で喧々諤々の言い争い もあったろうが、そこは映されてない。そこが知りたかったとこなんだけどなー。残念。 紀恵が髪型変えたら誰かわからなかったこと。広末涼子なんていつも変わらないような。ヅラ なんだろうけど、いかにロングストレートが彼女の定番になっていたかわかった。…ストーリー のほうは…あんまり面白いとも。「あなたの物語」というだけあって、平凡な人たちばっかり集め たような。若くして未亡人になった竹内祐子や、出産で亡くなった仲間由紀恵はそうないだろう けど。(竹内祐子の妹が仲間由紀恵で、その娘が鈴木京香と広末涼子。田中麗奈も竹内祐子 の妹で、蒼井優が竹内祐子ら3姉妹の母…この人間関係がわかるのがなかなか…)時系列に したらつまらないんだろうけど、並列にされると、わかりずらくてつまらなさ倍増。そうならないよ うな工夫が欲しかった。確かに豪華なキャストだけに勿体ない。 推理サスペンスが見事に融合。アルゼンチンの司法制度もちょっと勉強になるという(笑) ン・シャオガンは中国ではコメディで有名な監督なのだが、前回観た「女帝」はコメディではなか ったんで、面白くないのもむべなるかなと思って、今回はちょっと期待したんだけど…やっぱり コメディというほど面白いものとは思えない…。恋愛ストーリーとしては無理ない展開で普通に 楽しめますが。 たけど、本作品ではダコタ・ファニング演じる少女アンと友人ジミーの間の秘密がカギになる。 意外だったのは宗教(キリスト教)に逃げようとしたアンを結構周りが冷ややかに見ていること だ。教会よりカウンセラーへ行けという。アメリカはキリスト教国と聞いていたので、むしろ信仰 心が深まることはよいとされるのじゃないかと思ってたんだけど、案外冷静なのね、と思った。 の展開を変えてあるので映画として面白かった。手元に原作がないのでどう違ったかが今一つ 思い出せないのだけれど。 は大人っぽくないというか…自分の事情が一番なところが、大人になりきれてない子どものよう で…そんな大人に振り回される子どもは大人にならざるを得ない。大人の事情を懸命に理解 し、抵抗しようとする少女達がけなげ。 のがカッコよく見えたり、どうでもいいものに固執したり、誰もわかってくれない感たっぷりの誰 でも覚えがあるような感情を思い起こさせてくれる。重箱の隅をつつけば、中国の17歳はちょ っと幼いかなぁ…日本の中学生のような感じだ。彼らが固執したのは自転車(これが北京なら ではなんだろうか)だが、日本だったら携帯になるだろうか。女の子の方が大人なのはどこの 国も一緒だなぁ(笑) 地味な印象。西原理恵子原作で、当然女性目線なんだけど、ちょっと大人し過ぎる感じだ。彼 女の作風はイキの良さの中の哀愁がいいので、ちょっと元気が足りない感じだ。 ル。落ち目のカントリー歌手バッドを演じるジェフ・ブリッジズがいい味を出している。歌も吹き 替えなしだそうで、意外(?)と上手い。カントリーっていうジャンルにも興味がわいた。 なんとも味気ないものになってしまう。タイミングが悪かった(笑) く言葉にする自信が持てないからだ。低予算で暴力的なんだけど、「孤独」「見栄」「プライド」 「意地」など、誰でも内に抱えて厄介だと思いつつ捨てられず苦しむ感情にあふれている。映画 のキャプションには「愛を知らずに育ったので、愛を語りたくても表現できない」というようなこと が書いてあったが、そんな簡単に表現できるものでもない(キャプションだから完結にインパク トある言葉を作らなきゃならなかったんだろうけどね)。なんかもう…観てくれとしか言えない。 やっぱり韓国映画あなどりがたしだなぁ。なんでこんなに力つけちゃったの、韓国映画。 ので、何を期待してよいやら…。何を描きたかったのかもわからない。「老い」って怖いな、では 身も蓋もないような…。 シーシェパード側からなので日本は当然悪役。でも、どう伝えようが彼らのやってることが正し いと思えない。「今回彼らは500頭の鯨を救った」と誇らしげにラストを飾るが、500頭という数 字がどこから出てくるのか、鯨の命は守るために、人間を傷つけてもいいという本末転倒な理 論が破たんしているのがそこここに見えて、中立の立場の人間から見てもかっこいいと思えな いんではないだろうか。ただ、日本も逃げ回るばかりではなく、ちゃんと話合うべきじゃないかと は、思う。屠殺が残酷なのは、どんな動物だって同じだ。牛や豚がよくて鯨は残酷という論理は 通じない。密猟者呼ばわりされてる日本の捕鯨調査の実態を見せてやれば納得するのではな いかな、というかすかな希望は持った。シーシェパードに乗ってる人の言うことを信じれば、彼 らは目の前の命さえ救えればよい熱血単細胞どもである。彼らこそ、勉強すべきと思うのは否 めない。 ったなぁ。 (笑)けど、映画としてはいい出来なんじゃないでしょうか。それより先に持った印象は、情熱を 持てる物を見つけられた主人公に対する羨望。いいなぁこんなに夢中になれるものが欲しいな ぁ、と。映画だから必要なんだろうけど、ラブロマンスのエピソードは自分には不要な要素だっ た…。 …最近こういう現代文明が滅んだ後の世界を描いたものが多いなぁ…そこへもってきてこの大 地震だもの。人類滅亡の日も近いのか…? なバージョンの予告CMが面白かった。 