オランダ・ベルギー旅行記
2011年9月16日〜21日
 9月16日朝8:30関空集合のため、5時起きの6時過ぎに家を出発。無事8時10分に到着。
阪急交通社「KLMオランダ航空往復直行便で行くオランダ・ベルギー芸術紀行6日間」。オラ
ンダというか、アムステルダム行には特別な思い入れがある。2001年(まだユーロ導入前だ
った)スペインへ行って、世界3大名画のうちの二つ(プラド美術館ディエゴ・ベラスケス「女官た
ち」、トレド エル・グレコ「オルガス伯の埋葬」)を観てから残る一つをいつか見に行こうと思っ
てから、早10年。やっとこのときがやってきた。スペインで西洋絵画に開眼してから、イタリア
にもトルコにもあちゃこちゃ行って自分なりに造詣を深めてきたつもりだ。満を持してのオラン
ダ行きとなった。
 しかし、はやくも問題発生。今回母と旅行なのだが、トラピックスの添乗員の説明でははや座
席は決まっていて、うちらは並び席ではないという。最近は並び席でないことが多いらしい。個
人客が優先されて、団体は最後にあいた所をあてがわれるらしい。なんでそんなことになった
のかは知らんが、KLMもご多分にもれず、そうなった、と。そうなってしまってるもんは仕方な
い、とスーツケースを預けに行くと、KLMの人が並びでないのに気がついて、「コンフォート・エ
コノミー」なるものを薦めてきた。座席がちょっと広く、リクライニングもちょっと多めらしい。追加
代金12000円だけども。母は迷わずそっちへ。12時間弱別々っていうのがかなり不満だった
らしい(笑)これがまたちっこいトラブルのもとにもなったが。
言わずもがなの円高で関空でユーロに換えておく。元職場の窓口に知り合いがいたので、ちょ
いとあいさつしたりして時間をすごす。
10時30分空路アムステルダムへ。

久々のヨーロッパ旅行。11時間はちょっときつかったのう。6時間もすぎてきたあたりから、暇
でしゃーなかったわ。ひどいのが映画が見れないこと。映画あるんだけど、日本語字幕か吹き
替えがない。1本だけ邦画があったんでしょうがなく観たけど(「SP2」めちゃおもんなかった)。

さて現地の17時ごろアムステルダム着。ホテル、クラウンプラザスキポールまでは15分程
度。で、着いて食事がホテルのバイキングだったんですが…ヨーロッパのバイキングってしょぼ
い…しょぼすぎ…。事前に添乗員さんから忠告。「こちらでは前菜、メイン、デザートの順で取り
に行ってください。日本人はあれもこれもてんこ盛りで取ってくる人がいるんですが…ヨーロッ
パではマナー違反ですから。」あれもこれも取ろうにも品数少なすぎ…。しかも美味しくない…ヨ
ーロッパは口に合わないのはわかってたけど、食事も旅の楽しみの一部。やっぱりがっかり。
その日は食事しただけで、寝ました。テレビはNHKすら映らない…。

 翌朝MCは7時15分、7時45分から朝食開始。とはいえ、他の旅行客とごっちゃでレストラ
ンはカオス状態。皿も料理も不足気味というスタート。朝食のバイキングも例にもれずたいした
ことありませんでしたわ。
 さて9時にホテルを出発。中央駅(東京駅のモデルになったという説があるが単にレンガ造り
が一緒というだけで別にモデルにしたわけではないらしいが、それが縁で東京駅とは姉妹駅ら
しい)、ダム広場を観つつ運河クルーズへ。運河から町を観たほうがよく観れるという、さすが
は運河の街アムステルダム。驚いたのは自転車の多さ。北京もかくやというほどの自転車大
国。北京と違うのは自転車専用道路があって、乗る人もどことなくスタイリッシュな感じ。

    これ全部自転車っすよ…。

 はてさて、現地ガイドのIさんを加え、自分のこの旅行のハイライトアムステルダム国立博物
館へ。スペインで世界3大名画の2つを観て以来いつか残る一つを制覇すると思いたってから
足掛け10年、やっと念願のレンブラント「夜警」を観ることができました。いやぁ、やっぱり壁一
面の集団肖像画は圧巻でした。添乗員Aさんは「なんで3大名画と誰が決めたのかわからな
い」と言ってましたが…確かに誰が決めたかはわからないんだけど、この3大名画の共通点は
一つ発見。いずれも作者が画中にいてこっちを観てるということ。エル・グレコしかり、ベラスケ
スしかり、観に来た人々を絵の中から作者がこちらを観ている。世紀を超え何百年も。そう考
えるとまたすごいな〜と思わざるをえない。「夜警」では一番後ろから片目だけ出してる控えめ
なレンブラントだけど、ほかの二人は堂々と絵に全身描かれてこちらを見据えてる。エル・グレ
コなんてこっちを睨みつけてるとも言えるほど眼光鋭いのだ。
 他にはフェルメールの「恋文」「牛乳を注ぐ女」「小路」も3点そろって観れました。
しかし昼食の時間があるからと、かなり駆け足で観たので、正直その他のフランス・ハルスや
ヤン・ステーンなど、今思い出すと観たかなぁ…と記憶があいまい…。ミュージアムショップにも
寄れなかったという残念なことに。
 急いで行った先の昼食はヒュッツポットというソーセージにマッシュした野菜をつけて食べると
いったものでした。

 これがヒュッツポット。右上のガーリックバターが美味しい。ソーセージはめちゃ柔らかくてお
いしかったです。忘れてたんだけど、ヨーロッパは食事時にいちいち飲み物を別注し個別に清
算しないといけないのが面倒ったらありゃしない。だいたいソフトドリンクは3ユーロ。
 食後、オランダの政治の中心地として栄えてきた街ハーグへ。マウリッツハイス美術館へフェ
ルメールを観に。ここでの目玉はなんといっても「真珠の耳飾りの少女」。他にも「デルフト眺
望」「ダイアナとニンフたち」もあるし、ルーベンスやレンブラントもフェルメールより多い。が、残
念ながら時間の都合でレンブラントらは十分観れなかった。今ミュージアムショップで買ったガ
イドブックを観ながら「こんな絵もあったのか!」と残念しきりである。

マウリッツハウス美術館

その後急いでデルフトへ。なんで急いだかというと、旅行会社の都合でもあるデルフト焼陶器
工房へ行ってデルフト焼きを買わせないといけないからであろう。工房が5時に閉まるからとあ
わてて向かった。私は当然買う気がない…陶器は嫌いではないが旅先で買うと手荷物になっ
て面倒なんである。とはいえ、小さいものなら…とアクセサリーのペンダントとブローチを買っ
た。これならスーツケースに入れても服でくるめば壊れまい。
その後、アムステルダムへ戻った。夕食はホテルで昨日と同じバイキング。全部終わって19
時くらいなので、比較的ゆったりした行程でありがたい。

 翌朝、7時30分、ユトレヒトへ出発。朝早いので店が開いてないし人通りも少なく閑散とした
印象。ユトレヒトといえばミッフィーちゃんであるが、ミッフィーショップに行くでもなかった。気温
はおそらく16度くらいだったろう、結構肌寒かった。散策(というか街の一角をウロウロしただ
け)後、オッテルローへ移動。ゴッホの森にあるクレラーミュラー美術館へ。ここでは時間がた
っぷりあった。目玉はゴッホの有名作品群。スーラやルノワールもあった。驚いたのは、普通
写真禁止だろうが、ここではフラッシュをたかなければ写真OKなのだ。せっかくだから「糸杉」
「夜のカフェテラス」と一緒に撮影。しかしどうしても罪悪感もわいてしまうので、周りの人ほど
堂々と沢山とれなかったが、今思うと滅多とないチャンスだったから、やっぱり撮れば良かった
…。

ゴッホ「夜のカフェテラス」
その後昼食へ。昼食はエルテンスープという郷土料理。豆のスープなんだが、そのあとに出て
きたクレープにびっくりした。でっかい焼いただけのクレープというかむしろ具の載っていないピ
ザ生地といった感じでデデーンと出てくる。いつもなら半分も食べられないところだがなんだか
貧乏症を発揮して完食してしまった。味が美味しかったわけでもないんだが…なんだかなぁ。
(阿藤海風…)クレープをこんな食べ方したのは初めてだったのでショーゲキだった。

件のクレープ。マッシュルームとハムが載っている。塩コショウ味。

さて食後はベルギーのアントワープへ。この移動はちょっと長く2時間半弱。ユーロ内の隣国な
ので当然税関なんぞないのでバスでスルー。違う国へ来たという感慨がないことに感慨が…。
到着してまずマルクト広場へ。市庁舎などが立ち並ぶ歴史ある広場だが、この日はノーマイカ
ーデーとやらでフェスティバルを催しておりいつもよりも大分人出が多かったらしい。もみくちゃ
である。そんななか、ノートルダム大聖堂へ突き進み、ルーベンスの祭壇画鑑賞。
 日本人なら誰でも知ってるあの「フランダースの犬」の最終話の舞台になったところである。
現地で合流した現地ガイドのMさんは「ネロが死んだのはこの絵の前です。」とご丁寧に教えて
くださった。そうかそうか、と思わずネロが横たわったであろう床のあたりを写真に撮ってしまっ
た…そんなワケないのに…。