リオール映画祭で主演女優賞を獲ったけども…展開が遅いのがなんとも…もっとコンンパクト にしたらよかったのでは。 れた…。 は初めて観た。ただ映画評では絶賛されてるものの、そこまでとは…。特に感動もなかったし。 オ役をウィル・スミスの息子ジェイデン・スミスが好演。ただひっかかるのが、劇中にも(吹き替 えで観たんだけど)「カラテじゃなくてカンフー」と言ってたのに原題はやっぱり「KARATE KI D」なのは何故…?ステレオタイプな中国の描き方も、やや大雑把な印象が。ジャッキーも何も 言わなかったのかな。アメリカのアジア十派ひとからげな見方に閉口したのかも。虫を食べる 屋台だの、いきなり万里の長城で稽古だの、そりゃ映画じゃなきゃ無理だ…。とはいえ、最後 は、やはり小さいジェイデンが優勝するシーンではスカっとする。 が、史実とはえらく違っているし、盛り上がりも全くなく、面白くもなんともない…。観てる間中、 関連人物をウィキペディアで調べたのでちょっと歴史に詳しくなったかな(^^ゞ 見えるから役者ってすごいなー。ちょっとテンポよく詐欺が上手くいきすぎで軽さは否めない。コ メディだからこんなもんでいいのか?でも実話らしい。本人は何度も脱獄したので、今も服役中 で刑期は130年だそうだ…。 老症で体は子どもだが心は大人。人を不幸にすることを生業として生きてきた…っていうのは 残念ながら「エスター」にあったストーリーだし…。オチは違うけども。DVDパッケージのアーロ ンも「シャイニング」のジャック・ニコルソンのパロディみたいで…何から何までパクリに見えま すよ〜(-。-)y-゜゜゜ っと新鮮味が欲しかった…何十年も前のマンガ作品をここまで実写化したから、十分だろうと も言えるが…。 沙っていい女優かも。 たある飛行機事故は存在せんだろうが。脅迫の内容もよくわからなかったし。 かってくらい小悪魔的で魅力的。この映画では不倫するのはペネロペ側だけど。 んというか…これ以上の悲しみはないわけです…。 の後が、心情的にも物語を追いかけにくい。何故逃げるのか、何が追っているのか、全てがあ いまいで…それでいいのか?と思ってしまう…。 ゃったのかなあ、往年の名俳優だというのに…。D・ホフマンを生かし切れてなくて本当に勿体 ない。誰だっていいじゃないか、こんなくたびれた初老の男。ストーリーは平凡の極みだし。どこ で盛り上がればいいのかわからなかった…。 …「ジョイラッククラブ」と同じテーマでもこっちはあくまでコメディ。 「あ、そう」てなもんで、日本 人にはどうでも…。 かる程度。 なの作った意味がわからない。地球に来るくらいの高度な文明を持ったエイリアンが、なんでエ ビみたいな怪獣なんだか全く解せない。 ぷりのニコラス・ケイジ。もっと別の面も見たいような。 落ちるが、彼女が暴力的な夫を殺してしまったことから、医師は彼女の無罪にするため策を弄 して奔走するが、全ては彼女の意図通りで…というサスペンス。最後まで二転三転して結末が 予想つかないが、ちょっと転がしすぎて、目が回るかも。 業が約一週間行われ、この授業に参加した生徒達は教師に感化され、次第に暴徒と化してい く。教師が教えたかったことと反して、集団で行えば正当化されるという、かつての負の歴史へ 突き進みだす生徒達。かつての経験から、「こういうことがあってはダメなんだよ」と教えたかっ たのに、逆方向へ進むとは…やっぱりドイツ人てのせられやすいのか、一つの方向へ流され やすいのか…。集団心理って怖いな、と改めて考えさせられる。 の波にのまれ幕を閉じようとしていた。各工員たちの複雑な思いをドキュメンタリー形式で描く が、実際には完全なドキュメンタリーではなく、取材したうえで、敢えてインタビュー相手の工員 役は俳優に演じさせている。監督の意図あってのことだが、あまり功を奏してないような…た だ、日本では無名俳優ばっかりなので日本人が観たら普通にドキュメンタリーと思うだろう。何 を伝えたかったかというのは、DVDに収録の監督のインタビューを見ればわかるんだけど、そ れが無きゃどうということもないかなぁとも。日本にもこういうのはかつてあった話だろうし。 で3人の子供を育て上げたベーカリー・カフェの女社長。元夫とは時折、共通の友人のパーテ ィなどで遭遇するが、元夫の若く美しいが上品とは言えない再婚相手を見ると落ち着かない 日々。末っ子の大学卒業を機に何かと顔を会わせることが多くなったが、メリルには他にも気 になる男性がいて…と、確かにややこしい熟年の恋愛模様。しかし、メリル・ストリープも元夫 役のアレック・ボールドウィンも見事に齢がいってて、アメリカっていくつになってもお盛んなんだ なぁ、と感心するやら、あきれるやら。熟年の恋愛を描くなら「恋愛適齢期」のように、もうちょっ と魅力的なキャストにしてほしかったなぁ。 師丸ひろ子とオカマ役の石橋蓮司というキャストの芝居が良かった。これを見たら、誰にでも今 のうちに優しくしとこうと思うんじゃなかろうか(笑) 意外で面白かった。 一つの仮説が成り立つ。多くの人が朱に交われば赤くなるのに、自分を持ち続けるのはとても 大変なこと。よっぽど強い信念を生まれ持っていなければ。 た途中こん睡状態に陥り亡くなってしまう。ショックを受けた同病院に勤務する女医は原因を究 明しようとするが、邪魔が入り、命を狙われる。最後の最後まで緊張感を保たせるのはマイケ ル・クライトンの手腕だろう。 が演じているので、誰がいつやらちょっと混乱する。もっと時代の翻弄されたところを強調する かと思いきや、意外と時代背景は描かれているところが少なく、どちらかというと、不幸なのは 本人達に依るところが多いと言わざるをえないくらい、我の強い(ある意味非常に中国人女性 らしい)、男運の悪い3世代。3人とも結局男に逃げられているので、非常に見る目がない、と いうか…。祖母の母は自殺するし母も自殺するのだが、何も死ななくても、と思ってしまう。3世 代目の莉莉の夫をリウ・イエが演じているが、チャン・ツィイーとは北京演劇学校の同期らしい ので、なんとなく見ているこっちが感動したりして。(本人達は何とも思ってないかもしれないけ ど。)祖母の恋人は姜文、母の夫はルー・イーと、よく考えたら豪華キャスト。我の強い中国人 女性というのもチャン・ツィイーにぴったりかも。そう考えるとキャスティングは間違ってないな。 くと思ってた。恋人っていう書き方もあるようだ。 きけない娘。ちょっと設定がそこまでせんでも、というくらい不遇。田舎の自然や、人々の交流 は面白く描けている。ただ、ラストの朱霊(家寛が片思いしている村一番の美人だが、付き合っ てた青年の子を妊娠。青年は街へ行ってしまい行方知れず)が風船につかまって飛んで行っ てしまったというのは…。もっといいラストシーン作れたんじゃないかなぁ、とそこだけ残念。 が、腹話術の人形ファッツに翻弄されて、自分を見失っていく。腹話術にしろ、何かに自分を投 影させる職業の人なら、職業病というか、こういうことに陥りがちなのでは…ありえない話では ないと思える。腹話術人形の声もホプキンスが演じているのが凄い。 ないな、と改めて思った。軍人になる、あるいは武器を持つと偉くなった気になるんだろうか。 何故無抵抗の人にいきなり暴力をふるえるのか。全く分からないからこそ恐怖倍増。下手なホ ラーより怖く感じる。 ピを日々実践するジュリー・ハモンドの物語が平行してつづられる。演出は面白いが、肝心の ストーリーは、何にも面白くない…のは私が料理が嫌いだからだろうか…?2人とも実在の人 物で、Based on true storyなのだが、よくこんな本が出版されたもんだ。 アメリカB級娯楽映画的なものを作るのが意外だった。チャン・ツィイー自身がプロデュースし た念願のラブコメだが、どうということもない…。 秀俊や木村多江の昭和っぽい地味さに、広末涼子や中谷美紀の凛とした美しさがぴったりハ マっている。 トしたらしいが…登場人物誰にも共感できないし、話も何が言いたかったのかよくわからない …海がきれいだなぁ…くらいか…。 終わり、というのはちょっと物足りないような気がするが、最後のナレーションにあるように、日 本の会社でのポスト争いなど、大自然を前にすると「なんとささいなことか」と思えるものなのだ ろうな…。公開当時のインタビューで渡辺謙が「棺が体育館にズラーっと並べられてるのを見 たら、もう何とも言えないんですよ。」と涙ながらに語っていたのを思い出した。会社側を泣きな がら責める遺族を見て、二度とこんなこと起きて欲しくはないな、と思ったが、つい最近やはり 見たのを思い出した。JR福知山線の脱線事故だ。繰り返してはいけないことが繰り返されてし まった。日航事故の遺族もあの報道には心を痛めたのではないだろうか。 いでしょうか? きれば、更に良かったのでは。 抱えている問題を鋭く切り取った群像劇になってて良かった。アメリカに帰化するときって宣誓 式というのがあって、参加しないと市民権得られないんだ…ということもわかって面白かった。 てしまってオチがわからないんだけど…だってわけわからなくて退屈だったんだもん…orz オリジナルはペネロペ・クルスが吹き替えてたらしい。オマケにもっとメイキングを見せて欲しか ったな。 良かったんでは? ろうに…。 が、使い古された感じがしてきた。 うんだけど…別エンディングを入れてしまったがために、せっかくのノンフィクションっぽさをか き消してしまった。まぁ、フィクションだろうけど。「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」の手法がまだあ るのか…。 った。英語圏でも「少年A」という言い方をするのだな。 から綻び始める。ついには事件の犯人であることがばれ、職や友人を失い、追い詰められて いく。日本も凶悪事件の低年齢化が久しいので、対岸の火事とは思えない。「酒鬼薔薇事件」 を思い起こさせる。出所時かなり話題にはなった。マスコミのあり方や報道の仕方に一石投じ るためなのか、加害者の少年をかばう意図があるのか、物語の結末からは作り手の意図は測 りかねる。凶悪事件を起こした少年達のその後を追うドキュメンタリーでもないもんかな、と思う が、人権やらなんやらでダメなのかな。イギリスでは10歳の子供が3歳の子供を殺した事件で、 実名顔写真報道が物議をかもしたが、子どもの写真なんて大人になったらわからなくなるし、 名前も偽名を使えばわからないので、たいしたことではない的な話もあったな。