ネロが眠る前に観た祭壇画

ノートルダム大聖堂

その後ブリュッセルへ。1時間弱で到着。夕食はローストチキン…特にまずくもなく美味しくもな
く…ヨーロッパってそんなもんなんかなーなんか美味しいものないものか、と残念に思う。ここで
のデザートはベルギーワッフルで、これは美味しかった!
残念といえば、今回の旅行で利用したホテルはアムステルダム(クラウンプラザスキポール)も
ブリュッセル(ウサプレジデントパーク)もとにかく周りになにもない。コンビニ(そんなもん元か
らないらしいが)はもちろんスーパーとか、とにかく繁華街からかなり離れた郊外。だから安い
値段でおさえられてるんだろうけど…何もなさすぎて困った人も多かったようだ。水を買いた
い、とかもあるが、現地の文化に触れるのにもう少し歩き回れるところに宿をとってほしかっ
た。この日も19時ごろ全行程終了。
翌朝、9時ごろブルージュへ出発。1時間半ほどで到着。ブルージュ歴史地区散策。マルクト広
場、市庁舎、鐘楼、ベギン会修道院。ベギン会修道院に手書きの日本語のプリントが置いてあ
った。いかにも女の子がボランティアで書いてくれたであろう字で修道院の歴史や建物につい
て詳細に説明してあった。もちろん頂いて帰る。

可愛いお菓子屋さんが立ち並ぶ。住宅も街並みもとにかく童話に出てくるような可愛さ。
昼食はクロケットなるものを食す。…コロッケじゃん…。昼食後、再びブリュッセルへ。
世界一美しい広場と言われるグランプラス、世界三大がっかりの小便小僧、市庁舎など観光。
世界一美しいというのは2年に一度広場に花が敷き詰められるかららしい。広場を囲む建物
はギルドと呼ばれる組合が使用していたものや市庁舎で歴史があって面白い。ちょっと路地へ
はいると壁にマンガ(タンタンね)が書いてあったりしてこれも可愛い。

ギルドが立ち並ぶグランプラス。1階部分はカフェテラスになってるところが多い。

世界三大がっかりとはいえ、そう聞いていたらさほどがっかりもしなかったが…。こんなもんか
ーという程度で。ただこの小便小僧世界各国から衣装が送られ(日本からも桃太郎の衣装が
送られているらしい)ているのに、私が見に行った日は…何も着ていなかった…。
ところで皆さんご存知でしょうか。私は知らなかったのだけど、小便小僧の近くにそれはひっそ
りとした路地にある小便少女の像を。こちらは何故か有名でもないし謂れも特にないらしいが
…そっちのほうが私はびっくりした。「それは気持ちよさげに」(添乗員Aさん談)放尿している像
に。ただ、残念ながら柵というか檻の中にあって写真にはおさまりにくい。残念。

これがその小便少女。
そして自由時間には、念願のベルギーワッフルの立ち食い(笑)正直、どうということもない、特
別ベルギーだから美味しいというほどのことでもなかったが…。ちょっと期待しすぎていたよう
だ。ベルギーといえばチョコレート!しかし特に銘柄によって美味しいというものでもなく…チョ
コレートはなんでも美味しいと思うのだが。ただ日本よりは格安という理由でゴディバで買って
みた。中国人が多かったのがちょっと気に障った…。
 夕食はブリュッセルのレストランでローストポークを食す。なんと旅行客(総勢35名)の中に
誕生日の人がいるというので、Aさん発案のもとサプライズでハッピーバースデーをデザート時
に歌うことに。御歳73歳のSさん喜んでおられたのが、こちらも見ててうれしくなった。ただ、ロ
ーストポークと昨日のローストチキンと昼に食べたローストビーフの味付けが皆一緒(ソースが
というべきか)というのが気になった…。

翌朝7時に3時間かけてキンデルダイクへ出発。風車群を散策。6ユーロ出せば風車の中を観
れるという。記憶に間違いがなければ、風車は13基。もう今は風車としては使用しておらず、
観光用に一つを解放してる以外はみんな普通の住宅として使用されてるので観ることはできな
いという。せっかくなんで6ユーロ払って見学。さすが風車のあるところ、風が強く肌寒い。中は
意外と広く、3階建ての3LDKくらいの広さがあった。当時の生活用具や模型、箱ベッドなどが
置いてあって見ごたえはあった。サービスかどうかわからないが、わざわざ風車の向きを変え
るところを実演してくれた。

さてキンデルダイクを観終わると、1時間半かけてアムステルダムの空港へ。これで今回の旅
はすべて終了。途中で書いた文句以外は悪くない、久々のヨーロッパ文化を楽しめた旅だっ
た。ここのところずーっとアジアだったので、やはり西欧文化も楽しいものだ、と堪能できた。で
きればまた近いうちに行きたいものだが…そうそう金も時間もないのが世の常人の常。また、
いつか…。2011/10/24了
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