でも、子どもで も実名顔写真報道でいいんでないか、と思う。殊に凶悪事件だと例え子どもでも、社会的制裁 は受けるべきだろう。それが社会のルールだとわからせるためにも。 な子を持つ親だったら、と両方の立場から考えてしまう。どちらかと言えば親の立場の方を強く 感じるが、本当にどうしていいかわからなくなるなーと思うと、下手なホラー映画より怖い。無軌 道な思春期の子供を、冷静に説得できるのか。「悪いことは悪い」「何故していはいけないの か」をちゃんと教えて納得させることができるのか。等等、人に理解させるって難しいことだな ー、と考えさせられた。 ド」を調べてわかったことも多い。特にポーランドの戦時中の立場がわからないと、観てる途中 でこんがらがる可能性も。私は実際こんがらがりました。 人って老けるの早いとホント思う)。事件が今だに尾を引いてること。今年4月10日に事件の追 悼式典があったが、大統領夫妻他政府高官が飛行機事故で亡くなっている…などなど。ポー ランド映画やポーランドそのものが全く縁のないものと思っていたが、案外知ってることが多か ったのがポーランドという国を調べてわかった。ま、そんだけだけど。 達はだまされたのか、彼は何故荒唐無稽なウソでだましたのか、が全くわからない。まるでコ ント。堺雅人もやりにくかったんじゃなかろうか、と思うくらい感情移入しにくい。実際の事件や 本人の顔を調べようと思ったけど、どうしても本人の写真は見れなかった。どんな顔してるのか だけが非常に気になった。 り方で今一つ。途中まで真面目に推理してたのがばかばかしくなってしまうラストだった。 犯人、動機、真実が証言者ごとに変わる…という、「羅生門」的話。監督、脚本家ともに「羅生 門」的なことは認めているが、ラストはきっちりカタを付けており、成功と思える。ジョン・トラボル タが悪役もできる怪優だけに、ラストまでどっちに転ぶかわからないスリルがある。 ラエル、パレスチナに肩入れすることなく、常に真実に忠実に撮影している。彼が撮った写真を もっと出して、言いたいことを全面にだせばよかったのに。イスラエル人にもこんな人がいるの か、といろんな意味で驚いた。
スペインとも相性悪いみたいだ…。何が言いたい映画なのかさっぱり。
フランスのヌーベルバーグと私は相性悪いみたいだ…。何が何やらさっぱり…。
大学の宇宙工学の研究室に入り教授に見込まれる。だが教授の説と違う方向へ学説を展開 させたことから、教授と溝ができ、卒業も論文も認められず、凶行へ走った。 カで認められなかったくらいで殺すだろうか…最後に説得力がなかった。ラスト以前の、才能を 妬まれ芽を摘まれるということはあり得る話だっただけに勿体ない。リウ・イエの英語はチャン・ ツィイーよりよかったんじゃないだろうか。チャン・ツィイーと同期なのに彼のハリウッド進出は あまり話題にならなかったのは何故なんだろう…人気の差か?
「私達はただ生きてるだけでいいんです」
ラストシーンでの松たか子のセリフ…いいのか?迷惑なヤツと思ったが…。
か?登場人物の行動も考えも全く意味不明…アーティスティックというんだろうか…?香港の ウォン・カーワイとは全く違ったアートな(?)映画…? 爆弾解体に挑み、陸では警察が犯人に翻弄される。客船の乗客は事実を知り、パニック一歩 手前で過ごす。 てすごい。手作りでもこれだけのものが作れるんだぞ、といういい教訓(?)になるんじゃないだ ろうか。 てみたのだが…カンヌと私は相性が悪いらしく…正直どこがいいのかわからない…。商業主義 的な見せどころ満載の映画に比べ、どこがヤマ場なのか、盛り上がってるのかどうかわからん 筋運びが面白いといえば面白いが…ラストも唐突であっけなさすぎてどう反応していいのかわ からんくらい奇妙な印象。 年3人が、結婚のためパキスタンへ行き、ほんのついでの旅行でアフガンへ行くとタリバン兵に 無理やり仲間にされ、挙句米軍に捕まりタリバン兵として拷問尋問を受けるはめに。 はこうして作られるというゾッとする話だが、やはり無理やり兵にするタリバンも怖い。 疎遠な父、働かなくても食べていけるが生きがいを持たない息子の複雑な関係にあった。 錯者の狂気の犯行で、特に注目することもないような…。 き合っていたが、妊娠発覚後中絶させて逃げたマー・ジャンセン(チャップマン・トー)はマカオ 返還前に一斉摘発に怯える汚職警官。マーを父と信じ付いてくるビッヤンを憎からずおもうよう になるマー。返還前のマカオを舞台に抒情的な背景が画面を彩る。何気ない日常が「いいもの だ」と思えるような映画。 だくさんの家庭へ預けられることに。シングルマザーで常に金に困っている母親は、イライラか らついシルビアに手をあげるが、次第に過激になっていき、ついには殺してしまったという話。 たたない、と証明してるようなものだ。 イツ人少年の友情物語なんだろう、いつしかユダヤ人少年がいなくなって後年ドイツ人少年が 真実に気づくというような話を勝手に思い描いてたけど、さにあらず。物語が急展開するにつ れ、大丈夫だよな、どっかで助かるよな、という見るものの希望を打ち砕く壮絶なラスト。この話 が事実かどうかはどうでもよくなるくらいの、単にお涙頂戴に終わらない、ユダヤ人虐殺という 厳然たる事実に改めて戦慄を覚えるようにできている、というとてもよく練られた映画だった。 をさせるとうまい。退廃的な雰囲気がルーズにならず素敵なんである。しかし、この話の役は怖 い女だな〜と思った。 ったろうなぁ、と思った。 すな。終わり方もすっきりしない。 力あるサスペンス。アクションもストーリー展開も申し分なし(*^_^*) ろをうまく笑いにしてあるのもシャレた面白さだった。 い。確かに見る影もないな…というくらいの容貌だが、やはりそれを上手くいかしてた。格闘技 に興味ないので乱闘シーンが長いとうんざりしたが、お決まりのお涙ちょうだいにならないラス トシーンは良かった。 ら、起伏はあった。原作とは関係ない話ではあるものの、この人(大島弓子)の描くマンガ同様 の感情のヒダというか奥深いところを上手く映像化してあって、ファンも納得ではないだろうか。
大島弓子のマンガを読みたくなったぞ(*^_^*)
「南極料理人」を見た後に観ると、同じ南極を舞台にここまで違う作品が作れるんだなぁと感
心。 という舞台も上手く生きてて、楽しめた。日本人でも上手くできたんじゃないかというストーリーと 演出。ソン・ガンホ役はビートたけしだろう。 ぁー(゜o゜)全て夢オチならぬ妄想オチ?ってひどくないかい? 陸のリウ・イエ、正義の警察官を香港のニック・チョンと今では珍しくないが、ファン的には美味 しい台・港・大陸入り混じった香港映画。ただ、当然バービーとリウ・イエは北京語、ルイス・ク ーは広東語。これで会話が通じるのが不思議だ。スジは読めるんだけど、この不況下にしては 制作費もかかっていて見ごたえはある。アーロンの「ディバージェンス」、イーキンの「ヒロイッ ク・デュオ」のベニー・チャン監督作。ルイス・クーがカッコイイ(*^_^*)良く見るとめちゃめちゃハ ンサムではないか!リウ・イエは最近悪役ばっかりだな…。 人少女とともに家出をする。母の秘密を知るための旅だった。着いた先は黒人3姉妹が暮らす ピンク色の家。オーガスト、ジューン、メイ・ボニーライトは養蜂を営んで静かに暮らしていた。リ リィは養蜂を教わりながら3人の暮らしに馴染んでいくが、黒い聖母の秘密に触れ、母の秘密 とも向き合うことになる。
棺が運び込まれたとろは、少女ばかりの学校。棺の中には少女。社会と隔離された森の中の
学校の秘密。 ACHIKOなんだなぁ…ややこしい(-_-) いうよりノラばかり…それもたっぷり観れるならいいけど、ちょろちょろ画面に映るだけで、それ も堪能できない…。低予算も極まれりで何も見どころがない。残念。 レート」と違って、終始冷静で無表情な男性を演じているけど…いくらなんでも男役って可哀そ うでは…。確かにゴツい感じはあったけど、男と言われるとそうでもない、と思える。ただ、話は あまり面白くもなく…。コツコツ性転換の手術費を貯めてきた青年が手術を一週間後に迎えた 時、自分に息子がいるという知らせが。16歳になる息子は少年院から出てくるが、母親は亡く なっている。あくまで女性として接したいブリー(本当の名前はスタンリー)は、父親であることを 隠して教会から迎えに来たと偽り息子を実家へ連れていくことに…。最初と最後で主人公は確 かに変化しているけど…どこがどうとはわかりにくいというか、どうでもいい変化というか。もう 少し共感持てるくらい心情をつづっても良かったのでは、と思う。 よ、こんにちは」の作者で破天荒な人生を送った末に孤独死した女性作家」という最低限の知 識なくしては観れないのは映画とは言い難い。ただ、サガンを演じた女優は10代から(確か1 0代でデビューしたんじゃなかったっけか)晩年まで演じて凄いなぁと思った。本人は一体いくつ なんだろうか? が、2時間もない映画では語りつくせないというか、はしょってる感があり、もっと知りたくはなっ た。思いつきで結婚、出産したものの、夫も子供も孤独を埋めてはくれず、ただ「寂しい」と嘆く 老女と確執があったのであろう子どもの関係も映画では描写が浅くて、物足りない。でも彼女 の晩年を見て自分の終末も考えずにはいられなかった。 た!)。サガンは1935年生まれ69歳で2004年死去。18歳でデビュー後作品よりもスキャン ダラスな生活に注目が集まったとか。まぁ、それぐらいなんですが。
最初に「この物語はフィクションです」と出てしまってるので、ドキュメンタリー形式で話が進行す
るが全く真実味がなく…一体何を訴えたかったのか。最後に「こういうことかな」という目星は付 くものの…911もイスラムによるテロも対岸の火事の日本からすると、だから何で終わってしま う。 腹を立てているのか明確でないので、テーマも明確でない。祖母がなんで外人なのか、ハーフ であるはずの母が完璧日本人にしか見えないりょうって…マイも全然クォーターに見えない…。 祖母が何故日本に来てどう暮らしてきたかの方がよっぽどドラマチックであろうことの方が気に なってメインストーリーに全然魅力がなかった。日本のターシャ・チューダーのような生活を営 んでる祖母の生活は理想にも見えたが、実際大変なんだろうな。 名サチコ・パーカー。生粋のアメリカ人ながら両親が親日家だったためサチコと命名されたらし い。本人は2〜12才まで日本で過ごしたので日本語は堪能だったとか。なんと「バック・トゥ・ザ・ フューチャー」にも出てたらしい。設定ではイギリス人だが、日本に来た経緯は書いてなかっ た。以上。 く、淡白な話。たまにはこんな話もいいのでは。低予算が気にならないほど、あっさりした話。 出がもう少しテンポ良ければ満点だったんだけども。ジュード・ロウのワトソンとロバート・ダウ ニー・Jrのホームズはなかなかはまってて良かった。あとはめぼしいキャストもなく…もうちょっ と華のある女優だとよかったのに。ワトソンの婚約者メアリーにしろ、ホームズの想い人アイリ ーンにしろ。悪役も知らない俳優だったし。で、ロバート・ダウニー・Jrは日本にこれたんだろう か?確かドラッグで3回捕まって実刑くらってるんだよな…ジュード・ロウは来てたんだけど、や っぱり入国できなかったんだろうか。 ダジョーの北京語はなかなか上手い。日本人俳優が必要な意味は何なのだろう? ゃそれに越したことはない」くらいの意味だろう。出てくる家族は大きな中華料理店を営む夫婦 とその3人の子供とそれぞれのパートナー。長男は留学中にABC(American Born China =中国系アメリカ人)の嫁をもらい、二男はタクシーの運転手の仕事中に家出娘(これがなんと 中国を代表する女優周迅!顔は南果歩そっくりである)を家に連れて帰り、末っ子の長女ラン ラン(マギー・チャンそっくり)は仕事を辞めて密かに家業を継ぎたいと思っている。当然アメリ カ人の嫁は両親と価値観が合わなかったり、二男は家業を継ぎたくないと逃げ出したりといろ いろ問題噴出なのだが、このドラマの見どころはこの家族の生活レベルの高さじゃないだろう か。一人っ子政策のはずが3人兄弟だし、上流階級でも毎日は飲めないというコーヒーの聖地 スタバによくコーヒーを飲みにいってるし。普通の家庭を移しているようでいて、実は中国人か らみると高根の花の生活。中国人と外国人では感想もかなり違うだろうなぁ。 ストの豪華さに期待したんだけども今ひとつ。スカーレット・ヨハンソンは確かにセクシーで女優 陣の中では唯一魅力的だった。お久しぶりのジェニファー・コネリーも疲れた主婦が似合って はいたんだけども。ジェニファー・アニストンもブラピと破局後の人生そのままでは、って感じで よかったんだけども…。 タッグ)も観たけど、オーナーの誘拐事件を軸にコンパクトにまとめたな、という観やすい点が 大変よろしい。オーナー役がなだぎ武に見えてしょうがないんだけども…ゲイのパティシェ以外 ハンサムに見える人もいないんだけども(笑) 違う結末だそうで…確かになんか肩すかしな終わり方だなとは思ったけど。それを差っ引いて も、イタリアは美しい!眼の保養にもなりました。クリスマス公開だったってことを忘れないよう にしないと…このどんちゃん騒ぎはなんなんだ…と思ってしまった(^^ゞ かと思ったが、さすがにシリアスでそれはないか(笑)
ジェイク・ギレンホールって眼がでかいなー。アンソニー・エドワーズ、ヅラ…毛たし過ぎ!って
以外映像になってどうということも…。
ストーリーはあんまり…なんだけど、ソン・スンホン、クォン・サンウ再共演!で、目の保養には
なった(^^ゞ
しかもそれが韓国映画とは…!!いや、本当自分でもびっくり。韓国映画にここまでやられる
とは!本当いい映画でした! ての恋人シュベールはまだマイクと別れたつもりはなく…。「ミザリー」を彷彿とさせるサイコスリ ラー。美人って、ちょっとイカレた役がしっくりきますな。まぁ「ミザリー」なんで結果はわかってる んですが。 …という単純明快なんだけど罪もなく華やかで笑える映画。結構面白かった。
1000円の日だったんで観に行ってしまいました。久々にまだるっこしい、「焦らす」演出のうま
い作品だったな。殺人犯の家に忍び込んだ被害者の妹が証拠をつかみ逃げるまでのシーン が、スティーブン・キングの「ゴールデン・ボーイ」を彷彿とさせる手に汗握る緊張感!14歳で 殺されたスーザン・サーモンの漂っているあの世とこの世の境目(between)は綺麗で幻想的な 世界で画面も美しい。ただ、ラストはあれでよかったのかな?と最初は疑問を感じた。卑劣な 殺人犯は天罰が下ったとはいえ、彼女の遺体はまんまと始末されちゃってるし、やはり遺族と しては、遺体の確認もしたかっただろうし、犯人の証拠は手に入れたものの、法の裁きを受け るところも観たかったのでは、と。崖から落ちて死にました、ではやりきれないのではないかと …。そこまでリアルに描いてしまうのはこの映画の本懐ではないということだろうか。よく考える と、復讐がこの映画の言いたいことではないということがわかってきた。スージーはbetweenか ら「憎い!あいつがすべて奪ったのよ!」と憎しみを口にするけど、最終的に得たかったもの は、事件後の母の気持ちを自分を失った「悲しみからの逃避」から自分という娘が存在したと いうことを認めて改めて愛してくれていたという事実へ向かせること。事件後、狂ったように犯 人を探す父親と対照的に、母親は娘を亡くしたことの辛さから逃れよう、忘れようと家を出る。 物語は母親が帰ってきて、スージーの部屋へ入り窓を開け日差しを浴びるところで終わる。 「お母さんに入ってきて欲しかったんだ。」家族を襲った悲劇から、家族が立ち直る再生の物語 だったからだろう。
テレビ放映だったんだけど、借りようか、どうしようかと思ってたどこだったんで観てしまいまし
た。単純に笑えて面白かった。谷原章介のはじけっぷりがよかった。案外コメディ好きなんじゃ ないだろうか。それにしてもレオン・ライに似てるなぁ…。
毎日映画見てると、この手のサスペンスものは、大体筋が見えてきてしまうようになった。一番
世話を焼いてくれるヤツが実は犯罪の黒幕だったりするのだ。これも例にもれずそうだった。 残念。 ーン・ペンである。ハーベイ・ミルクという人の何が特別なのかというと、ゲイであることだ。ゲイ のイメージがつくのが嫌で、ゲイ役は引き受けない役者がアメリカには多いと聞くが、ショーン・ ペンぐらいになれば、こういう役を敢えて選ぶのだろう。 の支援者は怒り狂ったそうだが、そういう判決がまかり通るのも、またアメリカなのだ。つまり 差別が強い社会。多くの観客が社会と戦うマイノリティに引きつけられ、いろいろな感想を持つ だろうが、私が注目したのはハーベイの恋人たちだった。最後の恋人ジャックは自殺した。過 去付き合った5人も自殺未遂をしたという。ハーベイがそれだけ恋人を顧みないということもだ が、恋人の気を引くために、命を捨てるられる神経を不思議に思った。それだけ。 スなオチ…。シックス・センスのようなオカルト色がなかったので、この終わり方は唐突すぎてあ まり納得いかなかった(-"-)
若く明るい女の子が、グレた男を立ち直らせるが、女の子は不治の病でこの世を去る。と、こ
れだけの筋で手を変え、品を変え、国をまたいで、いつの世にもある話。映像を見るとかなり 昔の映画。因みに、日本語吹き替えは誰かわかりませんが、女の子の声が大根もいいところ でした。ここまで役者の演技を邪魔する声優もなかなかいまい。
TVドラマ相棒シリーズのスピンオフ。鑑識って面白そうだなぁ。米TVドラマ「CSI」でも注目され
ているし。この映画自体はすごく地味(笑)相棒自体、派手さはないのに輪をかけて地味。脇を もっと豪華にしてもよかったんじゃないかなぁ。 いのに。釈然としない。日本が舞台で日本人が主人公のハリウッド映画。殺し屋レインがあま りにも泰然自若とし過ぎてて、敵のCIAがやたら泡食ってるんで、別に「この先どうなるんだ」と いう緊張感もなく、むしろ「どうにかなるんだろう」という変な安心感がある。これってサスペンス にはあるまじきことではないだろうか。椎名桔平のレインはハーフには見えないけど、英語は 上手だった。相当特訓したのかな。嫁(山本未来)もバイリンガルだし。CIAの適役にはゲイリ ー・オールドマン。久しぶりに見たらえらい年取ってて驚いた。で、ラスト近くレインと対戦(とい っても舌戦)する二人。いかに日本人が無表情でアメリカ人(ゲイリー・オールドマンはイギリス 人だが)がオーバーアクションかがわかった。やたら一人でわめいてるようにしか見えず、レイ ンの憮然とした態度に拍車がかかって見える。それが見せたいところなのかというと、そうも思 えない。結局レインという人間の魅力を引き出せずに終わったんじゃないか、というところに残 念さを感じる。素材は悪くない、演出でもうちょっとよくなったんじゃないかと思える。
このベタが好きです。ベタすぎて、わざとらしく感じたら嫌いだろうし…好きか嫌いかにキッパリ
別れそう。外国のコメディはわからないのが多いけど、こういうマンガみたいのは万国共通に 面白いかな。でも同系列のMR.ビーンはちょっと…どこが違うんだと言われると困るけど。と にかく笑いたい人におすすめ。 主人公は世界をまたにかけ活躍するのが見どころの一つでしょうから。主役の俳優どっかで見 たなー、と思ってたら似たようなサスペンス映画「ディプリシティ」で観たような。声(吹き替え)も どこかで聞いたような…と思ってたらTVドラマ「ドクダー・ハウス」のハウス役の人だった。
肝心のストーリーはなんだかよくあるサスペンスもので特に面白くはなかったけど、やっぱり
ロケ先の豪華さがすごかった。でも、そんだけってところが残念。
ツキイチゴロー(TV「スマステ」の映画コーナー)でゴローちゃんが絶賛してたんで…期待が多
き過ぎたな(-_-)「映画もここまで来たか!」というからもっと凄い3Dを期待してたんだけど…ち ょっと奥行きがあるくらいで、これくらいならディズニーにでもあるんでないかい?しかもそのた めのメガネが、自分のメガネを押さえつけるので痛い!うまくレンズの距離が取れないのでよく 観えないし、痛いし、暗いし(3Dメガネとったら画面がすごく明るかった)と普通に見てもよかっ たかも。それならディズニーまがいの内容なんで観に行かなかっただろうなぁ。ゴローちゃんが 悪い!! 映画をつぎはぎしたような。「これは「ナウシカ」、ここは「もののけ姫」、これは「戦国自衛隊」み たい〜(-_-;)」。いちいち突っ込んでられないや、というくらい突っ込みどころも多く、特に目新し さは感じなかったなー。でも「タイタニック」に次いで興行成績いいらしい。つまり歴代2位。しか もどちらもジェームス・キャメロン監督。どれだけ稼ぐのか…と下世話な想像で終わった。
のっけから凄いCGの嵐でアニメ観てるのかと錯覚するほど。その割にストーリーは薄弱な感じ
で途中で寝てしまいました。残念。
これも伊坂幸太郎原作。でも原作よりは良かった。原作のわかりにくいところ、いやハッキリ言
ってわからんところを映像と補足説明でちゃんと見せてくれた感じ。ちゃんと原作通り春役は美 少年を配してくれてたし。「最強の家族」の割には父親役に小日向で「最弱」な感じはしたけど (笑)。父親役は勝手に別の俳優をイメージしてたんで。こりゃ要らんだろう、というエピソードや キャラも適度にカットしてあって、「あ、監督もそう思ったのか。」と自分の感覚に自信持ったりも して(^^ゞあれだけ(無駄に)長い原作をコンパクトに要領良くまとめてあって演出の腕に嘆息し ました。
伊坂幸太郎の原作もあまり…だったんだけど、やっぱり映画も散漫なもんでした。「アヒルと鴨
のコインロッカー」はまぁまぁ面白かったんで、映画になったら大丈夫なのかなぁと思ったけど …これは映画になったら、もっと駄目だった。
レベッカは買物依存症の雑誌記者。クレジットカードで服や靴、カバンを買いまくり、毎月返済
に追われているところ、勤めている会社が倒産し失業。偶然経済誌に採用され、匿名で記事を 書いたところ大当たり。グリーン・スカーフ・ガールとしてクレジット社会や浪費を分かり易く説明 した記事と、自身の浪費癖の間で悩むレベッカにクレジットカード会社からの取り立てが追い 打ちをかける…!という内容。話が進むうちにも、ショーウィンドウは彼女に誘いをかける。そう そう、そうだよなぁ、と買物が楽しいと思う人なら、必ず共感できるかも。ただ、自分が何故そう ならないかもわかる。単純にショーウィンドウの中のものが、自分に似合うとは思えないから だ。可愛い服を見れば欲しいと思うでしょう。靴を見れば欲しいと思うでしょう。でもそれを自分 が身につけたら…途端にぼろに早変わり。容姿に自信のある人でないと次から次へとは買物 できんわー。
自分の場合別のモノに行ってしまうという難点もありますが…本とかCDとかは悩みに悩んで選
びぬいて買ってる…つもりなんだけど、とにかく買ってはしまうという…(T_T)どーにかならんもん かなー…と思うな、つくづく。 「何も言わないでそばにいてくれるのが、初めてだった。」と伝言を受けるシ
今の日本には人ごとではないですな。
泣くまいぞ!と構えて観てたのを差っ引いても…泣けませんでした。
逆にフランキー堺のを観たいと思っちゃいました。
分でさんざん突っ込んだので悪しからず。
いい話でした。ただストーリーは書けません…ここでは…(^^ゞ
観て損はないと思いますので、一応推薦しておきます(*^_^*)
これは1000円の日に映画館にまで観に行ったんですが…1000円返せ…!
前作「ダ・ヴィンチコード」より面白い!という宣伝文句に間違いはありませんでした(*^^)v
何故西部劇…何故源氏と平家…何故全員英語…全てが謎で、謎のまま終わる…。
しょう。
しても良かったのでは。
ない?というちょっとオマヌケな映画でした。
ない(T_T)
つき…要らないからもっと安くしてよ…(泣)
うか。お父さんが何故ピエロをやっているのかを…あれは20年前…」男性は1944年の夏の
日のことを語り始めた。
持ちが残る佳作であった。
現れ、対応に大わらわだが、決して首をたてに振らないトゥヤー。というのも元夫と別れる気は
モンゴルの強い女性の話。
これもウィル・スミス主演。実際の息子と共演ということでも話題になった。
原作を読んでから観たんだけど、原作のいい部分が活かされてないような気が…。
原作読んでもそうだったけど、種明かしされても専門的でわからない。
という実際にあった話ので当時南北朝鮮対立のテーマの映画「シュリ」「JSA」に続き大ヒッ
お笑い芸人劇団ひとり原作の同名小説を映画化。
いう感じでした。
「夕凪の街 桜の国」 ★★
こうの史代さんの原作を映画化したものですが…もう少し原作寄りにしてほしかったなぁ。
特に、夕凪のほう。「ほう」っていうのは、この話が2部構成になっているからです。まったくのオ
ムニバスではなくて、前編、後編で一つの話になってます。「原爆モノはもういいよ(T_T)」という
人にもお勧めかも。
原爆そのものに被爆せずとも、被爆の怖さが少しずつ、少しずつ主人公に近づいていくのは、
怖いです。
やっぱり映画より、本(マンガ)をお勧めします。
「ワールドトレードセンター」 ★
思ったより早く出てきましたね、「911モノ」。
911時の奮闘ぶり、ラストは全員ガマン辛さを推して共に正義を振りかざし、大救出劇賛。ラ
ストに救出に携わった軍人の言葉
「戦士がすぐに必要になるさ。報復だ。」たくさんの人々がこのテロで命を失ったと結んである。
では、声も挙げられず、米軍の爆撃で死んでいった、アフガンの子供や、イラクの人民に何の 落ち度があったというのか。
オリバー・ストーン監督とは意外だ。
反戦派だと思ってたけど…どっちでもいいのか?
「アイ アム レジェンド」 ★★
ちょっと期待してたんだけど、期待はずれというか、予想通りというか。
ウィル・スミス以外ほとんどキャストなしなんだけど、VFXバリバリで製作費が安いのか、高い
のかわからない。
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